「心」に介入は危険

  身近なところで「心」に介入する事態が起き始めているのでは。3.11大震災以降、「心を一つに」というスローガンが小・中学校の運動会、学校祭で目に付くからだ。これは、とても危険な兆候である。なぜなら、心、つまり内心の問題は各人自由で学校が介入すべきことではないからだ。しかも、自立心を失い、自分の頭で考えることが出来なくなる危険性も潜んでいるからだ。遠景は、民主主義の崩壊である。
  一方で子ども達に、「みんな違って当たり前」と教え、片方で、「心一つに」とスローガンを掲げる。これは、個人主義と集団主義で相反するものだ。そして、後者は排外主義に陥りやすいという特徴を持つ。
  しかし、子どもを教育の主体ではなく客体と扱うには好都合である。同じ子どもは一人といないからだ。だから、前者を実践することは難しい。しかも、同調圧力を強める昨今では尚更だ。憲法は「すべて国民は個人として尊重される」と謳う(13条前段)。簡単に言えば、お互いの違いを認め合うということだ。

                                                                               以 上