ホログラム撮影キット

撮影データの紹介

ホログラム撮影キットとして販売している装置で撮影しました。
現像方法もまったく同じものを使っています。
一般の方の撮影条件を想定して実験したデータです。

1.木の床、机の上という一般的な家庭環境で撮影した例

2.コンクリート床、古めの現像液を使って撮影した例

1.木の床、机の上という一般的な家庭環境で撮影した例

データ

(1)露光時間   約3秒
 シャッターの紙を引き上げる時にちょっと失敗して押さえにひっかけてしまい、結局3秒近くも露光してしまいました。シャッターの紙を引き上げるのは、ほんのちょっとでいいのですが、ついつい失敗してしまいました。

(2)撮影場所  木の床 その上の机の上
 1m近くでラジオをかけたまま。さらに1m近く離れたところで換気扇をまわしたまま。
 つまり、振動がかなりある状況です。他に特別な振動対策はありません。
 (撮影は振動を極力少なくするのがコツです。この実験はわざと振動を作っています)

(3)現像液   当日作成したもの
 露光時間が長かったこともあって、現像に入るとすぐに乾板が真っ黒になりました。現像時間を2分にきりあげました。それでも長かったようです。所要時間は準備から乾燥、後かたづけまでして45分。慣れているせいもありますが、簡単にできました。初めての場合はもっと時間がかかります。
 

結果はこのように成功しました。

あえて書くと、全体に白っぽいのは露光時間が長かったことが原因です。また、振動があるために回折効率が下がってノイズが目立っています。やはり、振動はない方がいいですね。

感光材料(乾板)の形がきたないのは、切るときに失敗して売り物に使えないもので実験しているからです。キットに同梱している乾板はもっときれいです。でも、手作業なもので、少しいびつなものもあります。ご容赦下さい。


2.コンクリート床、古めの現像液を使って撮影した例

データ

(1)露光時間   約1秒
 シャッターの紙を引き上げる時にちょっと失敗して押さえにひっかけてしまい、レーザー光がほんの少し1秒弱もれました。でも、結果を見る限り問題なかったようです。

(2)撮影場所  コンクリートの床
 特に振動対策はしていません。エアコンは少し入れたままで、そよそよとシャッター用の紙が動いていました。ですから振動には結構強い装置だと思います。

(3)現像液   2週間くらい前に作ったものを室温で保存
 調合直後に比べて効力が落ちています。そのせいで貝の時よりも露光量が適正になったようです。
 

コインを密着して撮影したので、透かして見るとしっかり濃淡が映っています。

少し離れた部分はぼけています。特に一番奥のコインはほとんど見えません。でも、適切な照明を当てると上に紹介したように全体がくっきりと見えます。

しかも、適切な向きと正反対に照明すると、奥のコインが逆に手前に浮かび上がって見えます。

市販のホログラムだと、こういう実験はなかなかできませんよね。

アドバイス

できたホログラムにいろんな方向から照明をあてても何も見えないことがあります。その原因を探るのはなかなかたいへんです。

とりあえず、蛍光灯の明かりで向きをいろいろ変えてみましょう。右の写真のように虹色が見えたら、これもりっぱなホログラムの一種。レーザーと現像には問題がないことがわかります。

失敗の原因はほとんどの場合振動です。上では振動に強いと書いていますが、簡単なシステムの割に強いというだけで、千分の1mm程度の振動でも失敗しますから、できるだけしつこいくらい振動対策をすることが成功の秘訣です。

コインをキットに追加した理由

ホログラム撮影キットを購入された方から、うまく撮影できなかったというメールが時々届きます。いろいろ理由を聞きますと被写体が振動しているような感じを受けました。そこで被写体をコインに変更してもらうとほとんどの方が撮影できるようになりました。つまり、コインは振動の影響を受けにくく、ホログラム撮影に最も向いているようです。

コインもうまく撮影できないとしたら、撮影場所の振動が多いかマニュアルと違った方法で撮影していることが原因です。確実にコインを撮影できるようになってから、ご自分で撮影したい被写体に変更されるとよいと思います。

ここに掲載しているコインは4枚使っていますが、奥行き感を強くするためです。コインは瞬間接着剤でがっちり固定しています。キットには1枚のコインしか同封していませんが、その理由は、コイン同士の接着が不十分だと撮影がうまくいかないことがあるからです。1枚のコインではもの足りないと思いますが、最初は確実にホログラム撮影ができるように1枚のコインを使って下さい。

        キットの説明