集団主義的傾向が強まる中、先に見えてくるもの
総務省「労働力調査」の統計によると、2014年現在の自営業者は、家族従事者と合わせて724万人、全就業者数(6351万人)の11.3%。30年前の1984年のデータでは、自営業者(家族従事者含む)が1203万人、全就業者(6453万人)の18.6%だったので、自営業率は2割弱から1割強へ減少しました。自営業者の少なくなる国って面白いですか(「マガジン9」:http//www.magazine9.jpより)。
怖い。日本の企業風土、つまり、身も心も会社に依存する体質は集団主義的傾向を広める。その結果、人から考える力を奪い、関心事は身の周りの範囲内という構造が蔓延する。これは、全体主義構築にはとても恵まれた土壌である。
これが、長寿社会にも影を落としている。自分の足で立つ訓練が殆どされていないため、周りを気にしながら、あるいは引きこもりの生活を強いられている。組織から離れ、評価する人も存在しない。自由奔放に活動できる環境が整った。しかし、今度は煩わしいから人間を避ける。猫の様な犬を連れて歩く高齢の男性が目につくが、その証だろうか。しかし、「人間は一人では生きていけない」。定年後、見栄、虚栄心を支えに健康な精神状態を維持するには長過ぎる。うつ病、認知症等が待ち構えている。
加えて、3.11以降「心を一つに」という言葉が報道、学校現場に躍りまくっている。集団主義傾向の広がりは権力者側ばかりではない。主権者側からも加速しているのだ。
その結果、上司に媚び、権力者に媚びる。そして、逸脱した集団や個人を排除する傾向を強める。これは、自由闊達な社会とは真逆である。これでは社会の進化は望むべきもない。
以 上