隣国の火傷病

 

▼隣国の韓国に昨年に続いて火傷病が発見されたという。昨年、緊急防除が実施されたというが、撲滅できなかった。まさに病害の怖さを感ずる。なんとか今年の対策が功を奏して、フリーゾーンになることを祈っている。

▼我々が輸入反対運動を展開した大きな一つの理由が、輸入が拡大していくと水際での検疫が疎かになり、未侵入病害虫が侵入してくるのではないかという恐れを持っているからである。現実に戦後侵入してきた黒星病によって、産地は膨大なコストを負担している。一度侵入を許すと、犠牲を払っても撲滅することは面倒である。このような汚染が、再びあってはならない。

▼それが隣国に侵入し、我々の懸念が決して絵空事ではないと思っている。火傷病は各国が重要病害に指定し、その侵入を許さないという体制をとっていると聞いているが、このようにして世界中に拡散している。隣国の事情が、そのまま我が国に通用するとは思っていないが、次は我が身という怖さを感ずる。

▼我が国の植防関係者は、一層の身を引き締めて検疫に当たってほしい。そして隣国への侵入の経路をしっかりと把握してほしい。侵入の経路がうやむやであると、その対策もとれない。時折反日感情が高まる隣国のことであるから、科学的な検証も面倒ではあろうが、ぜひともお願いをしたい。

▼何よりも植防体制を掻い潜るような愚かな行為を生産者がしてはならない。各国に汚染していった最大の原因が、穂木や苗木の移動によると聞いた。検疫をしないで、果実や穂木などを我が国に勝手に持ち込むことは、まさに自殺行為である。