言論弾圧で盛り上がる自民党国会議員勉強会

  「自民党所属若手議員が開いた勉強会で、報道機関に圧力をかけて言論を封じようとする議論が噴出した」と報道されていた。このところ、自民党が報道に注文をつける場面が目立っていた。それにしても、憲法価値を無視する安倍政権体質をこれほどまで露骨に表してくれるとは想像していなかった。民主党政権時代には見られなかった光景だ。
  言論弾圧に盛り上がりを見せた勉強会。どこか上司に媚びるサラリーマンの光景に似ていないか。つまり、安倍社長とする「サラリーマン内閣」に忠誠を誇示、少しでも他人より早く出世したいサラリーマン根性にとてもよく似ているのだ。
  違憲状態で選出された国会議員で組織する国会。しかし、民主主義実現の場であることには変わりはない。そして、議論、討論が民主主義の前提である。これが、言論の自由が民主主義の生命線と言われる所以だ。その生命線を自ら絶とうというのだ。なぜ、自殺行為に等しい行動を取ろうとするのか。私は、数の数の驕りが「思考停止状態」に陥らせ、ブレーキが効かなくなっているのが主因とみている。その背景には、人権と統治機構の関係の無知が潜んでいるのだ。サラリーマン化した議員達の優先順位は国民より自分。上司に媚びることで出世を図り、少しでも選挙を有利に運びたい一心だけ。これは、小選挙区制が可能とする議員像である。
  「誤解を招く結果となった」と謝罪する自民幹事長。しかし、これもおかしい。私達は何も誤解していないからだ。「誤解を招く結果となった」という常套語を使い、問題の核心から目をそらす。問題点の抽出が出来ない構造は、何一つ変わっていない。問題点は、人権と統治機構の関係に無知なことである。
  憲法を解釈で変更する安倍政権。憲法を安保法案に合わせて行く、と「法の下克上」を平気で国会答弁する大臣。その一方で、中国や北朝鮮に向かって「民主主義と法の支配に基づく価値観」を説く厚顔無恥。「サラリーマン内閣」は、無恥に驕りが加わり上司に媚びる国会議員がさらに繁殖することだろう。憲法を蔑ろにする安倍政権。ファシズムの萌芽を感じ、恐怖である。

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