時代に合わなくなった敬老会
主役は老人ではなかった。主催者であった。これが、敬老会(75歳以上)の招待券を初めて貰い、行ってみた印象だ。
確かに、招待券で入場、食事付きのアトラクションを見て、アトラクションが終わると同時にお開き。よどみのない進行は見事であった。しかし、スタッフ、お手伝いさん面々に「こんにちは」「よく来てくれましたね」等という言葉を最後まで聞くことはなかった。勿論、笑顔など期待すべくもなかった。つまり、老人を敬うというより、主催者である「社会福祉協議会」のために一生懸命動いていたという印象であった。
だが、収穫もあった。高齢者差別が目に見える形で浸食してきたな、ということを確認できたことだ。また、隣に座っていた80歳前後の二人のご婦人、「来年会ったら、また3人並びたいね」。これには元気の活力を貰った。
今や高齢者の環境は激変した。家族構成の変化は孫との生活を望めず、通信機器の発達は高齢者の知恵を軽視、そして、社会の集団主義的傾向は一段と進む。そこへ、長寿社会の到来だ。老人の孤立感は募るばかりだ。
高齢者差別は、個人の尊厳(憲法13条前段)の侵害ばかりか、社会の損失であるということを早く気付くべきである。
以 上