「自立心」が育ち難い岩盤の様な土壌

 森友文書 喚問。「刑事訴追の恐れがある」として証言拒否に終始。テレビ生中継を見ていたが、とても疲れた。
  証人は、公務員としての役割、つまり「すべて公務員は全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」(憲法13条2項)を果たすのではなく、刑事訴追を恐れる一私人に戻っていた。
  「改ざん」行為を行った際「刑事訴追」を恐れなかったのか。恐れたが「損得」が「善悪」を乗り越えた、ということだろうか。一般人に劣る潔さは、もはや「優秀な官僚」の面影はない。
  その背景は根深く深刻だ。子どもの頃から人と同じ様に生きるメリットを叩き込まれ、加えて受験至上の教育環境。民主主義の前提である「自立心」が醸成され難い環境が岩盤になっているのだ。
  この「自立心」の弱さは、人生観に大きな影響を与えることになる。つまり、他人の評価を支えに、レースの様な人生を歩む。自分に対する他の評価がとても気になる人生観である。虚栄心、見栄が強まり、限界はない。「忖度」芽生え、生育する土壌である。
  確かに、「自立心」が醸成され難い岩盤を砕き、土壌改良することは容易なことではない。しかし、今すぐ始めなければ民主主義は死滅する。手遅れになる。国民総出の工夫が求められよう。
  例えば、ドイツの軍隊には、上官命令に逆らえる特例が存在する。行政庁は、ドイツ軍に見習ったらどうだろう。

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