総国民が問われている「何のために」生きているのか


  従順さを美徳とする風土は広まり、多様性認める精神は細る。「思考停止状態」の人間を量産するスポーツ界、学校、家庭。これは、民主主義の土壌が長雨に晒され堤防が決壊、建物が流される光景に重なる。民主主義は多様な価値観を前提とするからだ。ところが、建物の崩壊は目に見えても、民主主義の崩壊は目に見えた時はもう手遅れの時だ。
   民主主義の土壌は細り、人の支配の土壌は肥えるばかりだ。これは、人間を決して幸せにしない土壌だ。全体主義の予兆を感じるからだ。しかし、この光景は「思考停止状態」からは見えないのだ。しかも思考停止状態の環境から、思考停止状態の支配者が出て来ても不思議はない。
  では、堤防の決壊をこれ以上広げない為にはどうしたらよいのか。「マインドセット」(思考回路)を変えなければならない。日本の世相を見事に指摘したラグビー、ジョーンズヘッドコーチ。W杯で勝つことより難しい課題を突きつけた。憲法99条(憲法尊重擁護義務)を踏み潰し、国家像が危険水域に入った今、そのまま当てはまる指摘だ。人間を幸せにする立憲主義を尊重するのか。それとも人間を幸せにしない非立憲という立場を尊重するのか。総国民が問われている。 

                                                                                   以 上