憲法を学んで希望と夢を語ろう
「憲法とは、国家権力を制限し、国民の権利、自由を守るもの。ここでの基本となる価値観は『個人の尊重』(13条前段)。憲法はどんなことがあっても社会のために個人が犠牲になってはならないという価値観にたっているのです。これが個人の尊重です」(伊藤真の憲法入門)。憲法の講演で人を泣かせる伊藤真さん。このフレーズを学んだのは既に50歳を過ぎていた。何度ハンカチを顔に当てたことか。
「日本では何でもあるが、希望と夢がない」と語る若者達。閉塞感の漂う不確かで不透明な時代。しかも長寿時代。そんな中、一段と輝きを増す「日本国憲法」。希望と勇気を与えてくれる。是非一度「伊藤真の憲法入門」(1,700円税別)を手にとって欲しい。講義再現版のため、とても読みやすい。
権力は腐敗する。これは歴史の教訓である。だから、権力に対する監視、批判は緩めてはならない。安倍の暴走。人権感覚の麻痺した社会。更に、ネット右翼に翻弄される日本社会。憲法という音量を更に高めなければならない。憲法にそれらを断ち切る力があるからだ。その際、メディアの影響力は計り知れない。
議院内閣制のもと、内閣と国会の分別が出来ていないのでは、と疑いたくなる内閣総理大臣の発言。衆議院・参議院それぞれの本会議で行う施政演説において、憲法改正論議の呼びかけを行う。これは、権力分立原則に違反する。メディアはなぜ厳しく追及しないのか。メディアは世論を背景に体力を鍛えておかないと、権力は勿論のこと、ネット右翼にも対峙出来なくなるだろう。
「個人の尊重から派生する自由主義。これは『自由権』という人権体系、『権力分立』という統治体系に現れ、両者は目的、手段の関係にある」(伊藤真の憲法入門)。だから、「権力分立」が崩壊するということは「自由権」の後退を意味する。
まず、一人一人が出来ることを語りましょう。憲法の力で希望を取り戻す。安倍の暴走を止めるのは憲法の力しかない。
以 上