東北自然保護団体連絡会議
白神山地入山規制緩和を求める
「白神プラン」を国に提出

文化・環境・林野庁に陳情−改定へ明るい感触

 東北自然保護団体連絡会議は12月19日、世界遺産の白神山地の入山規制の緩和などを求める6項目の要望を文化庁、環境庁、林野庁に提出した。
環境庁自然保護局計画課の中島課長補佐(左)
に要望書を手渡す鹿内会長代行
 要望書は、同会を代表して青森の自然を守る連絡会議会長代行の鹿内博県議が各庁を訪れ担当官に手渡した。日本自然保護協会の吉田正人保護部長が同行した。
 厳しい入山規制で住民を締め出すような形となっている管理計画について、鹿内、吉田の両氏は要望を終えた後「国は改訂することにやぶさかでない、という態度だ」と述べ、明るい感触を得たことを明らかにした。
 要望事項は十月に青森県鰺ヶ沢で開かれた「東北自然保護のつどい」で大会決議した6項目で@自然、人間、文化を一つに考えた管理計画にするA管理を行政組織だけでするのではなく、地域住民や自然保護団体を加えるB現行の入山許可制度を指導の行き届くかたちの届け出制にする−など。
 今回の要望内容については、三庁の出先機関と青森、秋田両県でつくる白神山地世界遺産地域連絡会議が検討することになるという。
 吉田部長は「オーストラリアのタスマニア世界自然遺産地域では十年に一回、管理計画を改定しており、その際に広く国民から意見を募集している」と話し、白神山地地域でも同様の方式を取るべきだと強調した。

東奥日報 2000.12.20

白神プラン6項目の内容は以下のとおりです。
1 世界遺産地域を含め白神山地全体を見通した管理計画とし、自然・人間・文化を一つに考えた管理計画にすること。
2 世界遺産地域の管理について行政側の組織だけで検討するのではなく、地域住民や自然保護団体など、白神山地の自然に実際に関ってきた人たちを加えた話し合いによって進めること。
3 地域住民が持っていた入会権は速やかに回復させ、入会の障害となっている奥赤石林道ゲートは現在の位置から、ダム管理道路と奥赤石林道の分岐点に移設すること。
4 世界遺産地域を保護するために、緩衝地域の周辺で伐採され、その後天然更新にゆだねられている地域の植樹等による復元をはかること。
5 巡視員制度から、レンジャーを養成しそれに代えるとともに、入山者の多くの目でモニタリングする方法をつくること。
6 現状の入山許可申請制度を指導のゆき届くかたちの入山届け出制にし、ビジターセンター等の施設を白神山地と来訪者の交流・学習の場となる拠点とすること。

国の三庁の発言要旨を報告します。

以下が三庁の担当官発言要旨


白神2000プランと要望書を国に提出したのは、平成12年12月19日です。文化庁、林野庁、環境庁の順で提出してきました。
林野庁の回答が若干、見えているのか不安がないでもありませんが、三庁には東北全体の声として評価をし、受け止めてもらえたようです。

  1. 文化庁(文化庁記念物課応対者)の発言の要旨
    • 文化庁としては、入山規制等にまつわる経緯は、秋田・青森両県の教育委員会経由で聞いていたが、今日の説明でよく分かった。たいへんよい方向になったと思う。
    • 天然記念物は、人間との関係において評価されてきたものであり、(白神2000プランと)考え方は一致する。
    • 天然記念物の現状変更を伴わないのであれば、管理計画の改訂はやぶさかではない。青森県の教育委員会だけでなく、秋田の教育委員会にも伝えて欲しい。

  2. 林野庁(林野庁経営企画課応対者)の発言の要旨
    • 要望の内容は、すでに青森分局から聞いていた。管理計画については、未来永劫このままというつもりはないので、見直しはやぶさかではない。
    • 世界遺産地域の管理については、各森林管理局にゆだねているので、具体的な見直し作業は森林管理局が行うことになる。(秋田の森林管理局には、本庁から連絡する)
    • 白神山地全体を見通した管理計画という点についても、東北森林管理局全体で、緑の回廊の設定にとりくんでいるところであり、森林がつながるようにしたい。
    • 行政だけですすめず市民参加でという点についても、林野庁は管理経営計画も公示縦覧して意見を聞くようになっているので、当然、そのような手続きをふむことになる。
    • 奥赤石川林道ゲートの移設については、現地の状況を知らないので、詳しく言えないが、地元(森林管理署)では、林道の安全確保やゴミ投棄の防止からも、一般利用者に対しては閉鎖したいという考え方のようだ。

  3. 環境庁(林野庁経営企画課応対者)の発言の要旨
    • 要望の内容はよくわかりました。よくここまでまとまりましたね。
    • 管理計画については、5年経ったので見直ししても良いのではないかと考えていたが、行政内部ではとくに現在の管理計画で困るという意見がなかった。この要望書はよいきっかけになると思う。
    • 細かな管理計画の内容は、世界遺産地域連絡会議で話してゆくことになるだろう
      (現在、環境庁自然遺産センターが幹事役をしている)。
    • 行政としては着地点が見えないと、こわくてスタートできないという性癖がある。行政内部で、それを固めるのがまず第一歩だろう。
 白神山地の保護と管理計画に関する要望書
 大会決議−白神2000プラン
 財団法人日本自然保護協会沼田真会長メッセージ

要望書提出先
 青森県知事(11/27)、白神山地世界遺産地域連絡会議(11/30)、東北森林管理局青森分局(11/28)、環境庁東北地区自然保護事務所(11/30)
林野庁長官(12/19)、環境庁長官
(12/19)、文化庁長官(12/19)
 
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