期待された女子マラソン
オリンピック女子マラソン、期待された福士選手。炸裂したのは、レースではなかった。レース終了直後マイクに向かって叫んだ内容だ。それが物議を醸し出しているのだ。
「金メダル取れなかったぁ!ほんとしんどかったぁ!暑いけどなんか、しんどすぎて、色々なことがしんどすぎて。でも、金メダル目指したから最後まで頑張れました」。「マラソンはね、きついな。ここまでの過程も、レース全部も苦しいけど、オリンピックのマラソンは出るもんだね。楽しいよ。苦しいけど。もう泣きたい」(Yahooより)。
苦しいレース後に、いつものスマイルでこんなにも喋れたのだ。何でレース中に、この滑らかさが出なかったのか不思議なくらいだ。私には、己に打ち勝つ勝負に完敗したと映った。そして、前者は選手個人の話。後者は日の丸を背負った人の話である。
己に打ち勝つ。私は、長い人生において金メダルよりも価値がある、と思っている。人生での金メダル獲得は、艱難辛苦が待ち構えているからだ。しかし、これは選手個人の話である。一方、勝負に完敗した。これは日の丸を背負った人の話である。ここには、国民の税金が使われているのだから、これに対するコメントをしっかりしなければならない。マイクに向かって叫んだ内容は、順序が逆転していたばかりか、個人の話は自らの糧にすればいいだけの話なのだ。オリンピック精神を糧に、さらなる成長を期待したい。
以 上