2012年

タイトル 愛、アムール
出 演 ジャン=ルイ・トランティニャン/エマニュエル・リヴァ/イザベル・ユペール/アレクサンドル・タロー/ウィリアム・シメル/ラモン・アジーレ/リタ・ブランコ/カロル・フランク/ディナーラ・ドルカーロワ/ローラン・カペリュート/ジャン=ミシェル・モンロック/スザンヌ・シュミット/ダミアン・ジュイユロ/ワリッド・アフキール
監 督 ミヒャエル・ハネケ
ストーリー パリ在住の80代の夫婦、ジョルジュとアンヌ。共に音楽教師で、娘はミュージシャンとして活躍と、充実した日々を送っていた。ある日、教え子が開くコンサートに出向いた2人だが、そこでアンヌが病で倒れてしまう。病院に緊急搬送され、かろうじて死だけは免れたものの、半身まひという重い後遺症が残ってしまう。家に帰りたいというアンヌの強い願いから、自宅で彼女の介護を始めるジョルジュ。しかし、少しずつアンヌの症状は悪化していき、ついに死を選びたいと考えるようになる。
評  昨年、アカデミー賞外国映画賞を受賞し、カンヌ国際映画祭では最高賞のパルムドールも受賞した。ミヒャエル・ハネケ監督においては前作の『白いリボン』とパルムドールは2度目となる。本作についてはアンヌ同様な痴呆である父親を持つ私としては非常に身につまされる思いを感じた。実際、介護に当たっているのは老人ホームにも勤めている母親なのだが、彼女自身も身内の者の介護は大変だとこぼしている。さっきゴハンを食べさせたのにしばらくして「まだ食べていない」といい、トイレの場所がわからず知らぬ間に外をうろうろしたり、それを四六時中見張るのはどんなに愛し合った仲でもウンザリするものなのだ。むしろ仕事だったら割り切れるかもしれない。観終わった後、最後にジョルジュが取った行動に心なしか拍手を送る背徳な自分がいた。
2013.8.11記

タイトル 愛さえあれば
出 演 ピアース・ブロスナン/トリーヌ・ヂルホム/キム・ボドゥニア/セバスチャン・イェセン/モリー・ブリキスト・エゲリンド/パプリカ・スティーン/クリスティアーヌ・シャウンブルク=ミュラー/ミッキー・スケール・ハンセン/チーロ・ベトローネ/マルコ・ダモーレ/スティーナ・エクブラ/リーネ・クルーセ/ビアテ・ノイマン/フレデリック・トーマッセン
監 督 スサンネ・ビア
ストーリー 愛妻の死を引きずり、仕事一筋で子どもとも連絡を取っていないデンマーク在住のイギリス人フィリップ。乳がんの治療に苦しんだばかりというのに、夫が自分より年下の女と浮気しているところに出くわしてしまった美容師イーダ。それぞれの息子と娘が結婚式を挙げる南イタリアのソレントで出会った二人は、お互いの心の傷を癒やすように。一方、彼らの子どもたちは挙式を目前に控えながらも、心に迷いが生じていた。
評  ♪〜「どうも、効率的な仕事ぶり、充実した私生活、キャリアウーマンです。どうしたの、奥さん。自分が乳がんで入院している最中にダンナに浮気された?そんな男捨てちゃいなさい。え?忘れられない。じゃあ、質問です。奥さんは味のしなくなったガムをいつまでもいつまでも、かみ続けますか?新しいガム、食べたくない?」♪〜「男はガムと一緒。味がしなくなったら新しいガムを食べればいい。出会いはどこにだってあるものよ。例えば娘の結婚式で、相手の男の父親が独り身でイケメンだったりすることも。そんなうまい話はない?そんなことないわ。だって地球上に何人の男がいると思ってるの!」♪〜「35億」♪〜「あと5千万人」♪〜〜〜〜〜〜「35億…」
2017.2.19記

タイトル アイスエイジ4 パイレーツ大冒険
出演(声) ジョン・レグイザモ/レイ・ロマノ/デニス・リアリー/クイーン・ラティファ/ジェニファー・ロペス
監 督 スティーヴ・マーティノ/マイケル・サーマイヤー
ストーリー まだ地球が厚い氷に覆われていた時代。マンモスのマニーは他の動物たちと仲良く楽しく過ごしていたが、地殻変動により大陸がバラバラになってしまった。マニーとナマケモノのシド、そしてサーベルタイガーのディエゴは小さな流氷に乗ったまま海へ投げ出され、家族のもとへ戻ろうとするが、突然現れた海賊に捕まってしまう。
評  いつまで柳の下のどじょうを探しとんのじゃ!!もうとっくに氷河期終わってるのに「4」まで続いてしまった本作、見事に見本では劇場スルーだった。シリーズでありがちのいままでの主役の子供が活躍するパターンで、さほど期待持てませんでした。しかし、このシリーズのもう一匹の主役、スクラットくんの活躍はドえらくスケールアップ!冒頭では「大陸移動」を勃発させ、ラストにはアトランティスまで発見します。あれ?諸説はあるけど「大陸移動説」は約3億年前から始まったんだよな。前作の恐竜は許したけどさすがにこれは時代違いすぎるんじゃないか。
2013.11.3記

タイトル 愛と誠
出 演 妻夫木聡/武井咲/斎藤工/大野いと/安藤サクラ/前田健/加藤清史郎/一青窈/余貴美子/伊原剛志/市村正親
監 督 三池崇史
ストーリー 過去への復讐を誓い、東京へやってきた不良の誠。一方、東京で指折りの名家の一人娘である愛。出会うはずのない、生まれも育ちも違う2人が出会い、運命の恋がスタートする。しかし、彼女に好意を寄せる岩清水、誠を付け狙う番長やスケバンが、混沌とした状況を作り出す。
評  「私たちにはわかんないだけど、これ40代の人にとってはトラウマ的漫画なんだそうでね、“スポ根”ならぬ“恋根”マンガの最高峰なんだって」「ええ、そのようですわね。でも、その恋愛は相手の幸せを想うこと。その真実のために戦うことは必要なことよ」「どうした、小川?いきなり早乙女愛になりきって。確かに君は吉本べっぴんランキング6位だけど、武井咲とは比べものにならないよ」「なんてこと言うんだ君は!僕は暖奈君のためなら死ねる!」「今度は岩清水ぅ?もしかして自分に酔ってる?はまり方が尋常じゃないよ」「・・・私のこと、“悲しい女”だというの?権太、やっちゃって!」「ちょちょ、何で高原由紀?それよりこれ、70年代の歌でミュージカル風にもなってるわね。一青窈が調子乗ってるのはこの際、置いといて。最初の『激しい恋』は、前に映画化されたとき大賀誠を西城秀樹が演ったからだと思うのよ」「♪やめ・・・やめろっと、言・・・てももも・・・お〜」「歌うとは思ったけど何でタドタドしいの?」「脳梗塞なった時の・・・」「やめろ〜!!」
2012.6.17記

タイトル I’m FLASH
出 演 藤原竜也/松田龍平/水原希子/仲野茂/永山絢斗/板尾創路/原田麻由/北村有起哉/柄本佑/中村達也/大楠道代
監 督 豊田利晃
ストーリー 新興宗教団体の3代目教祖・吉野ルイは、ある日謎めいた美女に出会うが、彼が引きこした交通事故によって女は植物状態になってしまう。教団幹部であるルイの母は事故をもみ消すべく、新野風ら3人のボディーガードを雇いルイを南海の島へ避難させる。やがてルイは、教団の秘密を暴く重大な決断を下す。
評  「“死”は怖れるものではありません。それは、人は死んで肉体が滅んでも、魂は永遠だからです。もし、この世が辛くて自殺したとしたら、それで終わりでは無く、あの世に行っても辛い思いはそのまま続くのです。人間は仏より永遠の生命を与えられ、魂を磨くためにこの世に生まれてきた存在です。幸福になるためにはこの世で魂の修行をしなければなりません。どんな艱難辛苦が待ち構えていても立ち向かわなければなりません。そのためには努力し、また新たなチャレンジをすることが必要なのです」「あの総裁、今回の衆議院選で誰も当選せず死んだような幸福実現党へのお心づけはありがたいのですが、なにぶん資金が・・・」「そうですね。せっかくアニメ映画で稼いだ分も使い果たしてしまいましたしね・・・。では、DVD販売して、また信者から搾り取りましょうか」
2012.12.23記

タイトル アウトレイジ ビヨンド
出 演 ビートたけし/西田敏行/三浦友和/小日向文世/加瀬亮/桐谷健太/新井浩文/松重豊/中野英雄/名高達男/光石研/田中哲司/高橋克典/中尾彬/塩見三省/神山繁/白竜/北村総一朗/中村育二
監 督 北野武
ストーリー 5年前、ヤクザ界での生き残りを懸け壮絶な権力闘争に明け暮れた暴力団「山王会」は関東の頂点を極め、政界にまで勢力を広げていた。彼らの壊滅を目指す刑事の片岡は、関西最大の「花菱会」と対立させるべく策略を練る。そんな中、遺恨のある木村に刺されて獄中で死んだはずの大友が生きていたという事実が持ち上がる。
評  玲ニ「あー?タケシのアウトレイジの続編か。どうせまたエグい殺し合いばっかで、何も中身ないんだろうよ」竜平「それがアニキィ、今回は関西のヤクザも出てきまして、話がそれなりにふくらんできたっスよ。もっとも『仁義なき戦い』に似てきたとも言えるっスけどね」クロケン「そんなことよりワレェ〜〜、この若頭の石原のイキり方が無性に腹立つやんけぇ!!レイジ、ワレェ〜もこんななったらただじゃ済まないやんけぇ!!」日浦組長「クロカン、そう熱くなるな。結局一番悪いヤツはこの刑事だってことだろ。俺もこんな裏でコソコソしてるマッポ、すぐにでもたたっ殺してやるぜ!」玲ニ(ヤバっ・・・)
2013.10.13記

タイトル アウトロー
出 演 トム・クルーズ/ロザムンド・パイク/リチャード・ジェンキンス/デヴィッド・オイェロウォ/ヴェルナー・ヘルツォーク/ロバート・デュヴァル
監 督 クリストファー・マッカリー
ストーリー 真昼のピッツバーグ郊外で無差別に6発の銃弾が撃ち込まれ、5名が命を落とすという事件が発生。警察は事件発生後1時間という早さで、元軍人で腕利きスナイパーだったジェームズを容疑者として拘束する。だが彼は容疑を全面否認し、かつて軍の内部で一目置かれていたジャックへの連絡を求める。
評  『ミッション・インポッシブル』のイーサン・ハントの後だからだろうか、このジャック・リーチャーのキャラが弱く感じてしまった。軍人あがりの“無法者”なのに全然ワイルドさを感じない。それに増して女性に異様にやさしいもんだから、いくらムキムキボディでもヤサ男にしか見えない。こうなってくると、カーアクションも銃撃戦も格闘も、とってつけたような気がしてならなかった。一応ミステリー要素もあるのだが、甘々すぎる。あのね、金田一さんが出てくるミステリー以外の連続殺人の動機は、ほとんど皆んな一緒なんですよ。んで、ご丁寧に被害者の略歴並べてくれるから、他人に利害関係あるのがわかれば真相もろバレじゃん。
2013.2.3記

タイトル 悪の教典
出 演 伊藤英明/二階堂ふみ/染谷将太/林遣都/浅香航大/水野絵梨奈/山田孝之/平岳大/吹越満
監 督 三池崇史
原 作 貴志祐介
ストーリー ハスミンというニックネームで呼ばれ、生徒たちから圧倒的な人気と支持を集める高校教師・蓮実聖司。生徒だけでなく、ほかの教師や保護者も一目を置く模範的な教師だったが、その正体は他人への共感や良心を持っていない反社会性人格障害者であった。学校と自身に降り掛かったトラブルや障害を取り除くために、平然と殺人を犯しては校内での地位を強固なものにしていく蓮実。しかし、ささいなミスから自身の凶行が知られそうになってしまう。それを隠そうと悩んだ彼が導き出した答えは、クラスの生徒全員を殺すことだった。
評  私がアメリカン・ホラーを原則嫌うのは意味無く殺人が繰り返されるところだ。人も動物だから生理的に闘争本能を持っているわけで、それを単にさらけ出すのは、人としての存在放棄でしかない。もちろん映画は、娯楽として精神の解放に使われることもあるので、それに特化しているをしているのなら納得はできる。しかしこんな知能犯の殺人ゲームには憤りしか感じない。もっとも世の中、これが現実化してきている気配がないわけでもないが・・・。せっかく『ヒミズ』でベネチア国際映画祭で新人最優秀を獲得した二階堂ふみちゃんと染谷将太くんがふたりとも出てるのにもったいない気がした。伊藤英明にとっては、フジTVが原作者を怒らせたせいで『海猿』の続編が難しくなった今、この続編があることに果たして喜んでいいのやら。
2012.11.11記

タイトル あなたへ
出 演 高倉健/田中裕子/佐藤浩市/草g剛/余貴美子/綾瀬はるか/三浦貴大/大滝秀治/長塚京三/原田美枝子/浅野忠信/ビートたけし
監 督 降旗康男
ストーリー 北陸の刑務所で指導技官として勤務する倉島英二のところに、亡くなった妻・洋子が生前にしたためた1通の手紙が届く。そこには故郷の海に散骨してほしいと書かれており、英二は洋子が生前には語らなかった真意を知るため、車で彼女の故郷・九州へと向かう。その道中で出会ったさまざまな人々と交流するうちに、妻との思い出が頭をよぎる。
評  「えーなぁ、ワシも車で寝泊りして旅してみたいわ」「疲れるでぇ。普通に旅館でも泊まればええやんか」「恥ずかしい話じゃが、旅館の予約の仕方がわからんのや。見本見せてや」「わかった。ピポパポ」「ハイ、キッスイ館でございます。私、女将のハクベイでございます」「今夜、泊りたいんですが・・・」「ではお名前と人数をお願いします」「ハイ、早川といいます。1人です」「ではご予約を繰り返します。高倉健さま御一行様ございますね」「い、いや、そんな大御所じゃないです」「えーと、他にビートたけし様、佐藤浩市様、浅野忠信様・・・、さすが主役が大物だと脇もすごいですね。でも豪華なだけで話は大したことないです」「お前、ヤバいって!そんなこと言ったら干されるぞ!せっかく東京出て来たのに」「そのなかでもチョイ役ですが、岡村さんヒドいですね」「お前、俺ら吉本にも居られようなるぞ!」「ハクベイ・ジョークでございます」「ジョークで済むか!さてはお前酒飲んどるやろ」「飲んでへんよ」「ほな、息吹きかけてみろ」「はー」「シンプルに口が臭い・・・」
2012.8.26記

タイトル アフロ田中
出 演 松田翔太/佐々木希/堤下敦/田中圭/遠藤要/駒木根隆介/原幹恵/美波/吹越満/皆川猿時/辺見えみり/リリー・フランキー/山田真歩/井村空美/波瑠/佐藤二朗
監 督 松居大悟
ストーリー 強烈な天然パーマのアフロヘアーがトレードマークの田中広は軽いノリで高校を中退し、自由を求めて上京する。しかし仕事はきつく、24歳になっても彼女もできない現実に打ちのめされていた。そんな折、学生時代の友人が結婚するという知らせが届き、とある約束を友人と交わしていたことを思い出した田中は、早く彼女を作ろうと焦っていると、隣に完ぺきな美女・加藤亜矢が引っ越してきた。
評  『週刊スピリッツ』は毎週買っていて、そのほとんどを飛ばし読みしているのだが、なぜか『アフロ田中』はしっかり読んでいる。別に単行本は買っていないんで、そんな執心しているわけじゃない。ただこのどーでも良いことに変に拘る田中の性格と異常なまでの妄想癖に痛いほど共感できてしまうのだ。それは女子にとっては、ただただキモいものでしかないことも分かっている。未来に希望を持ち過去にしがみつく男とひたすら現在を生きる女。たぶんそれが男と女の壁の一番厚いところじゃないだろうか。先日の『アメトーーク』“女の子苦手芸人”でケンコバが言ったこと。「男は元カノを美化して言うのに、女は元カレの悪口しか言わない」激しく同意!
2012.4.15記

タイトル アベンジャーズ
出 演 ロバート・ダウニー・Jr/クリス・エヴァンス/マーク・ラファロ/クリス・ヘムズワース/スカーレット・ヨハンソン/ジェレミー・レナー/ トム・ヒドルストン/クラーク・グレッグ/ステラン・スカルスガルド/サミュエル・L・ジャクソン
監 督 ジョス・ウェドン
ストーリー 人知を超えた悪によってひそかに進められる地球壊滅の陰謀。それを食い止めるべく、大富豪で天才発明家アイアンマン、神々の国から地球ヘと追放された雷神ソー、感情の爆発によって容姿を激変させる科学者ハルクなどを集めた部隊アベンジャーズが結成される。しかし、各々が抱えているつらい過去や苦悩が浮き上がっては衝突し合うようになり、人類史上最大の危機に立ち向かうチームとしての機能が消失しかけていた。
評  科学忍者隊ガッチャマン・大鷲の健「ついに『タイタニック』を抜いた全米第1位の映画が上陸したぞ。こんなにアメコミヒーローが一堂に会するなんてすごいぜ」デビルマン「フン、『マーベル』だったらスパイダーマンとか、Xメンのウルヴァリンとか、もっと有名なのがいるだろうよ」新造人間キャシャーン「原作もシリーズになってるようだから次回作に出るかもな」バビル2世「これ見るとハルクが最強だね。僕のしもべでもポセイドンが一番強いし」破裏拳ポリマー「ただ、話の半分は内輪揉めじゃないか。クライマックスは『トランス・フォーマー』に似てるぜ」宇宙の騎士テッカマン「それはCG技術者が同じ山口圭二さんだからだよ。ちなみにアイアンマンが変身スーツを装着する様は僕を真似したそうだよ」キューティー・ハニー「男の人の自慢って見苦しいわよ。ところで最後に皆んなで食べてるシャワルマ”っておいしいのかしら?」
2012.8.19記

タイトル アメイジング・スパイダーマン
出 演 アンドリュー・ガーフィールド/エマ・ストーン/リス・エヴァンス/デニス・リアリー/キャンベル・スコット/イルファン・カーン/マーティン・シーン/サリー・フィールド
監 督 マーク・ウェブ
ストーリー 高校生のピーター・パーカーは両親が失踪した8歳のときから伯父夫婦のもとで暮らしていた。ある日、ピーターは父リチャードの共同研究者だったコナーズ博士のもとを訪れ、研究室で特殊なクモにかまれてしまう。その直後、ピーターの体には異変が起きる。
評  今年は、超ヒットの『アベンジャーズ』に対抗して、人気アメコミヒーロー映画が目白押しだ。来月公開のクリストファー・ローランの3部作最後の『バットマン・ライジング』に先駆けた本作は、なんと制作国アメリカより先に日本で公開された。元々は『スパイダーマン4』の計画であったものがサム・ライミ監督の降板により内容一新した再スタートとなっている。全体的にポップな感じでとっつきやすいが、前シリーズのような“重さ”が好きだった者には物足りなく感じる。しかし、ターザンスウィングするスパイダーマン目線のニューヨーク風景とか、観てみたかった映像が満載であり、まさしく“amazing(驚愕的)”だった。ところでコナーズ博士の行っている再生化する細胞の研究って、“@PS細胞”のことだよね。もしかしてリザードマンは実在したりして。
2012.6.24記

タイトル アルゴ
出 演 ベン・アフレック/ブライアン・クランストン/アラン・アーキン/ジョン・グッドマン/ヴィクター・ガーバー/テイト・ドノヴァン/クレア・デュヴァル/スクート・マクネイリー/クリストファー・デナム/カイル・チャンドラー/クリス・メッシーナ/タイタス・ウェリヴァー/シェイラ・ヴァンド/マイケル・パークス/ロリー・コクレイン/テイラー・シリング/クリストファー・スタンリー/フィリップ・ベイカー・ホール
監 督 ベン・アフレック
ストーリー 1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激しさを募らせ、その果てにアメリカ大使館を過激派グループが占拠し、52人もの人質を取るという事件が起きる。パニックの中、アメリカ人6名が大使館から逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデスは、6名が過激派たちに発見され、殺害されるのも時間の問題だと判断。彼らを混乱するテヘランから救出するある作戦を立案する。
評  “アカデミー賞作品賞”“監督ベン・アフレック”“反イラン”。最初、このワードが並んでるだけで嫌悪感を抱いたのだが、意外や意外、これはすばらしい!やはり取り上げた題材が勝因だろう。。アメリカの外交は、すぐに巨大な軍事力に物を言わせてムリヤリねじ込むものだとばっかり思っていたが、こんなファニーなこともやっていたとは!これほどの平和的な救出劇をやってのけたトニー・メンデスはもっと評価すべきだ。それ以上に好感もてたのはきちんとイラン側の訴えも述べ伝えているところ。相対的に双方の意見をリベラルに並べることがマストだとは思わないが、いままでの居丈高なアメリカ戦争映画とは一線を画していると思う。ベン・アフレック、やればできるじゃん。おかげでジェニファー・ロペスへの慰謝料の足しになったじゃないの。
2013.4.14記

タイトル アンコール!!
出 演 テレンス・スタンプ/ヴァネッサ・レッドグレーヴ/ジェマ・アータートン/クリストファー・エクルストン/アン・リード/ジャメイン・ハンター/カリータ・レインフォード/ラム・ジョン・ホルダー
監 督 ポール・アンドリュー・ウィリアムズ
ストーリー 寡黙でとっつきにくい性格が災いし、周囲から筋金入りの頑固おじさんとして扱われ、息子とも溝ができてしまっているアーサー。そんな彼が愛してやまない、性格の明るい妻マリオンのガンが再発してしまう。そんな中、彼女が在籍するロックやポップスの名曲を歌う合唱団「年金ズ」が国際コンクールの選考大会に出場することに。治療などで練習に参加できないマリオンの代理で「年金ズ」のメンバーになるアーサーだが、個性豊かなメンバーや慣れない合唱に面食らってしまう。
評  たぶんけっこうな感動作に出来てるんだろうけど、『ヤング@ハート』の後に観ちゃったせいか、ものすごく霞んで見えてしまった。のっけにソルト・ン・ペッパの『Let's Talk About Sex』で「お前らの年じゃもうムリだろ」というツッコミを期待してるかのようなツカミは悪くなかったけど、最後はこの爺さんが歌って終わりなんだろうと思ったら案の定だった。それに『Good Night My Angel』って、ビリー・ジョエルが自分の7歳の娘への子守歌だそうだから、レクイエム代わりにするのはどうかと思うよ。でもこんなに毒づいてるとビリー・ジョエルはこう歌うかな。「♪Honesty is such a lonely word. Everyone is so unture. Honesty is hardly ever heard. And mostly what I need from you.」
2014.8.24記

タイトル アンダーワールド 覚醒
出 演 ケイト・ベッキンセイル/スティーヴン・レイ/マイケル・イーリー/テオ・ジェームズ/インディア・アイズリー/チャールズ・ダンス
監 督 モンス・モーリンド/ビョルン・スタイン
ストーリー 狼男族だけでなく、仲間である吸血鬼族からも追われる身となった後に、人間に捕まってしまった女戦士セリーン。12年もの眠りから覚醒した彼女は、その間にも収束することのなかった吸血鬼族と狼男族の戦いに、両種族の能力を奪おうと人間が加わっている混沌を極めた状況を目の当たりにする。吸血鬼族、狼男族、人間が入り乱れる壮絶な戦闘の最中に、セリーンは戦いの行方を大きく左右する存在となる少女と出会う。
評  この配給会社やるねぇ〜!よりによって女子に圧倒的人気な(私は大嫌いな)『トワイライト・サーガ』に、同じバンパイア映画を同じ上映日にぶつけてきやがった。これも人気作だし、どっちも「4」だから勝負かけてきたか。それに3Dを活かしたアクションは絶品だから負けるわけがない。ただ・・・なんでこんなに『バイオ・ハザード』に似て来るんだよ!ライカンがハンターに、巨大化した奴はタイラントに見えてしょうがない。もっともアリスがモンスター化したところからこっち寄りになってきたのもあるか。んー、クリステン・スチュワート、ミラ・ジョヴォヴィッチよりだったら、やっぱケイトが好き!(結局、女優かい!)
2012.2.26記

タイトル アンナ・カレーニナ
出 演 キーラ・ナイトレイ/ジュード・ロウ/アーロン・テイラー=ジョンソン/ケリー・マクドナルド/マシュー・マクファディン/ドーナル・グリーソン/ルース・ウィルソン/アリシア・ヴィキャンデル/オリヴィア・ウィリアムズ
監 督 ジョー・ライト
ストーリー 19世紀末のロシア。政府高官カレーニンの妻にして、社交界の花として人々から注目されるアンナ・カレーニナ。しかし、華やかな生活の裏で夫との愛なき結婚に空虚なものを抱いていた。そんな中、彼女は離婚の危機に陥った兄夫婦の関係を修復させようと、彼らのいるモスクワへ。駅に降り立ったアンナは、そこで青年将校ヴロンスキーと出会う。彼から強い思いをぶつけられて戸惑う彼女だが、自分にも彼を慕う気持ちで胸がいっぱいだった。
評  トルストイの『戦争と平和』に並ぶ代表作で、いままでなんども映画化されてきた。古典的名作の宿命かもしれないが、これを元にしたであろう話は山ほどあるし、特にこのような若い男に恋する人妻の話はかつての昼メロのド定番だった。もちろんこの豪華絢爛な衣装や美術や、演劇か映画かと思わせる演出はちょっとは気をひくが、男目線からすると単なるジコチュー女にしか見えず、ただただ退屈でしかなかった。せめてもの救いはキーラ・ナイトレイの美貌が損なわれていないことですかね。どうやったら“あんな華麗にな”れるのでしょう。(またダジャレ!?)
2013.5.26記

タイトル 遺体 明日への十日間
出 演 西田敏行/緒形直人/勝地涼/國村隼/酒井若菜/佐藤浩市/佐野史郎/沢村一樹/志田未来/筒井道隆/柳葉敏郎
監 督 君塚良一
ストーリー 東日本大震災の発生直後。定年まで葬儀関係の仕事に就いていた相葉常夫は、仕事柄遺体に接する機会が多かったことから、遺体安置所でボランティアとして働くことになる。一人一人の遺体に優しく話し掛ける相葉の姿を見て、膨大な遺体に当初は戸惑っていた市職員たちも、一人でも多く遺族のもとに帰してあげたいと奮闘し続ける。
評  私の勤める会社は東北に支店を置く廃棄物処理会社であり、一部では一昨年前から震災廃棄物も受け入れている。直接被災地へ行って廃棄物を回収する社員もいて、話を聞くとかなりハードだった。仙台空港に集められた津波に流された車を確認する担当だった社員は、車の中に亡くなった方がいる気がして相当怖かったと言っていた。テレビでは何にも無い原野や崩壊した建物は映しているけど、それはほんの一部でしかないと被災地で働く社員は話してくれた。この映画も震災の爪あとのほんの一部でしかないが、少なくともマスメディアでは知ることのできなかった事である。被災者に対して何も貢献できなかった私としてはせめて多くのことを知る努力をしていきたい。
2013.4.21記

タイトル 命ある限り
出 演 シャー・ルク・カーン/カトリーナ・カイフ/アヌシュカ・シャルマ/アヌパム・カー/リシ・カプール
監 督 ヤシュ・チョープラ
ストーリー 陸軍で防護服を身につけずに爆弾処理に当たる命知らずの男サマル。彼と偶然出会ったテレビの女性ディレクターは、ひょんなことから彼の悲しい過去を知ってしまう。かつてストリート・ミュージシャンだったサマルは、ロンドンで富豪の令嬢ミラと出会い、恋に落ちる。しかし彼女には父が決めた婚約者がいた。それでも互いの愛を貫こうと決意した2人だった。
評  もうインド映画といった劇中の歌や踊りでしょうね。ネットの動画サイトでは、いきなり集団で踊りだす“ハーレム・シェイク”が流行ってますが、あながち発端はこれじゃないでしょうか。ストーリーにムリヤリにでも絡ませてミュージカル並に歌や踊りを入れるもんだから、この映画も3時間と長いこと長いこと。途中に出る「INTER MISSION」を知らない人は、下に書いているのが字幕だと思って「引き続きご覧ください」の意味と取り違えそうです。ところで、最初と最後のエンドロールで監督を映しているのは、インド映画界の名匠で本映画の監督のヤシュ・チョープラの遺作になったからだそうです。きっとこの映画の邦題考えた奴、「うまいこと出来た」と思っているんだろうな。逆に不謹慎だぞ。
2013.7.7記

タイトル インポッシブル
出 演 ユアン・マクレガー/ナオミ・ワッツ/トム・ホランド/ジェラルディン・チャップリン/サミュエル・ジョスリン/オークリー・ペンダーガスト
監 督 J・A・バヨナ
ストーリー 2004年末、マリアとヘンリーは、3人の息子と共にタイにやって来る。トロピカルムードあふれる南国で休暇を過ごすはずだったが、クリスマスの次の日、彼らは未曾有の天災に巻き込まれる。一瞬にして津波にのみ込まれ、散り散りになった家族はそれぞれの無事を祈りつつ再会への第一歩を踏み出す。
評  あの震災から2年半以上経ったわけだが、果たして被災地の復興はどうなったのか?ニュースでは福島原発の被害はよく聞くが、津波の被害についてはたまにしか報道されない。例えば甚大な被害をこうむった陸前高田市では、ようやくガレキの撤去は済んだが、未だに只っ広い更地の状態なんだそうだ。被災住民はいまだに仮設住宅暮らしで、街づくりのメドも立っていないようだ。単なる地震ならば同じ場所に家を建て直せばいよいが、津波の被害を受けた地域は、高台への移転や土地のかさ上げが必要となる。しかし、高台移転のために山林を切り開いて宅地化すると“開発行為”と見なされ大臣の決裁が必要になり半年以上も待たされるという。こんな状況下でいまだにこんな許認可の壁は高いのだ。また、アベノミクスの三本の矢のひとつに「公共事業費投入」は被災地よりも他の土木工事が大幅に増えるといわれている。安倍さん、TPPどころじゃねぇんだよ。もっと国内を見ろ!
2013.10.13記

タイトル ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館
出 演 ダニエル・ラドクリフ/キアラン・ハインズ/ジャネット・マクティア/リズ・ホワイト/ソフィー・スタッキー/ロジャー・アラム
監 督 ジェームズ・ワトキンス
ストーリー 19世紀末のイギリス。ロンドンで弁護士として働くアーサー・キップスは、4年前の妻の死を引きずっていた。そんな彼に、弁護士事務所の上司は田舎町クライシン・ギフォードへの出張を命じる。課せられた仕事の内容は、同地に建つイールマーシュの館へ赴き、亡くなった家主であるアリス・ドラブロウ夫人の遺書を見つけ出すというものだった。やがて、アーサーは黒衣をまとった女が周囲の森や窓辺に出現するのを目にするようになり、館の恐ろしい歴史と町の子どもたちが次々と怪死している事実を知る。
評  『ハリー・ポッター』のダニエル・ラドクリフ君がそのイメージを払拭すべく臨んだゴシック・ホラー。ハリポタでは子供だったけど、いきなり一児のお父さん役なのでそのギャップでいまいち評判が良く無いらしい。でも下手な怖がらせ方せずに、ただただ悲しい描写はそんな悪くない。きっとコアなハリポタファンにとっては、ハリー・ポッターが大人になるのは、我が子が殺されたように思えたのだろう。それにしてもあの見猿言わ猿聞か猿”、なんであるの?
2012.12.9記

タイトル 宇宙兄弟
出 演 小栗旬/岡田将生/麻生久美子/濱田岳/新井浩文/井上芳雄/塩見三省/益岡徹/森下愛子/吹越満/堤真一
監 督 森義隆
ストーリー 子ども時代に、宇宙飛行士になることを誓い合った兄弟ムッタとヒビト。時は過ぎて2025年、弟ヒビトが夢をかなえて宇宙飛行士となった一方、兄ムッタは会社を解雇され意気消沈していた。互いに違った道を進んでいた兄弟だったが、弟からの連絡をきっかけに兄はかつての夢を実現させるべく再び宇宙飛行士という目標に向かって進み始める。
評  秋山豊寛「最近、マンガ原作の映画が多いですね」毛利衛「これは昨年、講談社漫画賞と小学館漫画賞のW受賞したそうですよ」向井千秋「この映画にも出てるけど、あの真っ白のジグソーパズルすごい懐かしい。コミックスの付録にもしたそうよ」若田光一「けっこう忠実だよね。改めて思うけど、宇宙目指す人たちって皆んな子供のまんまだ」土井隆雄「おいおい、アポロ11号のバズ・オルドリンも出てるぞ」野口聡一「お恥ずかしながら私も出演させて頂きました」星出彰彦「でも、ヒロイン役が麻生さんですか。きれいだけど、もう少し若い方のほうが・・・」山崎直子「失礼ですね。私が宇宙行ったのは39歳の時ですよ」古川聡「まあまあ。それよりさ、“宇宙で兄弟”といったら『宇宙鉄人キョーダイン』だよね・・・。あれ、古かった?」
2012.5.6記

タイトル エージェント・ヴィノッド 最強のスパイ
出 演 サイーフ・アリー・カーン/カリーナ・カプール/アディル・フセイン/グルシャン・グローヴァー/マリアム・ザカリア/ドリティマン・チャタジー/ラヴァ・キシャン
監 督 シュリラーム・ラガヴァン
ストーリー 九つの偽名を駆使し世界各国を飛び回る、インド諜報局RAWのスパイ、ヴィノッド。ある日、同僚のラジャンが、ロシアの犯罪組織に潜入中に242という数字を言い残して殺されてしまう。死の真相と数字の意味を探るヴィノッドは、事件との関連が疑われるモロッコの富豪カザンの存在を知る。彼に近づくも、謎めいた美女ルビーに監視されるヴィノッド。彼女を警戒する中、インドの首都デリーをターゲットにした核爆発の陰謀が明らかになる。
評  なかなかのこだわりを見せたアクション映画です。オープニングをアメコミ調にしたり、とにかくカット数が多くしたり、逆にワンカメで長回ししたり、いろいろ実験しまくっています。よく言えば、挑戦していますが、悪く言えば焦点がブレてる感じがしました。でもまあ、トゥクトゥクで高速道路をつっ走る画は新鮮でした。また、カリーナ・カプールが相変わらず綺麗でよかったです。そういえば、この主役のサイーフ・アリー・カーン、『たとえ明日が来なくても』でのもう一人の男の方だとすぐ気づきました。それにしてもインド人の名前(苗字?)に“カーン”って多いですね。今インドでの三大カーンは、シャー・ルク・カーン、アミール・カーン、サンマン・カーンの三人で、やがて彼も混じって四大カーンになるんでしょうか。おっと、キラー・カーンを忘れてた。(その人は日本人!もう還暦過ぎたプロレスラーだわ!)
2016.1.17記

タイトル エクスペンダブルズ2
出 演 シルヴェスター・スタローン/ジェイソン・ステイサム/ジェット・リー/ドルフ・ラングレン/チャック・ノリス/テリー・クルーズ/ランディ・クートゥア/リアム・ヘムズワース/ジャン=クロード・ヴァン・ダム/ブルース・ウィリス/アーノルド・シュワルツェネッガー
監 督 サイモン・ウェスト
ストーリー 東欧バルカン山脈の山岳地帯に墜落した輸送機からデータボックスを回収する仕事を引き受けた、バーニーが率いる傭兵部隊エクスペンタブルズ。だが、ヴィランをリーダーとする武装グループの襲撃を受け、データボックスを奪われた上に、メンバーの一人を失ってしまう。ヴィランたちが、ボックスに収められたデータから旧ソ連軍の埋蔵プルトニウムを見つけ出し、他国に売ろうとしていることを知ったエクスペンタブルズは、仲間の復讐を果たすためにも彼らに戦いを挑んでいく。
評 10 待ってました!最強消耗品軍団!!最初の20分のアクションだけで充分満足できます。でもヒロインが中国人だからかジェット・リーは序盤だけで全然出てきません。その代わり、前作で友情出演だったシュワルツェ・ネッガーとブルース・ウィリスのアクションがしっかり堪能できます。シュワちゃんは知事辞めたし、浮気のおかげで離婚したから、もうメチャクチャしても関係ありません。前作の出演オファーを断ったジャン・クロード=ヴァンダムが敵役で登場。これはきっと師匠格であるチャック・ノリスが出演することになったからでしょう。もし彼らのトレーディング・カードが発売されたらコンプリートするまで買うかもしれません。(えっ、あるの?それもかなりの高額取引!)いずれにせよ私らオッサン世代にとっては感激作でした。でもミッキー・ロークは?
2012.10.21記

タイトル L.A.ギャングストーリー
出 演 ジョシュ・ブローリン/ライアン・ゴズリング/ショーン・ペン/ニック・ノルティ/エマ・ストーン/アンソニー・マッキー/ジョヴァンニ・リビシ/マイケル・ペーニャ/ロバート・パトリック/ミレイユ・イーノス/サリヴァン・ステイプルトン/ホルト・マッキャラニー
監 督 ルーベン・フライシャー
ストーリー 1949年ロサンゼルス、ギャング王ミッキー・コーエンはドラッグや銃器売買、売春などで得た金で街を牛耳っていた。警察や政治家も意のままに操るコーエンに誰も歯向かえずにいたが、街の平和を取り戻すべく6人の男たちが立ち上がる。ロサンゼルス市警のジョン・オマラとジェリー・ウーターズらのチームは、身分を隠し闇社会に戦いを挑んでいく。
評  「毒を持って毒を制す」という慣用句は、古代の中国、宗代の禅書『嘉泰普灯録』に記載されていた。悪を滅ぼすために他の悪を利用することで用いられる。当然使い方を誤ると逆にとんでもないことになるが、薬学上ではけっこうありうることなようで、いわゆる“副作用”がその現象である。本作での“ギャング退治の警察ギャング団”は実在したそうで、映画で観る分には快感。しかし、こんな風に結局力で抑えこもうとするのはいかにもアメリカらしく、ちょっと眉をひそめた。他国テロにも倍返ししてるし、こういうのは「毒を“盛って”毒を制す」というべきだ。
2013.5.5記

タイトル エンド・オブ・ウォッチ
出 演 ジェイク・ギレンホール/マイケル・ペーニャ/アナ・ケンドリック/ナタリー・マルティネス/アメリカ・フェレーラ/フランク・グリロ/デヴィッド・ハーバー/ハイメ・フィッツシモンズ/モーリス・コンプト/クリー・スローン/コディ・ホーン/ションドレラ・エイヴリー
監 督 デヴィッド・エアー
ストーリー ロサンゼルスの重犯罪多発地区サウス・セントラルを担当する白人巡査テイラーとメキシコ系巡査ザヴァラは、固い絆で結ばれた警官コンビ。パトロール中に通報を受けて向かった家で、図らずもメキシコ麻薬カルテルの秘密に触れてしまう。組織の怒りを買った二人は命を狙われてしまう。
評  「この映画はロサンゼルスの警察の実態をドキュメントタッチで描いた映画ダニな。撮影にはロス市警も全面協力してくれたそうダニ」「ふーん、でも、所詮フィクションなんでしょ。ドキュメンタリータッチって、ハンディカメラ使って素人映像っぽく見せただけじゃないの。『ブレア・ウィッチ』だっけ?ホラーでも受けた手法だから、それをアクションでもいけると思っただけじゃないのぉ?」「そんなことない無いダニ!ミーは裏街に潜入していくところなんかけっこうドキドキだったダニ」「ほーら、こんな風に単純な人・・・いや妖怪ならウケるんでしょうな。浅はかと言おうか、子供だましと言おうか。ていうか、タイトルの“ウォッチ”だけ私たちが出てるってのも安直ですな」「てめぇーーー!!」ベイダーモード「わ、わ、止め止め止めー!ロス市警は銃の乱射なんかしないでしょ!」
2016.4.24記

タイトル 黄金を抱いて翔べ
出 演 妻夫木聡/浅野忠信/桐谷健太/溝端淳平/チャンミン(東方神起)/青木崇高/中村ゆり/田口トモロヲ/鶴見辰吾/西田敏行
監 督 井筒和幸
ストーリー 裏社会の住人相手の調達屋として生きる幸田は、大学の同級生だった北川からある計画を持ち掛けられる。それは大阪市の銀行が誇る、コンピュータを駆使した完璧な防犯システムが施された金庫から240億円相当の金塊を強奪するというものだった。
評  「(井筒和幸)僕もね、こうやって映画創らせてもらってるけどね。常日頃思ってるんですよ。やっぱ映画はポリシーですわ。それが無い映画はクソ!みんなクソですわ(亀田興毅)アンタなぁ、ようクソクソゆうとるけどなぁ。自分の映画、客観視したことあんの?どうみても在日韓国人のひがみしか映らんやんか。アンタの方がクソちゃうか(IKKO)もう!どんだけ〜!せっかく東方神起のチャンミン出てるのにそんなヒドいこと言わないでぇ(マツコ・デラックス)それよりワタシの扱いなんなのよ!テレビに一瞬映るだけじゃないのよ!(吉田照美)えー、要するに映画を見るときはぁ、出演者だけじゃなく、監督でも選びましょう、ってことなんじゃないですか」「おい、あんちゃん、モノマネいいから早くラーメン作ってくれよ」「HEY!」
2012.11.11記

タイトル 王になった男
出 演 イ・ビョンホン/リュ・スンリョン/ハン・ヒョジュ/キム・イングォン/シム・ウンギョン/チャン・グァン/キム・ミョンゴン
監 督 チュ・チャンミン
ストーリー 1616年、暴君の悪名高き朝鮮第15代王の光海君は権力争いの渦中にあり、常に暗殺の危機にさらされていた。そんな折、彼とそっくりの容姿を持つ道化師ハソンが王の影武者として宮中に上がることになる。重臣たちは、何とかして身分の低い平民であるハソンを王に仕立て上げようと画策する。
評  いままで朝鮮の政治は太古の歴史から冊封体制”ばっかりと思っていた。これは中国の歴代王朝の皇帝が近隣各国の君主に王”の称号を与え主従関係を結ぶという統治体制のこと。つまり朝鮮側からすると中国の従属的な位置にいて庇護を受けている外交だと思っていたため、この光海君の存在には驚いた。まさに朝鮮の聖徳太子である。しかし彼がここまで強気の政治を行うのには当時の李子朝鮮が当時の中国「明」や当時のモンゴル「後金」の脅威に晒されていたということがある。またそれ以前に内政をガタガタにされた理由は豊臣秀吉の朝鮮侵攻だったりする。そう考えると猫を咬んだ窮鼠”だという可能性もある。いずれにせよ、おい日教組!安重根みたいなテロリストよりもこういう人物を歴史の教科書に載せろ!
2013.4.7記

タイトル 大奥 〜永遠〜 右衛門佐・綱吉篇
出 演 堺雅人/菅野美穂/尾野真千子/柄本佑/要潤/桐山漣/竜星涼/満島真之介/郭智博/永江祐貴/三浦貴大/市毛良枝/榎木孝明/由紀さおり/堺正章/宮藤官九郎/西田敏行
監 督 金子文紀
ストーリー 美しい容姿と才覚を持つ5代将軍・徳川綱吉による巧みな統治手腕によって、これまでにない栄華を誇る徳川幕府。だが、綱吉が一人娘を亡くして跡継ぎ作りに専念するようになったのを機に、大奥では正室と側室の派閥争いが表面化し、男衆の策略、陰謀が繰り広げられようとしていた。そんな中、貧しい公家の出身ながらも並外れた才気を認められ、右衛門佐という男が大奥入りを果たす。権力闘争をくぐり抜け、綱吉の信頼をも獲得し、徐々に力を手にして大奥総取締となる右衛門佐だった。
評  明治時代前の日本の政治は実は“性”治である。これは政権継続の方法が世襲だったからであり、子孫を絶やせばその政権は他のものにとって代わられるからだ。“生類憐れみの令”を出したおかげで綱吉はしっかり日本の暴君というイメージがついているが、その理由は子供ができないことに悩み、祈祷師に「殺生するな」と吹き込まれたからである。男女の立場が違うが本作でもちゃんと描かれていた。しかしながら、結局は原作少女マンガのサガなのか、最後に“純愛”で締めくくるのは気にいらない。どんな歳をとっても自分を好きでい続けるなんていう恋愛至上主義が、側室や妾の制度を忌まわれるものに仕立て上げたというのに・・・。ところで“逆転した政治”といえば、今回の衆議院選挙では自民党が逆転し民主党から政権を奪還した。でも、どうせまた国民はほったらかしなんだろう。
2012.12.23記

タイトル おおかみこどもの雨と雪
出演(声) 宮崎あおい/大沢たかお/黒木華/西井幸人/大野百花/加部亜門/林原めぐみ/中村正/大木民夫/片岡富枝/平岡拓真/染谷将太/谷村美月/麻生久美子/菅原文太
監 督 細田守
ストーリー 19歳の大学生の花は、あるときおおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟が誕生する。彼らは、人間とおおかみの両方の血を引くおおかみこどもとしてこの世に生まれたのだが、そのことは誰にも知られてはならなかった。人目を忍びながらも家族四人で仲良く都会の一角で暮らしていたが、ある日、一家を不幸が襲う。
評  同じく母と子の絆をテーマにしたアニメ『メリダとおそろしの森』と同じ日に公開となった。片方が動物になってしまう点でも同じなので嫌が応にも対決の構図になっている。私としては好みの差でこちらに軍配を上げたい。子供の独立心を最初から理解しているが、自分にまだできることはないかと悩む母親・花の愛情がガンガン心に響いてきた。全体をやさしく包みあげる音楽にも魅了された。それにしても姉が雪で弟が雨”なのに、タイトルは順番が逆なのが気になったが最後まで観て納得。え、その頃はもうこども”じゃないって?やかましい!おっと冷静になろう「おみやげみっつ、タコみっつ」
2012.7.22記

タイトル おかえり、はやぶさ
出 演 藤原竜也/杏/三浦友和/前田旺志郎/森口瑤子/田中直樹/宮崎美子/カンニング竹山/豊原功補/大杉漣/中村梅雀
監 督 本木克英
ストーリー 宇宙の謎を解く鍵となる小惑星イトカワのサンプルを採取して地球に帰還するべく、2003年5月9日、小惑星探査機「はやぶさ」が打ち上げられた。JAXAのエンジニア助手・大橋健人は、火星探査機のぞみのプロジェクトに携わっていた父への思いを胸に、はやぶさの壮大なプロジェクトチームの一員として日々奔走する。しかし四つのメインエンジンの停止、通信の遮断など、数々の困難が待ち構えていた。
評  日本の誇り 「はやぶさ」 その参
「世界で初めて小惑星から物質を持ち帰った探査機」としてギネスに認定されているはやぶさ。そのほかにも、マイクロ波放電型イオンエンジン使用などの多くの世界初の功績を残した。では、そもそもそのサンプルリターンの目的は何だったのか。それは太陽系の紀元を調べるためであった。それは地球の物質を調べても分かると思う所だが、実は地球は粘度の高い液状でできているため(だから、地球は丸いし、地表が動く)重い物質は地中深くにあり発掘は非常に困難。一応、堕ちてきた隕石の分析で検討はつけているのだが、数が少ないため仮説でしかなかった。それが、今回持ち帰った微粒子を分析した結果、昨年の10月の報告では「コンドライと隕石」と呼ばれる比較的一般的な隕石と同じ物質であることがわかった。仮説を裏付けることができたのだ。そんなことのために何百億の国家予算、つまり税金を使ったのか、という人もいるだろう。そんな奴は結局、自分の利しか考えていないのだ。宇宙だけじゃなく“科学”とは未来を創るためのものだ。私は後を継ぐ者のために喜んで小さな歴史の礎になろう。
2012.3.11記

タイトル 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
出 演 織田裕二/柳葉敏郎/深津絵里/ユースケ・サンタマリア/伊藤淳史/内田有紀/小泉孝太郎/北村総一朗/小野武彦/斉藤暁/佐戸井けん太/真矢みき/筧利夫/小栗旬/香取慎吾
監 督 本広克行
ストーリー 国際環境エネルギーサミット会場で誘拐事件が起こり、その後被害者が殺された状態で発見される。殺害に使われたのは、警察が押収した拳銃だった。捜査を担当することになった湾岸署だったが、青島ら捜査員には情報がまったく開示されない方針が決定。そんな中、第2の殺人が起き、続く第3の事件では真下の息子が誘拐されてしまう。
評  1997年のテレビドラマから始まってついにファイナル!本作はまさにその原点回帰といえるでしょう。映画化されてからどうも猟奇殺人や特異な殺人犯が目立っていましたが、元々はリアルな警察の構造をあぶりだしたドラマでした。大事件になると所轄の警察署が追いやられたり、出世は実力よりキャリアを優先していたりする現実を白日にさらしました。そしてプロデューサー本広監督は「1人の刑事が15年も同じ署にいない」というリアル感から本作で最後と決めたそうです。本作では、本来正義を貫かなければならない警察がその存在を固持するために隠蔽、捏造を行うという巨大組織が故に生じるゆがみが鮮烈に描かれています。まさにファイナルにふさわしい。ところで、前作は事務所問題がぐちゃぐちゃになって干されてしまった水野美紀さんが出演されているのはホッとしました。もっともいかにも後からインサートしたって感じのカットでしたが。きっと話の内容的に隠蔽”はできなかったんでしょう。
2012.9.9記

タイトル 俺俺
出 演 亀梨和也/内田有紀/加瀬亮/キムラ緑子/高橋惠子/ふせえり/岩松了/中谷竜/小林きな子/渋川清彦/森下能幸/少路勇介/佐津川愛美/岡野真也/町田マリー/松重豊/松尾スズキ
監 督 三木聡
ストーリー 家電量販店で働く均は、何の変哲もない郊外の街で平穏に暮らしている。彼の悩みは、実家の団地に顔を出した際に母親に文句を言われたり、職場で上司のタジマにいびられたりすることぐらいだった。平凡な日々に飽き飽きとしていたある日、ひょんなことでオレオレ詐欺を行った均の前にもう一人の自分が現われる。
評  「矢部さん、大変です!あのKATTUNの亀梨くんがめちゃくちゃ増殖して、そしたら次々“削除”されていってるんです!国民的アイドルが消されるって、世間は大騒ぎですよ。ネットでは赤西くんが犯人じゃないかって・・・」「おい、秋葉ぁ、めったなこと言うんやないで。ジャニーズ、敵に回したらお前が消されっど。どうせ、オレオレ詐欺じみた真似して、その良心の呵責で性格分裂起こしただけとちゃうか」「い、いんスか?そんな核心突いたネタバレみたいなこと言って・・・」「せやけど、オレオレ詐欺って、ようこんな変な名前広まったな。もっとも、ワシやったらワシワシ詐欺やけどな」「もう!ふざけないでください!」「わ!やめろ!髪にさわるな!!・・・あ、」「あれ?矢部さんがいなくなった。もしかして消された?ちょっとそこのハゲの人、知りませんか?」「ワシ・・・いや俺は知らないですねぇ・・・」
2013.7.14記

タイトル 折れた矢
出 演 アン・ソンギ/パク・ウォンサン/ナ・ヨンヒ/キム・ジホ/ムン・ソングン/イ・ギョンヨン/キム・ウンス/キム・ジュンベ/チョン・ウォンジュン
監 督 チョン・ジヨン
ストーリー 大学で教壇に立つキム・ギョンホ教授は、大学入試試験に出題された問題の間違いを指摘したせいでクビになってしまう。職場復帰を求めた裁判にも負け、控訴審も棄却されて頭に血が上った彼は担当裁判長をボウガンで脅迫するという暴挙に出る。その後この騒動に関して、キム教授は罪に問われることになる。
評  2007年に元大学教授、キム・ミョンホが起こした「ボウガン・テロ事件」を映画化したもので、これは韓国の保守的姿勢の司法府を痛烈に批判したものとなっている。「放たれた矢は偶発的に飛び、相手に当たってない」と主張するも、裁判では“裁判長へのテロ行為”だということからか最初から有罪扱いで進められ、元教授は懲役4年となった。これに社会派監督として90年代活躍したチョン・ジヨン監督が13年ぶりにメガホンを振るい、名優アン・ソンギがほとんどノーギャラで挑んだ作品として国内に衝撃を与えたそうだ。私としては「韓国に詐欺師以外のプロはいない」の台詞にはピクッとしたけど、この屁理屈教授がどうもいけ好かなくて同情できなかったかな。それより韓国の刑務所でもカマを掘られることがあり、こんなおっさんもやられちゃう鬼畜さに衝撃が走った。
2015.10.11記

タイトル 外事警察 その男に騙されるな
出 演 渡部篤郎/キム・ガンウ/真木よう子/尾野真千子/田中泯/イム・ヒョンジュン/北見敏之/滝藤賢一/渋川清彦/山本浩司/豊嶋花/イ・ギョンヨン/キム・ウンス/パク・ウォンサン/遠藤憲一/余貴美子/石橋凌
監 督 堀切園健太郎
ストーリー 東日本大震災の混乱が続く、2011年の日本。原子力関連部品のデータが、某大学の施設から盗み出される事件が発生する。警視庁公安部外事課の住本は、不正輸出にかかわっているとマークしていた奥田交易の社長夫人・果織の経歴や行動パターンを調査。彼女を協力者として取り込む住本だったが、何者かに刺されてしまう。やがて、その襲撃が日本にひそんでいる韓国人工作員から警告であることが判明する。
評  この“外事警察”という組織は実在する。国益のためなら騙しも買収も恐喝もするという私達たちの概念の警察とは程遠いものだが、これが実際に行われているようだ。以前バスジャックかなんかの事件でSATが現場に出動したのをミュースで見た時に受けた衝撃を思い出した。日本には一般人に知られていない機関はまだ存在するかもしれない。『ハゲタカ』のときも感じたが、こんな政治寄りな鋭い本格的社会派ドラマにおいてはNHKはやっぱり民報よりすごい。ところで、余貴美子演じる官房長官が「核なき時代の実現」なんて言ってる。しかし、せっかく日本全体で停止した“核”が、福井県の大飯で再開することが決まってしまった。本当にそれが国益だと思っているのだろうか。
2012.6.17記

タイトル 画家モリゾ マネの描いた美女〜名画に隠された秘密
出 演 マリーヌ・デルテルメ/マリック・ジディ/ベランジェール・ボンヴワザン/アリス・ビュト/パトリック・デカン/グレゴリー・ガドゥボワ
監 督 カロリーヌ・シャンプティエ
ストーリー パリ16区の裕福な家庭に育ったベルト・モリゾと姉エドマは結婚もせず、絵を描くことに没頭していた。1865年、二人はルーヴル美術館での模写の最中、世間を騒がせている絵画「オランピア」の作者マネと出会う。数日後、マネからベルトに絵のモデルになってもらいたいという手紙が届く。
評  ベルト・モリゾはもっとも有名な印象派の画家である。「印象派」というと日本ではモネやルノワールが真っ先に思いつくが、フランスでは一番の典型がモリゾだといわれる。それよりもとりあげられるのは、彼女が女性画家であり、フェミニズムの象徴とされることであろう。19世紀のフランスは女性が画家になることは許されず、公的機関であるエコール・デ・ボザール(官立美術学校)に入学もできなかった。そんな世間の目を跳ね除け好きな絵に打ち込んだことで、強い女のイメージがクローズアップされたのだろう。しかし、この映画でもわかるように、彼女が絵を続けられたのは、元々家が裕福であったことと、マネの弟である彼女の夫の理解が大きな支えであったのだ。モリゾが27歳のとき、マネに出会い彼の影響を受け絵が上達していくが、マネも彼女に心酔したようで、現在わかっている限りで11点も彼女を描いた絵がある。しかし、やがてはマネが嫌ったグループ展に参加し、彼から離れていった。時代が変わっても男は女の踏み台なのだ。
2016.7.10記

タイトル 鍵泥棒のメソッド
出 演 堺雅人/香川照之/広末涼子/荒川良々/森口瑤子/小山田サユリ/木野花/小野武彦
監 督 内田けんじ
ストーリー 35歳にして定職もなく、売れない役者稼業にもほとほと嫌気がさした桜井は自殺にまで失敗してしまう。その後、出掛けた銭湯で見るからに勝ち組男のコンドウが彼の目の前でひっくり返り、頭を強打したせいで記憶を失ってしまった。桜井は衝動的に彼の荷物をくすねてコンドウに成り済ましたのだが、実はコンドウの職業は殺し屋であった。
評  『普通じゃない人』『アフタースクール』と、この監督の映画にハズレはありません。ひとつひとつのパーツがストーリの中でうまい具合に絡まるこの心地よさ。監督自身が脚本を書いてますので、この方よっぽど神経が細かいんだと思います。もしかしたら、香川さん演じる殺し屋コンドウや広末さん演じる編集長の水嶋さんは、監督自身を投影しているのかもしれません。でも、最初キャスティング見たとき、まさかこの二人の恋愛物語になるとは思いませんでしたね。果たしてこの二人が結婚した後、生まれてくる子はどんだけ几帳面な子になるんでしょう。
2012.9.16記

タイトル カラスの親指
出 演 阿部寛/村上ショージ/石原さとみ/能年玲奈/小柳友/ベンガル/ユースケ・サンタマリア/戸次重幸/なだぎ武/古坂大魔王/上田耕一/鶴見辰吾
監 督 伊藤匡史
ストーリー ベテラン詐欺師のタケと、どこかマヌケな相棒のテツ。ある日、ひょんなことからまひろという少女と知り合ったのをきっかけに、二人は彼女と姉のやひろ、その恋人の貫太郎と共同生活を送るハメになってしまう。全員が不幸な生い立ちを背負っていたこともあり、彼らは次第に奇妙な絆を育んでいく。
評  ストーリーはけっこう面白いんだけど、3時間は長すぎですよね。石原さとみは、新人の能年ちゃんに弾かれてこんな変なキャラを無理やり演ることになったもんだからわがまま放題だったんだとか。そのうえ出演時間が少なくなるってんでほとんどカットできず、こんなに長くなったそうです。それにギャラも高かったので脇役にはほとんど芸人になりました。実は村上ショージの役は元々阿部サダヲだったらしいですが、それは阿部カブリだからと阿部寛がNGを出したようです。まあ、そんな紆余曲折を経てようやく完成となるました。なーんて、今のエピソード全部ウソです。「もう、ダマされちゃってるもんねぇ」
2012.11.25記

タイトル カルテット! 人生のオペラハウス
出 演 マギー・スミス/トム・コートネイ/ビリー・コノリー/ポーリーン・コリンズ/マイケル・ガンボン/グウィネス・ジョーンズ/シェリダン・スミス/アンドリュー・サックス/トレヴァー・ピーコック/デヴィッド・ライオール/マイケル・バーン/ジョン・ローンズリー/ヌアラ・ウィリス
監 督 ダスティン・ホフマン
ストーリー 第一線を退いた音楽家たちが生活している「ビーチャム・ハウス」では、経営難のホーム存続を懸けてコンサートの準備に追われていた。そこで余生を過ごすレジー、シシー、ウィルフたちのもとに、かつてのカルテット仲間だったものの確執を残して去っていったプリマドンナのジーンが入居する。コンサートを控えたメンバーは、疎遠だった彼女との再会に当惑する。
評  「あのね、この4人の主役は別として他の出演者って、往年のオペラ歌手やクラシック演奏者なんだって」「ふーん、でも私たちもこんなおばあちゃんになっても歌っているのかな」「そりゃそうでしょ。いっても私たちもう50代半ばだし、もうそこまできてるのよ。♪うそーじゃないの、うそーじゃないの、ホントのことよ〜」「あー、現実言わないで!それより今度のライブさぁ、同年代の男性デュオをサプライズで呼んでカルテットするのってどう?」「面白いね。チャゲ&アスカさんとか」「飛鳥さん入院中でしょ」「じゃあ、狩人さん」「絶対、無理!」「それより奇をてらってアニソンってどう?あなたの元ダンナにプロデュースしてもらってさ」「アンタ殺すよ」
2013.7.28記

タイトル 華麗なるギャツビー
出 演 レオナルド・ディカプリオ/ トビー・マグワイア/キャリー・マリガン/ジョエル・エドガートン/アイラ・フィッシャー/ジェイソン・クラーク/アミターブ・バッチャン/エリザベス・デビッキ
監 督 バズ・ラーマン
ストーリー ニックが暮らす家の隣に建つ、ぜいを凝らした宮殿のような豪邸。ニックは、そこで毎晩のように盛大なパーティーを開く若き大富豪ジェイ・ギャツビーと言葉を交わす仲になる。どこからやって来たのか、いかにしてばく大な富を得たのか、なぜパーティーを開催し続けるのか、日を追うごとに彼への疑問を大きく膨らませていくニック。やがて、名家の出身ながらも身寄りがないこと、戦争でさまざまな勲章を受けたことなどを明かされるが、ニックはこの話に疑念を持つ。
評  「あら?『華麗なるギャツビー』って、昔ロバート・レッドフォードが演ってませんでした?へぇ−、そうですの。それ以前から何度も映画化されてらしたのね。でも、こんなきらびやかなパーティ見ていますと、私も昔インドネシア大統領の妻だった頃を思い出すわぁ。でも、そんな過去に囚われてはいけませんわ。愛した女性に一途なのはすばらしいですけど、ご結婚なされていたら諦めるべきですわ。でもディカプリオさんは俳優を休業されて新たな道に進まれて、ちゃんと前を見てらっしゃるのね。さあ、私も前を見てバラエティに出まくりまくりますわよ!」
2013.6.16記

タイトル きいろいぞう
出 演 宮崎あおい/向井理/濱田龍臣/浅見姫香/本田望結/緒川たまき/リリー・フランキー/松原智恵子/柄本明/大杉漣/柄本佑/安藤サクラ/高良健吾
監 督 廣木隆一
ストーリー 周囲の生き物たちの声が聞こえる能力を持つ天真爛漫な妻の“ツマ”こと妻利愛子と、背中に入れ墨のある売れない小説家・“ムコ”こと無辜歩は、出会ってからたちまち結婚。二人とも互いに言えない秘密を抱えていたが、至って平穏な日常を送っていた。そんなある日、ムコに差出人不明の手紙が届いたことから、二人の関係にさざ波が立ち始める。
評  女優が先か?作品が先か?どうも宮崎あおい出演のここ数年の映画は何観てもトーンが同じにしか見えない。全体的にほんわかしていながら、裏にはちょっと人の闇を忍ばせた雰囲気。この女としての色気を全く感じさせない彼女は、安心感はあるのだろうが、続くと退屈になってくる。とはいえ、過激思想のダンナと離婚したというのに、こうも自分のスタンスをゆるがせない気丈さには感心する。それにしても濱田くん、『怪物くん』の頃に比べでっかくなったなあ。宮崎あおいさんと背がほぼ同じじゃん。もしかして手足伸ばす方法を伝授してもらった?
2013.2.10記

タイトル 北のカナリアたち
出 演 吉永小百合/柴田恭平/仲村トオル/森山未來/満島ひかり/勝地涼/宮崎あおい/小池栄子/松田龍平/里見浩太郎/小笠原弘晃/渡辺真帆/相良飛鷹/飯田汐音/佐藤純美音/菊池銀河
監 督 阪本順治
原 作 湊かなえ
ストーリー 日本最北の島で小学校教師をしていた川島はるは、ある事故をきっかけに島から出て行ってしまう。それから20年後、東京の図書館で働いていた彼女は、教え子の一人が事件を起こしたことに疑問を抱き、かつての自分が受け持っていた生徒たちに会うため北海道へ向かう。恩師と再会した教え子たちは、それぞれに抱える複雑で苦しい胸中を明かす。
評  東映創立60周年記念ということで、見事なまでに実力派俳優を揃えた。おまけに極寒の北海道の冬ロケだろうから、スタッフはさぞかし気を遣ったんだろう。なんて余計なことが気になるくらい実は入り込めていなかった。『告白』観たときも感じたのだが、どうやら人間のドス黒さは誰でも持っている”と言いたいのがきっと湊かなえなんだろう。人を好きになったら理性なんか関係ない、とか。いくら優しさに包まれていても、関わるとヤバい女だと本能が私に警告してきた。怖いもの観たさもあるが原作は読まないでおこう。それに私ら『あぶ刑事』世代からすると、ユージとトオルが熟女取り合う関係は苦笑するしかない。
2012.11.4記

タイトル 希望の国
出 演 夏八木勲/大谷直子/村上淳/神楽坂恵/清水優/梶原ひかり/菅原大吉/山中崇/河原崎建三/筒井真理子/でんでん
監 督 園子温
ストーリー 泰彦と妻は酪農を営みながら、息子夫婦と一緒に慎ましくも満たされた暮らしをしていた。そんなある日、大地震が村を襲う。泰彦の家は避難区域に指定されたが、長く住んだ家を離れることができない。葛藤の日々を送る中、息子の妻いずみの妊娠が発覚。二人は子どもを守るためにあることを決意する。
評  あと半月くらいで東北大震災から2年となる。福島県の大熊町や双葉町はまだ避難区域のままである。福島県のうちの会社の人に聞くと、ニュースでは毎日放射線量を発表してくれるが。郡山で0.5μSv/hが続いてるのが当たり前になってきているという。現在日本各地でも放射線量を測ることになっていて、その数値はだいたい0.05μSv/h前後である。ICRP(国際放射線防護委員会)での基準は年間1mSv。つまり1mSv÷365日÷24時間=0.11μSvが人が生活できる限界なのだ。世界的見地からすると郡山市も本当は制限されるべき区域なのである。そう考えると果たしていずみのとった行動は異常なのだろうか。
2013.2.24記

タイトル ギャング・オブ・ブルックリン 狼たちの掟
出 演 デヴィッド・ダストマルチャン/ピーター・グリーン/アーサー・ナスカレッラ/ケヴィン・コリガン
監 督 カメル・アメッド
ストーリー ブルックリンで生まれ育ったイタリア系移民の子。トニー、ジミー、ジョン、マイキーの幼なじみ4人組。悪ガキだった彼等は、青年になってもTBCという不良グループを形成して地元で幅を利かせていた。ある夜、街に遊びに出かけた4人は些細なことでギャングとトラブルになり、大けがを負わされた。それから数ヶ月後、偶然、あのときのギャング一味が経営する賭博場の存在を知る。
評  『モブスターズ』を観終わった後に観たせいで、イタリア系移民ときたら“ラッキー”・ルチアーノを発想しちゃったじゃねぇか!全然関係なかったわ。それに前作ともまるっきりつながりねぇし、果てはブルックリン跳び越してマイアミ行っちゃうし。単にアクション映画にしたいならそれなりの見せかたすれば良いのに、さっぱり見所が浮かび上がってきません。要するにカタギはヤクザな連中にかかわるな、ってことでしょうか。んなもんわかっとるわ。
2015.7.5記

タイトル 96時間 リベンジ
出 演 リーアム・ニーソン/マギー・グレイス/ファムケ・ヤンセン/ラデ・シェルベッジア/リーランド・オーサー/ジョン・グライス/D・B・スウィーニー/ルーク・グライムス/ケヴォルク・マリキャン/アラン・フィグラルツ
監 督 オリヴィエ・メガトン
ストーリー イスタンブールで就いていた警護の仕事を終え、元妻レノーアと娘のキムを同地に呼び寄せた元CIA工作員ブライアン。バカンスを一緒に過ごし、家族の絆を取り戻そうとするブライアンだったが、かつてキムを誘拐して彼に息子や部下たちを殺された犯罪組織のボスによる復讐計画が動き出していた。ブライアンとレノーアは組織にとらわれ、辛くも難を逃れたキムはイスタンブールの街をさまよい続ける。そしてブライアンは、妻と娘の命を守ろうとする。
評  「うわー!!ママ、これもしかしたら前のより面白いかも!だって今回の、前に捕まっちゃった娘さんも協力するところなんかすごいよ!」「確かにこのお父さん、今回は元奥さんだけど命がけで助けにいくところなんかかっこいいわね。もし、私が捕まっちゃったら、尾崎さん助けにきてくれるかしら」「当たり前じゃない!飛んで助けに行くよぉ。だって名前が“ジェット”だもん」「そうね、これがホントの“飛んでイスタンブール”ね」「???ママ、古すぎてわかんない」「ところでこれ続編だからこのタイトルで仕方ないだろうけど、どう見ても事件解決まで“96時間”もかかってないわよね」「ホントだ!“96時間”ったら、何週間、いや何ヶ月にもなるもんね」「・・・ごめん杏里、ママ、あなたのことを先に心配すべきだったわ」
2013.1.13記

タイトル 今日、恋をはじめます
出 演 武井咲/松坂桃李/木村文乃/山崎賢人/新川優愛/高梨臨/ドーキンズ英里奈/藤原令子/上遠野太洸/山谷花純/山崎紘菜/青柳翔/瑛蓮/牧田哲也/西田有沙/長谷川初範/高岡早紀/麻生祐未/村上弘明
監 督 古澤健
ストーリー 勉強一筋で真面目さ一色の日比野つばき。高校の入学式当日、彼女は成績もルックスも人並み外れた椿京汰の隣に。すると、いきなり京汰にファーストキスを奪われ、クラス全員の前で「彼女にする」と宣言されてしまう。猛烈に怒って反発するつばきだったが、優しくて繊細な京汰の真の姿に心惹かれていくように。そして、初めての恋に戸惑いながらも、それまでの勉強ばかりだった自分が少しずつ変わっていくことに気付く。一方の京汰も、思いを率直にぶつけてくるつばきに運命めいたものを感じていた。
評  デビュー当時は、なんて泥臭い子だと思っていたのだが、今ではすっかり垢抜けて、武井咲ちゃんは立派なレディになったようです。こないだの『すべてがFになる』ですっかり好きになっちゃいました。そう思うとこの映画でのビキニ姿は嬉しい限りのお宝映像です。しかし、つい先日EXILEのTAKAHIROとの交際をスクープされました。とは言え、彼女の場合、共演者と噂になる事が多く、本作の公開時は松坂桃李くんと噂が出てました。どうやら、番宣のための捏造か、はたまた話題づくりのために煙のないところに火を立たせようとする魂胆のようです。だから、ともちん、彼をしっかりつかまえておきなさい。あれ、松坂桃李と綾瀬はるかが・・・?なんだとーォ!!!
2015.5.3記

タイトル 桐島、部活やめるってよ
出 演 神木隆之介/橋本愛/大後寿々花/東出昌大/清水くるみ/山本美月/松岡茉優/落合モトキ/浅香航大/前野朋哉/奥村知史/太賀
監 督 吉田大八
ストーリー とある田舎町の県立高校映画部に所属する前田涼也は、クラスの中では地味で目立たないものの、映画に対する情熱が人一倍強い人物だった。そんな彼の学校の生徒たちは、金曜日の放課後、いつもと変わらず部活に励み、一方暇を持て余す帰宅部がバスケに興じるなど、それぞれの日常を過ごしていた。ある日、学校で一番人気があるバレー部のキャプテン桐島が退部。それをきっかけに、各部やクラスの人間関係に動揺が広がり始めていく。
評  「まいったなあぁ〜、チッ、まいったなあぁ〜」「どうしたんですか?」「あ、俺?ごめんごめん。実はさぁ映画のオファーがあってね。いや、てっきり端役だと思ったらさ、桐島の役だっていうのよ。ほらタイトルにもあるじゃん。番組でいったら冠番組?たださ、バレー部のエースってことみたいだけどどうなんだろうなぁ。俺、野球部だったからなぁ、キャプテンだったけど。それよりこの周り人たち観てよ、神木君も大後ちゃんもかなり昔から子役で演ってるからかなりのベテランだよ。それにこの山本美月ちゃんも橋本愛ちゃんも大人気のモデルだよ。そんな人たちを脇に置くってどうよ?でも俺一応、前に映画の主役を演ったこともあるからさ。見てくれてる人はいるんだなぁって思うよ、ほんとに。やっぱりできる奴はなんでもできるし、できない奴は何にもできない”ってことなのかなぁ」「あの、綾部さん、この映画に桐島”出てこないよ」「・・・・・伊勢谷友介さんも出てないしな。オファー断ろっかなぁ」
2012.9.30記

タイトル 苦役列車
出 演 森山未來/高良健吾/前田敦子/マキタスポーツ/田口トモロヲ
監 督 山下敦弘
原 作 西村賢太
ストーリー 1980年代後半。19歳の北町貫多は日雇い労働で得た金を酒に使い果たし、家賃も払えない生活を送っていた。他人を避けながら孤独に暮らす貫多だったが、職場で専門学校生の日下部正二と親しくなる。そんなある日、古本屋で働く桜井康子に一目ぼれした貫多は、日下部に取り持ってもらい彼女と友達になる。
評  「どしたぁん?AKBいきなり辞めるなんて言い出してぇ・・・AKBって恋愛禁止でしょ。私あなたのこと好きだから・・・でもさぁ、いい男なんてさぁ、世の中にいっぱいいるじゃぁん・・・あなたへの想い、忘れられないんです・・・でもさぁ、君AKBでトップだったんだからさぁ。もったいないじゃんかぁ・・・いいえ、私にとってあなたがトップなんです・・・何やってんの?」「こっちのセリフ!お前何やってんの?なになになに?お前、前田敦子にコクられる妄想してんのか!超キモチ悪い!」「でもさぁ、夢くらい見たっていいだろうよぉ」「ありえないありえない」「でもさぁ、この原作者だってさぁ、こんな底辺生活から芥川賞作家になったんだからさぁ」「キャラ守ってんなぁ。でもよ、この西村賢太、最近テレビ出てるけど下手すっとお前よりキモチ悪いぞ」
2012.7.15記

タイトル グスコーブドリの伝記
出演(声) 小栗旬/忽那汐里/草刈民代/柄本明/佐々木蔵之介/林家正蔵/林隆三
監 督 杉井キサブロー
原 作 宮沢賢治
ストーリー イーハトーヴの森で家族と暮らしていたグスコーブドリは、森を直撃した冷害のせいで両親と妹を一度に亡くしてしまう。たった一人残された彼は懸命に働き、長じて火山局で働き始めるが、またしても大規模な冷害が発生する。かつての惨事を二度と繰り返さないようにするため、グスコーブドリは自分の身を呈して冷害の被害を防ごうとする。
評  ついこのあいだYOUTUBEを見ていて『本当は恐いとなりのトトロ』という都市伝説を知った。それはメイちゃんが行方不明になった後でメイもサツキも実は死んでいた、というもの。トトロはトロールという北欧の妖精がモデルであり、一部では死神とも呼ばれる。死神に出会えるのは死んだ者か死期が近い者だ。トトロは子供にしか見えないのかというとカンタには見えていないのだ。そうなると最後にせっかくお母さんに会いに行ったのに会わずに、なぜか二人とも木の上にいたのも合点がいく。本作の冒頭でネリがある男に誘われる場面で、ふとこれを思い出した。本作は宮沢賢治のありうべかし自伝”とも呼ばれる。『永訣の朝』でも描かれているが、宮沢賢治は24歳という若さだった妹を亡くしている。原作ではネリはとある牧場の男と結婚することになるのだが、本作では行方不明のままとしている。このブドリは妹を亡くしたことの悲しみを抱え続けた賢治を表しているようだ。そして最後にブドリ自身も消えていく。子供向け作品に仕掛けられた「死」のメッセージは思いのほか怖い。
2012.7.15記

タイトル グッモーエビアン!
出 演 麻生久美子/大泉洋/三吉彩花/能年玲奈/竹村哲/MAH/塚地武雅/小池栄子/土屋アンナ
監 督 山本透
ストーリー 元パンクバンドのギタリストのアキと、娘で15歳のハツキは、友達のような関係。ある日、ヤグが海外から2年振りに二人のもとへ帰ってくる。ハツキは、自由気ままなヤグと、それを笑い飛ばして許すアキに対し、イライラしてしまう。そんな中、親友トモがハツキとけんかしたまま転校してしまい、さらにはアキとヤグの過去を知ることになる。
評  「この映画で大泉洋さんがバンドのボーカルやってますけどね、実は以前CD出したことあるんですよ」「ボーカル、棒カルビ」「棒カルビちゃうよ。そのほかに演劇ユニットのTEAM NACS(チーム・ナックス)にも所属してまして・・・」「SK-U、ナックスファクター」「それは“マックスファクター”や、もう、俺が話してるから割り込んで来るなや」「始めましてワリコミオです」「誰や?」「ワリ家の次男です」「どうでもええわ!それで大泉洋といえば北海道ですが・・・」「北海道はでっかいどぉー!」「やかましいわ!俺しゃべってるからチャカすなや」「♪チャカス!クリニック」「お前自由過ぎや!このヤグ以上に自由過ぎ!!」「よし、この後は俺に任せろ」「やーだよ!お前に任せたから14年も苦労してんだバーカ」「クロー、クロームA」「もうお前この場から消えろ!」「ピエロ」「もう何も言いたくねぇよ」「ハッピーちゃん!“さよなら”と“ありがとう”は言えるとき言わなきゃ」「やかましい!!」
2013.3.3記

タイトル クラウド・アトラス
出 演 トム・ハンクス/ハル・ベリー /ジム・ブロードベント/ヒューゴ・ウィーヴィング/ジム・スタージェス/ペ・ドゥナ/ベン・ウィショー/ジェームズ・ダーシー/ジョウ・シュンキース・デヴィッド/デヴィッド・ジャーシー/スーザン・サランドン/ヒュー・グラント
監 督 ラナ・ウォシャウスキー/トム・ティクヴァ/アンディ・ウォシャウスキー
ストーリー 1849年、太平洋諸島。若き弁護士に治療を施すドクター・ヘンリー・グースだったが、その目は邪悪な光をたたえていた。1973年のサンフランシスコ。原子力発電所の従業員アイザック・スミスは、取材に来た記者のルイサと恋に落ちる。そして、地球崩壊後106度目の冬。ザックリーの村に進化した人間コミュニティーのメロニムがやって来た。
評  時代も場所も違う6つの世界をコロコロ切り替えながら、実は全てが繋がっているという壮大なストーリーに圧倒されてしまいますが、難解だと諦めないでください。これが意外と慣れて全体が見れてくるものでクライマックスには大きく溜飲が下がる思いになりました。トム・ハンクス、ハル・ベリーら大物俳優が、それぞれの世界で別の役になっているので、これを探してみるのも一興です。最後にちゃんと答え合わせできます。それにしても『空気人形』の時は主役だったからまだしも、ペ・ドゥナちゃん、裸、安売りすんなよ。もったいない。そんな彼女も32歳ですか。ん?ってことは女子高生役だった『リンダリンダリンダ』のとき25歳だったの!?
2013.9.15記

タイトル 建築学概論
出 演 オム・テウン/ハン・ガイン/イ・ジェフン/スジ/チョ・ジョンソク
監 督 イ・ヨンジュ
ストーリー 建築家のスンミンのもとに、仕事を依頼しにやって来たソヨン。ソヨンは、15年前にまだ大学生だったスンミンの初恋の相手だった。ソヨンの実家のあるチェジュ島に新しい家を造りながら、スンミンの脳裏には初恋の記憶がよみがえり、また新たな感情が芽生えていく。しかし、スンミンには婚約をしている女性がいた。
評  「韓国で“初恋ブーム”を巻き起こした映画って話だけど、こんな昔の男、いつまでも思ってる女なんていねぇーよ!どうせ離婚した悲しさでたまたま思い出しただけだろ。女は自分の考えだけで簡単に男を捨てるもんなんだって!週刊誌載ったからって丸坊主になってYOUTUBEで弁明してる自分の女を見た時の俺の気持ち分かるか!!」「そうだよ、女に“純愛”なんてありえねぇんだよ。いくら酔ってても男を家に連れ込むんじゃねぇよ。身長差だとか収入差だと散々っぱら言われても耐えてたのに、自宅帰ったら妻が男連れ込んでたときの俺の気持ち分かるか!!」「あのすいません、通りがかりの建築家ですが、この映画、建築学的にもおかしいですね。平屋の建築中に簡単に2階建てに変えるのはちょっと。そもそも柱を・・・」「そんなことはどうでもいい!!」
2013.6.9記

タイトル コードネーム:ジャッカル
出 演 キム・ジェジュン(JYJ)/ソン・ジヒョ/ハン・サンジン/オ・ダルス/キム・ソンリョン
監 督 ペ・ヒョンジュン
ストーリー ある日、トップスターのチェ・ヒョンが拉致される。連れ去ったのは、伝説の女殺し屋ジャッカル。ジャッカルはチェ・ヒョンを殺害しようとするが、周囲の人々の思惑が絡み合い、遂には警察が出動し、事態は思わぬ方向へと進んでいく。
評  韓国のアイドルであって、それ以上でもそれ以下でもありません。ムリヤリな設定にムリヤリなストーリーに仕立てて、それであってもコミカルに味付けているとそれなりに楽しめます。あとは主役にどれだけ思い入れるかでしょうね。そもそもにしてJYJのキム・ジェジョンって誰なんだよ?と思ったら5人組だった頃の東方神起のひとりだったんですね。やたら日本絡みなところがあると思ったら、未だに潜伏している韓流オバちゃん狙いだったということが判明しました。それにしても現役アイドルがこんな韓国の芸能界の裏事情みたいな演って大丈夫?意外にマジに見えてきたよ。
2013.6.16記

タイトル コールド・ウォー 香港警察 二つの正義
出 演 アーロン・クォック/レオン・カーフェイ/チャーリー・ヤン/ラム・カートン/チン・カロッ/アンディ・オン/テレンス・イン/アーリフ・リー/アレックス・ツイ/マー・イーリー/エディ・ポン/アンディ・ラウ/グレース・ファン
監 督 リョク・ロクマン/サニー・ルク
ストーリー 香港で有名な繁華街モンコックで爆破事件が発生し、ほどなく5人の警官が車ごと消失。その中に香港警察行動班副長官リーの一人息子がいることが判明し、捜査の指揮を執るリーは全署を挙げて人質救出作戦“コールド・ウォー”を展開。一方、リーと次期長官の座を争う保安管理班副長官ラウは、捜査方法に反対し、二人は激しく対立する。
評  2012年香港アカデミー賞総なめ、過去最多となる主要9部門を獲得し、香港映画としては過去最高の興行収入約2億5600元(約48億円)をたたき出したそうだ。まあ、これだけ豪華メンバーそろえ、容赦なくこれほどの花火を乱舞させたら、話題性に事欠かないわな。男同士のプライドのぶつかり合いから和解への大人な対応も結構良かった。二転三転するストーリー展開もなかなか面白かったのだが、最後に、黒幕の影をちらつかせて次回へ・・・って、おい!焦らして焦らしてこの仕打ちかよ!その続編は現在撮影中で、今度はチョウ・ユンファも出演するとんだとか。って、完全にこの人が黒幕じゃないの?早くもネタバレか!?
2016.5.1記

タイトル 凍える牙
出 演 ソン・ガンホ/イ・ナヨン/イ・ソンミン/シン・ジョングン/ナム・ボラ
監 督 ユ・ハ
ストーリー 車中にいた男の体が突如として燃え上がり、車ごと全焼する事件が起きた。ベテランのサンギルと元白バイ警官の新人ウニョンの二人が事件を担当するが、サンギルは自殺だと判断。だが、遺体に獣のかみ跡があり、腰に締めたベルトに発火装置と強い引火性のある化学物質が見付かる。さらに、被害者が麻薬絡みの犯罪者であったことを突き止めたサンギルたちは、彼の周辺を念入りに調べていく。
評  うっわ!イ・ナヨン美しすぎ!!ソン・ガンホにゃ申し訳ないが、この映画の中じゃ、まさに“掃き溜めの中の鶴”である。興味持って調べると実は長渕剛主演の『英二』が初出演映画。韓国では化粧品CMでブレークしTVドラマにも出演。現在上映中の『劇場版SPEC〜結〜』でも出ている日韓を股にかけた女優だった。鉄腕アトム・グッズコレクターで、数学でストレス解消するというちょっとインテリな面も魅力的だ。ところが、今年ウォンビンと交際中であることが発覚!畜生!!イケメン相手じゃしょうがないけど、「殿のには食われ損」ってか!
2013.12.1記

タイトル 最強のふたり
出 演 フランソワ・クリュゼ/オマール・シー/アンヌ・ル・ニ/オドレイ・フルーロ/クロティルド・モレ/アルバ・ガイア・クラゲード・ベルージ/トマ・ソリヴェレ/シリル・マンディ/ドロテ・ブリエール・メリット
監 督 エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ
ストーリー 不慮の事故で全身麻痺になってしまった大富豪のフィリップは、新しい介護者を探していた。スラム出身の黒人青年ドリスは生活保護の申請に必要な不採用通知を目当てに面接にきた不届き者だったが、フィリップは彼を採用することに。すべてが異なる二人はぶつかり合いながらも、次第に友情をはぐくんでいく。
評  よく障害者は「同情を嫌う」というが、それは違うと思う。本当は「憐れに思われる」のが嫌なのであって、体が不自由であれば、誰かの手助けが必要なのは重々承知している。そもそもにして、人が困っているとき「情をかける」というのは健常者でも行うべきことであり、「普通のこと」なはずだ。しかし、全身不随の人も精神異常者も普通に生活を送れる環境が多くの社会に行き届いているわけではなく、結局、施設等で隔離されることになり、一般の健常者からは「特別なこと」となってしまっている。介護施設に20年以上勤めている私の母に車椅子の人を抱きかかえる方法を教えてもらったことがある。まず自分のひざを曲げ、相手の全身を覆い被せるように自分の体にもたれかけさせ立ち上がる。こうすれば腰に負担をかけず割りと軽く抱きかかえられるのだ。いわゆる「下の世話」などは家族や介護師の専門分野だとしても、このレベルの知識はもっと社会的に広めてもいい。これも福祉ではないかと思う。
2012.10.28記

タイトル 桜姫
出 演 日南響子/青木崇高/麻美ゆま/平間美貴/星野あかり/七海なな/マリエム・マサリ/HIRO(安田大サーカス)/クロちゃん(安田大サーカス)/野々村真/平山祐介/風祭ゆき/徳井優/合田雅吏/でんでん
監 督 橋本一
ストーリー 雷鳴がとどろく、ある嵐の夜。高家の娘・桜姫は、盗みに入ってきた釣鐘の権助に襲われてしまう。しかし、女の喜びを教えてくれた男だとして心を奪われてしまった桜姫は、いずことなく去っていった権助を捜そうと家を出る。それから1年、遊郭「ぢごくや」には、遊女・風鈴のお姫となった桜姫の姿があった。彼女は権助の右腕に刻まれた釣鐘の入れ墨を目印にし、客の中に彼がいるのではないかと捜していた。その願いと思いが通じたかのように権助と再会するが、彼の思わぬ正体を知って愕然とする。
評  「♪チャンチャチャンチャン、チャカチャカチャンチャン、現役人気AVの麻美ゆまも出て〜、エロさにかなり期待してけど〜、肝心の主役は乳首も出してない。チックショ〜!!♪チャンチャチャンチャン、チャカチャカチャンチャン、なんでもやっちゃうでんでんさんが〜、ゾンビと化して電気人間に〜、ん?もしかして“電々”・・・。チックショー!!♪最近、日本エレキテル連合の白塗りで〜、私も復活プチブレイクしてるけど〜、ホントは志村さんのバカ殿が元祖だとバレている。チックショー!!
2014.11.9記

タイトル 貞子3D
出 演 石原さとみ/瀬戸康史/高橋努/染谷将太/高良光莉/山本裕典/田山涼成
監 督 英勉
ストーリー 鮎川茜は、自分が勤める女子高で流れている奇妙なうわさを耳にする。それは、自殺する様子を生中継する映像が動画サイトに投稿され、それをたまたま目にしていた者も死んでしまったというものだった。そんな中、茜の教え子の一人が不審な死を遂げ、似たような変死事件が各地で続発するように。警察は一連の事件を自殺だと断定するが、死んだ者たち全員がうわさになっていた自殺動画を見ていたことが判明する。
評 
2012.5.13記

タイトル 殺人の告白
出 演 チョン・ジェヨン/パク・シフ/キム・ヨンエ/チョ・ウンジ/オ・ヨン/チャン・グァン/チェ・ウォニョン
監 督 チョン・ビョンギル
ストーリー 時効の成立後、イ・ドゥソクという男が、自分は15年前に世間を騒がせた連続殺人事件の犯人だと告白する。その後、暴露本を出版した彼はそのルックスの良さも味方し、一躍時の人として世間にもてはやされる。一方、ずっと犯人を追い続けてきたチェ刑事は、本の中にまだ解決されていない事件の真相の記述がないことを不審に思う。
評  『殺人の追憶』でも紹介したように1986年から1991年に10人もの女性が殺された「華城連続殺人事件」は韓国においては史上最大の事件である。事件は2006年に時効が成立したが、韓国ではいまだに関心は高いようで2008年には別件で捕まった犯人がこの事件の犯人だとしてネット上ですごい話題になったという。本作はこの華城連続殺人事件の時効成立後のフォクションであるが、その犯人をつきとめたいという情念が、なぜかしら伝わってきた。それに加えエンターテーメントが栄え、怒涛のアクションと華麗などんでん返しが待ち構えていた。お見事です。それと、たんぽぽの川村さん、韓国映画出演おめでとう! ・・・え、この子違うの?
2015.10.11記

タイトル さよならドビュッシー
出 演 橋本愛/清塚信也/ミッキー・カーチス/柳憂怜/相築あきこ/山本剛史/清水紘治/熊谷真実/サエキけんぞう/相楽樹/戸田恵子/三ツ矢雄二/吉沢悠
監 督 利重剛
ストーリー ピアニストになることを目標にしている16歳の遥は両親や祖父、いとこらに囲まれ幸せに暮らしていたが、ある日火事に巻き込まれ一人だけ生き残る。全身に大やけどを負い心にも大きな傷を抱えた遥だったが、ピアニストになることを諦めず、コンクール優勝を目指して猛練習を再開。しかし、彼女の周囲で不可解な現象が続発する。
評  宝島社「『このミステリーがすごい!』大賞」の作品はドラマや映画になることが多く、これは2009年第8回でのものです。でも、最初の設定が整った段階であらかたの真相の予想がついてしまいました。(そりゃ“皮膚の移植”ったら、ねぇ・・・)でもこの映画の“すごい”のはズバリ橋本愛!『貞子3D』『大木家のたのしい旅行新婚地獄篇』『スープ〜生まれ変わりの物語〜』『アナザー』『桐島、部活やめるってよ』『ツナグ』。セブンティーンのモデルなのに、私が観ただけの映画でこんなに出演している。それも確実に女優としての経験を積み、本作ではリハビリ中の身障者という難しい役をこなした。もう“すごい”しか言葉が無い。おかげで主役の岬京介役で役者デビューを果たした本物のピアニスト、清塚信也がかすんで見える。
2013.1.27記

タイトル シェフ! 〜三ツ星レストランの舞台裏へようこそ〜
出 演 ジャン・レノ/ミカエル・ユーン/ラファエル・アゴゲ/ジュリアン・ボワッスリエ/サロメ・ステヴナン/セルジュ・ラヴィリエール/イサ・ドゥンビア
監 督 ダニエル・コーエン
ストーリー レシピを舌で記憶する特殊な才能を持つシェフのジャッキーは、レストランをクビになりペンキ塗りの仕事をしていた。一方、三ツ星レストランの有名シェフ、アレクサンドルは三ツ星存続の危機に陥っていた。そんなある日、老人ホームへ友人に会いに行ったアレクサンドルは、そこで飲んだスープが自分のレシピを再現したものだったことに驚がくする。
評  「ビストロ、キュイジーヌ!」「さあ、始まりました。本日の食材は卵です。どうですかね服部さん」「んー、あまりにポピュラーな食材ですからね。難しいでしょうね」「おや、ノミニー側、何か変なもの作ってますよ。小さなキューブ状で・・・まわりのソースはブルーハワイのような水色ですね」「あれはですね。分子ガストロミー”と言って、いままでの料理を科学的に解析して新たに生み出された料理法なんです。味や風味をそのままなんだけど、見た目は自由に変えられるので、料理の芸術として今ヨーロッパでは話題なんですよ。きっとゲストに合わせてフレンチ要素を入れてきましたね」「え?ゲストにフランス人の方、いらっしゃました?」「こちらの謎のお侍さん、実はジャン・レノさんですよ」「えー!そうなんですか。気づきませんでした」「佐野さん」「はい、三田さんどうぞ」「アイアンシェフ、いま卵と小麦粉をボウルに入れて練り始めました。別のボウルにはあんこ”が入ってます」「どうやらデザートのようですね」「わかった!ドラ焼き”だ」「なるほど、ゲストがジャン・レノと聞いてドラ焼きですか」「確かに今じゃ日本でのジャン・レノはドラえもんのイメージしかないからね」
2013.3.31記

タイトル シャニダールの花
出 演 綾野剛/黒木華/刈谷友衣子/山下リオ/古舘寛治/伊藤歩
監 督 石井岳龍
ストーリー レアなケースだが女性の肌に植物の芽が出現し、この世のものとは思えないきれいな花が開花するという奇妙な現象が起きていた。満開時の花びらの持つ特殊な成分に目を留めた製薬会社は、探し出した花の提供者を「シャニダール」という特別な施設に集める。そこで働く研究者の大瀧と新人の響子は、提供者たちのケアにあたる。
評  ♪赤く咲くのはシャニダール 白く咲くのもシャニダール どれ咲きゃいいのさ、この私 胸に花ひらく
 十五、十六、十七と 私の性格暗かった 過去はどんなに暗くとも 胸に花ひらく
 昨日トダエリ今日愛ちゃん 明日は誰だよ綾野剛 恋は儚く過ぎて行き 胸に花ひらく
 世に咲く噂は嘘の花 週刊誌の記事も嘘の花 嘘を肴に人気得りゃ 胸に花ひらく
 今を見るしかできないか 後ろ向くよな柄じゃない 死ねば「ヒカルの母」ばかり 夢は過去ひらく
 一から十までバカですね バカにゃ未練はないけれど 圭子の光は永遠に 夢は花ひらく 夢は花ひらく
2013.9.1記

タイトル ジャンゴ 繋がれざる者
出 演 ジェイミー・フォックス/クリストフ・ヴァルツ/レオナルド・ディカプリオ/ケリー・ワシントン/サミュエル・L・ジャクソン/ドン・ジョンソン/ジョナ・ヒル/ウォルトン・ゴギンズ/デニス・クリストファー/ローラ・カユーテ/M・C・ゲイニー/クーパー・ハッカビー/ドク・デュハム/ジェームズ・ルッソ/トム・ウォパット/ジェームズ・レマー
監 督 クエンティン・タランティーノ
ストーリー 1858年、アメリカ南部。奴隷ジャンゴは、賞金稼ぎのキング・シュルツの手によって自由の身となる。やがて2人は協力し、次々とお尋ね者たちを取り押さえることに成功する。その後、奴隷市場で離れ離れとなってしまった妻を捜す目的のあったジャンゴは、農園の領主カルヴィン・キャンディのところに妻がいることを突き止める。
評  昨年のアカデミー賞にしっかりノミネートされて、ついにクィンティン・タランティーノもやっと社会的におとなしい作品作るようになったと思ったら、いやいやこの人の狂気は押さえつけられないようだ。人を盾にしての銃撃戦では血肉が飛び散り、歴史上本当にあったかどうか疑わしいが奴隷同士がの殺し合う。西部劇と言うよりほとんどホラーに近い。しかし、この耐えに耐えて、最後の最後に悪を倒す流れはいかにも日本の時代劇。いつもならベビー・フェイスのディカプリオの悪役っぷりも気持ちよいくらい鼻につく。いかにものタランティーノらしさが凝縮しているのが心地よかった。おまけに、しっかり自身も劇中にしゃしゃり出てとっとと爆死しちゃうのも彼らしい。
2013.4.28記

タイトル シュガー・ラッシュ
出演(声) ジョン・C・ライリー/サラ・シルヴァーマン/ジャック・マクブレイヤー/ジャック・マクブレイヤー/アラン・テュディック
監 督 リッチ・ムーア
ストーリー アクション・ゲーム「フィックス・イット・フェリックス」の敵キャラを30年間も演じているラルフ。人々から嫌われている状況にうんざりしていた彼は、自分のゲームの世界を抜け出してお菓子だらけの世界でレースが繰り広げられるゲーム「シュガー・ラッシュ」の世界へ。そこで彼は、仲間外れにされてレースに出ることを禁止されている少女ヴァネロペと出会う。お互いに孤独を抱えていた彼らは意気投合し、友情を深めていくように。だが、違うゲームのキャラクター同士が遭遇することはゲーム世界のおきてに背く行為であった。
評  『トイ・ストーリー』の二番煎じかと思ったら意外に面白い。細かく散りばめた伏線を丁寧に回収してハッピーエンドに結び付けていく展開が見事。また、このレトロな8ドット系のTVゲームっぽさがなんとも懐かしかった。レースなんかはほとんど“マリオカート”。任天堂やナムコ、カプコンのキャラが目立つが、壁に並んでいる似顔絵にインベーダーも発見した。改めて日本のTVゲームの海外への影響力を感じた。ぜひとも続編も観たい。ただ、誰もが感じたであろうツッコミを敢えてさせてもらうが、ヴェネロパの不具合をフェリックスが直してあげれば良かっただけじゃないの?
2013.3.24記

タイトル 終戦のエンペラー
出 演 マシュー・フォックス/トミー・リー・ジョーンズ/初音映莉子/西田敏行/羽田昌義/火野正平/中村雅俊/夏八木勲/桃井かおり/伊武雅刀/片岡孝太郎
監 督 ピーター・ウェーバー
ストーリー 1945年8月30日、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の司令官としてダグラス・マッカーサー元帥が日本に上陸。彼は日本文化に精通している部下ボナー・フェラーズに、太平洋戦争の真の責任者を探し出すという極秘任務を下す。わずか10日間という期限の中、懸命な調査で日本国民ですら知らなかった太平洋戦争にまつわる事実を暴き出していくボナー。ついに最大ともいうべき国家機密に近づくが、彼と敵対するGHQのグループや日本人たちの一団が立ちはだかる。
評  戦争敵国のアメリカが創った映画だから、どんだけ自国の正当性に偏向に仕上がっていると思ったら意外に客観的に描いてるのに驚いた。当時のアメリカ国内は、ヒトラー、ムッソリーニと独裁者を倒した勢いで、日本国天皇ヒロヒトも縛り首にしろ、という気運が高まっていた。アメリカは天皇が独裁者ではないことを知らなかったのだ。いまでは憲法で“象徴”として位置づけられるが、本当は歴史的にも精神的にももっと深いところにあり、決してぶれない“芯”のようなものだと私は思っている。その周りの政治や文化が損得関係なしに変幻自在に回るもんだから、他国からは理解されないことも多いのだろう。終戦後のアメリカ政府にとっては、国民感情より戦争太りしたソ連の方が脅威であったため、日本を自国の前線基地にする必要があった。焼野原の中の日本人を暴徒化させないためには天皇を殺さない選択をしたというのが実際のところである。なんか浅いよね。さて、ついに始まったTPP交渉。日本が参加不参加どっちに転んでもどうせ見えてくるのはアメリカの“ガキ大将”っぷりだろうて。
2013.7.28記

タイトル 10人の泥棒たち
出 演 キム・ユンスク/キム・ヘス/イ・ジョンジェ/チョン・ジヒョン/サイモン・ヤム/キム・スヒョン/キム・ヘスク/オ・ダルス/アンジェリカ・リー/デレク・ツァン/シン・ハギョン/チュ・ジンモ
監 督 チェ・ドンフン
ストーリー 韓国を中心に暗躍する窃盗団メンバーは、リーダー、ポパイの元相方マカオ・パクから唯一無二のダイヤモンド「太陽の涙」を、巨大カジノから盗み出すという計画を聞かされる。香港へ向かったメンバー6人を、中国人窃盗団の4人が出迎える。太陽の涙争奪のため、計10人のメンバーが挑む。
評  韓国版の『オーシャンズ11』といったところだが、それをも凌ぐ鮮烈さを覚えた。というのはこの手の話はなんといってもチームワークの妙であるが、こいつらが全員ジコチュー。ある意味韓国&中国っぽいのだが、「いつ誰が裏切るんだ?」のハラハラドキドキが味わえた。ちなみにこれが韓国での公開時には『グムエル漢江の怪物』を抜いて、韓国映画史上第一位の動員数の大ヒットとなったそうだ。しかし、日本のオフィシャル・ホームページでは「『シュリ』を抜いて〜」と書いているので、かつての韓流ブームから時が経ち、知名度の低さがわかってしまいます。私もチョン・ジヒョンしか思い出せなかったもんな。
2015.5.10記

タイトル 少年H
出 演 水谷豊/伊藤蘭/吉岡竜輝/花田優里音/小栗旬/早乙女太一/原田泰造/佐々木蔵之介/國村隼/岸部一徳
監 督 降旗康男
ストーリー 昭和初期の神戸。洋服仕立て職人の父・盛夫とキリスト教徒の母・敏子の間に生まれた肇は、胸にイニシャル「H」が入ったセーターを着ていることからエッチというあだ名が付いていた。好奇心旺盛で曲がったことが嫌いな肇だったが、オペラ音楽について指南してくれた近所の青年が特別高等警察に逮捕されるなど、第2次世界大戦の開戦を機にその生活は暗い影を帯びていく。やがて、彼は盛夫に対するスパイ容疑、学校で行われる軍事教練、妹の疎開といった出来事に直面する。
評  妹尾河童はグラフック・デザイナー、舞台演出家、小説家と多岐に渡って活動をしている。フジテレビの美術部にも所属していたこともあり『夜のgヒットスタジオ』や『ミュージック・フェア』も手掛けた。本作は、妹尾の少年時代の戦争体験を主とした小説が原作である。これは英訳され外国でも売れているそうだが、どうもこのにじみ出る“戦争恨み節”が気に入らない。彼をはじめ田原総一郎、筑紫哲也といった戦争の時代に少年期を送った連中は、物事を世の中のせいにしたがる。政府が始めた戦争のせいで自分の自由を奪われた処遇は分かるが、もう68年も経っているんだ。太平洋戦争はもう“体験”から“史実”として伝えていくべき時に来ているんだ。中国や韓国の教科書で、根拠のない戦争時の日本軍の非道を教えているのだって、日本より優位になるための政治的対策でしかないんだ。「戦争時の日本は悪い」なんて観念を現代人に植え付けるんじゃない。魚人島のオトヒメ様だって「恨みをつながないで」って言ってたじゃないか。(やっぱ『ワンピース』のメッセージってすごい)
2013.8.11記

タイトル ジョン・カーター
出 演 テイラー・キッチュ/リン・コリンズ/サマンサ・モートン/マーク・ストロング/キアラン・ハインズ/ドミニク・ウェスト/ジェームズ・ピュアフォイ/ダリル・サバラ/ポリー・ウォーカー/ブライアン・クランストン/トーマス・ヘイデン・チャーチ/ウィレム・デフォー
監 督 アンドリュー・スタントン
ストーリー 1881年のニューヨーク、大富豪のジョン・カーターが忽然と姿を消す。おいのエドガー・ライス・バローズに託された日記には、未知の惑星“バルスーム”でのジョン・カーターの驚きの体験がつづられていた。それは、全宇宙を支配しようとする“マタイ・シャン”によって滅亡の危機に直面していたバルスームが舞台であった。
評  「ジョン・カーターだぜぇ〜。ワイルドだぜぇ〜。ディズニー生誕110周年記念作品だぜぇ〜。でも『スター・ウォーズ』や『スターゲイト』、『アバター』にそっくりだぜ?でもホントは原作は今から100年前に書かれたもんなんだぜぇ〜。ワイルドだぜぇ〜。制作費と販促費で3億5000万ドル以上だと言われてるぜぇ〜。でもアメリカじゃいまいちだったみたいで赤字がハンパじゃないみたいだぜ!ギネス更新するらしいぜ。ワイルドだぜぇ〜。たしかに金賭けただけあって見応えあるぜぇ〜。でも全部クライマックスみたいで途中からお腹一杯だぜ!こりゃ飽きられるのもよく分かるぜぇ〜。・・・おいおい、俺もすぐに飽きられるって?その前に稼げるだけカセイでやるせ。おっと、“火星”ではやんないぜぇ〜。ワルだろぉ〜」
2012.4.15記

タイトル 白雪姫と鏡の女王
出 演 ジュリア・ロバーツ/リリー・コリンズ/アーミー・ハマー/ネイサン・レイン/メア・ウィニンガム/マイケル・ラーナー/ロバート・エムズ/ショーン・ビーン/ジョーダン・プレンティス/マーク・ポヴィネッリ/ジョー・ノッフォ/ダニー・ウッドバーン/セバスチャン・サラセーノ/マーティン・クレバ/ロナルド・リー・クラーク
監 督 ターセム・シン・ダンドワール
ストーリー 幼いころに国王であった父を亡くし、邪悪な継母の女王によって城に閉じ込められたまま育った白雪姫。ある日、舞踏会に忍び込んだ彼女は、そこで他国の王子と運命の出会いを果たして恋に落ちる。だが、王子との政略結婚を狙っていた女王は、白雪姫を森へと追放。森で7人の小人と出会った白雪姫は、彼らと生活を共にしながら戦い方や知識を習得する。亡き父の国を守り、愛する王子を取り戻そうと、彼女は女王に戦いを挑む。
評  「『スノーホワイト』に続いて、また白雪姫ブームでも起こっているのか?」「ふん、たくさんの白雪姫が現れても学園の白雪姫”は白鳥だけだけどな」「確かにな。で、そのときの王子様は俺だな」「なにぃ!王子様は俺に決まってるだろ!お前は背が低いから小人の方が似合ってるぜ!」「なにお!」「なんだこのぉ!」「ケンカはやめてぇ」「白鳥!」「私のためにケンカはしないで」「悪かった、白鳥。二人ともお前が悪い女王に殺されないか、心配だったんだ」「ところでこの白雪姫の子、かつての名歌手フィル・コリンズの娘なんだって、けっこう可愛いよな」「それなら女王様のジュリア・ロバーツの円熟した色香も最高だぜ」「あいかわらず熟女好きだな、お前はおかみさんとイチャイチャしてろ」「なんだと!」「やるかてめぇ!」「やめてぇ!ケンカはやめてぇ」「やかましい!デブ!!」「目障りだからクマのパンツ見せんな!ブス!!」「・・・あれぇ?」
2012.9.16記

タイトル 私立バカレア高校
出 演 島崎遥香/森本慎太郎/松村北斗/ルイス・ジェシー/大場美奈/光宗薫/京本大我/田中樹/高地優吾/永尾まりや/小林茉里奈/島田晴香/中村麻里子/岩本照/佐久間大介/阿部亮平/渡辺翔太/深澤辰哉/宮舘涼太/加藤玲奈/竹内美宥/川栄李奈/高橋朱里/市川美織/玉森裕太/宮田俊哉/小嶋陽菜/内博貴/高木雄也
監 督 窪田崇
ストーリー 不良だらけの男子校・馬鹿田高校と、名門女子校・第一カトレア学院が合併した第二カトレア学院、通称バカレア高校は校舎を改装する間、校則の厳しい第一カトレア学院に居候することに。ケンカに明け暮れる達也たちは問題を起こせば、すぐにでも退学となる状況の中、敵対関係にある菊永高校が不穏な動きを見せ始めたことにいら立ちを募らせる。
評  島崎遥香「去年のAKBは激動でしたね。絶対エースのあっちゃんさんもこの映画出演のスーパー研修生の光宗ちゃんも卒業しましたし、佐江さんはSNH、亜紀さんはJKTに行っちゃいました。ある意味私たちにとってはチャンスですけど、私はポンコツですから・・・」横山由依「何言ってますの。ぱるるはこのドラマとジャンケン選抜で、かなり顔覚えられたやないの」渡辺美優紀「そうよ、スキあらばチャンスは掴まなくっちゃ。河西さんやゆっぱいがいない今こそ“巨乳キャラ”の私が登場よ!」松井咲子「あら、ピアノでソロデビュー果たした私の才能もお忘れなく」大家志津香「ふーん、なんだかんだ言っても“おバカキャラ”でゴールデンでレギュラー持ってるの私だけなんだけどね」市川美織「フレッシュレモンになりたいの!」岩佐美咲「上手の天然さんがいるようよ。あら、ごめんなさい、演歌の営業あるから先に失礼するね」
2013.1.6記

タイトル 人生の特等席
出 演 クリント・イーストウッド/エイミー・アダムス/ジャスティン・ティンバーレイク/ジョン・グッドマン/ロバート・パトリック/マシュー・リラード
監 督 ロバート・ロレンツ
ストーリー ガスは長年大リーグの名スカウトとして腕を振るってきたが、ここのところ年のせいで視力が弱ってきていた。それでもまったく引退する素振りを見せない彼に、チームは疑いの目を向ける。窮地に陥った父親に救いの手を差し伸べたのは、あまり関係が良好とはいえない娘のミッキーだった。
評  完全に『マネーボール』の対極にある作品。ブラッド・ピットからしたら「イーストウッドさん、勘弁してくださいよ〜」とでも言いたいところだろう。しかしスポーツ戦略のデジタル化はびっくりするほど進んでいるようだ。例えばバレーボールはアナリスト”と呼ばれる戦況分析家を監督の脇において、選手の動向を分析し情報を送っている。また相手選手がどのような軌道でボールを運ぶのか、コートのどこのエリアに落とすのかの過去の統計を取り、試合に備えている。今年のオリンピックで日本が28年ぶりに銅メダルを獲得したのには、このデジタル戦略が大いに貢献したそうだ。いわゆる職人”と呼ばれる方々の技術は尊敬すべきものであるが、アナログの後継はデジタルには及ばない。悲しい話ではあるが・・・。
2012.11.25記

タイトル スーサイド・ショップ
出演(声) ベルナール・アラヌ/イザベル・スバッド/ケイシー・モッテ・クライン/イザベル・ジアニ/ロラン・ジャンドロン
監 督 パトリス・ルコント
ストーリー どんよりとした雰囲気が漂い、人々が生きる意欲を持てずにいる大都市。その片隅で、首つりロープ、腹切りセット、毒リンゴといった、自殺するのに便利なアイテムを販売する自殺用品専門店を開いているトゥヴァシュ一家。そんな商売をしているせいか、父ミシマ、母ルクレス、長女マリリン、長男ヴァンサンと、家族の誰もが一度たりともほほ笑んだことがなかった。人生を楽しもうとしない彼らだったが、無邪気な赤ちゃんが生まれたことで家庭内の雰囲気が少しずつ変わり始める。
評  約10年前くらいに『完全自殺マニュアル』という本がベストセラーになった。その本には自殺の方法についてだけじゃなく、その苦痛度、見苦しさ、費用なども書かれていた。販売の意図は「いざとなればいつでも自殺できるから、気楽に生きようよ」ということだったようだが「不謹慎だ」と社会問題視もされた。しかし、実際販売当時においては警察庁の自殺統計では自殺者は減少したそうだ。かくいう私も当時買って読んだ1人であり、かなり興味深かった記憶がある。今でも「命は地球より重い」なんてキレイ事は無責任だと思っているし、自分の去り際は自分で決めたい。タイミング間違うと自分で自分を操れなくなる時が来てしまう。鼻からチューブを差して生きながらえている父を見てそう思った。
2014.11.2記

タイトル スープ 〜生まれ変わりの物語〜
出 演 生瀬勝久/小西真奈美/刈谷友衣子/野村周平/広瀬アリス/橋本愛/大後寿々花/入江雅人/堀内敬子/凜華せら/堀部圭亮/池田鉄洋/谷村美月/山口紗弥加/伊藤歩/羽野晶紀/古田新太/松方弘樹
監 督 大塚祐吉
ストーリー 妻と離婚して以来、娘との関係が悪化していた渋谷健一は、ある日上司の綾瀬由美と共に落雷事故で亡くなる。あの世で目覚めた二人は、飲むと生まれ変わることができる「伝説のスープ」の存在を知るが、そのスープを飲むと前世の記憶は消えてしまうという。
評  「お久しブリーフ。・・・ダンディ、よく一発屋”と言われてまるで死んだように思われているけど、こないだ『よみがえりのスープ”があったら飲みたいですか』って聞かれた。ダンディ、こう答えた。『いらないです。どうせそのスープは煮え湯”でしょう』ゲッツ!・・・ダンディにも娘がいるんだけど、この子の娘のこと考えるとすごく心配なんだ。めちゃくちゃかわいいからそのうちモデルかなんかに人気が出て、この橋本愛ちゃんみたいにものすごく映画に出る女優になって、お父さんのボクより仕事が多いって言われるんじゃないかって。ゲッツ!アンドターン・・・」「ダンディさん、お時間です」
2012.12.9記

タイトル 推理作家ポー 最期の5日間
出 演 ジョン・キューザック/ルーク・エヴァンス/アリス・イヴ/ブレンダン・グリーソン/ケヴィン・マクナリー/オリヴァー・ジャクソン=コーエン/ジミー・ユール/パム・フェリス/ブレンダン・コイル/エイドリアン・ローリンズ/マイケル・シャノン/アナ・ソフレノヴィック
監 督 ジェームズ・マクティーグ
ストーリー 1849年のボルチモア。ある殺人事件を担当することになった若手刑事エメット・フィールズは、事件が推理作家エドガー・アラン・ポーの作品によく似ていることを察知。貧乏で酒におぼれる生活を送るポーは容疑者とみなされるが、捜査が進められる中、彼の著作をまねるように連続殺人が発生。その後、自らのアリバイが証明されたポーは、事件解明のため捜査に加わる。
評  エドガー・アラン・ポーといえば推理作家の祖だと思っていたが、後期は詩でも有名だったことを知った。もっとも私自身は『モルグ街の殺人』しか読んでいないので、そんなに元々知ってるわけじゃない。ウィキペディアによると、ポーの死に際は非常に奇妙で、酒場で泥酔状態だったのを知人に発見されそのまま病院へ連れて行かれ4日後に亡くなったそうだ。そしてなぜか他人の服を着ていて、病床では「レイノルズ」と繰り返し呼んでいたという。本作は完全な創作だが、この謎をきちんと踏襲しつつ、模倣犯を用意しポーの作品を紹介するスタイルをとっている。おかげでポーのことが大変よくわかりました。でも、ジョン・キューザックのおでこが広いのと口ひげのせいで、ポーがザビエルっぽく見えてしょうがなかった。
2012.10.14記

タイトル スカイフォール<007>
出 演 ダニエル・クレイグ/ハビエル・バルデム/ベレニス・マーロウ/ナオミ・ハリス/レイフ・ファインズ/アルバート・フィニー/ジュディ・デンチ
監 督 サム・メンデス
ストーリー 愛した女性を死に追いやった組織を追い詰めるべく、ハイチやボリビアなどで壮絶な戦いに身を投じてきたイギリス諜報部員のジェームズ・ボンド。ある日、直属の上司であるMが秘めていた過去の事件が浮かび上がってくる。事件の衝撃的な内容からボンドはMへの信頼と忠誠心を試されることになる。
評  前作までは007になる前までのボンドだったのが、いきなり引退してもおかしくないくらいの歳の超ベテランで登場。『カジノ・ロワイヤル』からのダニエル・グレイグの007は、過去作のセルフリメイクのようなものだと思っている。そして、本作に至っては、舞台をなんと本国イギリスとし、懐かしさあふれる人や物が続々登場で50周年記念”にふさわしい。特にボンドカーのアストン・マーチンはファンにとっては感涙物だろう。気になるのは敵役のシルヴァ。この長身や歯が無いところからある人物を思い出すのだが、もしかしら次回作でその正体で出てくるかもしれない。それにしてもスパイ不要の時代”がテーマって、『ミッション・インポッシブル』の1作目と同じじゃん。
2012.12.2記

タイトル スノーホワイト
出 演 クリステン・スチュワート/シャーリーズ・セロン/クリス・ヘムズワース/サム・クラフリン/イアン・マクシェーン/ボブ・ホスキンス/レイ・ウィンストン/ニック・フロスト/トビー・ジョーンズ
監 督 ルパート・サンダーズ
ストーリー とある王国の王と王妃の間に生まれ、肌の白さがまるで雪のような美しさを持つスノーホワイトは、一家で仲むつまじく生活していた。ところが、スノーホワイトが幼いころに王妃が事故によってこの世を去ってしまう。大きなショックを受けた王だったが、ラベンナという美女に一目ぼれし、彼女を王妃として迎えることを決める。しかし結婚式の夜に、王はラベンナによって殺されてしまう。
評  こりゃまた大胆にアレンジしてくれましたね。残念ながらこんなの私は嫌いです。もしかしら『トワイライト』が嫌いだから、クリステン・スチュワートにそのままのイメージを持っているのかも知れません。でも、白雪姫が何だってジャンヌ・ダルクみたいに甲冑着て戦うことになるの?そんなスキルあるとこ見せてあったっけ?シャーリーズ・セロンの役作りの凄さには感銘を受けましたが、たぶんこの映画のウリである森のGC映像はただただキモいだけでした。特に白鹿が登場するあの場面、『もののけ姫』パクってんじゃねぇよ!
2012.6.17記

タイトル SPEC 警察庁公安部第五課未詳事件特別対策係事件簿 〜天〜
出 演 戸田恵梨香/加瀬亮/伊藤淳史/栗山千明/三浦貴大/でんでん/浅野ゆう子/福田沙紀/神木隆之介/麿赤兒/利重剛/有村架純/岡田浩暉/松澤一之/載寧龍二/椎名桔平/竜雷太
監 督 堤幸彦
ストーリー 通常の捜査では解決できない特殊な事件を専門に扱う「警視庁公安部公安第五課未詳事件特別対策係」通称「未詳(ミショウ)」の特別捜査官、当麻紗綾と瀬文焚流。型破りなためケンカの絶えない彼らのもとに、海上のクルーザーから大量のミイラ死体が発見されたという知らせが届く。やがて、それは国家を揺るがす大事件へと発展していく。
評  基本的には私は生意気な女は嫌いなのだが、戸田恵梨香ちゃんの片目を見開いて口を曲げて「なんスか?」っていう顔が好き。『LIAR GAME』の神崎直よりよっぽどキャラがあっていると思う。相変わらずの悪ふざけと懐かしギャグを織り交ぜながら話は進み、これが不思議とはまるから面白い。テレビドラマで“癸(起)”、“翔(承)”ときて、さすが本作は“天(転)”ということあってか新キャラも登場。確かに伊藤淳史くんってフジテレビししか出てない感じだよね。さてさて次回の“結”は“欠”じゃないとして、“決”か、“血”か。このドラマだと“尻”もありうるな。
2012.4.8記

タイトル SAFE/セイフ
出 演 ジェイソン・ステイサム/キャサリン・チェン/ジェームズ・ホン/クリス・サランドン/ジョセフ・シコラ/ロバート・ジョン・バーク/レジー・リー/アンソン・マウント/サンドール・テクシー/ジェームズ・コルビー/マット・オトゥール/ジャック・グワルトニー/ダニー・ホック/スザンヌ・サヴォイ
監 督 ボアズ・イェーキン
ストーリー ある事件でニューヨーク市警の刑事を辞め、マイナーな総合格闘技のファイターとなったルーク。負けるように指示されていた八百長試合で勝利してしまった彼は、試合を牛耳るロシアン・マフィアに制裁として妻を殺されてしまう。生きる気力を失い、地下鉄で飛び込み自殺を図ろうとした彼は、妻の命を奪ったロシア人たちがアジア人少女を追いかけているのを目撃。少女を救い出して街に逃げ出すが、そんな二人を汚職警官の一団や中国系マフィアが襲い掛かる。激しい攻防と逃走を繰り広げながら、ルークは少女に隠された秘密を知る。
評  ジェイソン・ステイサムが暴れまくるアクション映画なので、特に楽しく観れます。よく言えばハズレなく、悪く言えば意外性のない仕上がりでした。一応、中国マフィアも絡んでいるので見た目はいつもとは違うようにも見えます。とりあえず「SAFE(セーフ)」ということで。しかしながら、この金庫の番号をわざわざ暗号化して、長い長い数列をわざわざ記憶力のいい子に教え込ませる方法に無理が有るような気がしてならなかった。これだけのマフィアなんだったら腕のいい鍵師を雇うことくらいできたんじゃねぇの?
2014.5.11記

タイトル 世界にひとつのプレイブック
出 演 ブラッドリー・クーパー/ジェニファー・ローレンス/ロバート・デ・ニーロ/ジャッキー・ウィーヴァー/クリス・タッカー/アヌパム・カー/ジョン・オーティス/シェー・ウィガム/ジュリア・スタイルズ/ポール・ハーマン/ダッシュ・ミホク/ブレア・ビー
監 督 デヴィッド・O・ラッセル
ストーリー 妻が浮気したことで心のバランスを保てなくなり、仕事も家庭も全て失ってしまったパットは、近くに住んでいるティファニーと出会う。その型破りな行動と発言に戸惑うパットだったが、彼女も事故によって夫を亡くしており、その傷を癒やせないでいた。人生の希望を取り戻すためダンスコンテストに出ることを決めたティファニーは、半ば強制的にパットをパートナーに指名する。
評  ジェニファー・ローレンスがアカデミー賞主演女優を獲得したが、その前に全演技部門(作品賞・監督賞・脚色賞・主演男優賞・主演女優賞・助演男優賞・助演女優賞・編集賞)でノミネートするという31年ぶりの快挙を果たしていた。まさに“EXELCIOR”!アカデミー賞では“再起物”が評価されるのは常套だが、それが2人ともが精神異常者という設定に嫌が応にも引き込まれてしまう。ある意味ずるい。しかしながらこの二人が自己中を自制しながらお互いを思いやっていく様に胸が温かくなっていった。でもゲン担ぎに拘るお父さん見てると正常者と異常者の境がわからなくなるね。それはさておき、ノミ行為は違法だから止めた方がいいです。(チクショー!『リンカーン』鉄板っつったの誰だよ。あーあ『アルゴ』に賭けとけば・・・)
2013.5.12記

タイトル ゼロ・ダーク・サーティ
出 演 ジェシカ・チャステイン/ジェイソン・クラーク/ジョエル・エドガートン/ジェニファー・イーリー/マーク・ストロング/カイル・チャンドラー/エドガー・ラミレス/ジェームズ・ガンドルフィーニ/クリス・プラット/フランク・グリロ/ハロルド・ペリノー/レダ・カテブ/ジェレミー・ストロング/スコット・アドキンス/マーク・デュプラス
監 督 キャスリン・ビグロー
ストーリー ビンラディンの行方を追うものの、的確な情報を得られずにいる捜索チーム。そこへ、人並み外れた情報収集力と分析力を誇るCIAアナリストのマヤが加わることに。しかし、巨額の予算を投入した捜査は一向に進展せず、世界各国で新たな血が次々と流されていく。そんな中、同僚の一人が自爆テロの犠牲となって命を落としてしまう。それを機に、マヤの中でビンラディン捕獲という職務が狂気じみた執心へと変貌。ついに、彼が身を隠している場所を特定することに成功する。
評  9.11をきっかけに、当時Wブッシュ大統領のアメリカ政府は大量破壊兵器の存在をでっちあげイラクに攻撃を仕掛けた。オサマ・ビンラディンのアルカイダはアフガニスタンなのにである。アメリカは多民族国家であるがゆえ、それをまとめ上げるのは困難だ。そのため共通の敵がいてそれに勝利することでアメリカを一つにしてきた。だからこの映画は、いくらマヤが亡くした友人らのために自分が為すべきこととした仕事であったとしても、私にはアメリカの極悪非道な絶対的勝利の権威にしか見えない。たとえ拷問をやめたとしてもその経緯は他国の非難を浴びたからであり、元々他国への敬意は微塵も無いのだ。しかし、ビンラディン暗殺の報ははまちがいなくアメリカ国民には安堵をもたらせたのだろう。この映画がアカデミー賞のノミネートになったのもその理由だろう。ただ、それがアメリカのレベルの低さを物語っている。
2013.2.24記

タイトル センター・オブ・ジ・アース2 神秘の島
出 演 ドウェイン・ジョンソン/マイケル・ケイン/ジョシュ・ハッチャーソン/ヴァネッサ・ハジェンズ/ルイス・ガスマン/クリスティン・デイヴィス
監 督 ブラッド・ペイトン
ストーリー 謎の島からの遭難信号を受け取ったショーンは、義父のハンクと共に島へと旅立つ。二人がたどり着いたのは「神秘の島」。巨大なトカゲやハチ、小さな象など自分たちの世界とは大きさがまったく違う生物、金の山やアトランティスといった驚くべき光景に遭遇する。しかし、その島はもうすぐ沈む運命にあった。
評  前作で子供だったジョシュ・ハッチャーソンがでかくなって続編登場。同じジュール・ヴェルヌの冒険小説から、今回は『神秘の島』が題材です。ドデカい昆虫や爬虫類にド肝を抜かれたり、やっぱり出たかのモネ船長の船が想像超えてたり、ワクワクがとまりませんでした。しかし、ドウェイン・ジョンソンの腹筋ダンスで見える勃起した乳首に意気消沈でいた。それにしても、これも邦題失敗の巻。原題は「JOURNEY(旅行)」とシンプルなので副題の「センター・オブ・アース」を主題にしたもんだから、今回、地底に行かないのにこのタイトルになってしまいました。もしかして『ハムナプトラ』での二の舞になりたくないと思って、ブレイダン・フレイザーは降板したのでしょうか?
2014.6.29記

タイトル ダーク・シャドウ
出 演 ジョニー・デップ/エヴァ・グリーン/クロエ・グレース・モレッツ/ヘレナ・ボナム=カーター/ミシェル・ファイファー/ジャッキー・アール・ヘイリー/ベラ・ヒースコート
監 督 ティム・バートン
ストーリー イギリスからアメリカに移り住んだお金持ちのコリンズ家に生まれたバーナバスは、魔女アンジェリークによってヴァンパイアにされてしまった上に、生きたまま埋められてしまう。その後、ふとしたことで彼は200年の眠りから目覚めるが、コリンズ家はすっかり落ちぶれていた。バーナバスは、コリンズ家再建を末裔と成し遂げるべく、自らの父の言葉である「唯一の財産は家族」を胸に行動を起こす。
評  ティム・バートン×ジョニー・デップのコラボも8作目。もう観る前から絶大な安心感で、観たら観たでの満足感があります。そしてティムのパートナー、ヘレナ・ボナム=カーターもいい味出してます。元作はTVドラマだったそうで、ムリヤリ短縮したからでしょうか、キャロリンの狼女だけはジャマでした。それよりなんと言っても、昨年殿堂入りを果たした往年のロックスター、アリス・クーパーのカメオ出演は見逃せない。実は『エルム街の悪夢 ザ・ファイナルナイトメア』にも主演していて、既にジョニー・デップと共演していました。バーナサスの目の周りを黒くしたホラーメイクは、実はこのアリス・クーパーが元祖です。もちろん、くりぃむしちゅー有田は全然関係ないです。
2012.5.20記

タイトル ダークナイト・ライジング
出 演 クリスチャン・ベイル/マイケル・ケイン/ゲイリー・オールドマン/アン・ハサウェイ/トム・ハーディ/マリオン・コティヤール/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/モーガン・フリーマン
監 督 クリストファー・ノーラン
ストーリー ジョーカーがゴッサム・シティを襲撃するものの、ダークナイトが死闘を繰り広げ彼を撃破してから8年後。再びゴッサム・シティの破壊をもくろむ異様なマスク姿の怪人ベインが現われる。隠遁生活していたブルース・ウェインは再び黒いマントに身を包み、戦いに身を投じていく。
評  クリストファー・ノーラン監督のバットマンシリーズ最終回。誰もが期待している映画なのに悲劇が起きた。7月20日コロラド州オーロラのシネコンで自らをジョーカーと名乗る24歳の男が銃を乱射した。少なくとも12名が死亡、60人近くが重軽傷を負った。おかげで俳優達の来日がキャンセルとなった。興業的にも打撃がありそうで製作会社にとっても本作は壮絶なラスト”となりそうだ。もちろん作品自体は決して悪いことはなく、期待以上の感動を与えてくれます。どんな過去や思想があったって破壊活動で正当化するのは悪”として否定しなければならない。金がなかろうが虐げられようが、この道理はまげちゃダメだ。なんて偉そうなこと思いつつ、キャットウーマンがバットポッドにまたがってる時はお尻ばっかり見てました。
2012.7.29記

タイトル タイガー 〜伝説のスパイ〜
出 演 サルマーン・カーン/カトリーナ・カイフ/ランヴィール・ショウリー/ロシャン・セスス
監 督 カビール・カーン
ストーリー インド諜報局RAWの敏腕エージェントとして奔走している、タイガー。国家機密を売り渡す取引を阻止したタイガーは、新たなミッションとして敵国パキスタンとの接触が疑われるミサイル技術の権威、キドワイ博士の監視を命じられる。博士のいるアイルランドへ飛んだタイガーは、彼の家政婦をしながらダンスを学んでいるインド系イギリス人の美女ゾヤと出会う。気取らないゾヤに心惹かれるが、彼女こそがミサイル情報を手に入れようともくろむISIのエージェントだった。
評  映画大国インドがついに動き出した。大ヒット4作を一気に魅せる企画“ボリウッド4”が始動。最初は昨年インドで興行累計収入第1位、歴代第2位となった本作です。観たら納得、ド迫力のアクションにビリビリ感じるラブロマンス。そしてインド映画お約束のいきなり始まる集団ダンスも有りの大エンターテーメント。12カ国を股にかけそのスケールは007を凌ぐのではないだろうか。ここまで出来るのは急成長国“BRICS”一角をなすインドの経済力なのであろう。でなきゃあんな路面電車のシーンなんかマジで創れない。完全脱帽である。それにしてもインド、パキスタン間の外交問題って思った以上に深刻のようだ。池上彰より説得力ありました。
2013.6.23記

タイトル だいじょうぶ3組
出 演 国分太一/乙武洋匡/榮倉奈々/三宅弘城/安藤玉恵/渡辺真起子/木下ほうか/根岸季衣/田辺桃子/朝田帆香/遠藤由実/うらん/上白石萌音/日向ななみ/飯島幸大/河口瑛将/田口トモロヲ/余貴美子
監 督 廣木隆一
ストーリー 4月の新学期を迎えた東京郊外の松浦西小学校。補助教員の白石優作と新任教師の赤尾慎之介が、受け持ちの5年3組の教室に現れると、生まれつき手足のない赤尾の姿を見た生徒たちの表情に驚きと戸惑いの色が広がった。普段の授業をはじめ、運動会や遠足などのイベントを経て、2人の先生と28人の生徒たちは信頼を深めていく。
評  「本来“大丈夫”という言葉は“安心”や“確実”と言う意味を持つものだが、昨今の若い世代ではちょっと違う使い方がなされている。『もっと勉強しろ』と言うのに対し『大丈夫です』と答える。これには本来の意味の「平気です」のほかに「勘弁してください」意味を持っている。つまり彼らの“大丈夫”には“遠慮”“容赦”“拒絶”といった意味も含んでいるのです。東進ハイスクールで現代文を教えている私としても多種の意味を一つの言葉で表現される使い方には戸惑いを覚えます。しかしこれは気さくな若者たちができるだけ角を立てず相手を傷つけないようとした配慮の表現かもしれない。しかし、そのような配慮を意図的に強制しようとする言葉の使い方をする者もいる。例えば“障害者”を“障がい者”と表記すること。“害”の言葉を使わないことで配慮したつもりだろうが、かえって違和感が生まれ差別を助長しているように思える。言葉は時代によって自然に移り変わるものであってこのような恣意的に変えるものではない。こんな言葉狩りは即刻やめるべきだ。いつやるか?今でしょ!」
2013.3.24記

タイトル タイタンの逆襲
出 演 サム・ワーシントン/リーアム・ニーソン/レイフ・ファインズ/ダニー・ヒューストン/エドガー・ラミレス/ロザムンド・パイク/ビル・ナイ/トビー・ケベル
監 督 ジョナサン・リーベスマン
ストーリー 魔物クラーケンを倒してから10年、ペルセウスは男手一つで息子を育てていた。そんな折、神々とタイタン族の地上の支配権をめぐる戦いは日ごとに激しさを増していく。神々の王ゼウスと人間の母の間に誕生したペルセウスは、冥界の王ハデスの父への裏切りを知る。
評  『タイタンの戦い』の続編で、ギリシャ神話を基にした大スペクタル。今回はキメラやマカイ、サイクロプス、ミノタウロスとギリシャ神話由来のモンスターがワンサカ登場する。本当はペルセウスはメデューサを倒す逸話くらいなのだが、他のエピソードをうまい具合に取り入れている。クレーテーの迷宮の場面は結構面白かった。残念ながらアリアドネは登場しなかったけど。ところで一昨年前から『パーシー・ジャクソンの神々』やら『インモータルズ』とギリシャ神話からの映画が増えてきて、ついに8月にリドリー・スコットの『プロメテウス』が公開・・・えっ?こっちはSF物なの!うー、頭がごっちゃになる〜。
2012.4.22記

タイトル 大統領の料理人
出 演 カトリーヌ・フロ/ジャン・ドルメッソン/イボリット・ジラルド/アルチュール・デュポン/ジャン=マルク・ルロ/アルリ・ホベール/ブリス・フルニエ/エルヴェ・ピエール/レシュ・レボヴィッチ/トマ・シャブロル
監 督 クリスチャン・ヴァンサン
ストーリー ある日、フランスの田舎でこじんまりとしたレストランを経営するオルタンスのもとにフランス政府の公用車がやって来る。彼女はパリ中心部にあるエリゼ宮殿と呼ばれる大統領官邸へと招かれ、フランソワ・ミッテラン大統領のプライベートシェフに任命されたのだ。だが、これまで女性料理人がいなかった男社会の厨房ではオルタンスはよそ者でしかなかった。
評  1980年代にたった2年ですが、フランスのミッテラン大統領の専属料理人に抜擢されたダニエル・デルプシュの半生の映画です。彼女は官邸にいた頃とそのあと南極調査隊のシェフとなった頃を交互に紹介されています。今では緩和されてきているそうですが、フランス料理界では伝統的に男社会だったということが良く分かり、その中で必死にあがく強い女性像に元々はコメディ寄りのカトリーヌ・フロが不思議と合っていました。ミッテランが彼女に「逆境だからこそ、私は頑張れる。人生の“トウガラシ”だ」という場面が印象的ですが、ちょうどこの頃フランスではインフレの進行、失業者の急増(ミッテラン・ショック)に見舞われていたころです。そんな経験を積みつつ、南極料理人の後に彼女はトリュフ生産に適した場所を見つけるためニュージーランドへと飛び、広く世界中にフランス料理普及に尽力しました。これはもしかしたら、狭い男社会のフランス料理界に対する“ぺ・ドゥ・ノンヌ(尼さんのおなら)”ならぬ、彼女の最後っ屁なのかもしれません。
2016.1.3記

タイトル ダイ・ハード/ラスト・デイ
出 演 ブルース・ウィリス/コール・ハウザー/セバスチャン・コッホ/ユーリヤ・スニギル/ラシャ・ブコヴィッチ/メアリー・エリザベス・ウィンステッド
監 督 ジョン・ムーア
ストーリー 久しく会っていなかった息子ジャックがロシアでトラブルを起こした上に、ある裁判の証人となったと知らされた刑事ジョン・マクレーン。身柄を引き取りに現地を訪れた彼だが、そこでテロ事件に巻き込まれてしまう。相変わらずの運の悪さを呪いながらも、混乱状態に陥った状況下でジャックと再会するマクレーン。しかし、なぜか親子一緒に次期ロシア大統領候補の大物政治家、大富豪、軍人らが複雑に絡む陰謀の渦中へと引きずり込まれるハメになる。
評  会社の隣の席のSさんいわく「『ダイ・ハード』は“死ににくい”って意味だから、死なないと思えば安心して観れる」だそうだ。言い得て妙だが、このおっちゃん、年くってるくせにアクションが過激になってきてるから、元々不死身なんだろう。ただ、いくら他所の国だからって自分の息子追いかけるためだけにあんなにド派手な交通事故起こしちゃダメでしょ。お前刑事だろって!それにチェルノブイリ扱ってるからメッセージ性あるかと思いきや、簡単に放射能を中和するんじゃない!その物質、福島にまわせ!・・・なんていうマイナス要素を差し引いても、やっぱり圧巻だわ。爆破の画はCGだとわかっていても明らかに『脳男』とは段違いです。おみそれしました。ところで“ラスト・デイ”ってなってるけど、どうせ終わらないんでしょう?仮にそうなったとしても息子のジャックで続編を創るのだけは止めてくれよ。絶対に『ターミネーター』の二の舞だけは!
2013.2.17記

タイトル 中学生円山
出 演 草g剛/平岡拓真/遠藤賢司/ヤン・イクチュン/鍋本凪々美/刈谷友衣子/YOU/原史奈/家納ジュンコ/三宅弘城/皆川猿時/宍戸美和公/少路勇介/野波麻帆/田口トモロヲ/岩松了/坂井真紀/仲村トオル
監 督 宮藤官九郎
ストーリー 思春期を迎えた中学生・円山克也は、ある目的のために柔軟な体が必要だと判断し自主トレに励むうちに、妄想の世界にトリップするようになってしまう。そんなある日、同じ団地に謎めいたシングルファーザーの下井辰夫が引っ越してくる。ある日、近所で殺人事件が起こり、克也は下井が犯人ではないかと妄想し始める。
評  「平日昼間からゴロゴロ〜ゴロゴロ。あ〜あ、中学生の頃に戻りてぇなぁ。中学生に戻ってヒーローになる夢見てぇなぁ。ゴロゴロ〜ゴロゴロ。あ〜あ、SMAPの草gくんくらいのちょうどいいポジションでいたいなぁ。ゴロゴロ〜ゴロゴロ。あ〜あ、『考えない大人になるくらいなら、死ぬまで中学生になるべきだ!』って。現実社会でほんとに中学生のまんまでいたいなぁ」「おい、飯尾、ゴロゴロして妄想してんなら柔道の乱取りやろうぜ。柔道もレスリングなみに屈伸必要だから、自分でチンポ舐めれるくらいなれるかもしんないぜ」「遠慮します。“ペコリ45度”とおじぎするついでにレディ・ガガ」
2013.5.26記

タイトル 終の信託
出 演 草刈民代/役所広司/大沢たかお/浅野忠信
監 督 周防正行
ストーリー 同じ職場の医師・高井との不倫に傷つき、自殺未遂を図った呼吸器内科医の折井綾乃。沈んだ日々を送っていた彼女は、重度のぜんそくで入退院を繰り返す江木秦三の優しさに触れて癒やされる。だんだんと距離が近づき、お互いに思いを寄せるようになる二人だったが、江木の症状は悪くなる一方。死期を悟った彼は、もしもの時は延命治療をせずに楽に死なせてほしいと綾乃に強く訴える。それから2か月後、心肺停止状態に陥った江木を前にして、綾乃は彼との約束か、医師としての努めを果たすか、激しく葛藤する。
評  『それでもボクはやってない』に続く「法の矛盾」をとりあげた作品。こういうのを改めて観ると尊厳死や安楽死の問題は、かなり昔から未だに解決の方向に向かっていないのだということが思い知らされる。そういう意味では良いのだが、結局、芝居慣れした一流俳優の演技の良さばかりで持っていて、内容的にはそんな真新しさを感じなかった。それに、最近は奥さんの草刈民代さんを主役にした映画を取り続けるし、これも『大病院』に似ていなくもない。なんとなく周防正行監督に伊丹十三が乗り移ってきた気がするのだが・・・?
2012.10.28記

タイトル ツナグ
出 演 松坂桃李/樹木希林/佐藤隆太/桐谷美玲/橋本愛/大野いと/遠藤憲一/別所哲也/本上まなみ/浅田美代子/八千草薫/仲代達矢
監 督 平川雄一朗
ストーリー 生きている者が、もう一度だけ会いたいと強く願う、すでに亡くなってしまった者。その再会の機会を設けることができる、“ツナグ”と呼ばれる使者の見習いをする高校生・歩美。ガンで逝去した母と会いたいという高慢な中年男・畠田、けんかをしたまま事故死した親友・御園に尋ねたいことがある女子高生・嵐など、さまざまな依頼人の願いをかなえる歩美。だが、死んだ者と生きる者が再び出会ってはいけないのではないか、それで両者は救われるのだろうかと考える。
評  「ナータン、あのね、どう考えてもユータンの方が先に死んじゃうと思うんだ。そのときのためユータン頑張ってお金貯めとくからね」「もう!ユータン何言ってるの!!ユータンは死んじゃダメェ!!死ぬなんて言ったら・・・☆∴Φ♪ж・・・!!!」「ごめんごめん、ユータンもう死ぬなんて言わないから」「社長、すごいっすね。奥さんが言ってること分かるんですね」「でも、小林さん、聞いてください、ツナグ”って人がいるみたいでね・・・◇Яю∩λ▽・・・なのかなぁ?」「・・・はぁ、でもボクはそういうの信じないんで」「!」「なんだお前!ナータン傷つけやがって!会社辞めるか!」「すいません、すいません!」「大丈夫だよ。ナータン。小林くんの言う事なんか気にするな。死んでも会えるから、絶対後悔させないから」(「フッ、後悔?お金さえもらったらあなたはもう用済みよ。この結婚に愛なんてない。全ては金のため。金のためなら私は何だってするわ。フッハハハ・・・」)
2012.10.14記

タイトル 綱引いちゃった!
出 演 井上真央/玉山鉄二/浅茅陽子/西田尚美/渡辺直美/ソニン/犬山イヌコ/中鉢明子/石丸謙二郎/佐藤二朗/野間口徹/木南晴夏/綾田俊樹/大川ヒロキ/和田正人/齋藤隆成/石塚英彦/笹野高史/風間杜夫/松坂慶子
監 督 水田伸生
ストーリー 大分市役所広報課で働く西川千晶は、全国的に認知度の低い大分市PRのため市長命令で女子綱引きチームを結成することに。彼女は、母親の勤め先で廃止寸前の給食センターの職員をチームに招き、全国大会出場まで勝ち進むことができれば廃止を撤回するよう市長に提案する。どうにかチームを結成するが、千晶自身もキャプテンとしてチーム入りするはめになる。
評  運動会でお馴染みの綱引きじゃけんど、実は世界的に有名な競技じゃ。古くは1900年かり5大会もオリンピックの競技にも採用されていたちうわけや。ほいて本作はTBSの『オールスター感謝祭』にも出場した「大分コスモレディース」かり発想しちょる映画じゃけんど、その市民のおかやんの現実がけっこうリアルで知らん間にのめり込んでしもーたんや。ヒロインちゅうより熱血少年ヒーローのような役に井上真央ちゃんがピッタリじゃったちうわけや。わいはこげな多少出来すぎたストーリーでも女性が頑張る姿は好かんふんじゃーないじゃ。ただそれがオバさんだと思うと若干引き”まっけど。
2012.11.25記

タイトル つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語
出 演 阿部寛/小泉今日子/野波麻帆/風吹ジュン/真木よう子/忽那汐里/大竹しのぶ/羽場裕一/荻野目慶子/岸谷五朗/渡辺いっけい/永山絢斗/奥田瑛二/田畑智子
監 督 行定勲
ストーリー 春二は艶という女性と駆け落ちまでして大島へとたどり着くが、気ままな妻の不貞に翻弄されてきた。そんなある日、艶の病気が発覚し、さらには昏睡状態に陥ってしまい、これまで無心に彼女を愛し続けてきた彼は激しく動揺する。ついに春二は最愛の妻と深い仲だった男性たちに、艶が瀕死の状態にあることを知らせようと思い立つ。
評  要は、ヤリマン女、艶に昔関わった男たちに関わる女性のオムニバスドラマです。相関図はややこしいですが、単純に“女のジェラシー博覧会”だと思っていいかもしれません。いずれも薄青い炎なのですが、男からするとこういうのが逆に恐怖です。誰に聞いたのか忘れましたが、女性がアダルトDVDを観るとき、男性ではなく女性を見ているもんなんだそうです。そんな女性の暗部ばかりですが、決してを卑下していないところは行定勲監督の愛情なのでしょう。逆に男がないがしろにされてるようで、なんか気に入りませんでした。結局、艶の顔は最後まで見れませんが、そんな興味は沸きませんでした。ただ“アストロ・ビール”のポスターの女の子の顔は見たかったなぁ。
2013.1.27記

タイトル ティンカー・ベルと輝く羽の秘密
出演(声) メイ・ホイットマン/ローレン・モート/マイケル・シーン/パメラ・アドロン/ルーシー・リュー/クリスティン・チェノウェス/レイヴン・シモーネ/ジェシー・マッカートニー/ジェフ・ベネット/ロブ・ポールセン/アンジェラ・バーティス/フェイス・プリンス
監 督 ブラッドリー・レイモンド
ストーリー 禁じられた冬の森に入ってしまったティンクの羽根が突然輝き始めた。その秘密を知りたくなったティンクは冬の森を訪ねる。そこでどこか自分と似ているペリウィンクルという妖精に出会う。実はふたりは別々にピクシー・ホロウにたどり着いた双子の妖精だった。
評  「『ティンカーベル』シリーズの最終章は“冬”ですね。でも姉妹愛を感じる暖かい作品になりました」「じゃあね、僕がティンカーベルになったつもりの歌があるのでそれを歌います。『♪特別なファンタジー、アナタにあげるぅ〜。あったかいんだからぁ〜』」「待て待て待て、なんで急に歌ったんだ?それに何?その『♪あったかいから』って」「違う違う。『♪あったかいんだからぁ〜』」「言い方とかいいから!」「では続きがあるので聞いてください。『♪みんなの笑顔が〜太陽みたいにあったかいんだからぁ。いつまでもこのまま夢の中で楽しませて〜。霜で包むと妖精の木が枯れないのは、あったかいんだからぁ』」「それは冷たいだろ!農家の人、どんだけ霜に悩まされてると思ってんだ!っつかお前さ、こうやって一人で勝手に歌うんだったら独りでやれよ。俺は帰る」「ちょ、ちょっとティンクとペリウィンクの気持ちも分かって!『♪一緒に居たいんだからぁ』」「もういいって!」
2013.11.3記

タイトル テッド
出 演 マーク・ウォールバーグ/ミラ・クニス/セス・マクファーレン/ジョエル・マクヘイル/ジョヴァンニ・リビシ/パトリック・ウォーバートン/マット・ウォルシュ/ジェシカ・バース/エイディン・ミンクス/ビル・スミトロヴィッチ/ノラ・ジョーンズ/サム・ジョーンズ/ローラ・ヴァンダーヴォート/レイ・ロマノ/ライアン・レイノルズ/テッド・ダンソン
監 督 セス・マクファーレン
ストーリー いじめられっ子からも無視される孤独なジョンは、クリスマスプレゼントとして贈られたテディベアと友人になれるように祈る。彼の願いが通じたのか、テディベアに魂が宿り、ジョンにとって唯一無二の親友テッドとなる。それから27年の月日が経ち、中年となっても親友同士であるジョンとテッド。一緒にソファでくつろいでは、マリファナをくゆらし、映画を楽しんでいる彼らにジョンの恋人ロリーはあきれ気味。ジョンに、自分とテッドのどちらかを選べと迫る。
評  どうしようもない低俗映画なんだけど、制作側もビックリするほどのスマッシュヒットで公開劇場が続々拡大中。私は敢えて有吉弘行の吹き替え版を観たのだが、いやはや露骨なお下品ワードの炸裂にあっけにとられてしまった。それでいながら要所要所で欠かさず吹出してしまった。よくコメディ映画でたとえが日本ではポピュラーじゃない場合、翻訳で別のものに変えてしまうことがある。ジョンが「くまもんの方がいい」と言ってテッドがキレてしまうところは、本当は「テディ・ラクシピンがいい」と言っていた。また、テッドが車に飛び移るシーンでは本当は80年代のドラマから「どうだい?“パトカー・アダム30”に負けてないだろ」と言っているのを“ガチャピン”に変えている。もちろん着ぐるみなのに数々のアクションをこなすガチャピンへ対抗しているのだが、昨年、有吉がツイッターのフォロワー数でガチャピンを抜いたのを思い出したら、この翻訳に“いいね!”を押したくなった。(それはフェイス・ブックだって)
2013.3.3記

タイトル テルマエ・ロマエ
出 演 阿部寛/上戸彩/北村一輝/竹内力/宍戸開/笹野高史/勝矢/キムラ緑子/外波山文明/神戸浩/内田春菊/松尾諭/森下能幸/蛭子能収/菅登未男/市村正親
監 督 武内英樹
ストーリー 古代ローマ、アイデアに煮詰まり失業した浴場設計技師のルシウスは、友人に誘われた公衆浴場でタイムスリップしてしまう。たどり着いた場所は、何と日本の銭湯。そこには「平たい顔族=日本人」がいて、彼は漫画家志望の真実と出会う。ルシウスは日本の風呂の文化に感銘を受け、そこで浮かんだアイデアを古代ローマに持ち帰り一躍有名になっていく。
評  マンガをこよなく愛し続けてきた私だが最近はどうも守りに入っているようで新しいマンガをほとんど知らない。この『テルマエロマエ』に至っては、“2010年書店店員が選ぶマンガ大賞””第14回手塚治虫文化賞をW受賞”と本屋に並んでいるのを見て知ったくらいだった。歴史好きにも納得できるし、日本人からしたらお風呂は“あるあるネタ”の宝庫だろうし、設定だけで成功なんだろう。今回の映画化で彫りの深い顔の人のキャスティングや、わざわざ古代ローマのセットのあるイタリアの撮影所「チネチッタ」で撮影を行う拘りが見えた。でも、ナイル風の浴場で泳いでたワニは、あれ作り物だろ!「ガブリ、噛み付いちゃうよ」(『ガキ使』のピカデリー梅田)
2012.4.29記

タイトル デンジャラス・ラン
出 演 デンゼル・ワシントン/ライアン・レイノルズ/ヴェラ・ファーミガ/ブレンダン・グリーソン/サム・シェパード/ルーベン・ブラデス/ノラ・アルネゼデール/ロバート・パトリック
監 督 ダニエル・エスピノーサ
ストーリー 36か国で指名手配中の元CIAの腕利きエージェントであるトビンは、南アフリカのCIAのアジトに連れてこられる。彼が身柄を拘束されるやいなや、鉄壁の守りを誇るはずの隠れ家が何者かの攻撃を受ける。アジトの管理責任者である新人のマットは、何とかトビンを連れて敵から逃れる。
評  デンジャラス”・ワシントンの圧巻カーチェイスと壮絶銃撃戦のド迫力アクション。最近の彼の出演作はハズレなしで、これもアメリカでかなりのロングランを記録したそうだが、ストーリーになんの意外性もなくてなんか肩透かしをされた感が残った。ストレス解消でたまに観る映画としては最高かもしれないが、最近アクション物ばっかり観ていたせいで、もっとひねりがないと物足りなく思ってしまった。でも、車のトランクにつっこまれて銃撃受けるのはさすがに恐いか。
2012.9.9記

タイトル 天地明察
出 演 岡田准一/宮崎あおい/佐藤隆太/市川猿之助/笹野高史/岸部一徳/渡辺大/白井晃/横山裕/市川染五郎/中井貴一/松本幸四郎
監 督 滝田洋二郎
原 作 冲方 丁
ストーリー 太平の世が続く江戸時代、算哲は碁打ちとして徳川家に仕えていたが、算術にもたけていた。もともと星を眺めるのが何よりも好きだった彼は、ある日会津藩主の保科正之の命を受け、北極出地の旅に出ることになる。算哲らの一行は全国各地をくまなく回り、北極星の高度を測り、その土地の緯度を計測するという作業を続ける。
評  〔1 さそり座〕 HAPPY 岡田准一さん
ジャニーズの中のbP演技力を買われてバンバン、オファーが殺到!その勢いでハリウッドにも行けるかも。あなたの未来は順風満帆!宇宙を両手で抱えるのも夢じゃない!このHP館長も同じ11月18日が誕生日だから間違いなし!絶対!絶対!絶対!
 (ラッキーパーソン⇒実は誕生日が同じのミッキーマウス)
〔7 やぎ座〕 USUAL 市川染五郎さん
注意!歌舞伎の舞台で転落して大ケガしてしまいます。でも骨折程度で済むので大丈夫、再起は出来るでしょう。ただ、映画の舞台挨拶は穴を空けてしまうことになるのは残念です。歌舞伎の舞台では奈落”という穴も開いてましたしね。
〔12 いて座〕 BAD 宮崎あおいさん
せっかく別れることができた元夫、高岡蒼佑が、不倫疑惑を言われた岡田准一との共演のためジェラシーが再炎!ツィッターで攻撃してくるのは序の口で、根の葉も無いスキャンダルの暴露本を書かれそうです。気をつけて!
 (HELP⇒シルエットが竹島のオッサン)
2012.9.23記

タイトル 天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”
出 演 辰巳芳子/谷原章介(声)/草笛光子(声)
監 督 河邑厚徳
ストーリー 日本の食にさまざまな提案をしてきた料理家・辰巳芳子が、病気により食事を楽しむことができなくなった父親のために工夫を凝らして作り続けたスープは、「いのちのスープ」として知られている。食材を誠実に育てる生産者やその素材を丁寧に調理する辰巳、スープを口にする人々の姿を通し、農が食を支え、そして人の命を支える食の重要さを問い掛けていく。
評  日本の料理研究家の草分け的存在の辰巳芳子さんのドキュメンタリー。齢90歳を越えてまだまだお達者でございます。これを観ると料理の本質をきちんと見つめる彼女の視線にほとほと頭が下がりました。梅おにぎりの理屈なんかまさしくそのとおりです。彼女は季節の移ろいに合わせた旬の食材にこだわります。現代人の台所離れに嘆きます。健康を本気で考えればそうあるべきなのも十分わかります。しかし、気軽においしいものが食べられてしまう昨今、不味くても安くお腹を満たせてしまう近年、「食」にどこまで関心を持てるでしょうか。現代人を納得させるには数値を突きつける必要もあるのです。先日、日本食品標準成分表の改訂版が文科省から5年ぶりに発表された。今回の改訂では製造時の使用器具や調理法で細かく表示されるようになった。これによると例えば“ひじき”の場合、2010版では100g中鉄分が55.0mgとなっていたが、2015年度版では、鉄釜で製造され乾いたままであれば100g中鉄分は58.2mg、ステンレス釜で製造されたものを茹でた場合は100g中0.3mgと記載されている。これからの日本の食文化を守っていくには、こうした現代の分析を裏付けにしながら昔から食の伝統を継承し、国民に理解してもらうことが必要なのだと思う。
2016.1.3記

タイトル トータル・リコール
出 演 コリン・ファレル/ケイト・ベッキンセイル/ブライアン・クランストン/ジェシカ・ビール/ジョン・チョー/ビル・ナイ
監 督 レン・ワイズマン
ストーリー 容易に記憶を金で手に入れることができるようになった近未来、人類は世界規模の戦争後にブリテン連邦とコロニーの二つの地域で生活していた。ある日、工場で働くダグラスは、記憶を買うために人工記憶センター「リコール」社に出向く。ところが彼はいきなり連邦警察官から攻撃されてしまう。そして自分の知り得なかった戦闘能力に気付き、戸惑いながらも家に帰ると妻のローリーが襲ってくる。
評  あれぇ?火星は?シュワルツェネッガーのに比べたら当然に数段、画力が上がっているけど、行動範囲が狭いからスケールダウンを感じる。一応、地球貫通トンネルでヨーロッパとオーストラリアを行き来するけど、チョコマカと町中走り回っているのは変わりない。これじゃあ『ボーン・アイデンティティー』のリメイクだと思われそうだ。かろうじてトリプルおっぱい”のおかげで違うと思い出したけど・・・。でも、そんな過去作を分からない人にとってはリニアモーター自動車や縦横無尽エレベーター、変装首輪とかの未来空想的なものに素直に興味をそそるかもしれない。うーん、過去の記憶を消して映画を観れたら、きっと新鮮な感動を得られるんだろうな。
2012.8.12記

タイトル 東京家族
出 演 橋爪功/吉行和子/西村雅彦/夏川結衣/中嶋朋子/林家正蔵/妻夫木聡/蒼井優小林稔侍/風吹ジュン/茅島成美/柴田龍一郎/丸山歩夢/荒川ちか
監 督 山田洋次
ストーリー 瀬戸内海の小さな島で生活している夫婦、平山周吉ととみこ。東京にやって来た彼らは、個人病院を開く長男・幸一、美容院を営む長女・滋子、舞台美術の仕事に携わる次男・昌次との再会を果たす。しかし、仕事を抱えて忙しい日々を送る彼らは両親の面倒を見られず、二人をホテルに宿泊させようとする。そんな状況に寂しさを覚えた周吉は、やめていた酒を飲んで騒動を起こしてしまう。一方のとみこは、何かと心配していた昌次の住まいを訪ね、そこで恋人の間宮紀子を紹介される。
評  「いかにも昭和って感じがしみじみするよね。さすが『男はつらいよ』の山田洋次さんだわ。家族の情を良く知ってらっしゃるわ」「そんなこと言ってるけど、お前にこのお父さんの気持ちわかるのか?俺も島で15人の子供たち育ててきたから良く分かる。これは俺の中の理解。俺の中の判断」「何言っての、このお父さんは口数少ないし、あんたみたいにヒネくれてないわよ」「あー、そうだ。俺はこういう人間これ以上でなければ、これ以下でもない」「ったく、素直になればいいじゃない」「ハァー、お前は毎回そうやって自分の言い分を通そうとする。このやりとりも何回もした。そう思うんだったらそう思えばいい。『そう思うんだったらそう思え』とまで俺はもう言う」「そんなんだから、あちこちであんたのことパロディにされてんのよ」「ハイ、どうもすいませんでした!ハイ、どうもすいませんでした!」
2013.1.20記

タイトル ドラえもん のび太と奇跡の島 〜アニマルアドベンチャー〜
出演(声) 水田わさび/大原めぐみ/かかずゆみ/木村昴/関智一/千秋/野沢雅子/水樹奈々/田中敦子/山寺宏一/鈴木福/小栗旬
監 督 楠葉宏三
ストーリー のび太とドラえもんは「タイムトリモチ」を使い、500年前に絶滅した巨大な鳥モアを捕獲する。そこでモアと一緒に、絶滅動物を保護し、ゴールデンヘラクレスという黄金のカブトムシによって守られているベレーガモンド島へ行くことに。彼らはそこでロッコロ族の少女やのび太にうり二つの少年ダッケらと出会う。
評  元になっているのは1978年11月号の『小学6年生』に載った『モアよドードーよ、永遠に』。実は私がリアルタイムで読んでいた作品で、非常に印象に残っている。それもドラえもん生誕100年前の今年に映画化されたということも非常に感慨深い。それにカメオ出演とでもいうべきか、ゴンスケの登場は感涙物だ。また、藤子マニアへの挑戦とも取れるものも登場する。ケリー博士が乗っていたのは『ミラクル1』に出てきた“重力ボード”なのは間違いないのだが、悪役のシャーマン・・・こいつも別の藤子作品に出てきたはずなんだけど思い出せない・・・。(分かりました!『SF・異色短編』の『3万3千平米』に出てきました。)あ、ところで、のび太がパパ、ママどっちの遺伝かということは触れないでください。
2012.3.4記

タイトル トワイライト・サーガ ブレイキング・ドーンPART2
出 演 クリステン・スチュワート/ロバート・パティンソン/テイラー・ロートナー/ダコタ・ファニング/ビリー・バーク/ピーター・ファシネリ/エリザベス・リーサー/ケラン・ラッツ/ニッキー・リード/ジャクソン・ラスボーン/アシュリー・グリーン/マイケル・シーン/マッケンジー・フォイ/ジェイミー・キャンベル・バウアー/クリストファー・ハイアーダール/キャメロン・ブライト/ダニエル・クドモア/ダニエル・クドモア/チャーリー・ビューリー/トレイシー・ヘギンズ
監 督 ビル・コンドン
ストーリー 最愛の人エドワードと結婚したベラ。その後ベラはレネズミを出産するが、彼女の幼なじみジェイコブは、二人の娘こそがオオカミ族に伝わる運命の相手だと知る。一方、ヴァンパイアの王族ヴォルトゥーリ族は、レネズミが不滅の子というヴァンパイア族を滅亡させてしまう存在だと考えていた。
評  「もう!やっと終わったぁ〜!!やっぱこれ、PART1とPART2に分ける必要ないよね。ワタシ、一応映画のコメンテーターやってっから、ホんトは特定の映画の悪口言っちゃダメなんだろうけど、いやぁ〜ウザかった!もうホラーとアクションと恋愛物がグチャグチャで完全に到着地見失ってるわ。だいたいクライマックスの大決闘だって、ある意味“夢オチ”じゃん。もう!!フラストレーション!!それに主役のクリスティン・スチュワートとロバート・パティンソンは、私生活でも付き合ってるって?ったく、確かに吸血鬼と人間のハーフだからミステリアスな魅力はあるでしょうよ。ちなみにワタシはスウェーデン人と日本人のハーフだから、セクシーさなら負けないわよ。気に入った男は必ずお持ち帰りできるもの。もっともリピーターはいないけどね」
2012.12.30記

タイトル 夏の終り
出 演 満島ひかり/綾野剛/小林薫/赤沼夢羅/安部聡子/小市慢太郎
監 督 熊切和嘉
ストーリー 結婚して子どももいる年上の作家・慎吾と長きにわたって一緒に生活している知子は、慎吾が妻と知子の間を行き来する生活に不満もなく、妻と離婚してほしいと思ったこともなかった。そんなある日、かつて彼女が家庭を捨てて駆け落ちした相手の涼太と再会。それ以来知子の心は揺らぎはじめ、慎吾との関係を継続させつつも涼太と以前のような関係に戻ってしまう。
評  「それでは、お悩み相談です『私は奥さんのいる方とお付き合いしています。しかし彼が実家に戻っている時は他の若い人とお付き合いしています。この関係をこのまま続けていいものでしょうか?』ということなんですが」「いくつ?まだ若いんだったらいんじゃない。なんか『私モテるのよ』って感じで気にいらないんだけど。もしかして壇ちゃんも経験ある?」「いや大久保さん、これ付き合い方にもよるんじゃないですか。単にさみしくて愛を求めているんだったら成長ないですよね。瀬戸内寂聴さんは『相手が何を求めているか、何を苦しんでるかを想像することが思いやり。その思いやりが愛』って言ってますし。愛は自分から与えないと」「へぇ、寂聴さん、やっぱいいこと言うね。でも本気で愛そうと思ったら二股とか疲れちゃうよね」「そうですよね。若い頃は男を知る意味でいろんな人と付き合ってもいいですけど、どっかでひとりに絞った方がいいですね。これが結論でいいですか。では、だんくぼ二人の結論です」「疲れる前にひとりの男を愛しなさい」
2013.11.17記

タイトル 25年目の弦楽四重奏
出 演 フィリップ・シーモア・ホフマン/キャサリン・キーナー/クリストファー・ウォーケン/マーク・イヴァニール/イモージェン・ブーツ/リラズ・シャルヒ/ウォーレス・ショーン/マドハール・ジャフリー
監 督 ヤーロン・ジルバーマン
ストーリー ダニエル、ロバート、ジュリエット、ピーターから成る弦楽四重奏団は、結成25周年を迎えようとしていた。そんな折、チェリストのピーターがパーキンソン病を宣告され、引退を申し出たことで残されたメンバーは動揺する。それを機にライバル意識や家庭の不和など、それまでセーブされてきた感情や葛藤が噴出する。
評  「僕らは結成9年目だけど、幼稚園時代から知り合ってるから20年近くにはなるよね。それに同じ家に住んでるし、皆んなお互いのことよく知ってるからこんなギクシャクすることってないよね」「そうかなぁ、後から加入した僕としてはちょっと一歩置いてることろもあるよ。それにやはり皆んな大人になれば素顔を見せれなくなるもんだと思うよ。お面かぶってる僕が言うものなんだけど」「たしかにそうだ、例えば恋愛は自由であるべきだけど、極端に年が離れているとか、相手が友達の子供だったりすると悲劇を生む。つまり人との出会いってのは“幸せ”と同時に“悲しみ”も運んでくるもので、皮肉だよね。でも、世間という悪魔に惑わされないで自分だけが決めた答を思い出して生きるべきじゃないか」「ハイハイ、さりげなく『スノー・マジック・ファンタジー』と『RPG』の歌詞入れてくれてありがとう。君は自由に彼女と“ぱみゅぱみゅ”してなさいって」
2014.10.5記

タイトル 任侠ヘルパー
出 演 草g剛/安田成美/夏帆/風間俊介/黒木メイサ/堺正章/杉本哲太/宇崎竜童/香川照之/草村礼子/大森絢音/りりィ/品川徹/信太真妃
監 督 西谷弘
ストーリー 暴力団の隼会から脱退し、堅気となってコンビニ店員として働く翼彦一。強盗に入った老人に店の金を渡したことから刑務所送りになった彼は、獄中でその老人・蔦井雄三と再会。元極道であった彼は彦一に、コンビニの件の礼として出所後に自分と兄弟分だった極鵬会の組長・朝比奈を頼れるように手はずを整えてくれる。
評  「おい、あの爺さん、こっち見てたよな。オレちょっと行って来るわ。オイ!お前、何見てんだよ!!」「す、すいません。別にあなた方を見ていたのでなくて、この空き地を見ていたんです」「はぁ?でも見てただろ!」「実はここ、昔私がいた老人ホームがあったんです。でも違法経営で取り壊されてしまったんです。高齢者社会だって誰もが知ってるのに、全然老人ホームの数は増えない。介護師の仕事も過酷な割りに給与が少ない。そのくせ政府は福祉名目で税金巻き上げることばっか考えてる。政治家こそヤクザです」「・・・」「確かに違法というのは悪いですが、ここは私にとっては家”みたいなものだったんですよ。今は義理も人情もないですからね」「・・・そうか、わかったよ。もう行けよ」「ハイ。失礼しました」「・・・あのよ皆んな、オレ、なんか変われそうな気がするんだ」
2012.11.25記

タイトル ネイビーシールズ
出 演
監 督 マイク・マッコイ/スコット・ウォー
ストーリー 過酷な訓練を乗り越えてきた数パーセントの精鋭兵士たちで編成され、オサマ・ビンラディン暗殺をはじめとする国家の最高機密作戦に従事している、アメリカ軍が誇る特殊部隊のネイビーシールズ。そんな彼らに、誘拐されたCIAエージェントの救出という新たなミッションが下される。冷静に着々と救出作戦を遂行させていくが、誘拐事件は恐ろしい大規模テロ計画へとつながっていた。
評  出てくる兵器も戦術も全部本物、出演者も現役SEALの隊員のというからドキュメンタリー風かと思ったら、いかにも取ってつけたようなアメリカが正義のストーリーだったのでわざとらしく見えてしょうがなかった。軍事マニアには垂涎かもしれないけど、詳しくない人からしたら普通の戦争映画です。それにどう考えたって本当の最新兵器を映画で公表する訳ないし、意外に普通にニュースでも最近の兵器は見れちゃうから新鮮味もあまり感じなかった。例えば、いま問題になっている垂直離着陸できるオスプレイ”にはちょっと男心をくすぐられた。いや、沖縄住民の方々には申しわけないが。
2012.9.9記

タイトル ハード・ラッシュ
出 演 マーク・ウォールバーグ/ケイト・ベッキンセイル/ジョヴァンニ・リビシ/ベン・フォスター/ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ/J・K・シモンズ/ルーカス・ハース/ディエゴ・ルナ/デヴィッド・オハラ/ウィリアム・ラッキング/オラフル・ダッリ・オラフソン
監 督 バルタザール・コルマウクル
ストーリー 世界一の運び屋として裏社会で名をはせたものの、いまでは警報装置の施工業者となって妻ケイトと2人の息子に囲まれた幸せな日々を送るクリス。しかし、義弟アンディが麻薬の密輸に関わっていた上に、その失敗が原因で命を狙われてしまいクリス一家にも危険が及んでしまう。クリスは運び屋へと戻り、忍び寄る危険から家族を守り抜くために、パナマでのニセ札密輸計画を進めることに。だが、その前に現地のマフィアや警察が立ちはだかる。
評  たぶんこの肝のトリックを見せたかったんだろうな。なんかそれに無理繰りストーリーを繋げたって感じがしてしょうがない。おかげで最初の弟の失敗からウラ組織への復讐する流れの話が独立してように見えてきた。まあ一応はそれなりのアクションが観れるのでいいけど、どうしてもいまいち感が否めなかった。あともうひとつ、違和感拭えなかったのがマーク・ウォールバーグとケイト・ベッキンセイルのイメージ。どうしても『テッド』と『アンダーワールド』とのギャップを埋められませんでした。
2014.1.19記

タイトル バイオハザードX リトリビューション
出 演 ミラ・ジョヴォヴィッチ/ミシェル・ロドリゲス/シエンナ・ギロリー/ケヴィン・デュランド/ショーン・ロバーツ/ボリス・コジョー/リー・ビンビン
監 督 ポール・W・S・アンダーソン
ストーリー 大企業アンブレラ社が開発したウイルスが蔓延した地球は、アンデッドであふれ返る状況に陥っていた。生き残ったアリスはアンブレラ社への潜入調査で、自らの驚がくの過去を知ることとなる。さらに、アリスと仲間たちは滅亡の危機を引き起こした人物を捜し、東京、ニューヨークと世界中を追跡。そんな中、すべてを覆す新事実が明らかになる。
評  いままでシリーズのつながり気にせず、決めたシチュエーションで創っちゃった監督の反省からか、最初にいままでのシリーズをまとめたあらすじみたいなものがあります。一応畳んだつもりでしょうが、まぁた用意した空間の中でチョコマカ走り回ってるだけです。ミラのアクションもスローモーションばっかりで、キレのないことをごまかしてるとしか思いません。それにオリジナル・アリス”と呼ばれた時点で、クローンが出てくることバレバレです。実は前作、3D化したのに敢えて2Dで観ていまして、「だから面白くなかったんだ」と言われました。今回は3Dで観ましたが、やっぱりでした。せっかくの前後の動きをほとんど使っておらず残念でした。ところで前作の冒頭でちょこと出てきた中島美嘉が、今回はわりかしガッツリ出てきてエラい変貌をしました。永瀬正敏さん、鬼束ちひろ化しないように見張っといてください。
2012.9.16記

タイトル ハッシュパピー 〜バスタブ島の少女〜
出 演 クヮヴェンジャネ・ウォレス/ドワイト・ヘンリー
監 督 ベン・ザイトリン
ストーリー 6歳の少女ハッシュパピーは、“バスタブ”と呼ばれるコミュニティーで、父親のウィンクと暮らしている。彼らは、閉鎖的な場所であったものの穏やかな日々を送っていたが、ある晩、嵐が全てを奪い去る。突然大好きな場所や仲間を失ったハッシュパピー。途方に暮れる状況の中、ウィンクが重病であることを彼女は察知する。
評  「若干29歳の新人監督が創ったこの映画が発表されるや世界は騒然となった。その6歳の少女目線で繰り広げられる厳しい現実に観客は魅了され、サンダンス国際映画祭でグランプリ、カンヌ国際映画祭で新人賞であるカメラドールを獲得した。アカデミー賞では作品賞、監督賞、脚色賞、そしてこのクヮヴェンジャネ・ウォレスは史上最年少の主演女優賞と、それぞれノミネートされる。彼女は4000人から選ばれただけの素質があり、弱々しい子供がやがて大人も負けないほど強くなっていくその生命力の息吹に全人類は感動する。」世間的評価からするとこんな感じだろうけど、いくらなんでもハードル上げすぎ。私からするとベースはナウシカと同じで当然それ以下です。
2013.8.25記

タイトル バトルシップ
出 演 テイラー・キッチュ/ブルックリン・デッカー/アレキサンダー・スカルスガルド/リアーナ/リーアム・ニーソン/浅野忠信
監 督 ピーター・バーグ
ストーリー アメリカや日本など、各国の護衛艦がハワイに集まって大規模な軍事演習を敢行することに。アメリカ海軍の新人将校アレックスは、日本の自衛艦の艦長ナガタをライバル視しながら演習に参加。そのさなか、沖合で正体不明の巨大物体が発見される。人類からの友好的な呼びかけに応じて現われたエイリアンの母船だという科学者たちの推測に反し、彼らは突如として謎の武器で攻撃を仕掛けてくる。
評  ユニバーサル映画100周年記念作品。なんとなく海軍版の『トップガン』っぽくも思えましたが、エイリアンが出てくるので『トランス・フォーマー』寄りですね。でも、そのディテールに拘ったCGヴィジュアルには圧倒されました。それにしてもこの映画、やけに日本に迎合している気がしました。『マイティ・ソー』で調子に乗った浅野忠信がものすごくいい役に納まってますし、真珠湾のあるハワイで日本人とアメリカ人が協力して敵を倒すところなんかは、逆に狙ってるようであざとくとも思えます。でも、兵法語ったり、香港のニュースが日本語で話してたり、完全に日本と中国を混同してるのには呆れます。
2012.4.15記

タイトル はやぶさ 遥かなる帰還
出 演 渡辺謙/江口洋介/夏川結衣/小澤征悦/中村ゆり/吉岡秀隆/嶋田久作/近藤芳正/長嶋一茂/モロ師岡/ピエール瀧/石橋蓮司/藤竜也/山崎努
監 督 瀧本智行
ストーリー 2003年5月9日、鹿児島内之浦宇宙空間観測所。小惑星探査機「はやぶさ」を搭載したM-Vロケットが発射された。緊張の面持ちで見守っていたプロジェクトマネージャーの山口教授は、さまざまな思いを巡らせながら、これからスタートする壮大なプロジェクトに対し、決意を新たにしていた。そして2005年、小惑星「イトカワ」の姿をとらえたはやぶさはタッチ・ダウンに成功するも、化学エンジンの不良、姿勢制御が不能に陥るなどのトラブルに見舞われてしまう。
評  日本の誇り 「はやぶさ」 その弐
“はやぶさ”が向かった小惑星イトカワ。もちろん日本の宇宙開発の父と呼ばれる技術者、糸川英夫からきている。実は映画の中でも言われてるようにケッタイな人だったようだ。東京帝国大学を卒業した糸川は航空機メーカーに就職し戦闘機の開発に携わった。このとき力を入れていたのが一式戦闘機“隼”であったことに何か因果を感じる。東京帝大の教授になり、AVSA(航空及び超音速空気力学)研究所で有名なペンシルロケットの実験を行った。しかし戦後GHQにより研究を制限されるようになってしまう。これは糸川が作った戦闘機で苦しめられたアメリカの報復のような気もする。この後糸川は趣味で約半世紀かけて1挺のバイオリンを造ったという。『はやぶさ/HAYABUSA』で糸川は“失敗”と言わず“成果”と言っていたことを知った。非常に時間のかかる宇宙開発。はやぶさ帰還の成功は、川口淳一郎(役名:山口駿一郎)の“のぞみ”の“成果”によるものだけではない。糸川教授の頃からの“成果”も受け継がれているのだ。
2012.2.12記

タイトル ハンガーゲーム
出 演 ジェニファー・ローレンス/ジョシュ・ハッチャーソン/リアム・ヘムズワース/ウディ・ハレルソン/エリザベス・バンクス/レニー・クラヴィッツ/スタンリー・トゥッチ/ドナルド・サザーランド
監 督 ゲイリー・ロス
ストーリー 富裕層によって支配され、パネムという名の独裁国家と化したアメリカ。そこで民衆の絶大な支持と人気を集めているのが、各地区から選出された12歳から18歳までの男女が森の中で殺し合い、生き残った者に巨額の賞金が渡されるという殺人サバイバル「ハンガー・ゲーム」だった。まだ幼い妹がプレイヤーに選ばれてしまったカットニスは、彼女の代わりにゲームに出場することを決意。家族を養うための狩猟で鍛えた弓矢の腕と持って生まれた鋭い勘を生かし、強豪プレイヤーを打ち倒していく。
評  世界中で20万部の大ヒットベストセラー、映画化すると4週連続全米1位。3部作のシリーズ化も決まったという思わぬ怪物伏兵登場。確かに展開に興味はそそるし、パラレルワールドのビジュアルが奇抜でけっこう面白かった。でも『バトルロワイヤル』に比べたら、弱いです。このゲームが行われる理由は、戦争の代用ということだった。人も動物だから元々戦闘本能は持っているわけで、理由なく弱いものを倒したい性質を秘めている。それを制御できず戦争を起こすのは逆に大人”ではないと思っていい。だから制御する教育が間に合っていない子供のいじめ”はある意味仕方ないことなのだ。それを教育するのも大人の役目だ。それに、今ではかなり話題となっているが、これを一過性のテレビショーで終わらせないで欲しい。
2012.9.30記

タイトル ハンナ・アーレント
出 演 バルバラ・スコヴァ/アクセル・ミルベルク/ジャネット・マクティア/ユリア・イェンチ/ウルリッヒ・ヌーテン/ミヒャエル・デーゲン/ミーガン・ゲイ/ニコラス・ウーデソン/フリーデリーケ・ベヒト/ハーヴィー・フリードマン
監 督 マルガレーテ・フォン・トロッタ
ストーリー 1960年、ナチス親衛隊でユダヤ人の強制収容所移送の責任者だったアドルフ・アイヒマンが、イスラエル諜報部に逮捕される。ニューヨークで暮らすドイツ系ユダヤ人の著名な哲学者ハンナは、彼の裁判の傍聴を希望。だが、彼女が発表した傍聴記事は大きな波紋を呼ぶ。
評  アドルフ・オットー・アイヒマンは、ナチスの親衛隊中佐であり、ユダヤ人を強制収容所に送る指揮をしていた人物である。1961年にイスラエル諜報特務庁(モサド)において裁判にかけられ、有罪死刑となった。この裁判は全世界にテレビ中継され、その名が広く知れ渡った。終戦後、ナチスに関わるものすべてが世界の敵とされていた時代にユダヤ人でありながらアイヒマンを養護したと言われ、世に物議を醸したのがこの哲学者ハンナ・アーレントである。この映画を観ればわかるように、決して彼女はアイヒマンを擁護したのではなく、戦争の悪は個人の悪でないことを主張しただけなのである。集団ヒステリーの中では真実が見えなくなる。彼女はその中でしっかり真実を示したのだ。同じように戦後日本で、連合国による戦争責任を問ういわゆる「東京裁判」が行われた。A級戦犯と呼ばれる人物が次々有罪となっていくなか、ただひとりインドのパール判事だけは全員無罪を主張した。私には彼女がパール判事にダブって見えた。善悪の判断は感情や感覚ではなく、しっかり思考して結論を出すものなのだ。
2016.10.9記

タイトル ヒッチコック
出 演 アンソニー・ホプキンス/ヘレン・ミレン/スカーレット・ヨハンソン/トニ・コレット/ダニー・ヒューストン/ジェシカ・ビール/マイケル・スタールバーグ/ジェームズ・ダーシー/マイケル・ウィンコット/リチャード・ポートナウ/カートウッド・スミス/ラルフ・マッチオ/カイ・レノックス/タラ・サマーズ/ウォレス・ランガム/ポール・シャックマン/カリー・グレアム/スペンサー・ギャレット/フランク・コリソン/ジュディス・ホーグ
監 督 サーシャ・ガヴァシ
ストーリー 1959年、作品の高評価とは裏腹に監督としてはアカデミー賞に縁遠かったアルフレッド・ヒッチコックは、後にサスペンス映画の金字塔と称される『サイコ』の製作に着手。しかし独創的かつ奇抜であるがゆえに資金繰りは難航し、数々の困難に見舞われてしまう。さらに、常に彼を支え続けてきた最大の理解者である妻アルマとの関係までほころびが生じてきた。
評  サスペンスの神様”にして映画の基礎を創り上げた巨匠こそ、誰もが認めるアルフレッド・ヒッチコック。本作は人物物語にありがちな生い立ちを語るものではなく、ヒッチコック映画ファンの間でも賛否両論に分かれる作品『サイコ』の製作裏話の体(てい)となっている。彼の作品群からすれば『サイコ』は異質であるのは間違いなく、彼自身インタビューで「冗談のつもりで撮った」とも言っていたという。しかし、このようなショッキング主体の作品がやがてホラーというジャンルも創っていく訳で、いろんな意味での映画のパイオニアだった。・・・なんていうのが映画好きとしては欲しかったのだが、本作は奥さんとのじゃれ合いがメインでなんともクサく思えてしょうがなかった。もっとも『サイコ』は映画で初めてトイレ”を映した作品だしなぁ。
2013.11.17記

タイトル ビバリーヒルズ・チワワ2
出 演 マーカス・コロマ/オデット・ユーストマン/ジョージ・ロペス/エミリー・オスメント/アーニー・ハドソン/ロレッタ・デヴァ/インザカリー・ゴードン/ミゲル・ファーラー/スーザン・ブレイクリー
監 督 アレックス・ザム
ストーリー ビバリーヒルズでセレブ犬として暮らすチワワのクロエ。ヴィヴの邸宅で庭の手入れをするサムに飼われているノラ犬出身の雑種犬パピが彼女に思いを寄せても、全く眼中にない。そんな気取り屋で世間知らずのクロエがある日、旅先のメキシコで迷子になって、ノラ犬の世界に放り出されてしまう。
評  本作でパピが子供たちにチワワが由緒正しい犬であることを力説していますが、実際チワワは北アメリカで最も古い犬種で、アステカ文明の王族の時代から飼われていたようだ。その頃の人墓から一緒に埋葬されたチワワの骨が発掘された例もある。ちなみにダックス・フントは猟犬で、アナグマを追い出すため脚を短く改良された。プードルは鴨猟に使われた猟犬で、水を泳ぎやすいようにあんな中途半端に毛の生えるよう改良されたのだ。だから、純血種のチワワは人類有史以来のペット犬のペットといっても過言じゃない。でも、パピが雑種だったのでクロエとの子供たちは様々。とはいえ、いくらなんでも柄違いが多過ぎるだろ。
2014.3.9記

タイトル ひみつのアッコちゃん
出 演 綾瀬はるか/岡田将生/谷原章介/吹石一恵/塚地武雅/大杉漣/堀内敬子/肘井美佳/内田春菊/吉田里琴/もたいまさこ/鹿賀丈史/香川照之
監 督 川村泰祐
ストーリー 鏡の精から魔法のコンパクトをもらい、10歳の小学生から22歳の大学生に変身をとげた加賀美あつ子。 大好きなメイクやおしゃれを楽しみ浮かれる中、遊園地で出会った化粧品会社に勤める早瀬尚人にひとめぼれする。その翌日、再会を機に、アイデアを次々と披露するあつ子を気に入った尚人は、自分の会社に彼女をアルバイトとして招き入れることを決める。個性的なメンバーの中で、失敗しつつも楽しみながら毎日を過ごしていたあつ子だった。
評  ベッキー「ちょっと意外だったけど面白かったぁ!元気いっぱいの綾瀬さんがものすごく可愛くて、引き込まれちゃったわ」トリンドル玲奈「これの原作者って『天才バカボン』の赤塚不二夫だって、ホントなの?なんか信じられない」ドーキンズ英里奈「だから化粧品会社がAKATSUKA”なんですね」春香クリスティーナ「子供向けマンガだと思ったのに、けっこう大人向けな所が見れるのもビックリですね」SHELLY「でも、こんな真っ正直で、自分の思ってること、まんま出しちゃうような子が、生き馬の目を抜く大人社会で世渡り出来るわけないでしょ!」ローラ「はぁい、ローラだよぉ、あのね、綾瀬はるかちゃんて童顔だからぁ、大人になったって感じしないよね。えっ?言っちゃダメなの?OK、わかったぁ。ウフッ、たこやきぃ」マリエ「・・・出来る子、いたね」
2012.9.2記

タイトル ファインド・アウト
出 演 アマンダ・セイフライド/ジェニファー・カーペンター/ダニエル・サンジャタ/セバスチャン・スタン/ウェス・ベントリー/キャサリン・メーニッヒ/エミリー・ウィッカーシャム/マイケル・バレ/ニック・サーシー/ソクラティス・オットー/ジョエル・デヴィッド・ムーア/テッド・ルーニー
監 督 エイトール・ダリア
ストーリー 若く魅力的なジルは、自分は1年前に何者かによって誘拐された揚げ句軟禁されていたと警察に訴える。だが、彼女の申し出を裏付けるような証拠は一つも出てこず、心の病を患っているジルの狂言ということで一件落着。しかしある朝、妹モリーが姿を消したことでジルは激しく取り乱す。
評  大っ好きなアマンダ・セイフライドちゃん主演なので借りてみたけど、うーいまいち。彼女が可愛いので最後まで観るのに飽きはしなかったけど、彼女がこんな謎と呼べるものがさっぱり見つからないサスペンスに起用されたことがかわいそうでしょうがありません。それなりの意味ありげな見せ方はしていますが、普通にお話は進行し、いつのまにか解決していた感じでした。この脚本を書いた人は伏線ってものを知っているのでしょうか。まあ、たまには駄作があったほうが彼女の成長に繋がると考えて今回は大目に見てあげるけど、もう彼女に負担かける映画は創るなよ。
2014.11.30記

タイトル ふがいない僕は空を見た
出 演 永山絢斗/田畑智子/窪田正孝/小篠恵奈/田中美晴/三浦貴大/梶原阿貴/吉田羊/藤原よしこ/山中崇/山本浩司/銀粉蝶/原田美枝子
監 督 タナダユキ
原 作 窪美澄
ストーリー 高校生の卓巳は友人と出掛けたアニメの同人誌販売イベントで、アニメ好きのあんずこと主婦の里美と出会う。やがて二人は深い仲になり、里美は卓巳に自分の好きなアニメのキャラクターのコスプレをさせ、情事にふけっていた。そんなある日、卓巳は前から気になっていた同級生の七菜に告白される。
評  昨年11月に手首を切ったとしてニュースになっちゃった田畑智子さん。かぼちゃを切って失敗したということだそうだが、おかげで岡田義徳との同棲がばれてしまった。1ヶ月の後の二人の破局報道すると、やはり別れ話からの自殺未遂かと勘ぐってしまう。それがホントだったらそこまで思いつめさせてしまった岡田義徳が一番ふがいない。早くもオチがついてしまったが、顔はぶちゃいくだが、私好みの小ぶりのオッパイでスタイルの良い子になんてことするんだと思う。ちなみに“ふがいない”とは“腑甲斐ない”と書き、“肝がありそうだがその甲斐はない”つまり“だらしない”という意味です。てっきり、“負のない将棋は負け将棋”から小さなことや基本的なことを疎かにしていることかと思っていた。それにしても、二次コン主婦をも許容してくれるようになってしまったこの時代、果たして先の日本を考えるとやはり“ふがいない”と思うべきなんだろうか。
2016.6.19記

タイトル 伏 鉄砲娘の捕物帖
出演(声) 寿美菜子/宮野真守/宮本佳那子/小西克幸/坂本真綾/神谷浩史/野島裕史/水樹奈々/劇団ひとり/chara/竹中直人/桂歌丸
監 督 宮地昌幸
ストーリー 祖父の死を受けて山を下り、江戸へとやって来た猟銃使いで14歳の少女、浜路。そこで浜路は、人と犬の血を引きながら、人に化けて暮らす「伏」の話を耳にする。伏は人の生珠(いきだま)を食べ、凶悪事件を起こしているという。そんな中、浜路が出会った信乃と名乗る犬の面をつけた白髪の青年は、深川一座にて伏姫を演じる人気役者だった。
評  文藝春秋創立90周年を記念して創ったアニメ映画。桜庭一樹の『伏 贋作里見八犬伝』が原作である。お江戸文化絶頂の家定の時代を華やかに魅せてくれるのであるが、なんとなくジブリやガイナックスあたりのいいとこをちょっとずつ拾ってるような気がしてオリジナルティを感じなかったのが残念である。声優陣にカメオで有名人をとり揃えるも、どうもピンと来なかった。charaの声が時代劇に似合わなかったは案の定だったけど、まさか桂歌丸さんがこんなに浮いちゃうとは。三遊亭圓楽さんに「生珠抜かれた」とか言われそうですよ。
2014.4.13記

タイトル フライト
出 演 デンゼル・ワシントン/ジョン・グッドマン/ドン・チードル/ケリー・ライリー/ブルース・グリーンウッド/メリッサ・レオ/ブライアン・ジェラティ/タマラ・チュニー/ナディーン・ヴェラスケス/ジェームズ・バッジ・デール/ガーセル・ボヴェイ
監 督 ロバート・ゼメキス
ストーリー ベテランのウィトカー機長は、いつものようにフロリダ州オーランド発アトランタ行きの旅客機に搭乗。多少睡眠不足の状態でも一流の操縦テクニックを持つ彼の腕は確かで、その日もひどい乱気流を難なく乗り越えた。機長は機体が安定すると副操縦士に操縦を任せて睡眠を取るが、その後突然機体が急降下を始める。
評  デンゼル・ワシントンは名演技だし、ロバート・ゼメキスの12年ぶりの実写映画として話題だし、アカデミー賞作品賞ノミネートにまでなった作品だから悪いところはないはずだが、個人的にはどうも好きくない。だってこのパイロット、根本的にプロじゃない!日本でも運送業法の改正により昨年5月から運転手は出発前点呼の際にアルコール検知器による検査が義務化された。これによりたとえ二日酔いの状態でも引っかかったら運転はできなくなった。プロだったらアルコールが抜ける時間を逆算して飲むものべきだ。それにいくら最後に更生しても、やっとスタート地点に立っただけ。常にマジメな人には及ばないんだよ!でも、そういう人は他からは“つまらない”と言われるんだよな・・・。
2013.3.3記

タイトル プラチナデータ
出 演 二宮和也/鈴木保奈美/生瀬勝久/杏/水原希子/遠藤要/和田聰宏/中村育二/萩原聖人/豊川悦司
監 督 大友啓史
原 作 東野圭吾
ストーリー 政府が極秘に収集した国民の遺伝子情報“プラチナデータ”を基に犯罪捜査が行われ、検挙率は驚異の100パーセントで、冤罪は皆無となった近未来の日本。警察庁の科学捜査機関に所属する科学者の神楽龍平は、DNA捜査システム関係者の連続殺人事件を担当することに。しかし、同システムは神楽自身を容疑者として示し、思考を繰り広げた結果彼は逃亡する。
評  「どうも“吉田たち”ですー。ゆうへいと康平と言いましてね。一卵性の双子で漫才やってます」「ちなみにもうひとりの兄は“龍平”言ってこの映画出てますけどね」「違うやろ。俺ら二人しかおらんわ。それに神楽龍平は嵐の二宮くんや」「見てみ、多くの警察に追われて。こういうの“ファインディング・ニノ”いうんかな」「やめて、全然おもろないから」「なんや双子なのに考え方違うな」「そりゃ双子でもDNAちゃうからな」「でも、神楽龍平とりゅうはDNA、同じやったぞ」「その二人は双子やないし、ネタバレすること言うな!」「なら、マナカナもザ・たっちさんもあんなに息合ってるんは同じDNAやからないんか」「あれは練習しているから!いくら双子でもなんもせんであんなん出来っかいな!」「・・・そんなんネタバレしていいん?」
2013.3.17記

タイトル Black&White
出 演 リース・ウィザースプーン/クリス・パイン/トム・ハーディ/ティル・シュヴァイガー/チェルシー・ハンドラー/アンジェラ・バセット/ジョン・ポール・ルタン/アビゲイル・スペンサー/ジェニー・スレイト
監 督 マックG
ストーリー CIAエージェントのFDRとタックは闇商人を追うも失敗し、謹慎処分の憂き目に遭う。暇になってしまったタックは恋人紹介サイトでローレンと知り合うが、なんとFDRもローレンをナンパ。ローレンを巡って、精鋭チームとハイテク兵器を駆使したバトルが勃発する。そんな中、闇商人がローレンに近づいてきた。
評  スパイ映画なのでアクションメインだと思って観るとガッカリします。なぜならこれは完全に女性向けのラブコメディーだからです。そこそこは面白いですが、スパイがプライベートのため職権乱用するパターンでは、さすがに『Mr&Mrsスミス』は超えられませんね。二人はあの手この手で彼女の気を引こうとする訳ですが、クリムトをチョイスしたところは悪くないです。でも、スパイがサバゲーで本気出しちゃ大人げないでしょう。一応『キューティー・ブロンド』の時からリース・ウィザースプーンは好きだったので邪険にする気はないけど、私は二股架けながら男を品定めする女は願い下げです。
2012.4.22記

タイトル フランケン・ウィニー
出演(声) キャサリン・オハラ/マーティン・ショート/マーティン・ランドー/チャーリー・ターハン/アッティカス・シェイファー/ウィノナ・ライダー
監 督 ティム・バートン
ストーリー 大好きな科学に夢中になるあまり、友達が一人もできない少年ヴィクター。そんな彼を両親は心配していたが、ヴィクターは愛犬スパーキーを相棒にして楽しい毎日を送っていた。しかし、思いも寄らぬ事故が起きて、スパーキーは天国へと旅立ってしまう。深い悲しみに沈んでいたヴィクターだったが、次第にスパーキーをよみがえらせたいという強い気持ちを抱くように。少しばかり危険な科学な知識を駆使してスパーキー蘇生に成功するが、その姿はつぎはぎだらけで、まるでフランケンシュタインのようだった。
評  大好きなティム・バートンのダーク・ファンタジーではありますが、さすがに高圧の電気をかければ皆生き返る設定は安直に思えました。おまけに子供達が、雷が鳴っている空に向かって安易に凧を飛ばしたり針金ハンガーでアンテナ作ったり、誰か真似して感電しないか気になります。それに巨大化した亀は『ガメラ』、繁殖したシーモンキーは『グレムリン』そっくりです。これはティム・バートンによるオマージュか、ディズニーお得意のパクリなのか?面白かったですが子供に悪影響及ぼさないか心配でした。一応、全編モノクロにしたのは、おヒゲちゃんのウンチがリアルに見えないようにする配慮だと思うのですが。
2012.12.16記

タイトル BRAVE HEARTS 海猿
出 演 伊藤英明/加藤あい/佐藤隆太/仲里依紗/三浦翔平/平山浩行/伊原剛志/時任三郎
監 督 羽住英一郎
ストーリー 最高レベルのレスキュー能力を誇る海上保安官特殊救難隊のメンバーとなった仙崎と吉岡。そんなある日、ジャンボジェット機のエンジンが爆発し、機体が東京湾へ海上着水する事故が発生する。乗員乗客の中には吉岡の恋人、美香もいた。沈没までのタイムリミットはわずか20分という状況で、仙崎たちにさらなるピンチが襲い掛かる。
評  警察官も自衛隊も海上保安官どうせ公務員。誇り”とか信念”だとかは絵に描いた餅で、安定した給料もらってマニュアル通りの業務こなしてるものだと思っていた。しかし、2010年9月尖閣諸島付近で保安船に故意に衝突してきた中国漁船の映像を搭乗の保安官がネットに流す事件があった。そして、昨年の大震災では警察官も自衛隊も任務を通り越した尽力をされた。「国を守りたい」「人を助けたい」という気持ちは人を動かす原動力であり、公務員らはその責任を常に携えている真実を目の当たりにした。『海猿』はすでに映画4作目。前作でうそ臭さに嫌気が差したが、今回はそんな公務員らの活躍は素直に観れた。でも、どうにかならんのかねぇ、加藤あいの演技のうそ臭さは。
2012.7.15記

タイトル プロメテウス
出 演 ノオミ・ラパス/マイケル・ファスベンダー/ガイ・ピアース/イドリス・エルバ/ローガン・マーシャル=グリーン/シャーリーズ・セロン
監 督 リドリー・スコット
ストーリー 人類が長年にわたって追い続けている、人類の起源にまつわる謎。地球で発見された古代遺跡から、その答えがあるかもしれない未知の惑星の存在が浮かび上がる。科学者たちを中心に編成された調査チームは、宇宙船プロメテウス号に乗り込んで問題の惑星へと向かう。惑星にたどり着いた彼らは、人類のあらゆる文明や常識を完全に覆す世界を目の当たりにして息をのむ。誰も到達できなかった人類誕生の真実を知ろうとチームの面々が探査に没頭する中、思いも寄らない事態が迫ろうとしていた。
評  ギリシャ神話でのプロメテウス”は古代神タイタンの一柱で、人類を作り出した神とも言われる。またキリスト教においても、人は神が創り給うたものとされている。しかし現在はダーウィンの進化論から「単細胞生物から幾多の進化を遂げ人間が形成されていった」という説が一般的である。ところが最近は「生命は宇宙にあまねく存在し、そのうちの微生物の芽胞が地球に到着した」というパンスメルミア説”も有力視されてきている。・・・なんて科学的な話になるのかと思いきや、だんだんあの映画”に似てきたので不安になった。そしてラストで一応納得したが、リドリー・スコットのあざとさに失望した。それにこのショウ博士、人に特攻させといて、自分は生き残るんかい!なんちゅう女だ。でも最後に十字架のペンダントを取り戻す気持ちは共感する。なぜなら神は人間が作ったもの”だと思うから。
2012.8.12記

タイトル ペーパーボーイ 真夏の引力
出 演 ザック・エフロン/ニコール・キッドマン/マシュー・マコノヒー/ジョン・キューザック/メイシー・グレイ/デヴィッド・オイェロウォ/スコット・グレン/ネッド・ベラミー/ニーラ・ゴードン
監 督 リー・ダニエルズ
ストーリー 1969年フロリダ、ある問題によって大学を追われた青年ジャックは、父親の会社で新聞配達を手伝うだけの退屈な日々を送っていた。ある日、新聞記者の兄ウォードが、以前起こった殺人事件で死刑の判決が出た人間が実は無罪かもしれないという可能性を取材するため、実家に帰ってきた。そしてジャックは、兄の手伝いをすることに。取材の過程で死刑囚の婚約者シャーロットに出会ったジャックは、彼女の美しさに魅了されてしまう。
評  なんだか最終的には変態や異常者だらけになっちゃったじゃねえか。たぶんアメリカ南部に残る暗黒面を描きたかったんだろうけど、逆に南部の人たちを差別しているような気がしてきた。それなのに、なんだこの脇の固さ!マシュー・マコノヒーにジョン・キューザック、ニコール・キッドマンと、皆んなよくこんなイカれた役を引き受けたもんだ。ニコールにおいては股開いてストッキング破って徴発するは、ジャックに小便かけてあげるわ。果たして堕ちたと思うか、女優として立派と思うか・・・。ところで本作はペーパーボーイは「新聞屋」って意味だけど、大人になってないジャックがまだ“ペーパー(初心者)”だってのもかけているのだと思いました。でも“紙”だっていう割りには話は重いけどね。
2013.10.27記

タイトル ヘルタースケルター
出 演 沢尻エリカ/大森南朋/寺島しのぶ/綾野剛/水原希子/新井浩文/鈴木杏/寺島進/哀川翔/窪塚洋介/原田美枝子/桃井かおり
監 督 蜷川実花
ストーリー トップモデルとして芸能界の頂点に君臨し、人々の羨望と嫉妬を一身に集めるりりこ。だが、その人並み外れた美ぼうとスタイルは全身整形によってもたらされたものだった。そんな秘密を抱えながら弱肉強食を地でいくショウビズの世界をパワフルに渡り歩く彼女だったが、芸能界だけでなく、世間をひっくり返すような事件を引き起こす。
評  「美」 女ならば美しくあれ。美しくなければ女じゃない。生なるものは全てその生命力で美しくなる。
己を出せば大衆は、それを非難し、揶揄し、打ちのめす。それでも耐えろ、狂うな、強くなれ!
アイドルもモデルも消耗品。しかし女優は成長する。魅せろ、輝け、さらけ出せ!エリカ、君のその「美」は永遠だ!
2012.7.15記

タイトル ボーン・レガシー
出 演 ジェレミー・レナー/エドワード・ノートン/レイチェル・ワイズ/ジョーン・アレン/アルバート・フィニー/デヴィッド・ストラザーン/スコット・グレン
監 督 トニー・ギルロイ
ストーリー 最強の暗殺者を生み出すCIAの極秘プログラム、トレッドストーン計画とブラックブライアー計画。その最高傑作として生み出されたジェイソン・ボーンが、失った記憶を追い求めながら、自身の人生を大きく狂わせた同計画を白日のもとにさらそうと、CIAとの戦いに挑んでいた。その裏で、ボーンと匹敵する能力を秘めた暗殺者ケネス・キットソンを巻き込むようにして、さらなる戦いと陰謀が動き出していく。そして、CIA上層部ですら認知していない2つの計画を上回るプログラムの存在がある。
評  ボーン・シリーズの裏社会を描いたというからてっきり『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』みたいに前作のストーリーに絡むものだと思ったら違ってた。これって要するにもうひとりのボーン”なわけで、それならタイトルを『アーロン・アイデンティティ』としてもらったほうが潔いじゃないか。『ミッション・インポッシブル4』や『アベンジャーズ』でけっこういい脇役をこなしてたジェレミー・レナーがせっかくの主役なのにもったいない。でも、クライマックスの大渋滞の中のバイクアクションはなかなかのものだった。ところで、ジェイソン・ボーンこと、マット・デイモンは本作じゃ写真一枚しか出てこないけど、これってギャラは発生するのか?
2012.9.30記

タイトル ホビット 思いがけない冒険
出 演 イアン・マッケラン/マーティン・フリーマン/ケイト・ブランシェット/オーランド・ブルーム/イアン・ホルム/クリストファー・リー/ヒューゴ・ウィーヴィング/イライジャ・ウッド/アンディ・サーキス/リチャード・アーミテージ/エヴァンジェリン・リリー/ケン・ストット/シルヴェスター・マッコイ/ヒューゴ・ウィーヴィング/ピーター・ハンブルトン
監 督 ピーター・ジャクソン
ストーリー ホビット族のビルボ・バギンズは、魔法使いのガンダルフから思わぬ旅の誘いを受ける。それは、ドラゴンに乗っ取られたドワーフの王国を奪取するというものだった。ドワーフの戦士トーリンが率いる13人のドワーフたちと、最初の目的地“はなれ山”を目指してワーグ、オークといった怪物や魔術師がひしめく荒野を進んでいくビルボ。そんな中、ゴブリンが巣食うトンネルに入っていった彼は、そこでゴラムという醜悪な化け物と出会う。
評 10 『ロード・オブ・ザ・リング』より前の話と言う設定でまたまた始まった冒険物語。いきなり懐かしいキャラが脇からチョコチョコ出てくるのでファンにたまらないでしょう。もちろんあのいとしいしと”も出てきます。しかし今シリーズは案外コミカルで前シリーズのような重さはだいぶ軽減されています。ホビット、ドワーフ、エルフ、オーク、トロール、コブリンと聞き覚えのあるモンスターばかりで非常にベージックなファンタジーです。それなのにこの景観の精密さ、CGデザイナーの技術に感服しました。それはさておき、3部作の後、それ以前の3部作を創るって『スター・ウォーズ』と同じやり口だよね。せめてワーナー・ブラザーズはディズニーに買収されないように気をつけてね。
2012.12.16記

タイトル マダガスカル3
出演(声) ベン・スティラー/クリス・ロック/デヴィッド・シュワイマー/ジェイダ・ピンケット・スミス/サシャ・バロン・コーエン/セドリック・ジ・エンターテイナー
監 督 エリック・ダーネル
ストーリー ライオンのアレックス、シマウマのマーティ、カバのグロリア、キリンのメルマンはアフリカを出発し、故郷ニューヨークに戻ることにする。彼らはモンテカルロのカジノにいるペンギンズを捜しに行き、そこで騒動を起こしたせいでデュボア警部率いる動物管理局に追跡されてしまう。逃げ惑う彼らの前に運良くサーカス団の列車が現われ、乗り込むことに成功する。
評  『シュレック』が終わってもドリーム・ワークスにはまだ『マダガスカル』が残っていた。どうも動物もののドタバタはありがちなので、いままでは斜に構えて眺めていたけど、今回はちょっとがんばっているように見えました。3Dということもあってか、キャラクターたちの動きが縦横"前後"無尽に広がり、設定がサーカスということもあって、その効果は絶大に活かされていると思いました。きっと『トランス・フォーマー』の技術経験によるものでしょう。それはさておき、シリーズ化の可能性あるならタイトルを地名にするのはやめたほうがいいですね。『ハムナプトラ』しかり。
2012.8.5記

タイトル マダム・イン・ニューヨーク
出 演 シュリデヴィ/アディル・フセイン/メーディ・ネブー/プリヤ・アーナンド/アミターブ・バッチャン
監 督 ガウリ・シンデー
ストーリー ビジネスマンの夫、2人の子供のために日々家事をこなす専業主婦シャシは、家族の中で唯一英語ができないことが悩みだった。ある日親戚の結婚式の手伝いを頼まれ単身渡米するも、英語が話せないためつらい思いをする。そんな時「4週間で英語が話せる」という英会話学校の広告を見つけた彼女は、身内に黙って学校に通い始める。
評  「なあに?やーね。これって、“おのぼりさん”になったおばさんの話じゃないの。私に似てるとでも言うの?でも、香川から上京してきたころはこんなだったかな。確かに不安だったけど動けばなんとかなるものよ。もちろん恋愛もね。この奥さんも若い子に言い寄られてるけど、行っちゃえばいいのよ。裕太にも『告白しないで後悔するより、告白して公開しなさい』って言ってるしね。おかけで『お母さんはデリカシーがない』って言われるけど。それに私は結婚に二度も失敗してるから説得力ないか。それにしてもこの“ラドゥ”ってお菓子おいしそうね。作ってみようかしら。え、できるかって?何言ってるの、私こう見えても紫綬褒章もらってるのよ!。ははは、関係ないわよ。冗談よ」
2016.1.10記

タイトル マルドゥック・スクランブル/排気
出演(声) 林原めぐみ/八嶋智人/東地宏樹/中井和哉/磯部勉/藤田淑子/土師孝也
監 督 工藤進
原 作 冲方丁
ストーリー ショー・ギャンブラー、シェルの犯罪に巻き込まれ、命まで奪われそうになった少女娼婦バロットは、シェルの罪を暴くためにネズミにして万能兵器でもある委任事件担当官のウフコックと共に、シェルの経営するカジノへと向かう。伝説の女性スピナー、ベル・ウィングとの勝負に勝ち、最強のディーラー、アシュレイにブラックジャックで最終決戦に挑む。
評  まるで「また来週〜」の連続アニメのような中途半端な終わり方をしてそのまんま本作に続いています。それも映画の製作期間で1年も経っているのに何事もなかったように。そのくせ前作からのカジノのシーンが長く、60分そこそこの映画なのに大丈夫かと思ってきました。そして案の定、クライマックスは駆け足で、物足りないくらいあっさりと終わりました。構成ミスかと思ったら実は原作に忠実なんだそうです。そう思えば本作の肝は、バロットが平静を装いながらも垣間見られるトラウマに縛られた不安定な心理なわけで、このアンバランスな構成は読者の心理を捻じ曲げる作成かもしれません。だったらカジノの駆け引きに重点を置いた理由もうなづける。うーむ、冲方丁、恐るべし。
2013.11.3記

タイトル 女神は二度微笑む
出 演 ヴィディヤ・バラン/パランブラタ・チャテルジー/ナワーズッディーン・シッディーキー
監 督 スジョイ・ゴーシュ
ストーリー イギリス・ロンドンに暮らすヴィディヤは、インドへ行ったまま行方不明となった夫のアルナブを捜すためにコルカタにやって来る。しかし、宿泊先や勤務先にアルナブがいた痕跡はなく、やがてアルナブに非常によく似た男が国家情報局に追われていることが判明。ヴィディヤは危険を冒してでも、アルナブの行方を捜そうとする。
評  インド映画の発展留まらず、こんな極上のサスペンスアクション映画まで創れるようになった。のっけは明らかに日本の地下鉄サリン事件を元にしていると思われ、ついつい引き込まれてしまった。そして最後の大どんでん返し!参りました。インド神話に出てくる女神“ドゥルガ”を伏線のように置いてるところも秀逸。このドゥルガは、外見は美しいが、実はヒンドゥー教のデーヴァ神族を追放したアスラ神族の軍勢を次々殲滅していった恐るべき戦いの神である。破壊と殺戮の女神“カーリー”は有名だと思いますが、実はドゥルガの額から生まれてきた神様である。やば、あまり説明するとネタバレしちゃいそうなのでここまで。
2016.1.10記

タイトル メリダとおそろしの森
出演(声) ケリー・マクドナルド/ビリー・コノリー/エマ・トンプソン/ケヴィン・マクキッド/クレイグ・ファーガソン/ロビー・ルトレーン/ジュリー・ウォルターズ
監 督 マーク・アンドリュース/ブレンダ・チャップマン
ストーリー 王女メリダは王家のしきたりや伝統に反発を覚え、娘に女性らしい優雅さを身に付けるよう願う母と度々ぶつかっていた。そんなある日、彼女は鬼火に誘われるようにして森の奥深くへと入り込み、魔女の家にたどり着く。そこで彼女は自分の運命を変えてもらいたいと訴え、その願いがかなうと同時に、それまで安泰だった王国が災禍に見舞われてしまう。
評  同じく母と子の絆をテーマにしたアニメ『おおかみこどもの雨と雪』と同じ日に公開となった。どちらも片方が動物になってしまう点でも同じなので嫌が応にも対決の構図になっている。私としては好みの差でこちらは若干響かなかった感がある。母娘が分かり合うのにお互いの立場になって初めて分かる、ってのがどうも普通。それとディズニー系なのに軽めの下ネタがチラホラあるのも気になった。しかしメリダのボサボサソバージュや熊の毛並みの質感表現には改めてピクサーのアニメ技術に感心する。ところでこの姉弟の設定って、『ひみつのアッコちゃん』のよっちゃんと三つ子の弟だよね。
2012.7.22記

タイトル メン・イン・ブラック3
出 演 ウィル・スミス/トミー・リー・ジョーンズ/ジョシュ・ブローリン/エマ・トンプソン/ジェマイン・クレメント/マイケル・スタールバーグ
監 督 バリー・ソネンフェルド
ストーリー 秘密組織MIB所属のエージェントJとKは、日々異星人の取り締まり追われていた。長年コンビとしてやってきた2人だが、Kの単独捜査をいぶかしんだJは直接そのことを彼に問いただす。だが、本人は全然聞く耳を持たず何の情報提供もしてくれない。次の日、本部でJはLを捜していたが40年以上も前に死亡していたと聞く。
評  「うあぁ、痛い!さてはヤツが俺の体に寄生しているのか!エイリアンだ!うああぁぁ・・・・。よろしくおねがいしまーす。驚いてる方もいるでしょうが、私エイリアンに寄生されておりまして、最近じゃ仲良いんですよ。こないだも一緒に映画観たりしてね。何?なんか言いたいのか?『これ3だけど前作から10年位経ってるから、トミー・リー・ジョーンズがおじいちゃんで出演時間が少ない』余計なこと言ってんじゃないよ。ん?『それから、ビルから飛び降りてのタイムスリップは『ニューヨークの恋人』。一輪のバイクは『トロン』。自分の未来を聞きたがらないKのリアクションは『バック・トゥ・ザ・フューチャー』。他の映画をパクリ過ぎだ』って、お前それ以上言ったらニューラライザーで記憶消されるぞ!♪ジャラッチャチャチャーン、エイリアン」
2012.5.27記

タイトル モネ・ゲーム
出 演 コリン・ファース/キャメロン・ディアス/アラン・リックマン/トム・コートネイ/スタンリー・トゥッチ/アンナ・スケラーン/伊川東吾/ジェラード・ホラン
監 督 マイケル・ホフマン
制作年 2012年
ストーリー 美術学芸員のハリーはモネの名画のニセモノを使った詐欺を思いつく。相棒PJが絵画の所有者に成り済まし、ハリーは本物と見まがうような贋作を用意して標的の億万長者シャバンダーに近づく。しかし超天然のPJが次々と騒動を巻き起こし、シャバンダーが別の絵画鑑定士を呼んだことで、成功間違いなしのはずの計画は予期せぬ方向に向かっていく。
評  『悪の法則』は引いたけど、やっぱりキャメロン・ディアスはこういうおてんば系キャラが一番いいね。ありがちながらコミカルな詐欺師のお話はお約束どおりにラストの一発逆転!展開は読めてが盲点をつかれて、してやられた。バカを演じる日本人バイヤーもいい味出してる。ところで、光の画家として印象派巨匠で名高いクロード・モネだが、実は浮世絵等の“ジャポニズム”に影響されている。有名な“睡蓮”の連作では水面に柳や雲の陰を落としたり、岸部の樹木を途中までで断ち切ったりして枠を超えた広がりを見せる表現は、屏風や絵巻のような日本美術の影響もあると言われる。また、モネは10代の頃、コミカルな漫画絵を描いていたそうだ。そういう意味じゃこの映画、かなりモネを理解しているということかな。
2013.12.15記

タイトル ももヘの手紙
出演(声) 美山加恋/優香/西田敏行/坂口芳貞/谷育子/チョー/山寺宏一
監 督 沖浦啓之
ストーリー 父親を亡くしたももは、11歳の夏に母と2人で東京から瀬戸内の小さな島へとやって来る。彼女の手には、「ももへ」とだけ書かれた父からの書きかけの手紙が遺されていたが、その真意はついにわからずじまいだった。ももは仲直りできないまま逝ってしまった父親のことで胸がいっぱいで、慣れない場所での新しい生活になかなかなじめずにいた。
評  佐々木彩夏「このアニメ、結構世界的な評判がいいみたいで、今年GWで今までにない数の映画館で公開されるんだって」有安杏果「ジブリほどじゃないけど、なんか優しさは伝わるよね」高城れに「このモモちゃん、新メンバーに入れてもいいじゃない?タフだし、手紙を空に送る時の踊りも恥ずかしげないし。そういえばTシャツに“6”って書いてた」玉井詩織「でもやっぱ、キモくよー。私たち“いま、会えるアイドル”だけど、絶対会いたくないもん」百田夏菜子「皆んなー、新曲の衣装が決まったよー!お守り様と呼ばれる“妖怪”です!」4人「絶対ヤダ!!」
2012.4.29記

タイトル 闇金ウシジマくん
出 演 山田孝之/大島優子/林遣都/崎本大海/やべきょうすけ/岡田義徳/ムロツヨシ/鈴之助/金田明夫/希崎ジェシカ/内田春菊/市原隼人/黒沢あすか/新井浩文
監 督 山口雅俊
ストーリー ギャンブルにハマった母親の借金を背負い、カウカウ・ファイナンスを営む丑嶋の容赦ない取り立てに追われる未來。出会いカフェで働くようになった彼女は、簡単に稼げるのならば体を売ってもいいと考えるように。一方、イケメンダンサーを集めたイベントを企画し、彼ら目当てに集まる女性たちから金を巻き上げる純は、丑嶋によって資金調達の道を閉ざされたことを恨んで復讐を決意する。
評  「闇金、ですか?いやお借りしたことはないです。そんなお金は欲しいとは思いませんので。一応モデルはしていますけど、とりあえず自分の好きなブランドだけ着てれば、って感じで。大島優子さんですか?ハイ、可愛いと思いますけど、え・・・AKBでしたっけ?その中で一番だそうで。大変だと思います。この映画に出てくる純って子もそうですけど、そこまで無理しなくても、とは思います。いや、だから最後に悲惨な目に遭ったとは思いません。うまくできる人はできるでしょうし、僕は興味ないですが・・・。ただ、何の希望も無いネガティブな人より、自分が何かできると思っちゃってるポジティブな人の方が借金が多いって気はします。ボクですか?まあいろんな人にはネガティブ”とは言われますが、自分ではそうは思いません。とはいえポジティブ”とも思いませんけど。普通です。欲しいものですか?いまはグミが食べたいです」
2012.9.9記

タイトル ユダ -judas-
出 演 水崎綾女/青柳翔/水橋研二/NorA/八木のぞみ/ペ・ジョンミョン/永瀬匡/梶原ひかり/中尾明慶/平沼紀久/島田洋八/鈴之介/足立理/増本庄一郎/笠原秀幸/鈴木亮平/青山倫子/板尾創路
監 督 大富いずみ
ストーリー 裏切りを体験し、それによって他人を信じることができなくなってしまった女子高生の絵里香。彼女はキャバクラ嬢の胡桃となって過去に別れを告げ、夜の世界で生きていこうと決意する。ナンバーワンキャバクラ嬢の座に君臨すべく、客の男たちの心をつかみ、操り、大金を稼ぎ出していく胡桃。しかし、一方でいいようのない深い寂しさやむなしさを感じていた。そうした自分の弱さを少しでも振り払おうとキャバクラ嬢のトップを目指して突き進む中、心を覆っていた硬くて厚い壁を優しく取り払おうとする男に出会う。
評  岩本乃蒼「これ、元カリスマギャバクラ嬢の立花胡桃さんの自伝的小説を映画化されたものなんですけど、こうして観るとこのようなお仕事をされている方も大変な努力されているんですね」笹崎里菜「そうなんですよ。一概に“水商売”というだけで邪見にするというのはおかしいと思います」郡司恭子「そうね。あなたは“清廉性”で入社落されかけたもんね」後藤晴菜「全体的イメージかから個人も同じと世間は思うんですよ。うちの局の場合は、アナウンサーみんな巨人の選手と付き合ってる、とか」徳島えりか「・・・なんか、ごめんなさい。でも、こっちは事件にもかかわることもあるから怖いよね」佐藤良子「うん。これきっと“五凌会事件”のことね」豊田順子「ハイハイ、みなさん、雑談はそれくらいにして。いい、なんだかんだ言っても私たちアナウンサーは常に品行方正なイメージを世間は求めているってことなんですよ」水卜麻美「みなさ〜ん、おいしいドーナツ買ってきたよ〜。食べましょう」小熊美香「豊田さん、残念ながら、最近求められているのはこっちのタイプのようですよ」
2016.8.14記

タイトル 妖怪人間ベム
出 演 亀梨和也/杏/鈴木福/柄本明/堀ちえみ/石橋杏奈/杉咲花/永岡佑/広田レオナ/あがた森魚/北村一輝/畠山彩奈/中村橋之助/筒井道隆/観月ありさ
監 督 狩山俊輔
ストーリー 怪異な姿に正義の心を持つ妖怪人間のベム、ベラ、ベロは名前の無い男との戦いで、人間になることよりも人間を手助けしていくことを選び、あてもなく放浪していた。そんな彼らは、たどり着いた街で連続して不可解な事件に遭遇。事件の謎を追う中、ベロはMPL製薬の新薬開発研究者の娘みちると出会い、恋心を抱く。
評  「『怪物くん』に続いて我々も映画化されることになったようだな。日テレ土9の懐かし漫画のドラマ”は人気あるみたいだな」「そうだねぇ、でもベム。アンタ今回夢オチ多すぎやしないかい?ま、名前のない男がいないから回想するしかないから仕方ないんだけどねぇ」「フン、結局、ボクや畠山彩奈ちゃんみたいな子役で人気とってるだけじゃないか。すんごく単純だよ。TV局って子役を使い捨てだと思ってんだ!」「どうした?ベロ。なんか機嫌悪そうだな」「この子はね、以前のマルマル・・・なんとかで共演していた芦田愛菜って子が、ハリウッドに出るって聞いてヤキモチ焼いてんだよぅ」「もう!ベラ余計なこと言わないで!うー、早く(世界に認められる)人間になりたぁい!」
2012.12.16記

タイトル 欲望のバージニア
出 演 シャイア・ラブーフ/トム・ハーディ/ゲイリー・オールドマン/ミア・ワシコウスカ/ジェシカ・チャステイン/ジェイソン・クラーク/ガイ・ピアース/デイン・デハーン/クリス・マクギャリー/リュー・テンプル/ノア・テイラー
監 督 ジョン・ヒルコート
ストーリー 禁酒法時代のバージニア州、ボンデュラント3兄弟は密造酒ビジネスで幅を利かせていた。野心家の三男ジャックは牧師の娘バーサの気を引こうと苦心し、リーダー格の次男フォレストは、シカゴから来たワケありの過去を持っていそうな女性マギーと恋仲になる。そんな時、新たに着任した特別補佐官レイクスが法外な賄賂を求めてくる。
評  1920年、アメリカの憲法で消費のためのアルコールの製造、販売、輸送が全面的に禁止された。これが“禁酒法”である。発端は敬虔なキリスト教徒が酒によって風紀が乱れることをみて禁酒運動を始めたことによる。(“ワインはキリストの血”って言われるのにね)その後、アメリカが第一次大戦に突入する際、敵国ドイツの象徴ビールの締め出しを図り、禁酒法成立に至ったそうだ。結果、酒の密売が横行しギャングが栄えてしまったということだ。傍目キレイでも偏りすぎた考えはよろしくないってことでしょうね。とはいえ、この映画のなかでは、ミワ・ワシコウスカちゃんはまさに「掃き溜めに鶴」だったけど。
2015.8.16記

タイトル 横道世之介
出 演 高良健吾/吉高由里子/池松壮亮/伊藤歩/綾野剛/朝倉あき/黒川芽以/柄本佑/佐津川愛美/堀内敬子/大水洋介/田中こなつ/江口のりこ/眞島秀和/ムロツヨシ/黒田大輔/渋川清彦/広岡由里子/井浦新/國村隼/きたろう/余貴美子
監 督 沖田修一
ストーリー 長崎県の港町で生まれ育った横道世之介は、大学に進むために東京へと向かう。周囲の人間を引き付ける魅力を持ち、頼まれたことは何でも引き受けてしまう性格である世之介は、祥子から一方的に好かれてしまう。しかし彼は、年上で魅力的な千春にぞっこんだった、
評  「今日は転校生を紹介します。入って」「ハイ、長崎から越してきた横道世之介です。珍しい名前なので前の学校では、記憶に残るヤツだと言われてました。どうぞよろしく」「ハイ、座って。それではこれから出席を取るので返事をするように。相川浩司、山井明子」「もう“や”ですか?出席番号って五十音順だと思ったんだけど・・・」「山垣太一、山木美知子、山崎祐樹、山里修、山下純子、山瀬春菜、山田新吾、山名正司、山本剛」「いきなり失速ですね。他のクラスで“山”足りてます?」「矢本今日子、矢森真一、槍ヶ岳峰坂清十一郎」「長っ!ボクより珍しい名前の人いた!記憶に残るヤツの地位が危うくなってきた」「遊井清美、結城慎太郎、湯川真子、雪島英喜、雪田勲、雪野瑞希、雪林正孝、雪村康平」「まさかのセカンドステージ突入ですね。なに?この足踏み」「弓削正昭、与板可奈子、八日市卓郎、要害真智子、陽杉薫」「やっと“よ”ですが聞き覚えのない名前が・・・」「横浦健吾、横高由里子、横松壮亮」「“横”になった途端、なんかパロディみたいな名前になってますが」「ヨコマッケイン・マクレガー、ヨゴミエール・ヘンリー、ヨコミシフェネンシェル・イグマリオ」「ここにきて外国人の渋滞!」「横溝聖子、横道世之介」「ハ、ハイ!やった!ようやく・・・」「横道世之介、横道世之介、横道世之介」「来るとこまできたな!一番怖れてたことが形になって表れました。横道世之介をなぜ同じ列に!」「横道世之介、余 小道世之介」「突如個性的なヨコミチヨノスケが。群衆の中にキラリと光る。まるで余貴美子的な・・・ってか、“余”だったらもっと前だろ!!」
2013.2.24記

タイトル LIER GAME -再生(リボーン)‐
出 演 松田翔太/多部未華子/芦田愛菜/江角マキコ/高橋ジョージ/濱田マリ/要潤/春海四方/斎藤陽子/川村陽介/新井浩文/野波麻帆/池田鉄洋/竜星涼/大野拓朗/前田健/鈴木一真/小池栄子/鈴木浩介/渡辺いっけい/船越英一郎
監 督 松山博昭
ストーリー 天才詐欺師秋山の奮闘により、出資者たちが多大な打撃を受けたファイナルステージから2年が過ぎていた。すべてが終わったように見えたライアーゲームだが、事務局は再度復活を果たし、今回は総額20億円をかけて20人のプレイヤーが争う「イス取りゲーム」を用意する。彼らはどうにかして秋山を潰そうと狙いを定めていた。
評  TVドラマを2シーズン続けて映画でファイナルしたはずなのに、たった2年目に復活。私はコミックス読んで展開は知っていたので、ある意味“裏切り”を期待していたのだが、そんな大きく反れた内容でなかった。このドラマのゲームは全て、登場する全員がお互いを信じ合い余計な欲を持たなければ誰も損をしない設定になっている。前作でその“理想の実現”をしてしまったので、まさしく“ファイナル”だったのだが、“再生”させた今回も同じ結果にして何の意味があるのだろうか?なんて思ってたら、ラストに芦田愛菜ちゃんが私の考えてることまんまのセリフ言ったので苦笑してしまった。
2012.3.4記

タイトル ライジング・ドラゴン
出 演 ジャッキー・チェン/クォン・サンウ/ジャン・ランシン/ヤオ・シントン/リャオ・ファン/ローラ・ワイスベッカー/アラー・サフィ/オリヴァー・プラット/ケニー・G/ヴィンセント・ツェ/チェン・ボーリン/ケン・ロー/ジョアン・リン/ダニエル・ウー/スー・チー
監 督 ジャッキー・チェン
ストーリー 19世紀に起きたイギリスやフランスの侵攻によって、中国から持ち出されてしまった清王朝時代の秘宝。それは12のパーツから構成されていたが、残る数体の所在が不明となっていた。世界的アンティークディーラーから幻のパーツの捜索を依頼されたトレジャーハンター「アジアの鷹」ことJCは、チームを編成してパリ、南太平洋、中国などを飛び回る。しかし、行く手を阻もうとする謎の敵と対峙。さらに、秘宝とその捜索の裏に巨大な陰謀が隠されていることを知る。
評  すっばらしい!!まさにジャッキー・アクション・エンターテイメントの集大成。全身ローラースケートのスラロームから始まり、クライマックスのスカイダイビングしながらの大格闘まで、いままで観たことないアクションの猛ラッシュ。ジャングルでのハチャメチャは『グーニーズ』か『パイレーツ・オブ・カリビアン』を髣髴させ、そのくせ、中国の歴史認識の自論までしっかり埋め込んで、もう思い残すことないくらいのジャッキー・チェン・ワールドでした。ジャッキーは「自らスタントをこなす映画はこれが最後」と公言しましたが、還暦手前とはいえこのキレッキレの動き見るとまだまだイケそうな気がする。でも“自ら”ってことは「他にスタント立ててならまだやるよ』って意味かな。
2013.6.2記

タイトル ライフ・オブ・パイ トラと漂流した227日間
出 演 スライ・シャルマ/イルファン・カーン/アディル・フセイン/タブー/ジェラール・ドパルデュー/レイフ・スポール
監 督 アン・リー
ストーリー 1976年、インドで動物園を経営するパイの一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていた。
評  船に乗るまでの話は何かダルかったが、嵐になってからはグイグイ引きこまれていった。単純に考えてトラを海に突き落とせば終わる話なのに、人と虎の友情に移行しつつ、最後で明かされる真相に大どんでん返しを食らわされた。3Dを生かそうとしたのか幻想的な映像を散りばめているが、あんまりストーリー上、意味は無い。しかし星空を眺めるリチャード・パーカーに中島敦の『山月記』を思い出した。人の脳は精神を守るため悲しい記憶を改ざんさせる働きがある。これこそ“臆病な自尊心と尊大な羞恥心”ではないだろうか。もしかしたらアン・リーには『山月記』の元作である中国の説話『虎人伝』からの発想もあったかもしれない。それとあのミーア・キャットの島は、ウソップのいたボーイン列島では?(また『ワンピース』かよ!)
2013.1.27記

タイトル LOVE まさお君が行く!
出 演 香取慎吾/広末涼子/成海璃子/光石研/浅野和之/左時枝/木下隆行/大久保佳代子/神田瀧夢/小野武彦/寺島進
監 督 大谷健太郎
ストーリー 売れない芸人・松本はテレビ番組の出演が決まって喜ぶが、その番組はおバカな犬のまさおが主役の動物番組だった。言うことを聞かないまさおに振り回される松本は何とかしようと奮闘するも空回りし、コンビの相方も恋人も去ってしまう。そんなある日、ロケ中に負傷した彼を真っ先にまさおが助けようとしたことから、松本は犬とコンビを組むことを決意する。
評  テレビ東京のバラエティ番組『ペット大集合!ポチたま』のコーナーで、芸人の松本秀樹と旅するまさお君が大人気だったことから創られた。ある意味、追悼映画とでもいうべきか。本来こんなキャラありきの、ましてや動物系の映画は大嫌いであるが、これだけの一流スター、大物俳優で布陣を固めると、結構感動的に見えてしまうものなんですね。一応松本秀樹本人も出てますが、泣けてくる自分に驚いた。薬師丸ひろ子さんには申し訳ないが『わさお』ももうちょっと頑張ればよかったのに・・・。ところで一昨年前、日本テレビの『ZIP』でも兄弟犬ZIPPIの旅コーナーがあったが、かわいそうなことに、飼い主が車に乗せたままにして熱中症で死なせてしまう事故があった。ドラマチックだが、さすがにこれは映画化できないだろね。
2014.3.30記

タイトル リアル鬼ごっこ3
出 演 山崎賢人/岸田タツヤ/山谷花純/森田直幸/山本浩貴/遠藤雄弥/中原翔子/戸田昌宏/高山裕也/荒井敦史
監 督 安里麻里
ストーリー 陸上部をプレッシャーに耐えられずに辞めてしまったスグルは、陸上のパートナーのオンジとの関係が気まずいものとなっていた。そんなある日、突然、血液型B型をターゲットにしたリアル鬼ごっこを始めるというアナウンスが校内に流れる。スグルとオンジは逃げ回る中で、少しずつ友情を修復させていく。
評  山田悠介原作『リアル鬼ごっこ』は「1」「2」で描かれたように佐藤さんが次々殺されていったが、今回のターゲットはB型。どうも最近こういういきなり不条理世界から始まって最後に謎が解けるパターンのお話が受けている。(もっともこれは「3」「4」「5」の三部作なのでまだ答えが出ないが)これは昔ながらのホラーの常套ではあり、そもそも人は“わからない”ということに不安や恐怖を感じるものだから、このタイプも新しいホラーとしてみなせるものだろう。それにしてもこの山崎賢人くんの成長の早いこと。オジサンは福士蒼汰との見分けつかなくなってる。山谷花純ちゃんもモモニンジャーで輝かってたし、最近の若手注目株が多いのはうれしい限りじゃ。(どこ目線?)
2016.4.3記

タイトル リアル鬼ごっこ4
出 演 荒井敦史/相楽樹/未来穂香/前田希美/山本浩貴/篠原愛実/亀田怜央奈/立花あんな/小川尊/川瀬陽太/石田卓也/史朗
監 督 安里麻里
ストーリー 一匹狼の女子高生ツカサは、不良グループから後輩のユイを助け、授業へと向かう。すると突然、血液型B型をターゲットとした鬼ごっこがスタート。鬼たちが校内へと一気に乗り込んでくる。脱出に成功したツカサとユイは、ほかの学校から逃げてきたマサハルと合流。男嫌いのツカサはマサハルと対立しながらも、状況的に共闘しなくてはならない。
評  明石家さんま 綾瀬はるか 泉ピン子  内田裕也 瑛太   大島優子 大橋巨泉 岡田准一 岡村隆史 京本政樹
皆藤愛子   柏木由紀  亀梨和也  川中美幸 工藤静香 榊原郁恵 佐藤B作 篠原涼子 柴咲コウ 陣内孝則
出川哲郎   天童よしみ 長嶋一茂 西川史子 船越英一郎 又吉直樹 松浦亜弥 宮根誠司 山下達郎 米倉涼子

「また、完全に好みじゃねぇか!それに俺もう“佐藤”ん時に殺されてるし。だいたいにして俺B型じゃねぇぞ!」佐藤B作
2016.4.3記

タイトル リアル鬼ごっこ5
出 演 井上正大/仲間リサ/浅利陽介/河合龍之介/山本浩貴/佐藤誓/夏目鈴/大島なぎさ/福田望/古井榮一/高川裕也/史朗/山崎賢人
監 督 安里麻里
ストーリー 新入社員の大地は、人知れず先輩社員である希に思いを寄せていた。そんな中、残務処理中の大地の耳に、血液型B型をターゲットにしたリアル鬼ごっこを開始するというアナウンスが届く。オフィス内が混乱を極めている状態で希を救った大地は、彼女の恋人・朔也のわなにはめられてしまう。大地はどうにか逃げ延び、今度は希を救おうと再びオフィスに戻る。
評  「3」「4」「5」のそれぞれ別のストーリーが微妙に絡み合いながら、最後に謎が解けるというこの構成、見事です。きっとこれやりたかったからわざわざ三つに分けたんですね。これを堪能するため3本一気に観ることをお勧めします。巷では血液型占いなるものが流行り、勝手に4種類に分けられた性格を押し付けられる事態を招きました。これがいじめの原因になったりと社会問題にもなっています。私もこんな信憑性のないものには憤りを感じているひとりですが、それでもこの映画は納得できるものでした。しかし、昨今では、全ての血液型をO型に変えることができる医療技術が開発されたそうで、そうなると、このお話、完全崩壊してしまいますね。
2016.4.3記

タイトル リンカーン
出 演 ダニエル・デイ=ルイス/サリー・フィールド/デヴィッド・ストラザーン/ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ジェームズ・スペイダー/ハル・ホルブルック/トミー・リー・ジョーンズ
監 督 スティーヴン・スピルバーグ
ストーリー エイブラハム・リンカーンが、大統領に再選された1865年。アメリカを内戦状態に追い込んだ南北戦争は4年目に突入したが、彼は奴隷制度を永遠に葬り去る合衆国憲法修正第13条を下院議会で批准させるまでは戦いを終わらせないという強い決意があった。そのためにも、国務長官ウィリアム・スワードらと共に憲法修正に必要な票を獲得するための議会工作に乗り出す。そんな中、学生だった長男ロバートが北軍へと入隊する。
評  「あ、あ、天野君!アメリカで一番人気の大統領リンカーンをあのスピルバーグが映画にしたそうですよ!面白そうですね」「ウドちゃん、そんな興奮するなって。でも『リンカーン/秘密の書』とか、リンカーン関連映画って多いよな」「そういえばあれだな、このダニエル・デイ=ルイス、史上初の三度目の主演男優賞なんだよな。なんだっけ?あー、バカルディ賞!」「なんで、俺らの昔のコンビ名言うんだよ。アカデミー賞じゃないのかよ!」「このリンカーンの奥さん、鬼嫁で有名だけど、それが逆にリンカーンを奮起させて影で支えたとも言われてるそうですね」「わ、わ、そのこと、俺のヨメには言うなや!」「んー、どんなシリアスな場面でもちゃんとユーモア忘れんとこ、すごいな。これが奴隷解放という信念を通せたんやな。せやけど、浜田が後輩を奴隷のように扱うのはどうもなんないわ」「お前!えー加減にせぇよ!」
2013.4.21記

タイトル リンカーン 秘密の書
出 演 ベンジャミン・ウォーカー/ドミニク・クーパー/アンソニー・マッキー/メアリー・エリザベス・ウィンステッド/ルーファス・シーウェル/マートン・ソーカス/ジミ・シンプソン/ジョゼフ・マウル/ロビン・マクリーヴィー/エリン・ワッソン
監 督 ティムール・ベクマンベトフ
ストーリー 母親が人々を襲うヴァンパイア集団に殺されたことを知ったエイブラハム・リンカーンは、リベンジを果たそうと斧を駆使した戦闘術をマスターしていく。やがて、黒人奴隷の売買によって食料となる人間をヴァンパイアたちが確保し、それを悪用して政治家が富を得ている事実を知る。個人の力だけでは彼らに太刀打ちできないと感じたリンカーンは、政治の道へと進んで大統領に。昼は大統領として責務を果たし、夜はハンターとしてヴァンパイアを倒していく。
評  「なっ!何をするだァーッ!!あのリンカーン大統領がヴァンパイア・ハンターだとぉ!!それに話の展開が速すぎる!もしかして波紋”か?ふるえるぞハート!燃え尽きるほどヒーーート!!」コオオオコオオオ「貧弱!貧弱ゥ!これくらい追いつけないのか。裏で糸を引いてるティム・バートンの思う壺だろ」メメタア「しかし、南北戦争で銀食器を徴発したり、リンカーンの子が子供の頃に亡くなったり、意外に史実に則っているぞ。館長は知っていたから面白かったようじゃがな」パパウパウパウ「こいつはくせぇッー!ゲロ以下のにおいがブンブンするぜッーーーッ!!知ったかぶりの臭いがよ!俺らのマンガも読んだことないくせにフレーズだけで、これ書いてんだぜ!じゃあ、スピードワゴンはクールに去るぜ」ゴゴゴゴゴ
2012.11.4記

タイトル 臨場 劇場版
出 演 内野聖陽/松嶋由樹/渡辺大/平山浩行/益岡徹/高嶋政伸/段田安則/若村麻由美/柄本佑/平田満/市毛良枝/長塚京三/隆大介/小林勝也/伊藤裕子/京野ことみ/おのさなえ/道井良樹/松田ジロウ/中山夢歩/水野直/菅原大吉/デビット伊東/土屋良太/魏涼子/春木みさよ/前田希美/浜田学/田中伸一/ヨシダ朝/前田健
監 督 橋本一
ストーリー 都内で無差別通り魔殺人を起こした容疑者の心神喪失が認定され、刑法第39条によって彼の無罪が確定。それから2年後、容疑者の無罪を引き出した担当弁護士と精神鑑定を務めた医師が何者かによって殺される。警視庁と神奈川県警の合同捜査本部は、通り魔事件の被害者遺族たちの遺恨が絡んでいるとして捜査を進めていく。そんな中、敏腕検視官の倉石は、死亡推定時刻に関する疑問点を理由に犯人は別の人物ではないかと推察する。合同捜査本部の方針とは違った独自の捜査を展開し、事件の裏側に隠された思いも寄らぬ真相にたどり着く。
評  『はぐれ刑事』や『相棒』のテレ朝午後9時枠の警察シリーズで、無骨なイメージで異彩を放っていた『臨場』の映画版。この映画では心神喪失者の犯罪に関する刑法39条問題を取り上げている。刑法は、加害者に対する罰則と同時に基本的人権の尊重も考慮している。しかし、被害者および被害者遺族の心情からすれば、キチガイだから刑が軽減される法律には納得できないものだろう。だいたいにして人の倫理から外れる犯罪を犯している時点でその者は心に支障を来たしているわけで、それが医学的見地で刑の重さを変えること自体おかしいと私も思う。ましてや昨今では脳の病気もかなり解明されてきているし、いつまでもキチガイ保護の考えは遅れている気もする。そういう意味じゃ、この『臨場』は検視官のお話なのに、法に焦点当ててるのもちょっと違くないか?
2016.5.1記

タイトル LOOPER
出 演 ジョセフ・ゴードン=レヴィット/ブルース・ウィリス/エミリー・ブラント/ポール・ダノ/ノア・セガン/パイパー・ペラーボ/ジェフ・ダニエルズ/トレイシー・トムズ/フランク・ブレナン/ギャレット・ディラハント/ニック・ゴメス/ピアース・ガニォン
監 督 ライアン・ジョンソン
ストーリー 未来からタイムマシンで送られてきた標的を消す、“ルーパー”と呼ばれる殺し屋のジョー。ある日、ジョーのもとへ送られてきたのは、何と30年後の自分だった。ジョーは、未来の自分の殺害をためらい逃がしてしまうが、その後未来の自分から、やって来た理由を明かされる。
評  ある意味、SFってのは“何でもあり”なんで「それ違うだろ」とは言いにくいのだが、どうしてもわざとらしさが目立ってしょうがない。例えば、30年後のセスの指や足が無くなっていき、30年前の自分が拷問されているのが分かる場面なんかウソ臭い。お手軽超能力があることは、なんかの伏線だと思ったけど、こういう理由なら要る?いきなり「この人は特別な人でした」でいいじゃん。それにクライマックスのCGには力入れてる分、他の粗さが目立つ。例えば血まみれの少年のあの顔、何?いかにも「塗りました」って感じ。その辺ブルース・ウィリスはやっぱ違う。ちゃんと血が降りかかった感じの顔にしてるもの。ところで、ジョーは30年後の自分がハゲだったことにショックではなかったのだろうか。
2013.1.13記

タイトル ルノワール 陽だまりの裸婦
出 演 ミシェル・ブーケ/クリスタ・テレ/ヴァンサン・ロティエ/トマ・ドレ/ミシェル・グレイゼル/ロマーヌ・ボーランジェ
監 督 ジル・ブルドス
ストーリー 1915年、コートダジュールにある大画家ルノワールの邸宅に、絵画モデル志望のアンドレがやって来る。老いた芸術家は、先日亡くなった妻に頼まれてここに来たという彼女を喜んで迎え入れる。アンドレは翌朝から裸婦像のモデルとして働き始めるが、ルノワールは持病のリウマチ性関節炎に悩まされていた。
評  19世紀後期フランスの印象派画家、ピエール=オーギュスト・ルノワール。彼の絵を見ると誰もが優しさと幸せに包まれるに違いない。全体的に多くの色を使い、服や物に反射する光を白い斑点にしたり、影を青くしたり、目に華やかでとにかく楽しくなってくる。マティスは「ルノワールのカーニュ時代の女性の絵は、制作後20年過ぎてもまだ乾いていなかった」と言ったそうだ。実はルノワールはシルバーホワイトの下地の上に水彩画のように薄く油絵具を重ねていく技法を用いている。すると下地の白に反射した光で、しっとり濡れたような豊潤な色彩になるという。この人かなり緻密な職人気質だったといえる。おかげでこれほど美しい裸婦を拝めるのはうれしい限りだが、彼自身も幸せに満ち溢れてこんな絵は描けないのではないだろうか。まあそりゃ、モデルを片っ端から愛人にして、そのまま死ぬまで自分の面倒見させたら、生涯幸せだったでしょうよ。うらやますぃ。
2016.7.17記

タイトル るろうに剣心
出 演 佐藤健/武井咲/吉川晃司/蒼井優/青木崇高/綾野剛/須藤元気/奥田瑛二/江口洋介/香川照之
監 督 大友啓史
ストーリー 幕末から明治になり、かつて「人斬り抜刀斎」として恐れられた剣客・緋村剣心は「不殺(ころさず)」の誓いのもと流浪人となっていた。流浪の旅の途中、剣心は神谷道場の師範代・薫を助けたことから、薫のところで居候することに。一方、街では「抜刀斎」を名乗る人物による人斬り事件が発生していた。
評  今年はとにかく漫画実写化が相次いるが、多分これがそのなかでの一番だろう。私自身も別に原作をちゃんと読んでる訳ではないが、その空気感は壊していないと思う。それよりもこれはいわゆる「時代劇」を超越してしまった。人を斬らない殺陣”をこうも華麗に魅せれるものなのか。ブレイクダンスの得意な佐藤健くんの噛むんとフニャンフニャンダンス”の成果があるのかもしれない。また、ずっとお飾り女優と思ってた武井咲ちゃんも最近すごく成長が見える。先日『セブンティーン』専属モデルも卒業して女優本業を目指すのかもしれない。こんな元気な若者を見てると日本の未来は明るいと思うでござるよ。何とも忝い”。(←これかたじけない”って読むんだって)
2012.8.26記

タイトル レッド・ライト
出 演 ロバート・デ・ニーロ/キリアン・マーフィ/シガーニー・ウィーヴァー/トビー・ジョーンズ/エリザベス・オルセン/ジョエリー・リチャードソン/クレイグ・ロバーツ/レオナルド・スバラグリア/アドリアーニ・レノックス/バーン・ゴーマン
監 督 ロドリゴ・コルテス
ストーリー 科学者のマーガレットとトムは、超常現象の科学的解明の研究に没頭していた。そんなある日、30年前に引退したはずの超能力者サイモンが復帰するというニュースが世間を騒がせる。マーガレットはその昔、サイモンの超能力のうそを暴くため彼に挑んだ経験がある。
評  今はマジックとして公認されているが、世に登場した頃のMr.マリックの“超魔術”は日本中を驚異の渦に巻き込んだ。当時は五百円玉にタバコを通す技に日本国民が目を丸くしたもんだ。後で知ったがこの“ギミックコイン”はアメリカのマジック専門店で当たり前に売っているそうだ。彼はちゃんと「ハンドパワーです」と手品であることを言ってるのだが、民衆は勝手に超能力と思い込み、分かった時はバッシングの嵐だった。おりしもバブルがはじけた頃で、人々は何かを信じたいと願う時代だったかもしれない。さて、本作においてはロバート・デ・ニーロの胡散臭さプンプンな男を叩きのめす楽しさは期待したのだが、ラストに余計な胡散臭さをかましたんでダメ。そんなのいらないです。最後までキャラを守りなさいよ。そういう意味じゃユリ・ゲラーには死ぬまで“超能力者”でいて欲しいスね。
2014.2.16記

タイトル レ・ミゼラブル
出 演 ヒュー・ジャックマン/ラッセル・クロウ/アン・ハサウェイ/アマンダ・セイフライド/エディ・レッドメイン/ヘレナ・ボナム=カーター/サシャ・バロン・コーエン/サマンサ・バークス/アーロン・トヴェイト/イザベル・アレン
監 督 トム・フーパー
ストーリー 1815年、ジャン・バルジャンは、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンティーヌと知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまう。
評  うぉー、すばらしい!やはり『レ・ミゼラブル』は名作ですな。大っ好きなミュージカルなのでテンションが高くなったのですが、ダンスがないのだけはちょっと調子が狂いました。でも、アン・ハサウェイは絶品!!キャピキャピな天使なイメージが強かったのがこんな堕天使ファンティーヌに演じるのにも驚いたが、すごいぞ、この歌唱力!ヒュー・ジャックマンやラッセル・クロウのオンチが目立ってしょうがない。テナルディエ夫妻もナイスキャスティング。だって“ボラット”と“ベラトリックス先生”だもん。それにしてもエポニーヌにスポット当てすぎじゃないか?確かにずっと好きだったマリウスがあっさりコゼットに心奪われちゃうんだから、彼女の心境こそ一番“ああ無情”かもしれないけど。
2012.12.30記

タイトル 恋愛だけじゃダメかしら?
出 演 キャメロン・ディアス/ジェニファー・ロペス/エリザベス・バンクス/チェイス・クロフォード/ブルックリン・デッカー/アナ・ケンドリック/マシュー・モリソン/デニス・クエイド/クリス・ロック/ロドリゴ・サントロ/ベン・ファルコーン/ウェンディ・マクレンドン=コーヴィ
監 督 カーク・ジョーンズ
ストーリー テレビのダイエット番組で人気のジュールズは、ダンス選手権の優勝とともに妊娠が判明。一方、フリーカメラマンのホリーは妊娠しづらい体質のため養子をもらうことを考え始める。ショップオーナーのウェンディは、計画を立てて子作りに励んだことで、ついに2年越しの妊娠の夢がかなうのだった。
評  なんじゃ、この邦画タイトル?完全にテーマが「妊娠がんばれ」なのに全然合わんじゃないの。私的には共感できるところが無いのであんまり良い評価が出来なかったけど、せっかく5組のカップルを例にして出産マニュアルの体をなしてるんだから『マタニティ・コミュニティ』なんてのでもいいじゃん。タイトルがダサくてもお腹大きくして家で暇してる人は観るから。でも、私は妊娠出産はこの世で最も崇高なことだと思っていますよ。(だから、産休中のYさん、気分悪くしないでくださいね)それにしても、意外に出演者がすごいっすね。おー、キャメロン・ディアスさん、結婚おめでとうございます!でも、さすがにアラフォーですから高齢出産には気をつけてくださいね。
2015.2.15記

タイトル ロック・オブ・エイジズ
出 演 ジュリアン・ハフ/ディエゴ・ボネータ/ラッセル・ブランド/ポール・ジオマッティ/キャサリン・ゼタ=ジョーンズ/マリン・アッカーマン/メアリー・J・ブライジ/アレック・ボールドウィン/トム・クルーズ/ブライアン・クランストン/ケヴィン・ナッシュ/ジェフ・チェイス/ウィル・フォーテ/T・J・ミラー/イーライ・ロス/ヌーイ・ベテンコート/デビー・ギブソン/セバスチャン・バック/コンスタンティン・マルーリス
監 督 アダム・シャンクマン
ストーリー 1987年のハリウッド。サクセスをつかもうとする若者たちがひしめく大通り、サンセット・ストリップに建つライブハウス。そこで働きながらロック・スターを目指すドリューとシンガーになるのを夢見て田舎から飛び出してきたシェリーは、次第に心を寄せ合うように。一方、彼らがあこがれている人気バンド「アーセナル」のフロントマンであるステイシーは、成功に酔いしれ、酒と女におぼれていた。そんなある日、ひょんなことからステイシーとシェリーが関係を持ったとドリューが思い込んでしまい、二人はケンカ別れをしてしまう。
評  「ボン・ジョヴィの『Wanted dead or live』カッケー。ふーん、トム、けっこうイカしてんじゃんか。ガンズのアクセル・ローズがボイス・トレーナー務めただけのことはあるけど、こんだけロック・スターになりきれたらそのギラッチは見事なもんだぜ。もっとも同い年のオレだって負けてねぇけどな。昔ハリウッド映画に出たこともあったし、そんときゃユマ・サーマン口説いたことあるしよ。でも、今じゃやっぱ無理かな。オレ、もうほとんどマイホーム・パパになっちまったし。とてもじゃないけどこんなにロックがキマるミュージカルなんてできねぇよ。こんなのまさにイリュージョンだぜ。・・・おい!誰だ!!『イリュージョンができないのは“タネナシ”だから』って今言ったヤツは!!」
2014.9.14記

タイトル ロラックスおじさんの秘密の種
出演(声) ダニー・デヴィート/エド・ヘルムズ/ザック・エフロン/テイラー・スウィフト/ロブ・リグル/ジェニー・スレイト/ベティ・ホワイト
監 督 クリス・ルノー
ストーリー 少年テッドは、一本の木さえ育たないほど最悪の環境状態にある世界で暮らしている。彼が住んでいる人工の街だけは実力者のオヘア氏によって環境が整えられ、空気もきれいで過ごしやすく保たれていた。ある日、テッドは好きな女の子にいいところを見せようと、これまで誰も見たことがない本物の木を探しに行くことにする。そこで祖母から街の外で一人で暮らしているワンスラーのことを教えてもらい、木を探す手掛かりを得ようとする。
評  ノルウェー領のスピッツベルゲン島には「スヴァールバル世界種子貯蔵庫」という種子銀行がある。そこはマイナス20度くらいに保たれた中で300万種類もの種が貯蔵され、仮に冷蔵装置が壊れても周りの永久凍土に守られる。これはこれから予想され世界的な気候変動や自然災害、核戦争などがあって世界的な絶滅の危機が訪れた時、栽培再開のチャンスのために造られた。日々に仕事に追われる者からすれば、自然環境を考えるのは正直めんどくさい。環境保全を唱えるのはISO取得の企業か金持ちか自己陶酔者だと疎んじてしまう。人の心にある素直”という種を発芽させるのは何より難しいかもしれない。
2012.10.7記

タイトル 私の奴隷になりなさい
出 演 壇蜜/真山明大/板尾創路/西条美咲/美知枝/菜葉菜/石井明日香/杉本彩/海東健/ウダタカキ/草野イニ/古舘寛治
監 督 亀井亨
ストーリー 出版社に転職した僕は、どこかなまめかしいムードを漂わせる先輩社員の香奈に心を奪われてしまう。彼女をものにしようとアプローチを仕掛けていくが、香奈はまったく僕を相手にしようとしない。そんなある日、彼女から「今夜、セックスしましょう」と思いも寄らない誘いを受けて、体を重ねることに。それ以降、体だけの関係を続けていた彼らだったが、僕は香奈の自宅で怪しげなビデオを見つけてしまう。恐る恐る再生してみると、そこにはとんでもない秘密が収められていた。
評  「このたびは私主演の映画をご覧くださり誠にありがとうございました。お楽しみ戴けましたでしょうか?確かに官能的な描写が多く、また男尊女卑は差別だと眉をひそめる方もいらっしゃると思います。そしてSMはアブノーマルな世界だと邪険になさる方もいらっしゃるでしょう。でも、私思うに、人間が生殖的に持つ本来の本能は、男性はサディスティックで女性がマゾヒスティックな方がノーマルな気がします。その本来女性の持つMの属性を外面に出せるようになれば、女性はきれいになれるというのは私自身も納得しますね。おかげさまで最近は多くテレビにも出させていたいて一応「Hなお姉さん」と名乗らせて戴いております。でももちろん、全ての男性を魅了できるとは到底思っていません。性癖というのは人それぞれですし、実際、館長は私の露わな身体をご覧になっても何の反応もありませんでしたから。そういえばロリコンでらしたものね」
2013.1.27記

タイトル ONE PIECE FILM Z
出演(声) 田中真弓/中井和哉/岡村明美/山口勝平/平田広明/大谷育江/山口由里子/矢尾一樹/チョー/篠原涼子/香川照之/佐々木希/田中美保/西内まりや/大塚芳忠
監 督 長峯達也
製 作 尾田栄一郎
ストーリー 偉大なる航路の後半の海、新世界のとある島。NEO海軍を自称する元海軍大将・ゼットらは巨大なエネルギーを持つ鉱物、ダイナ岩を盗み、その破壊力で全海賊抹殺を企てていた。一方、新世界を航海中のルフィたち麦わらの一味のもとに、右腕に大型の武器を装着し、けがを負ったゼットが現れ、ルフィたちは介抱する。しかし目覚めたゼットはルフィたちに襲い掛かる。
評  今や日本一のマンガ『ONE PIECE』。その知名度は当然世界にも進出していて、本作においての主題歌はアブリル・ラヴィーン!そしてアニメなのにその衣装をアルマーニ・エクスチェンジが担当している。ゾロの伊達メガネにジャケット姿はその意外さからか非常にクールだった。そんな『ONE PIECE』に私が狂った理由のひとつは、物語の中に謎”があることだ。これは『エヴァンゲリオン』にも言えることなのだが謎”は、観ている者が想像力で勝手に物語を大きくする。その広がった世界以上の展開になったときファンは魅了される。『ONE PIECE』には常にその無限大の懐の深さがあるうえ、それがすべてにつながっていき感動を生むのである。本作での謎のひとつは「ゼファの腕を切り落とした海賊は誰?」だろうか。もちろん予想している人物はいるがここではそれは言わない。各自が勝手に想像すればいい。なんたって自由”が一番なのだ。
2012.12.16記

タイトル ヱヴァンゲリヲン 新劇場版:Q
出演(声) 緒方恵美/林原めぐみ/宮村優子/坂本真綾/石田彰/三石琴乃/山口由里子/立木文彦/清川元夢/長沢美樹/子安武人/優希比呂/沢樹みゆき/大塚昭夫/大原さやか/勝杏里/伊勢茉莉也
監 督 摩砂雪/前田正宏/鶴巻和哉
総監督 庵野秀明
ストーリー 綾波レイを救おうとしてエヴァ初号機にとりこまれてしまった碇シンジ。目を覚ますとそこは葛城ミサト艦長が指揮する空中戦艦AAAヴンダーの中であった。外では死んだと思っていた式波アスカ・ラングレーが操るエヴァ弐号機が闘っている。シンジにはさっぱり事情が分からなかったが、実はそこはあの日から14年後の世界であった。
評 
「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「めでたいな」
「おめでとさん」「グヴァガグヴァ」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」「おめでとう」
「ありがとう」
                                        TODAY IS BIRTHDAY.
2012.11.18記