2014年5月21日福井地裁判決に感動

  大飯原発3及び4号機運転差し止め請求を認めた判決。感動した。感動したのは結論ではない。憲法の中心的価値(13条)を解釈の指針とし、経済活動の自由との比較では人間の香りが心地よく漂っていた。このことに感動したのだ。青い空に白い雲がポッカリ浮かんでいる。そんな情景を潮風が漂う浜辺で眺めている気分だ。こんな気分になったのは何年ぶりだろう。

  以下、2015年1月20日号「世界へ未来へ9条連ニュース」を引用する。
  「コストの問題に関連して国富の流出や喪失の議論があるが、たとえ本件原発の運転停止によって多額の貿易赤字が出るとしても、これを国富の流出や喪失というべきではなく、豊かな国土とそこに国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなくなることが国富の喪失であると当裁判所は考えている」。 
  「生存を基礎とする人格権が公法、私法を問わず、全ての法分野において、最高の価値を持つとされている以上、本件訴訟においてもよって立つべき解釈上の指針である・・・・・人格権は憲法上の権利であり(13条、25条)、また人の生命を基礎とするものである」。
  「生命を守り生活を維持する利益は人格権の中でも根幹部分をなす根源的な権利・・・・・本件ではこの根源的な権利と原子力発電所の運転の利益の調整が問題となっている・・・・・原子力発電所の稼働は法的には電気を生み出すための一手段たる経済活動の自由(憲法22条1項)に属するものであって、憲法上は人格権の中核部分よりも劣位に置かれるべきものである」。

                                                                                   以 上