日本の命運を握る日本人「気質」

  戦後最大の危機が到来した。中国、北朝鮮の脅威が現実化する前に立憲民主主義の崩壊が現実味を帯びてきたからだ。勿論、その様な環境を作ったのは全て主権者である。
  民主主義を民主主義で破壊したドイツのナチス・ヒトラー。わずか、5ヶ条からなる全権委任法。第2条に「ドイツ政府によって制定された法律は・・・憲法に違反することが出来る」。これによりワイマール憲法(当時としては最も優れた憲法と言われた)は止めを刺され共和制は崩壊した(伊藤塾「公務員・教養コラム第127回)。
  自民党政権が戦後一貫して堅持してきた「集団的自衛権違憲」。憲法学者が挙って違憲と断じた「安保法案」。だが、党内の異論も無く国会へ提出、衆院で可決するアベ自民党。ワイマール憲法に止めを刺し「法の支配」ならぬ「人の支配」を徹底したヒトラー。とてもよく似てきた。ドイツの末路は既述の通りだ。
  しかし、崖っ縁に追い込まれた「立憲民主主義」、国民の単純な行動で救うことが出来るのだ。「安保法案」を廃案に出来るのだ。
  その行動とは、例えば、アンケート内閣支持×・ポスター「アベ政治を許さない」を各自の居る場所に掲げる。これで充分なのだ。
  しかし、この単純な行動が中々難しい。そこには日本人の「気質」が立ちはだかるからだ。著名な米国人が悲劇的な欠点と指摘した「それはおかしい」と言おうとしない気質である。「・・・には反対である」と考えるが「反対とは言わない」のだ。この気質は社会風土の中で長年かけて培われてきたものだ。天下分け目に差し掛かり、この悲劇的気質を踏襲、座視するのか。それとも、この機会に「自立」に目覚めるのか。日本の命運を握る。
  アベソウリが好んで使う「決めるときは決める」。今度は主権者が「決めるときは決める」ことが出来るか。世界が注目する。

                                                                                   以 上