白神山地の開発と自然保護の動きを紹介します。


白神山地についてのほとんどのサイトは、世界遺産になってからの「白神山地」を語っています。
なぜ、白神山地は「世界自然遺産」になれたのでしょうか。
なによりも、世界最大のブナ原生林はどうして守られてきたのでしょうか。
これこそが白神山地の歴史といえましょう。
西暦 年月日 活動記録と動き
1978 S53.12.6 青秋県境奥地開発林道開設促進期成同盟会結成。会長参議院議員野呂田芳成、副会長八森町長、西目屋村長、岩崎村長、鰺ヶ沢町長。
(会の目的)西目屋村・鰺ヶ沢町・岩崎村並びに八森町を結ぶ奥地開発道路を開設し、青森県と秋田県の経済文化交流を円滑にし、地域の振興に寄与する。
1981 S56. 4. 2 青秋林道の路線採択が決定し全体計画調査費承認(林野庁)
1982 S57. 5.19 秋田自然を守る友の会(鎌田孝一会長)、秋田県に青秋林道建設中止の要望書提出
1982 S57. 7.19 青森県自然保護の会(奈良典明会長)と日本野鳥の会弘前支部(小山信行会長)、青森県に青秋林道着工中止の要望書を提出
1982 S57. 8. 1 秋田県側青秋林道工事着工
1982 S57. 8.12 青森県側青秋林道工事着工
1982 S57. 8.22 青秋林道に反対する青森県の団体と秋田自然を守る友の会との合同会議、共闘を確認。弘前市で会合。
1982 S57.10.26 青秋林道建設に反対する青森・秋田両県の自然保護団体、日本自然保護協会など全国の自然保護関係機関に請願書を送付
1982 S57.10.26 秋田自然を守る友の会と秋田県野鳥の会、林野庁・環境庁に陳情。
1982 S57.11.13-14 第3回東北自然保護のつどいが小岩井で開催。集いに参加していた秋田自然を守る友の会と鳥海山の自然を守る会が、秋田に白神山地を守る新組織を結成する方向を確認。
1982 S57. 要請書 白神山地のブナ原生林の保全と広域基幹林道「青秋線」建設計画の即時凍結について 東北自然保護団体連絡会議
1982 S57.12. 5 青秋林道建設を促進する会(鈴木均会長)発足。八森町
1983 S58. 1.17 白神山地の自然を守る会(根深誠代表)結成。
1983 S58. 1.22 「白神山地のブナ原生林を守る会:秋田」(西岡光子会長)が結成。 
1983 S58. 2. 9 広域基幹林道「青秋線」建設計画の中止と白神山系一帯のブナ原生林の保全についての意見書 日本自然保護協会 宛て先 青森県知事、秋田県知事、青森営林局長、秋田営林局長
1983 S58. 3. 9 秋田県議会農林水産員会で、青秋林道建設促進を求める陳情2件が採択。
青秋林道建設を促進する会と能代山本広域市町村圏組合から。
1983 S58. 4 プナ原生林保護基金(日本自然保護協会)発足。
1983 S58. 4. 2 「白神山系のブナと渓流を考えるつどい」が青森市市民文化会館で開催。青森の自然を守る連絡会議、白神山地の自然を守る会。
1983 S58. 4. 2 「青秋林道に反対する連絡協議会:青森県」が結成された。
1983 S58.05.27-29 「ブナと渓流と街と・・・」白神山系の原生自然から街中の自然まで、との展示会を青森市市民美術館で開催。青森の自然を守る連絡会議。
1983 S58. 5.28 白神山地のブナ原生林を守る会、秋田県に対して公開質問状送付。
1983 S58. 7. 1 58年工事着工
1983 S58. 7. 8-13 青秋林道に反対する連絡協議会、NHK弘前放送局ギャラリーで「写真で見る白神の自然」開催
1983 S58. 7 日本山岳会、関係機関に青秋林道建設中止の要望書を送付。
1983 S58.08.25-26 白神山系ブナ原生林及び青秋林道現地視察団、自然保護議員連盟岩垂幹事長他11名。青森県庁、秋田県庁も訪れ青秋林道の中止を申し入れる。
1983 S58.10. 8 赤石川二股東岸のブナ林で天然記念物クマゲラの生息が確認される。
1984 S59. 3.10 衆議院予算委員会で岩垂寿喜男議員(社会党)が青秋林道について質問
1984 S59. 6.27 林野庁、白神山地森林施業総合調査を日本林業技術協会に委託。
1984 S59. 8.28 青秋林道に反対する連絡協議会、奥赤石川林道周辺地域のクマゲラ生息地の保護に関する要望書を青森営林局に提出。
1985 S60. 6. 5 日本自然保護協会、白神山地ブナ原生林の保護を求める中曽根内閣総理大臣宛ての意見広告を朝日新聞に全面で掲載。
1985 S60. 6. 6 秋田県、ルート変更を決め、県議会農林水産委員会で報告。この結果、青森県鰺ヶ沢を通る部分が2.7Kmから3.7Kmになり、総工費も28億5千万円から31億1700万円となった。
1985 S60. 6. 9 日本自然保護協会、全国一斉にブナ林観察会を開催。白神山地にも、多数の参加者探訪。
1985 S60.06.15-16 国際森林にちなんだ、「ブナ・シンポジウム」が秋田市文化会館で開催された。日本自然保護協会「ブナ原生林保護基金」主催。
1985 S60. 6.27 秋田県側工区(青森県側も秋田県が工事する)におけるルート変更をめぐって、秋田県と青森県、青秋林道に反対する連絡協議会との話し合いが青森市で開かれる。
1985 S60. 9.26 60.6.25に白神山地のブナ原生林を守る会から秋田県議会議長宛てに提出された「青秋線工事の即時凍結について」の陳情書が継続審議とされる。
1985 S60.10.17 秋田県知事、八森町住民代表との懇談会で「町外の人間に自然を守れと発言する資格はない」と自然保護団体の活動を批判。
1985 S60.10.18-21 日本弁護士連合会の公害対策・環境保全委員会の調査団、秋田・青森両県を訪れ白神問題を調査。
1985 S60.11. 5 白神山地のブナ原生林を守る会、粕毛川源流を国の自然環境保全地域に指定してもらうよう秋田県議会に陳情書提出。
1985 S60.12.10 青秋林道に反対する連絡協議会が中心となって市民団体とともに「白神山地のブナ原生林を国の環境保全地域に指定することを働きかける請願」を青森県議会に提出。
1985 S60.12.11 青秋林道の建設を促進する会が秋田県知事、議会議長宛てに「広域基幹林道青秋線の計画的推進について」の要望書を提出。
1986 S61. 2.18 秋田・青森両県、保安林解除について打ち合わせ。
1986 S61. 3 秋田、鎌田孝一氏(秋田自然を守る友の会長)に吉川英治文化賞
1986 S61. 4.21 青森県議会環境常任委員会「白神山地のブナ原生林を国の環境保全地域に指定することを働きかける請願」を満場一致で採択。
1986 S61. 5.1-6 日本自然保護協会クマゲラ調査団、赤石川流域で調査活動を実施。
1986 S61. 5.15 青森県議会の代表が環境庁を訪れ、白神山地のブナ原生林を国の環境保全地域に指定するよう文書を提出し、陳情。
1986 S61. 5.26 日本自然保護協会は環境庁、林野庁の両庁を訪れ、「白神山地のブナ林生態系の保全調査報告書」を提出し、青秋林道の建設中止を要望。さらに国連のMAB計画に基づく生物圏保護区として指定するよう申し入れる。
1986 S61. 6. 1 青森の自然を守る連絡会議、白神山地で自然観察会
1986 S61. 9. 2 参議院環境特別委員会が秋田県側青秋林道建設現場を訪れ、白神問題に関する現状調査。
1986 S61.10. 9 青森営林局が白神山地のブナ原生林の施業方針を発表。奥赤石川林道については向う5年間工事凍結を打ち出す。
1986 S61.11.27 秋田営林局、「白神山地森林施業総合調査報告書」に基づいて「地域施業計画」を見直した結果、白神山地の秋田県側伐採面積を当初の約6000haから約3000haに縮小すると発表。
1986 S61.11.28 白神山地のブナ原生林を守る会、林野庁・会計検査院・大蔵省に「青秋林道は国費のムダ使い」として中止を求める要望書を提出。
1987 S62. 3.29 青秋林道に反対する連絡協議会、弘前市で「白神山地を語る会」を開催。
1987 S62. 5. 6 秋田県知事、国有林野貸付申請書及び「保安林解除申請書」を鰺ヶ沢営林署長へ提出。
1987 S62. 6. 8 青森県、赤石川の水源かん養保安林解除に同意する意見書を青森営林局に提出
1987 S62. 6.10 「列島縦断・原生林の夕べ・津軽編」が弘前市で開催。
1987 S62. 6.17 青森県は秋田県に対し、「林道開設に際してはブナ林の影響を最小限度に止めて欲しい」という主旨の意見書を提出。
1987 S62. 6.19 白神山地のブナ原生林を守る会、秋田市で「白神山地の夕べ」を開催。
1987 S62. 6.30 会計検査院が白神問題の調査にのりだす。
1987 S62. 9. 5 青秋林道に反対する連絡協議会、保安林解除に反対を訴えるチラシを鰺ヶ沢町で配付を始める
1987 S62. 9.27 青秋林道に反対する連絡協議会と「西教組」が中心となって、「白神山地と地域を語る会」を鰺ヶ沢町で開催。赤石川源流での青秋林道建設に伴う水源かん養保安林の指定解除に反対の声が多数噴出し、問い詰められた今西助役は苦し紛れに「地元にメリットがない。」と発言。
1987 S62.10.19 青秋林道に反対する連絡協議会、赤石川流域の各集落で反対集会を開始。
1987 S62.11.05-13 白神山地の保安林解除に反対する異議意見書一万三千通を提出
1987 S62.11.07-08 第8回東北自然保護のつどいが秋田市全逓会館で開催された。秋田・青森両県知事に対し青秋林道凍結を求める要望書を提出することを決議。
1987 S62.11.11-13 上記により広域基幹林道青秋線工事凍結についての申し入れ書を、秋田県知事、青森県知事に提出。
1987 S62.11.14 「列島縦断・原生林の夕べ・秋田編」を秋田市文化会館で開催。映画とギター(佐藤正美)とトーク(椎名誠と中村征夫)
1987 S62.11.27 自民党青森県議団の議員総会で北村知事は「青秋林道建設でメリットが得られるのかどうか判断がつかない」と開発効果に疑問をなげかける。
1987 S62.12. 3 青秋林道に関するテレビ討論会NHK。青森県治山課長、西目屋村長、鰺ヶ沢町助役、牧田弘大教授、根深誠。
1987 S62.12.10 青森県内の林業関係団体「青秋林道の促進方」を知事に陳情。
1987 S62.12.14 青秋林道促進期成同盟会の顧問・田沢吉郎代議士「急な着工は避けるべきだ」と慎重姿勢を示す。
1987 S62.12.22 青秋林道建設をめざす「青秋林道の意義を考える町民集会実行委員会」秋田県庁を訪れ、2401人の署名を添えた建設促進の要望書を知事に提出。
1988 S63. 2. 5 白神山地のブナ原生林を守る会、秋田県知事と自民党秋田県連政調会長に「林道工事凍結と白神山地1万6000haのMAB計画指定を求める要望書を提出。
1988 S63. 4. 8 林野庁は青秋林道建設補助金(63年度分)を保留することを決める。
1988 S63. 6.11 「列島縦断・原生林の夕べ・津軽編」を弘前市で開催。ゲスト(椎名誠)
1988 S63. 8. 9 青森県工藤農林部長と秋田県原農林部長が秋田県庁で会談。工藤部長は本年度建設凍結を表明。
1988 S63.10.14 美しい八甲田山を子供たちに!県民の会の主催で「白神山地・映画と津軽三味線とおしゃべりの集い」を青森市で開催。
1988 S63.12.7 全国12ケ所に「森林生態系保護地域」の設置が提言される。林野庁の諮問機関「林業と自然保護に関する検討委員会」
1989 H 1. 1.18 青森県工藤農林部長と秋田県原農林部長が東京で会談。白神山地森林生態系保護地域に関する線引きが終わるまで林道建設を中止することを決める。
1989 H 1. 4. 5 白神山地森林生態系保護地域設定委員会の委員に自然保護団体から複数の人員を入れるよう白神山地のブナ原生林を守る会が秋田営林局に申し入れ。
1989 H 1. 4.11 林野庁は国有林内の保護林制度の再編・拡充に関する通達を全国14営林局長に出し、全国12地域を「森林生態系保護地域」に指定。
1989 H 1. 8.28 青森営林局、設定委員会と小委員会の初会合を青森市で開催
1989 H 1. 8.31 秋田営林局、設定委員会と小委員会の初会合を秋田市で開催
1990 H 2. 3.15 秋田県青秋林道の工事断念を表明。
1990 H 2. 3.29 林野庁、青森・秋田両営林局から提出されていた白神山地森林生態系保護地域(約1万6970ha。内青森県側1万2630ha。)の設定案を承認
1990 H 2. 5.19 白神山地のブナ原生林を守る会総会および白神山地のブナ原生林保護を祝う会開催。秋田市。
1990 H 2. 6.10 「白神山地のこれからを考える会」が弘前市文化会館で開催。青秋林道に反対する連絡協議会解散会。基調講演、沼田真日本自然保護協会会長「世界遺産条約と白神ブナ原生林について」
1990 H 2. 7.12 日本自然保護協会「世界遺産条約の早期批准に関する意見書」を国に提出。候補地は白神山地のブナ原生林と南西諸島の特異な生物相およびその生息地。
1990 H 2.10.13-15 「ブナ・原生林・自然を守る全国集会」が盛岡市で開催。
1991 H 3. 1.12 日本自然保護協会、世界遺産条約に関する国際セミナーを東京都建設会館で開催。
1991 H 3. 3. 6 北村青森県知事、青森県議会一般質問で「世界遺産の登録候補地に白神が挙がっていることについて国と協議する考えがある」と答弁。
1991 H 3. 10. 9 愛知環境庁長官、白神山地を現地視察、国の自然環境保全地域に指定する方針を明らかにする。
1993 H 5.12. 9 第17回世界遺産委員会(コロンビア:カルタヘナ)白神山地と屋久島地域を自然遺産として、世界遺産リストに登録
1994 H 6. 2.25 青森県自然環境保全審議会「白神山地保全・利用基本計画」を承認、「入山規制」を提唱
1994 H 6. 5. 5 「白神山地NGO会議:青森・秋田県」が結成。

このデータは、根深誠氏の編著「森を考える−白神ブナ原生林からの報告」の巻末資料にその多くを得ています。多くの動きの中から重要なものを抜粋しました。表の「」マークは、重要な動きを現しています。