BS1「アウシュヴィッツは問う」を観て
私が、アウシュヴィッツ博物館を見学したのは2006年3月6日(月)。同博物館公認日本人ガイド中谷さんの案内であった。番組は、その中谷さんのドキュメンタリーである。
同博物館見学は永年の希望であった。これは、100年〜200年に一人出るか出ないかの逸材と言われる伊藤真さん(伊藤塾塾長・弁護士・安保法制違憲訴訟共同代表)から憲法を学んだことが動機である。学んだのは50歳を過ぎていた。見学した時は64歳になっていた。以下はドキュメンタリーを観た感想である。
NHKが今回のテーマを取り上げた主因は「極右政党の台頭」「英国のEU離脱」「トランプ現象」にあったと推察する。老若男女問わず「自立心」、つまり考えることの脆弱な国民性にびったりのテーマであったのでは。
日本人気質として「空気を読む」が、「空気を造る」側には立とうとしない国民性。これは何も若い人に限ったことではない。若い人達に見学した成果が現れるのに、かなりの時間を要すると思った。
私達は、とかくヒトラーにばかり目が行きがちである。しかし、彼を選んだのは国民である。彼を選んだ国民の検証をおろそかにすると何も教訓が得られない。今、日本では戦前回帰を狙う面々が政権の座についている。何をやっても、やらなくても内閣支持率は上がる。「考える」ことが停止した状態が日本を覆っている。地球単位で「考える」ことの重要性を強く感じる。
歴史は繰り返す。加えて。思考停止常態。理解しようとか、議論討論しようとか、という土壌はすっかり枯れてしまった。これは、とても危険な状態である。これからは、中谷さんの役割は今以上に重要になってくる気がしている。
以 上