なぜダムは劣化するのか

「砂防ダムいらない?渓流保護ネットワーク」代表 田口康夫氏の見解

 東北自然保護保護の集い鰺ヶ沢大会にパネラーとして参加した「砂防ダムいらない?渓流保護ネットワーク」代表の田口康夫さんから、あらためてダムの老朽化の原因に関してのご意見をいただきました。
赤石堰堤のコンクリートの崩壊を点検する田口氏

前略
   赤石ダム(堰堤)の老朽化の件ですが、
ひび割れの修理(割れ目にコンクリートを詰めた)が成されたと聞いています。
  ダムの安全性に関してはどのような説明を受けたのでしょうか。
 
亀裂の入った原因や亀裂の深さのエックス線判定などの報告があったと思いますが、その内容を教えてください。
  というのは、その原因がアルカリ骨材反応や中性化反応などのコンクリート内部から生じたものか、水分が外側から入り凍結してできたものなのか、他の原因なのかを明らかにしておく必要があると思います。
  今の修理に対する安全性の根拠をはっきりさせておかないと、今後不安が残るのではないかと思われます。
  もちろん、ただ単に亀裂を覆い隠すだけの上塗りだけですまされているだけなら何等の解決にもならないと思います。
田口康夫


 1.コンクリートの寿命

一般にコンクリートは70〜100年で寿命がくると言われている。その原因として次のことが上げられます。

A.疲労・摩耗
 土石流がダム壁に何度も繰り返し力を加える、また土石のヤスリのような働きでコンクリート表面を削っていく。
B.劣  化
 凍結と融解の繰り返しで細かい隙間を大きく広げていく。
C.中性化
 セメントが二酸化炭素と反応して炭酸カルシウムとなり、コンクリートが酸性側に傾き、中の鉄筋が錆びはじめていく。
D.塩  害
 塩素イオンが鉄筋を錆びさせる。錆びはもとの体積の2〜4倍となり、ヒビ割れなどを起こさせる。
E.アルカリ性骨材反応
 骨材のシリカ、シリケート、炭酸塩により、アルカリシリカ反応などが起こりゲルが生じる、これが水を吸って膨張し、ヒビ割れが起きコンクリートの強度が弱まる。
以上のことが相互的に進んで寿命がくる。大きなダムが破壊すれば、土石流災害の供給源となってしまいます。

田口さんへ
 
  貴重なご指示感謝いたします。今後ともよろしくお願いします。

1.ひび割れの修理(割れ目にコンクリートを詰めた)が成された
 わたしたちも修理がされたということは聞きました。視察に行った際にも、亀裂に赤丸印を付けていたことから、早かれ、遅かれ、修理がされるものと考えておりました。修理がされたというのは現地からの情報でして、東北電力からなんらかの発表等があったとは承知しておりません。赤石ダムの修理をしたとの報道もされておりませんし、正面の塗装程度と考えております。
  このことにより、赤石ダムの寿命が延びたなどとは到底思えません。
2.亀裂の入った原因や亀裂の深さのエックス線判定などの報告
 
上記のような状況ですので、このことについても、東北電力側からの報告などありませんといってよろしいと思います。

  この前の6月青森県議会で三上議員が一般質問をされているという情報をいただきました。質問内容と県の答弁について、わかりしだい、また掲載させていただきます。


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