ステレオグラムの見方


普通のステレオグラム写真は図1のように左右の位置を変えて撮影します。そうすると図2のように向きがちょっと違う写真が2枚できます。

このようにしてできた写真を2枚並べて左目で左の写真を、右目で右の写真を見て頭の中で合成すると立体的に見えてきます。これはステレオグラムの「平行法」というやり方です。

道具を使わずに裸眼で見えるようになるためには、多少の訓練が必要です。

■実際にどう見るか説明します
図2を正面から見て下さい(正面でなくても見えますが最初はそうした方がよく見えます)

ディスプレイ越しに画像の奥を見て下さい。ディスプレイが透明になって、ディスプレイの奥の壁や床をみるつもりで目を調節します。そうすると、ディスプレイの画像に目のピントがあっていない状態になりますが、そのまま目を動かさないで画像の人物を観察して下さい。

左目で2人の人物が見え、右目でもやはり2人の人物が見えるので、合計4人の人物が見えます。あくまでも2人しか見えない人は、目の焦点がスクリーン(画面)にあっています。スクリーン(画面)越しに、ずーと遠くの地平線を見るようにリラックスして下さい。人物が見えにくくなるけど、2人以上の人物が見えるようになったら、しめたものです。

■こんな感じで目を調節します
何人も人物が見えている状態で、左右の目を動かして見て下さい。人物が近づいたり離れたりするのがわかりますか?よく見ると人物は4人いるはずです。目を動かすと真ん中の2人がくっついたり離れたりするはずです。そのようにして真ん中の2人が完全に重なるように目を調節して下さい。ぴったり重なってしばらくすると、真ん中の人物が立体的に見えてきます。

慣れないうちは時間がかかっても何度か経験していると素早くできるようになります。

■ステレオグラムの見方は2種類あります
この「平行法」は左目で左の画像を見ていますが、逆に左目で右の画像を見て右目で左の画像を見る「交差法」という方法もあります。

■ステレオグラムの長所と短所
このようにして立体像を見る方法を「両眼視差」を利用したステレオグラム法と言います。

この方法は物体を立体として見るとても有効な方法です。手軽に撮影できるし、脳の中で画像が合成されて見える立体感は格別です。

目の焦点と実際の距離感があわないことなどから、長時間見ていると頭痛がしたり、めまいが出たりします。訓練しないと見えないので、見えない人にとっては不快です。立体像としては、視点が2つに限られているため観察者が見る位置を変えても像は変化しません。

■ホログラムと他の立体像と比較

「ホログラム」の場合はこのようなめんどうな訓練は一切不要です。誰でも自然に立体的に見えます。さらに見る位置を変えると被写体も向きを変えます。目の焦点と実際の距離感が一致することから、長時間見ていても違和感がありません。ただ、照明が適切でないとちゃんと見えないし、撮影が面倒です。

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「レンチキュラーレンズ」を使うと、訓練なしで両眼視差の立体像が見えます。違う像を表示させる(チェンジング)もできます。レンズとパソコンとプリンターがあれば、(比較的簡単に?)作ることができます。

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2009.11.19一部改定


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