消去法は間違っている

  自民党憲法改正草案、一人一人の個人よりも、国家を尊重する国を作りたいと考えていることは明らか。参院選挙は、この様な自民党の方向性に賛成か、反対かの意思表示であったはず。しかし、有権者は与党と野党を比較「消去法」を使った様だ。18歳、19歳の有権者も例外ではなかった。
  確かに、この発想は楽である。しかし、民主主義制度には悲劇的欠点である。有権者一人一人が「思考する」ことが前提で成り立つ制度だからだ。「寄らば大樹のかげ」「みなさんがそうしています」。この水脈が未だに息づいている様だ。
  「自立心」を封殺され、従順さが評価されてきた国民。そして、予め答えが決まっている受験学力が拍車をかける。「思考する」力を醸成しない土壌は肥えるばかりだ。
  自民党の方向性は危うい。しかし、国民が「思考する」作業を軽視ないし無視する姿はもっと怖い。自分の幸せ感は、健康と金。精神的分野は空洞になっている感さえある。民主主義は終焉を迎え、代わってポピュリズム(大衆迎合政治)が登場、独裁政治の予兆を感じる。

                                                                               以 上