無知・偏見・不安

  「無知から偏見が生まれ、偏見から不安が生み出されます。」と語る伊藤塾塾長伊藤真。不安に対する対症療法は、自分の存在価値を国家と一体の物として不安から逃れ、不安になったら「排除の論理」を使う。これは、多くの人に潜んでいる思考方法ではないだろうか。しかし、これでは不安から逃れることであって、解消することではない。この構造が、差別の思考を生み「ヘイトクライム」や「ヘイトスピーチ」が我が物顔で行われる社会状況を醸成していると見る。
  相模原障害者施設殺傷事件、「退院後の支援不十分」と新聞が指摘していた。これは、予算を伴う法を整備することで対応できる。問題は差別の温床である「無知」である。マイノリティー(少数・少数派)に対する「無知」を「了知」に変えなければならないのだ。これは、原因療法で挑まないと難しい。「経済原理」的思考では、この壁は乗り越えられない。その際、力を与えてくれるのが「人権」的思考である。つまり、憲法である。人権を侵害する自由は憲法は保障していない。憲法は人権を保障する為に作られているからだ。

                                                                               以 上