ABSTRACT Recently,Art Now released a hologram camera kit,which include almost everything you need to take small halograms. This article describes a test report of the kit.
1.はじめに
筆者は以前,半導体レーザを利用して,少ない部品で安価にホログラムが撮影できるか試み,その結果を本誌で報告いたしました1).今回,アートナウからホログラム撮影キットが発売されましたのでさっそく購入してホログラムの撮影を行ないました.その結果をここに報告します.
2.撮影開始
キットには半導体レーザから乾板,薬品などホログラムの撮影に必要なものがほとんど入っています.それ以外に必要なものは,水とはさみとテープくらいでした.ただし,キットですから組み立てが必要です.といっても,シャッターにする紙を切ったり,レーザや乾板,被写体を固定するための粘土をこねてくっつけたりという程度です.固定に粘土を使うのは意外だったのですが,やってみるととても簡単で,撮影も上手くいきました.カメラが組みあがったらいよいよ撮影です.キットには,振動などによる失敗の少ない被写体としてコインが付いていたので,まずはこれを撮影してみます.被写体とホログラム乾板を粘土にしっかりと固定し,黒い紙で作ったシャッターを持ち上げて1秒ほど露光します.続いて現像等の作業ですが,薬品はすぐに使える状態に調合されています.現像→停止→水洗い→漂白→水洗い→乾燥,と処理し像を再生したところ,見事に成功しました.乾板は3枚付属しているので,今度は携帯電話のストラップについている人形を撮影したところ,立体感のある像が記録できました.キットについてくる乾板はガラスですが,手元にあった
PFG-01 のフィルムでも撮影に成功しました.フィルムの固定ではこれまではガラスに挟んだり色々と工夫してきましたが,粘土に貼り付けるだけで良いのは簡単でありがたいです.
3.むすび
撮影に必要なものはほとんどそろっていて,マニュアルもカラー写真入で詳しく書いてあり,さらには質問などのサポートもあり,値段も手ごろ(8,800
円)なので初心者の方にもおすすめです.ホログラムの撮影経験者でも,自宅で手軽に撮影できますし,家族や友人などにホログラムの魅力を紹介するのにも役立つと思います.キットの詳しい内容はアートナウの
WEB ページで紹介されています.
URL:http://www.jomon.ne.jp/~artnow/
文献
1) 吉川 浩:“レーザーポインタを利用した安価なホログラム撮影装置”,ホログラフィック・ディスプレイ研究会,21, 1,
pp.29-30(2001)
HODICとは、「ホログラフィックディスプレイ研究会」のことです。ホログラフィに関心のある研究者の集まりですが、ユニークなのは、技術系だけでなく芸術系のアーティストも参加していることです。最近はどちらかというと技術系の報告が多いのですが、芸術系の方も健在です。ホログラフィに関心のある一般の方でも参加できます。会員になると年4回の研究会の参加費が無料になり、会報が送られてきます。
詳しいことはhttp://www.hodic.org/を見て下さい。
日本大学の吉川先生は、HODICの会長を務めておられます。