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SR−100の修理調整 鉱石ラジオとラジオ少年 TU−896の回路図
通信型受信機 JRC NRD-20,NRD-93/NDH-93,アンリツ RG53A 船舶用電力管 P250
MIZUHO RX-9S短波受信機 組立説明書(回路図を含む) PDFファイルも利用可能

スター SR−100型 2バンド 4球スーパー受信機
【お宝ラジオ】
2001年7月、知人に古い真空管ラジオでお宝的なものがないかと聞いたところ、倉庫に転がっているのがあると持ってきていただいたのがこの受信機であった。
Star : 4 Tubes Superheterodyne Receiver  回路図は下の画像をクリックすると表示される。
STAR SR-100型 2BAND 4球スパーラジオ、クリックで回路図へ 
受信周波数: 535kc〜1605kc & 3.5MC〜10MC (kc=kHz, MC=MHz)
使用真空管: 6BE6−6BA6−6AV6−6AR5  整流器はシリコン・ダイオード
 とりあえず、電源を入れて受信機を動作させて、中波帯のローカル放送(弘前市 NHK1:846kHz、NHK2:1467kHz、RAB:1215kHz)を受信して見る。受信周波数とダイヤルは一致していないが、感度が極めてわるいだけで受信はできた。何とか動作はしているようだ。パイロットランプが点いたり、消えたりしている。短波帯は受信不可能であった。ボリュームはガリオームで回転すると「ガリガリ、ザリザリ」とスピーカーからいやな音がでてくる。
修理調整
 昭和38年(1963年)頃の製品のため、全体的に汚れがひどい。パネル面の洗浄とツマミ類の洗浄およびシャーシを清掃した。乾燥、組み立て後、まずはパイロットランプを6.3Vのものから8.0Vのものに交換して完了。
1.455kHzの中間周波トランスの調整
 感度が悪いのはITFの調整不良が原因であろうと思い、調整しようとしたところ、ダストコアのネジが効かないため、調整ができなかった。そこで、ストック中の自前の中間周波トランス(IFT:Intermediate Frequency Transformer/TORIO社製)と交換、調整をして完了。この時点で感度良好となり、ローカル放送がジャンジャン受信できるようになったが目盛りと受信周波数は一致しない。
2.真空管を全て交換
 バルブチェッカーが無いので、確実な方法として古いmT(ミニチュア)管を手持ちの新しい真空管と全て交換した。(mT管の在庫は豊富なのです) ついでに音量ボリューム(500kΩ/B、電源スイッチ付き)も新品と交換した。
3.トラッキング調整と単一調整
 中波帯は600kHzと1400kHzの二点調整を実施。短波体は4MHzと9MHzで調整した。その結果、短波帯はダイヤル目盛りと受信周波数は一致したが、中波帯は一致しなかった。共に高い周波数で単一調整をして終了した。
4.中波帯のトラッキング調整
 中波帯のダイヤル目盛りが一致しないのは、局部発振回路のパッディング・コンデンサー(Padding Condenser)が固定で500pFとなっているため、トラッキング調整が上手く行かないと判断。380pFのフィルムコンデンサーに変更した。その結果、700kHzから1400kHzまでは50kHz程度高めだが、許容できる程度まで追い込むことができた。しかし、700kHz以下は、受信周波数よりも低いダイヤル指示値となった。でも、私が住んでいる弘前市では700kHz以下の放送局は存在しないため、現在の状態で使用することとした。無理をしてOSCコイルとパッディングコンデンサーを交換する必要もないだろう。ずれているのもご愛嬌と言うものだ。(^^;
5.CODEの発振レベル調整
 この受信機はVOICE/CODEの切り替えができ、CW受信が可能となっている。そこで7MHz帯のアマチュア無線を受信してSSB(Single Side Band:単側波帯)の復調を試みた。「ガリガリ、ザザサァー」でさっぱり駄目であった。回路を見ると、6BA6の2番ピン(G3)に2kΩの固定抵抗が接続されており、VOICE側ではスイッチで短絡され、CODEではオープン(開放)されることでBFO(Beat Frequency Oscillator)の役目をさせていると判断した。そこで、5KΩのボリュームで最適な抵抗値、きれいにビートが掛かる点を調べたところ、1.2kΩが適当であると判明した。回路の2kΩを1.2kΩに変更してSSBを受信、そこそこ、まぁまぁ使える状態となった。現在は快調に動作している。
6.動作良好
 主に、中波の放送やラジオ短波(NSB:6055kHz、9760kHz、9595kHz)、NHK国内中継(9550kHz)を2mのビニール線室内アンテナで受信している。夜間は、標準電波のWWVH(ハワイ)、BPM(中国)「8MHz、10MHz」が受信できるので楽しい。残念ながら日本のJJY(5,8,10,15MHz)報時・標準周波数局の短波帯は廃止となって長波帯の(40kHz)のみになってしまった。ハムバンドの7099kHzのSSBも結構な復調である。(^^)
【真空管ラジオと私】
 数年前に「ELEHOBBY」でレトロ調の真空管ラジオの組み立てセットが売りに出された。それが「TU−896真空管ラジオキット」であった。それまで、真空管ラジオなんてもう作らないと思っていたのだが、このキットを見て「ラジオ少年時代」を思い出し、無性に真空管でラジオを作って見たくなってしまった。幸い、昔から保存しておいたGT管もあったので2セット購入し、mT管仕様とGT管仕様(6F6−6SQ7−6SK7−6SA7等)を作った。100Wの半田ごて、手回しのドリル、シャーシーパンチやリマー、ベークの調整棒、100Vレンジ以上のテスター、ISOネジでないナット回し、マイナスドライバー等を久しぶりに使った。

 これが原因で現在も430pFの2連バリコン、OSCコイル、並四コイル、パッディングコンデンサー、GTソケット、mTソケット、中間周波トランス、電源トランス(SEL)、アルミシャーシ、mT真空管、ツマミ類、ラグ板、トグルスイッチ、カーボン抵抗、オイルコンデンサー等を2セット分程度ストックしている。今回のSR-100の修理にはこのTU−896の回路図とストック部品、[昔の回路図]があったので大変役に立った。測定器(出力計、テスター)や標準信号発生機(Anritsu:SSG MG649A 0.1-2000MHz)は勤務先のものを使わせていただいた。(^^;
左から、6L6G-5Z3-UY807-4H72水銀整流管-2E26  私が「ラジオ少年」だったころは、ST管の時代で「6WC5−6D6−6ZDH3A−6ZP1−12F」の五級スーバーが全盛であった。でも再生受信機(6D6−6C6−42−80)も結構見られたことを覚えている。

 私が高校生になった昭和35年頃からmT管が主流となり、船の通信士になったころはトランジスタ、しばらくしてICへと変化して行った。そのため、真空管もトランジスタもICも扱うことができるのである。
左から、6L6G(低周波電力増幅管)、5Z3(両波整流管)、807(高周波電力増幅管)、4H72(熱陰極水銀整流管):ヒーター電圧:5V,7.5A 加熱時間:30秒 直流出力:3000V/2.5A、2E26(電力増幅管)
5球ス|パ|用真空管 mT管 GT管 ST管 種 別
6BE6 (7 pin mT) 6SA7 6WC5 周波数変換管(七極管)
6BD6・6BA6 6SK7・6SD7 6D6・6C6 リモートカットオフ五極管
6AV6 6SQ7 6ZDH3A 双二極三極管
6AR5・6AQ5 6F6・6V6 6ZP1・42 電力増幅管(五極管・ビーム管)
5MK9・6X4 5Y3・5U3・5V4 12F・80・80HK・BK 電源整流管(二極管・双二極管)
6M−E5 6E5 同調指示管(マジックアイ)
ストック中のmT管の製造メーカー:
DUMONT (Astrex, Inc. 150 fifth Ave. New York 11 N.Y. U.S.A.)
NATIONAL ELECTRONICS   RSD:ROHREN VON WELTRUF  RCA
International C SERVICEMASTER  General Electric
日立、東芝、NEC、双葉電子工業、ナショナル、SANYO、TEN(神戸工業)等

※左の画像は各メーカーが製造したmT管が入っている化粧箱である。東芝とナショナルは箱が時代と共に変わっている。(^^;

※mT管の在庫は結構あります。GT管は使用済みで在庫が極少となりました。
昭和38年(1963年)ころにTransistor Radioで使われたトランジスタ(主にNEC)
高周波増幅 周波数混合 中間周波増幅
局部発振
直線検波 低周波電圧増幅 低周波
電力増幅
2SA213
2SA85,etc
2SA153
2SA160,2S30
2SA154,2SA157
2SA214,2S31
SD46
1NA4,OA7Q
2SB112,2SB113,2S32
2SB77,2SB170,2SB175A
2SB115
2SB250,2S33
青森放送八戸放送局 JOGO TV-11ch BC-1430kHz(元1060kHz)のベリカード【鉱石ラジオとラジオ少年】

 小学校5年(昭和30年/1955年)ころ、鉱石検波器、スパイダーコイル、マグネチックレシーバーおよび単連バリコン(430pF)をつかった「鉱石ラジオ」を作ったものであるが、その後、ゲルマニウムダイオード、クリスタルレシーバー、並四コイルを使用できるようになったことで感度がアップし、短波帯の「ゲルマニウムラジオ」を作って「アマチュア無線」の交信を聞いたことを覚えている。このころから、真空管(ST管)の4球、5球スーパーラジオを作り出したのであった。まさに「ラジオ少年」であった。
青森放送 JOGR TV-1ch BC-1230kHz(元1120kHz)のベリカードこの当時の青森県内のラジオ放送局は、
・790kHz NHK2弘前 500W JORC 弘前市馬喰町65
・960kHz NHK1青森 1kW  JOTG 青森市花園町163
・1060kHz ラジオ青森 100W JOGE
 (弘前の中継局) 弘前市堅田字宮川29の3
・1060kHz ラジオ青森 100W JOGO
 (八戸の中継局) 八戸市根城字番屋平35の2
・1120kHz ラジオ青森 1kW  JOGK 青森市松森字福田72
・1440kHz NHK1弘前 500W JORG 弘前市馬喰町9の4
・1510kHz NHK2青森 500W JOTC 青森市花園町163
「備考」
 青森県でのテレビジョン放送開始は、昭和34年3月22日のNHK1(JOTG−TV・3ch)、昭和34年10月1日、ラジオ青森(RAB JOGR−TV)1chであった。私が中学2年のころであったが、高価でとても買う事が出来るものではなかった。大卒の初任給が1万2千円前後の時、14インチの白黒テレビ受像機の組み立てキットが3万円程度、完成品は5万円以上もしていた。
真空管(mT管)ラジオ TU−896型
ELEHOBBY TU-896型 真空管ラジオ 【mT管ラジオ TU-896】
 いまさら、ST管のラジオを組み立てる気はしない(真空管が高価で保守に難があるし、ソケットも入手困難になってきている)。GT管シリーズとmT管シリーズの4球スーパーとSR−100があれば十分だ。

エレホビーのTU−896真空管ラジオに「同調指示器・マジックアイ(6M−E5・ナショナル製)」とバーニアダイヤル(50mmΦ)を付けて喜んでいる。80HK、80BK、5Z3、12F、5MK9、6X4、5U4GBなどの整流管は効率が悪いのでシリコンダイオードにしているが、持っているのでヒーターに5Vの電圧を加えて眺めて楽しんでいる。
TU−896を斜め上から写したもの 真空管ラジオTU−896を背面から写した
右下に見えるのがマジックアイである
左の画像の右下に見えるのがマジックアイである。その上が周波数変換の6BE6で、左側に同調コイルと親子バリコンが見えている。
【TU−896型ラジオの基本仕様】
使用真空管:V1 6BE6(or 12BE6)  V2 6BA6/6BD6(or 12BA6/12BD6)  V3 6VA6(or 12AV6)  V4 6BM8
受信周波数:530kHz〜1600kHz
受信方式:スーパーヘテロダイン方式
音声出力:0.5W/4Ω負荷
電源電圧:AC100V 50/60Hz 消費電力:35W
TU−896真空管ラジオは、1990年頃に福岡市にある嘉穂無線・エレホビー事業部が販売した組立キットで、6BE6・6BD6・6AV6・6BM8のmT管で構成されていた。整流管を使用しないでシリコンダイオードを使っていたために4球スーパーとなっている。私は、出力トランスとプレート負荷抵抗の関係で6BM8(5.6kΩ)の代わりに6AR5(7kΩ)を用い、マジックアイ/6ME5を追加して楽しんでいる。
他に、5球スーパー回路図にGT管シリーズ(6SA7・6SK7・6SQ7・6F6)に改造した真空管ラジオTU−896を掲載している。整流管5Y3−GTの画像と規格も掲載した。
TU−896型真空管ラジオ回路図
 6V6−GT(米国:RCA社製)の黒光りするMT(メタル)管や6F6のGT管は見ているだけでも昔が偲ばれる。807、6L6−GTなども懐かしい。私がアマチュア無線を開局した当時は、発振が6AR5の水晶発振で電力増幅が807、変調は6L6シングルのハイシング変調であった。マイクの増幅は6C6×2本で6L6、電源が5Z3となっていた。受信機は、高一中二(高周波増幅1段、中間周波増幅2段「高校1年、中学校2年」ではない)のmT管シリーズであった。アンテナは、逆Lとカウンターポイズで3.5/7MHzのAMで運用していたものである。

 最近のCPU内蔵受信機、ディジタル受信機には手がつけられない。アナログの144MHz帯の八重洲トランシーバー、FT−221を現在も愛用している。保守が可能であるから長く使っていられるのだと思う。FT−100DとかFT−850・FT−757は故障するとメーカー送りが常識となってしまっている。そう言えば最近の自動車のエンジン回りもそうなってしまった。手を入れる隙間もないほど電子制御装置や排気ガス制御装置がぎっしりと詰まっている。

 まぁ、自分で作って楽しめるのは、アンテナ部分や真空管、簡単なトランジスタ・ICのアクセサリー程度となってしまったのは寂しい限りである。携帯電話やインターネットの爆発的な普及で「趣味の王様・アマチュア無線」もすっかり影が薄くなってしまったのは時代の流れとは言え、もっと寂しく感じられる。「ラジオ少年」が増えない限り、この趣味の復活も望めない。「もの作り」、「技術立国」を忘れた国はまことに残念であるが益々すたれるばかりであろう。
船舶送信機用電力増幅管】 P250・P250A
船舶の花形、P250電力増幅管(500W)  最後に、目の保養のために船舶で使用されていた中波から短波までの万能電力増幅管である「花形送信管 P250」を紹介する。これは、JBFB(祥川丸)の予備送信管であった。外国に売船されたため員数外で廃棄処分となった電力増幅管である。

送信用五極自然空冷管(C級電力増幅:P250)


・ヒーター(F)電圧:12V、ヒーター(F)電流:8.5A
 最大周波数:25MHz
・プレート電圧:2500V プレート電流:500mA
 プレート入力:1250W 損失:450W
・第二グリット電圧:500V 第一グリット電圧:-200V
 出力:630W 励振電力:6W
(P250A)プレート電圧:3000V プレート入力:1500W
・サイズ:高さ 約22.5cm 幅 約11.5cm
 この電力管1本で中波及び短波帯で500Wの送信出力が出せる。私が船舶通信士時代、公私共にお世話になった送信管である。(^^)

日本無線製(JRC)のもので製造番号5148番(昭和28年10月21日)に製造検査され出荷になった真空管(送信管)である。
 船乗り時代の懐かしい思い出、記念品として私の無線室に飾っているものである。この送信管を見ていると海上移動業務で頑張った日々が走馬灯(回り灯篭)のように思い出されるのである。ちなみに、船舶通信士時代に扱った短波帯の船舶(業務)用通信型受信機は、日本無線(JRC)製のものが多かった。
 昭和40年(1965年)に乗船したが、NRC−104F(500kHz帯中波専用受信機)、NRD−130E(全波受信機)、NRD−134B、NRD−142、NRD−143、NRD−2、NRD−5J型SSB全波受信機などであった。(ここまでが真空管方式受信機)
JRC NRD-20  陸上に転職した昭和50年(1975年)からは、NRD−1、NRD−142、アンリツARR−5605であり、現在、勤務先で使用中の業務用受信機は、NRD−20、NRD−93(NDH−93)、アンリツ RG−53Aである。
 アマチュア無線は昭和36年(1961年)の開局で、真空管で動作していた受信機は、トリオ9R−4J、9R59、JR−60全波受信機、DELICA(三田無線)のDX−CS−7を使用した。

 以下、半導体と真空管が混在した受信機で八重洲のFRG−7、以下トランシーバーとなり、FT−200、FTDX−100、FTDX−400、FT−101、コリンズ(Collins)のKWM−2、オールソリッドステートの装置として、八重洲無線のFT−107、FT−757、FT−850、FT−100Dで現在にいたっている。 
Good luck and Very best 73 & 88!   de JA7BAL H.Sato.  Sept.10th,2001.
JRC NRD-93 & NDH-93
Anritsu RG53A 現用中の通信型全波受信機 左画像の上から、

JRC NRD−20
JRC NRD−93 with NDH−93
Anritsu RG53A
【参考文献】
1.発行人:金山豊作 「電波技術」 (第9巻 第1号 通巻103号) (株)電波技術社
定価 本誌共 180円 地方価格185円 「電波技術」1月号付録 東京都新宿区市ヶ谷田町2−10
「’61設計・製作ハンドブック」 新年号別冊付録 昭和36年1月1日発行
印刷所:勝田印刷株式会社、千代田出版印刷株式会社、銀座光村印刷所
2.難波田 了(JA1ACB) 編纂 「アマチュア用 最新 電子管規格表」 CQ出版社 (昭和41年1月)
3.難波田 了(JA1ACB) 編纂 「アマチュア用 送信用真空管規格表」  CQ出版社
<付 受信用真空管規格表(補)> 昭和43年1月発行
4.編纂委員会代表者 星合正治 「無線工学ハンドブック」 (株)オーム社 (昭和47年1月20日発行)
※文中で使用した商品名および会社名は、それぞれの会社の商標または登録商標です。
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