安保法案、国民への理解課題

  安保関連法案、参院での論戦スタート、国民への理解課題。これは、テレビ報道の見出しだ。ところで、「憲法違反の法案を国民に理解させる」ということは、一体どういうことなのだろうか。
  国民の理解が進んできたから、安保法案反対が増え、内閣支持率が急落してきたのだ。さらに、国民の理解を深め安保法案反対者を増やそうというのだろうか。
  それとも、与党が言う「国民への理解」とは、もっと憲法違反に協力せ、ということなのだろうか。仮にそうだとすれば、明らかに憲法99条(憲法尊重の義務)に反する行為で許し難い。過去の自民党とは明らかに体質が変わった。とても危険な政党に変質してしまった。これほどまでに、憲法違反をあからさまに宣言した自民党を見たことがなかった。また、これほどまでに国民を舐めきった政権も見たことがない。
  過去に学ばず、立憲主義の言葉さえ知らない面々。国会議員として憲法を語るには、事前研修が必要な面々達。特に憲法9条をいじらせることはとても危険だ。「気違いにピストルを持たせる様なものだ」と述べた憲法学者がいたが、まさにその通りだ。
  さらに、憲法違反の法案に対案を出せという。一体どういうことなのだろうか。憲法違反の法案に対案等あろう筈がない。対案もまた憲法違反に変わりはないからだ。あえて出そうというのなら「廃案」が対案になろうか。なぜなら、憲法違反が憲法適合になるからだ。
  我々はとんでもない人に政権を託してしまった。アベ政権は完全に国民を舐めきった。今、国民への理解課題は、この変わった自民党の体質に早く気付くことだ。そして、立憲民主主義の破壊に手を貸さないことだ。
  現状に甘んじ、「奴隷の自由」を手に入れるのか。それとも人間として立ち向かうのか。戦後最大の試練が国民に襲いかかってきた。

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