やさしきものは強くあれ
優しさは強さの裏返し。優しさは強い人間にできること。優しさは軟弱とは異なる。そんな思いで孫(小学6年)に勧めたのが空手である。習い始めて2年になる。稽古は週2回、一回の稽古は2時間である。
人間、障害の有無を問わず一人で生きていける人はいない。だから、助ける側にも回れるような人間になって欲しい。人に寄り添える様な人間。空気を読むのではなく、空気を作る人間になって欲しい。
その為にはまず、障がい者だから人の助けを受けるのは当たり前、という発想からの脱出を図らねばならない。その為には、「自立心」の醸成、つまり、自分で考え、判断し、決断し、行動する。その結果については責任を取る。この構造は欠かせないと考えている。その一助に考えたのが空手であった。
孫は、10月15日に行われた「全日本障がい者空手道競技大会」に出場した。父親と自分が同行した。会場は熱気に包まれ、選手の気迫は、観客席に充分に伝わってきた。障害を持つ子の親御さんの苦悩も聞けた。逃げてはならない、という教訓を改めて感じた。
孫の成績は一回戦敗退。正しくは失格であった。型の順序を間違えたのだ。本人が言うには「頭が真っ白になった」というのだ。試合終了後、しばらく呆然としていた。何の為に東京まで来たのだろうか、と後悔していた。しかし、スポーツを通じて得られる教訓は、実は負けた時に多くあることを私は知っている。孫の課題はハッキリした。一言で言えば、練習不足に尽きる。
以 上