今こそ国民の人格的自律を

  日本国は溶解し始めた。安保法制、共謀罪に見る強引な立法作業。森友学園、加計学園問題に見られる適正手続の崩壊。立憲的民主主義から多数決的民主主義へ大きく舵を切る安倍政権。それでも、安倍内閣の支持率は高止まりである。とても不思議な現象だ。
  考えられることは、まず、戦後生まれの人達の価値観が大きく変わったのでは。つまり経済、雇用、そして健康が最優先。平和、人権、適正手続などという言葉が国民に響かなくなったのでは。
  次に、そもそも人格的自律の弱い国民気質に通信機器の発達が拍車をかけたのでは。新聞離れ、読書離れ、学習離れ、しっかり「考える力」を奪い去ってしまった。
  憲法とは、国家権力を制限して人権を保障するもの。この定義が国民に届かなくなっているのだ。国が溶解しても不思議ではない。
  安倍政治によって、平和、公正、公平、平等、自由、適正手続などが歪められてしまった。国の危機を救うキーワードは、国民一人一人「人格的自律」である。

                                                                                  以 上