津 軽 語 談 議
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このページは、私の津軽語関連ページの補足説明を兼ねて設置しました。
津軽語についての私見や最近の話題等を肩の凝らない内容で書いております。
Since 24/07/2000. - Last Updated:February,09th,2004.
津軽語の作品は、このページ以外に短歌や俳句等と共に「私の文芸コーナー」でも扱っている。
1 タバコを飲む? 9 学級崩壊と不登校 17 にすめっこ 25 「まで」は丁寧か?
2 ほどんと? 10 子育て(方言教育) 18 わがね? 26 「飲まねぇ」って?
3 こづつみ小鼓 11 ねぷた」と「ねぶた 19 けやぐ(仲間) 27 「あずましい」の意味
4 にだる(煮立) 12 はぐらん(熱中症) 20 かれー談議(鰈) 28 「せ」は「へ」と発音
5 めんじゃ(台所) 13 えんかぬげる 21 共通語と標準語 29 「もつけ」は津軽衆
6 けっつめる 14 がんじょま頑丈馬 22 「地図」と「知事」 30 津軽語の語尾
7 方言撲滅運動 15 すっけべぇ!助平 23 「い」と「え」の発音 31 津軽語の家族呼称
8 全然とじょで 16 よね薬(酔止薬) 24 「とろける」 32 人体各部の名称
33 津軽の地名 34 小銭は何故「だら」なのか?
35 「じゅす」は「ジュース」のこと 36 「ハートのぽ」は「ハートのAce」
37 「へっちょべ」と「べっちょ」について 38 「まいね」の表現について
NIFTYサーブの青森フォーラム、8番会議室「文芸・(方言・・・文学の部屋)」からのコメント集
T 13.「えんかぬげる」へのコメント
12.「はぐらん」 & 34.「小銭はだら」を含む
U 14.「がんじょま」は「頑丈な馬」なの?
  へのコメント
V 36.「ハートのぽ」は「ハートのAce」なのだ W 19.「けやぐ」は「仲間」へのコメント
X 最近、方言を扱った番組が多くなりましたね Y からぽねやみ & したばってふるなぁ・・・
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1.「タバコを飲む(呑む)」か「吸う」か?

 津軽語では、タバコを吸うことを「タバコを飲む」と言う。煙を吸うのだから、「吸う」が正しいと思うのだが、タバコを吸う人のことを「タバコ飲み」と呼んでいる。「ビールを飲んで、タバコも飲む」ということになる。でも、津軽の人は誰も不思議だとは思わないのである。津軽の言葉のいい加減さがここにはある。

 また、灰皿に入っているタバコの吸殻のことを「うるめっこ」といって、爪楊枝などで刺してタバコを切らしたときなどに吸っている。「うるめっこ」は小魚の「うるめ鰯」から来ているのではないかと思っている。津軽の西海岸地方では「うるめ鰯」を乾燥させて「調味料・だし(出汁)」として用いることが多い。乾燥して様々な形に曲がった小魚の姿が、捨てられたタバコの吸殻の格好に似ている事から、このように言われているのではないのだろうか?。

 しかし、航空機や列車や駅のホーム、病院、公共機関などでは禁煙となっている場所が多くなってきた。愛煙家にとってますます肩身が狭くなってきている。あ〜ぁ!、禁煙、絶煙、節煙、断煙、休煙、が頭に浮かぶ今日この頃であります。

ちなみに、
(1)禁煙:喫煙を禁ずる。
(2)絶煙:煙と絶縁する。
(3)節煙:吸うタパコの本数を減らす。
(4)断煙:喫煙を断つ。
(5)休煙:一時的に喫煙を休む。
その他に、親煙、愛煙、喫煙などと「煙」にかんする単語が多い。ということは、それだけ、タバコを吸うのを止めるのは難しいということなのですかね。

2.「ほとんど」か「ほどんと」か?

 津軽では、共通語の「ほとんど」のことを「ほどんと」とも言う。どちらを使っても違和感がない。「ほどんと来ない」でも「ほとんど来ない」と言っても皆が理解してくれる。つまり、

◎言語(言葉)に対して厳密な考え方が無いためだろうか?。
◎方言は寛容なのであろうか?。
◎これが方言の温かみに通じているのだろうか?。
◎他人を思いやる心に繋がっているのであろうか?。

 共通語ではとてもこんな言い方はできない。「ほとんど」はあくまでも「ほとんど」でなければならないのである。しかし、どこの方言でも多かれ少なかれいい加減さはある。それが方言の特徴でもあるのだろう。

 この肝要さが「あらゆる意味で疲れた人」の足を北に向けさせるのであろう。色々な競争に負け、生活に疲れ、恋に破れ、人生に悩み、健康を害した人たちは本能的に北に向う。 ・・・敗北・・・とはよく言ったものである。

3.「小鼓」と「小包」

 これもそうだ。「こづつみ」も「こつづみ」の区別がない。郵便屋さんが自宅に「小包」を配達していったとしても、「こつづみ」が来たと言っても「こづつみ」が来たといっても、誰も気にしないのである。「小包」でも「小鼓」でもよいのである。いい加減だと言われても仕方が無いが方言の面白いところである。

 小鼓にとっては迷惑千番であろう。英語の「Packet・小包」はあくまでパケットでしかないのである。これを「バケット・Bucket」と発音したのであれば、「バケツ」となり、全く別な意味になってしまうのである。その点、津軽語は厳密な発音にこだわらない。(こつづみ)でも(こづつみ)でもよいのであるから。

4.「にだる」は「煮立つ」か?

 炊事をしていて鍋が煮立ってくることを「にだる」と言う。しかし、大変話が面白いときや漫才・落語を聞いて可笑しい、面白いときにも「にだる」とか「にだてまる」と言う。「あの人の話、面白くて(にだてまった)」などと言うのである。

 芋などを煮ていて沸騰し始めると、芋が鍋の中でコロコロ転がっている状態が、人が笑い転げている状態に似ている事から来ているのではないかと想像している。ストレスが溜まると健康に良くないから、時々「にだる」くらい笑ってストレスを発散しようではないか。

5.「台所」を「めんじゃ」と言う訳

 津軽では、「台所」の事を「めんじゃ」とか「流し」と呼ぶ。「水屋」が訛って「めんじゃ」となったという説が有力である。料理をして水を流したり、洗い物をして水を流す、水を扱う所だから「水屋」、「流し」とするのが妥当なところであろう。

 しかし、「女座」が訛って「めんざ」→「めんじゃ」となったと言う説もある。昔から、台所は女性が中心となって炊事洗濯をした場所であり、男子禁制の場所であったのであれば、「女の席・女の座→女座」という説も一概に間違っているとは言えないのではないだろうか。

6.「けっつめる」と「お尻が見える」?

 津軽語には同音異義が多すぎるのである。「けっつめる」=「躓く・つまづく」の意味であるが、「お尻が見える」ことを「どんずめる」という。しかし、最近は共通語の影響を受けて「尻・けつ」をそのまま用いて「けっつめる」とも言うようになった。そこで、「けっつめる」といわれても「お知りが見えるのか」それとも「躓いてしまったのか」、その場の様子によって判断するしかないことになっている。

 同音異義と言えば。「かっちゃ かっちゃましたはんで かちゃくちゃねぐなってまった」なんかも面白い。「かちゃ」という発音が連続していて面白いのであるが津軽語のなせる技であろう。
「かっちゃ(お母さん)、かっちゃましたはんで(かきまぜてしまったので)、かちゃくちゃねぐなってまった(頭が混乱して分からなくなってしまいました)」と訳すのですがね!。
(^^;
7.方言撲滅運動と教育

 私たち「団塊の世代」は、小学校の頃(昭和30年代)に「方言撲滅運動」の影響を受けた。つまり、登校後は「津軽弁」を話すことを禁じられたのである。担任の先生が「津軽弁訛りの標準語」を話していたのを今でも鮮明に覚えている。方言を校内で話す事を禁止した教育は、就職を受け入れる関東、関西方面の企業からの要請があったからだと聞く。すなわち、東北地方からの若年労働者が就職したときに「方言」で話されたのでは困ってしまうことになるからである。「金の卵」と言われ、集団就職列車で上京したときに「標準語」を話せなければ困るだろうと言うことからでもあったろう。

 その教育方針は効果絶大であった。現在では「方言を話すとレベルが低い、教養が無い、卑しい奴だ」と言われ、地域でも容認されてしまっているためか、自然と方言は話さなくなってきている。昭和30年代に教育を受けた我々が親になってからも、子供達とは津軽弁で会話しないようにしていたし、「いじめの対象」となるから学校では標準語で話すように教えたものであった。

 自分の子供の孫の時代となれば、全く津軽弁を話さなくても不都合は無い時代となっているため、津軽弁は衰退の一途をたどっているのが現状である。今の若い人たちに津軽弁を話せと言っても、親の世代が話していないものを話せる訳が無いのである。「方言撲滅運動」で方言を追放した教育は大成功を収めたのであった。

 現在では、そのようなことはなくなっている。それどころか地域の研究だと言って「方言の研究」を取り上げている学校も多々ある。地方の時代といわれるようになってから、「方言」をいつまでも無視する事はできなくなってきているのであろう。
 今になって「しっかりした津軽弁を話せない」と嘆く津軽衆が増えてきているが、なにもその人たちが悪いのではない。話せなくて当たり前なのである。津軽弁を話せなくしてきた「方言撲滅運動」に最大の責任があり、それを素直に受けた、我々「団塊の世代」にも幾分かの責任が無いとは言えないからである。

8.「ぜんぜん」と「じょで」

 私たち「団塊の世代」の者は、「ぜんぜん」と言う言葉は「否定形」につながるものだと思っている。「ぜんぜん駄目」、「ぜんぜん面白くない」、「全然上手くない」、「全然分からない」、「全然聞こえない」、「ぜんぜん見えない」等々である。津軽語の「じょで」も「全然とか全く」とかの意味があり、同じように否定する場合に使っている。

 しかし、最近は「ぜんぜん良い」、「ぜんぜん美味い」とか、「ぜんぜん面白い」というようになった。「断然・だんぜん」であれば意味が分かるのだが「断然」と「全然」とでは意味が違う。

 「じょでまね」(全然、全く駄目です)とは言っても「じょでえ」(全然良い)とは言わない。まぁ、時代に合わせて言葉も変わって行くことは承知しているが、今でもしっくり来ないのである。

9.「学級崩壊」と「不登校」

 これは、津軽語にない単語である。私たちの頃は学級崩壊とか不登校は無かった。先生がそれなりの聖職といわれ、地域から尊敬されていた時代だからであった。先生は友達ではなく「指導者」であったし、家庭においても先生は偉い者だと教わっていたものである。学校に出て来ないと言っても、経済的な理由がほとんどであったので、現在の不登校児童とは全く意味は異なっている。

 兄弟姉妹が多く、学校に行かないと勉強ができないよりも、遊べないほうがいやで学校は休まなかったものである。右手にカバンを持ち、弟を左手に連れ、背中に生まれたばかりの赤ちゃんを背負ってでも登校したものであった。宮崎駿のアニメ「隣のトトロ」の姉と妹の関係と同じで、メイが姉の学校に行って一緒に教室の机に座り、勉強していたシーンを観たが全くそれとおなじ状況にあったのである。

 もし、津軽語(方言)と共通語(標準語)が学校で機能的に使い分けられていたら、今の学校の環境が変わっていたかも知れない。「不登校」も「いじめ」も「学級崩壊」も、今ほどはヒドクならなかったのではないかと思うのであるが・・・?。

10.子育て(津軽語教育に幼稚園を活用)

 現在では、津軽弁を自由に話してよい、共通語は強要しないという幼稚園や保育所が増えているという。私の知人の子供さんの例をとるが幼稚園に入る前は、それなりの共通語で親と会話していたのだが幼稚園に入ったとたんに「ばりばりの津軽弁」を上手く話すようになったと言う事であった。
 その津軽弁の話し方で子供さんの友達の数が想像できるというのである。大変結構なことである。共通語にはない、地域独特の単語を使用することで人との付き合いが上手くいっているのであろう。方言が潤滑油の役目を果たしていると感じたのであった。
 若い奥様も、自分が「しっかりした津軽弁」を話せないのであれば「津軽弁を上手に話す先生がいる幼稚園」を活用して子供さんに津軽弁を勉強させてみてはいかがなものであろうか。

 1994年3月にJICA(国際協力事業団)の派遣でブラジル海外協力に行った帰りのサンパウロ空港での出来事である。私は帰国のために空港の待合室に座っていた。そのときに、日系二世と三世らしき親子の会話を聞くことができた。二世は日本語で話し、三世はポルトガル語で話していたのである。

 二世の方はポルトガル語を理解でき、三世は日本語を話せないが聞くことはできるのだろう。なるほどこんなこともあるのだなぁと感心して聞いていたのであった。

 だとすれば、津軽語も母親が上手く話せないとしても聞くことはできるだろうから、お母さんは共通語で話し、お子さんが「バリバリの津軽語」で話せばよいのではないかと考えているところである。(笑)  皆さんはどう思いますか?。

11.「ねぷた」と「ねぶた」 (倭武多)

 弘前地域は「ねぷた」、青森地域は「ねぶた」と呼んでいる。では、五所川原市の場合はどちらでもないから「ねふた」で行こうかと言う話もある。立佞武多(たちねぶた)は、活彩あおもりのイベントで東京ドームで展示されてから有名になった。

青森のねぶたは、蝦夷征伐に成功して喜び勇んで飛び跳ねながら「らっせらー、らっせらー、」の掛け声を出して凱旋したときの様子を現しているので「凱旋ねぶた」と呼び「人形の姿」(人形ねぶた)となっている。

★弘前のねぷたは、これから蝦夷征伐に向かうときの「進軍ねぷた」と呼び、「やーやどー」の掛け声をかけて粛々と進む扇の形をした「扇形ねぷた」となっている。

五所川原市の立佞武多は、「合戦ねぶた」といわれているから「ねふた」だとよんだらどうだろうかと言うことであった。ちなみに掛け声は、合戦であるから「やってまれ、やってまれー」となっている。

いずれも、津軽の祭りには変わりが無いので「津軽の火祭り・世界の火祭り」として楽しめばよい。

 また、別な説によると「青森市にある地方新聞」が「ねぶた」と書いたので、弘前にある新聞社は「ねぷた」と書いたのが「ねぶた・ねぷた」の始まりであったとも言われている。どちらにしても、津軽の「じょっぱり」(頑固な事)がなせる技なのかも知りませんね。

12.「はぐらん」と「熱中症」の関係

 津軽語では「日射病、熱射病」による熱中症のことを「はぐらん」と呼び、そのような状態になることを「はぐらんおごす」と言うのである。其の病状は、吐いたり(はぐ)、精神状態が混乱(らん)したりする症状がでるために「はぐ(吐く)らん(乱)」というのではとの私見を持っているがどんなものであろうか?。それとも白昼に起きる乱れる症状だから「白乱」とでもいうのであろうか?。自慢ではないが語源を調べた事はない。

 「はぐらん」は、高校生や大学生などの若い世代が起こしやすいと言われている。夏の炎天下や体育館の高い気温(30℃以上、湿度70%以上の条件下)の中でスポーツをすることが多いためであろう。この夏も、炎暑、猛暑、酷暑などの活字が活躍しそうであるから、炎天下では帽子をかぶって「はぐらん」にならないように十分注意しよう。
 (July,24th,2000)
13.「えんかぬげる」と「気が抜ける」

 津軽語では、ビールやサイダーなどの「炭酸飲料」を飲んだとき、ジカジカする感じ(炭酸水の味)がしなくなることを「えんかぬげる」という。共通語では「気が抜ける」というのであるが、なぜ「えんかぬげる」なのかを考えてみる。
 物を飲み下すことを「嚥下」と言うが、そのとき喉を通過するがジカジカ感が無く(抜けている)なっているので「嚥下抜ける」と言い、それが訛って「嚥下脱げる」となったのではないかとの私見を持っている。

 あるいは、飲み下す「飲下」(いんか)ときに、炭酸の味がしないため、「いんか抜ける」。これが訛って「えんかぬげる」となったのではないかとも考えられる。古語に属す事ではないかと思うのであるが、調べたことはない。
(自称、津軽語研究家)
14.「がんじょま」は「頑丈な馬」なの?

 津軽語では、痩せて弱々しい馬の事を「がんじょま」、「がんじょまっこ」と言う。他人をけなす場合や卑下して使う事が多い。「なんぼ力ね、よえもんだ(なんと力の無い弱い者だね)。がんじょまだもなぁ!」と話すことが多い。
 本当の意味は「頑丈な馬」が「がんじょま」なのであろうが、津軽に来るとこれが逆の意味となっている。ちなみに、「馬」は「ま」、「まっこ」と言う。

 頑丈な馬のはずであったのが、長い間に農作業のために過労となり、痩せて力の無い、弱々しい馬になってしまったからなのであろうか。そのために「がんじょま」が「痩せて弱々しい馬」の意味になったのであれば「馬」が可哀相ではないのか?。

15.「すっけべぇ」は「助平」なのか?

 これは現代落語で取り上げられているので、聞いたことがあると思う。東京の人が津軽の林檎園でりんごを食べたときに、顔をしかめたので津軽の人(津軽衆)が「すっけべぇ!(酸っぱいでしょう!)」と言ったのに対して、「俺は助平ではない」と言って怒ったという話を聞いたことがある。

 「め」は「美味しい、甘い、旨い」などの意味であるが、「酸っぱい」は「すっけ」と言うのである。 津軽衆が言った「すっけべぇ」を「助平」と聞き間違えた東京の人を非難する事はできない。
(July,25th,2000)
16.「よね薬」では「わからない」話
 
 津軽衆は、酒に酔うも乗り物に酔うも「よる」と言って、「酔わない」は「よね」と言っている。そこで、東京に出た津軽衆が列車に乗って乗り物酔いをしたので、上野駅に着いてから、薬屋に行って「よね薬けれ!(酔わない薬をください)」と言ったのだそうだが、薬屋さんは「はぁ?、用の無い薬ですかぁ?」と答え、「用の無い薬はここには置いておりませんよ」と言って追い出そうとしたのだそうだ。

 「すたはんで、車さ乗ってもよね薬のごとだね(ですから、車に乗っても酔わない薬のことなのだがね)」と言いなおしたのであるが最後まで通じなかったそうな。ところが運良く、陳列してあった薬の中に見覚えのある薬をみつけ、指差してようやく買う事ができたと言う話を母から聞いたことがある。
 「よね」ではなく「よわない薬(酔い止め薬)」と言えばよかったものをそうは言えなかったのであろう。無理も無い、その津軽衆は私の祖父であったのだから・・・・。

17.「むすめっこ」と「にすめっこ」

 津軽語の発音は、あまり口を開かないので聞きにくいことが多いと言われている。「む」と「に」も口に食べ物を入れて発音すれば聞き分けることは難しい。本家で「煮しめ」をご馳走になった別家の津軽衆が「おめだの にすめっこ なんぼめんだぁ(お宅の煮しめは何と美味いのでしょう)」といったつもりが、本家のご主人には「おめだの 娘めっこ なんぼめんだぁ(お宅の娘さんなんと美味しいのでしょうね)」と聞こえたのだそうです。

 「あだりめだでばぁ めぐね娘っこだば そんだでねねぇ!(あたりまいでしょう おいしくない娘なんかは育てないよ)」と言ったそうな。本家のご主人はなんとユーモアを持ったひとなのでしょうね。怒らずに笑って言ったのでしょうから・・・。

18.「わがね」は「わからない」こと?

 津軽弁と南部弁では「わがね」の意味が全く異なる。同じ青森県だからと言って油断しないことである。八戸を中心とする南部地方では「わがね」は「駄目です。出来ません」の意味である。津軽地方の「わがね」は「わからない。知りません」なのであります。
 そこで「な、わどさげ飲みさ えがねがぁ?(君、僕とお酒を飲みに行きませんか?)」と、津軽衆と南部衆に話し掛けたとします。
【返事】 ●南部衆:「わがね」 (駄目です。行きません)    ●津軽衆:「わがね」 (わかりません。行くかもね)
 
また、「この仕事ができますかね?」とお願いすると
【返事】 ●南部衆:「わがねぇ」 (出来ません)  ●津軽衆:「わがねぇ」 (知りません)

 もともと、津軽藩と南部藩という生活習慣や考え方が違う人種同士を明治政府が一緒にしたのであるから、無理も無いことなのかも知りません。

19.「けやぐ」は「仲間」

 津軽語では、「仲間、友達、同志」のことを「けやぐ」と言う。この語源は、昔、農作業や土木作業をするときに、契約をして作業に当たったことから、「契約」が「けやぐ」となったと言われています。
 契約したもの同士が仲間意識をもって同じ仕事をしたのであろう。私達が子供のころは、「汝ど吾、けやぐだねなぁ(君と僕は仲間ですよね)」と言ってよく遊んだものでした。

 「いじめはなかったのかってがぁ?」、それはありましたよ。でも、今の「いじめ」とは違って「陰湿」ではなかったし、長く持続することはありませんでしたね。遊ぶことに忙しくて「いじめ」をしている暇が無かったと言った方が正確かな?。それに、喧嘩して相手を殴る場合でもケガをさせないように力加減ができたものでした。

 それを考えると最近の青少年の犯罪は、社会常識の欠落、他人を思いやらない、「ちゃんばらごっこ」などの屋外での遊びが少ない、自分が良ければ他人はどうなってもよい、など教育(学校、家庭、社会)の制度疲労や力不足が目立ってきております。人の評価や価値観をペーパーテスト(学歴偏重、知識偏重)に置き過ぎた歪がでてきているのでしょう。

 「けやぐ」は(仲間・友達・同士)などと共通語に訳すと「味も素っ気」もないが、心の温かさ、思いやりを含めた友達であるのですが、その意味がなかなか伝わらないのです。津軽の「もつけ」や「けやぐ」には共通した意味が含まれているのです。

20.「カレー」は「カレーライス」か? (かれー談議)

 津軽では、「魚の鰈(かれい)」も「カレーライス」も「辛い」も「かれー」と言うことがある。カレー粉は「かれっこ」となる。言い方次第では「軽い」も「かれ」という。勿論、「彼」は「かれ」であるが・・・。

●鰈(かれっこ、かれー) ●カレーライス(カレ、カレー) ●辛い(かれ、かれー) ●軽い(かれ) ●彼(かれ)

例1:「あんだ かれっこ もてきてけろ」(あなた カレー粉 持ってきてください)
解説:鰈なのか、カレー粉なのかの判断が難しい。

例2:「このカレー なんぼめ かれーだば」
解説:(この鰈、なんとおいしい鰈なのだ)とも(このカレーライスは本当に美味しいカレーですね)とも取れる。

例3:「このかれー なんぼかれー かれーだばぁ」(このカレーは大変辛いカレーですね)
解説:訛っているので、こんな駄洒落も可能となる。

例4:「このかれ ずんぶ かれなぁ」 (この鰈はずいぶんと軽いですね)
解説:あ〜ぁ、つカレ(疲)れた。(笑)

21.「共通語」と「標準語」

 以前、「方言」に対して「標準語」と言えば差別的な扱いとなるから、共通語ということになったと聞いたことがある。もともと、共通語は公共放送のアナウンサーが話している言葉であり、標準語とは東京の山手方面で話されている言葉のことだそうである。
 私の津軽語は西海岸地方の方言だとするならば、津軽地方一帯で話されている一般的な津軽語は総称して「津軽弁」となるであろう。しかし、「共通の津軽弁」とか「標準の津軽弁」とかいうことは聞いたことが無い。

 津軽地域では学区、町や村が違うとその数だけ異なる津軽弁が話されている。極端に意味が異なることはないので、地域外の津軽衆と話しても意思が通じないということはない。

 言語学という学問があるそうだが、私は学んだことは無いし、勉強したいとも思ったこともない。それでいて方言を楽しんでいるのである。私が若い頃に覚えて、頭の中にしまってある津軽語の記憶だけで楽しんでいる。したがって、単語の意味を取り違えたり、度忘れしたりすることは多々ある。
その度に、他の方言のホームページを参考にしたり、市販の図書を読んで確認しながら、自分のホームページを更新・運営している。

22.「地図」と「知事」はどこ違う?

 津軽では「ち」も「つ」も同じように発音しておりますから、色々な意味になります。知事のことを「つづ・ちぢ」とも言っても間違いではありません。「つち/土」は(つづ)、地図も(つづ)、鎚も(つづ)、金鎚(かなづづ)となりますからねぇ。「乳」も「つつ」と言いますから、乳首(つつくんび)、乳房(つぶさ)と言う事になります。

 「津軽」も「違う」もおなじように「つがる」と発音しております。弘前市に観光に来たときでも地元の人に「あなたは津軽の人ですか?」と聞かれたとき、「つがる!」って言うと理解してくれます。「つ」と「ち」がまじった地名なんかは、物凄く発音が難しく感ずるのである。市内を流れる土淵川(つちぶちがわ)は「つつぶつがわ」という方が楽なのです。
(July,25th,2000)
23.「い」と「え」と「英語」の発音

 英語の発音と言っても、「B、V、th、R、L」などの発音方法のことではない。津軽の言葉は、「い」と「え」の区別がはっきりしていない。英語(えいご)は「ええご」、英会話(えいかいわ)は「ええかいわ」、映画(えいが)は「ええが」と言うことがおおい。
 イプシロン(ε)も「エプシロン」と発音する。もちろん、ワープロで日本語をローマ字入力している場合でも、「い・え・つ・ち」を間違ってタイプするため、満足な漢字変換ができないで居ることが多い(これ、ホント)。発音を間違って打つ事の多い漢字は、辞書に登録して急場をしのいでいるのである。

 例えば、「威張る」を「えばる」と入力するため、目的とする漢字は表示されない。「一定の」を「えっていの」と打ち込むものだから時間が掛かって仕方がないのである。五所川原市にある地名の飯詰(いいづめ)は「いいずめ」、「ええづめ」とタイプすることが多い。
 「へ」と「ひ」も怪しいのだ。「返事」は「ひんじ」、「品質」は「へんしつ」、「部屋」は「ひや」と打ってしまうしまうことが多いのである。面倒くさくなったので、最近は単語の登録機能を利用して「津軽語専用ワープロ」を自作し、「へ」でも「ひ」でもOKとなるようにしているこのごろである。

24.「なげる」と「とろける」

【なげる】
 津軽語では「捨てる」を「なげる」と言っている。「ボールを投げる、ゴミを捨てる」は「まる(ボール)ごと なげる。ごみごとなげる」となる。「捨てる」も「投げる」も「なげる」で済んでしまうのである。

【とろける】
 「片付ける」は「とろける」と言う。共通語の「とろける」とは意味が異なり、「片付ける」のことなのである。
「そこにあるコップを片付けなさい」は「そごさあるコップ とろけろ」となる。

【なげる+とろける、両方使うと】
「なんぼしゃんべっても とろけねんだばぁ がっぱど なげでまるど」は、
(いくら言っても片付けないのであれば、全部捨ててしまうぞ)となる。

25.「まで」は「丁寧」のこと?

 津軽では、「まで」と言えば「丁寧」と言う意味以外にも沢山の意味を持っている単語の一つである。その状況によって判断しなければならない。
・まで:まるで〜 ・までに:丁寧に ・までに:〜までに ・までだ:丁寧だ ・まで:待て ・まで:馬で ・まで:〜まで 
などの意味を持っている単語である。

【使用例】
まで まねな までにたのむじゃって しゃべったきゃ までにやるんだば いづまでかがるが わがねどぉ こえだばまでねじゃよ までねんだば えまで までえって までねがなぁ」

【共通語訳】
(まるで駄目なのだ。丁寧にお願いしますって言ったら、丁寧にやるのであれば いつまで掛かるかわからないだとさ。これだと待てませんよ。待てないのであれば、家まで馬で行って待てないかね)

となる。極端に誇張してあるが、このような文章を書いて楽しむことができるのも、方言のありがたさであろうか?。

26.「飲まねぇ」は「No money」か?

 英語で(No Money)と言えば「無一文」、「金が無い」と言う意味であるが、津軽語では「のぅまねぇ」=「飲まない」との意味となっている。そこで、「おめ(貴方) さげ(酒)飲まねがぁ」(貴方お酒を飲みませんか)に対して、「のまねぇ」=「飲みませんよ」と答える。
 金が無い(no money)から「飲めない」と考えてみたらどうだろうか。飲めるのだが、丁度、そのときに「お金が無かった」から「のまね」と言ったとすれば英語で「ノゥマネェ」となりますよね。「ノゥマネェ」=「飲まねぇ」、どうですか、発音が似ておりませんかねぇ!。

 相手が酒をおごってくれるのであれば「のむぁ」=「飲みますよ」と返事をしたのかも知りませんがね。「まねぇ」は「駄目です」の意味がある。しかし、「Money:お金」は「まねぇ」の発音に似ておりませんか?。

・・・「飲めない」とは言っても、色々と「飲めない事情」があったのですね・・・

●体調が悪かったのだろうか? ●お金がなかったのかもね? ●時間がなかったのだろうか?

どんな事情だったのでしょうかねぇ。しかし、津軽衆は全ての意味を含めて「のまねぇ」と言っているのではないのでしょうか?。今度、誰かに「のぅまねぇ」と返事されたら、その理由を聞かないことにしょう。

27.「あずましい」の意味

 津軽弁の代表的な表現に「あずましい」がある。津軽語では「あんずます」と発音する。この「あずましい」という表現は多くの意味を含んでいるのである。列記すると、心配の無い/心地が良い/気持ちが良い/ゆったりした/安心できる/安定している/居心地が良い/気分が良い/落ち着く/全てが快適だ等の意味を全部包括した感じのことを「あんずます」と言うのである。

(1)肩を揉んでもらって「あ〜ぁ、あんずますぅなぁ!!」(疲れが取れて、気持ちが良い)
(2)お風呂に入って「あぁ、あんずますなぁ!」(ゆったりとして、心地がよい)
(3)フカフカの布団に寝て「あんずますなぁ」(肌触りがよくて寝心地がよい)
(4)暑い日にエアコンのある部屋に入って「あんずますじゃ!」(汗が引いて快適だ)
(5)すわり心地のよい椅子に座って「なんぼ、あんずます椅子だばぁ!」(しっとりと落ち着く)
(6)新築の家に入って「あんずます 家だなぁ」(快適で、居心地がよい)
(7)映画を見て「あんずますぐ 映画見んだ」(ゆったりと映画を見た)
(8)音楽を聴いて「あんずますぅ 音楽だなぁ」(心静まる、気持ちが落ち着く音楽)
(9)十分な睡眠と取った後「あぁ、あんずますぐ寝だじゃ」(気持ちよく十分に眠る事ができた)
(10)津軽は住み心地が良い「津軽だきゃ あんずます所だぁ」(住み心地が良いところだ)
(11)汽車に乗って心地よく目的地に着いた「汽車さ乗て あんずますぐ 家さ つだじゃ」(快適で順調に)

などと言って、快適で気持ちが良い時、安心して落ち着く時に多様するのである。

 つまり、共通語の「気持ちが良い」でもなければ「居心地がよい」でもなく、総合的な「快適さ、心地よさ」に相当するのであろうが、どうも上手く表現できない。共通語にはない独特な表現である。
英語では「 I feel fine!」 or 「I feel good!」、Comfortable.
に相当するのであろうが、そんな生易しい表現では納得がいかないのである。

28.「せ」は「へ」と発音?

 津軽では、「せ」の発音は「へ」となることが多い。例えば、

世間(へげん) 世話(へわ) 背中(へなが) 背(へ) 背広(へびろ) 癖(くへ) 瀬川(へがわ)
狭い(へめ) 店(めへ) 倅(へがれ) 堰(へぎ) 咳(へぎ) 関(へぎ) 風合瀬(かそへ)

などが挙げられる。

 「へ」は「へ」のままであるが、「ひ」も「へ」ということが多い。「屁」は「へ」、艫作(へなし)、「平和」は「へいわ」とそのままだが、「光」は「へかり」、「東」は「へがし」、非難(へなん)、引越し(へっこし)、「ひまわりの花」は「へまわりの花」、「被害」は「へがい」、「弘前」(へろさぎ)と言うことが多い。

【話を「せ」にもどそう】

船頭小唄(へんどうこうだ) 世界のため(へがいのため) 博士(はがへ) 先生(へんへぃ)
どうせ〜だよ(どへ〜だべ) 千生(へんなり) 折角(へっかぐ) 早稲田(わへだ)
精が出る(へぃでる) 洗濯(へんだぐ) 押せ(おへ) 早生(わへ)
切ない(へづね) 急かせる(へがへる) 何故(なへ) 煎餅(へんべ)

となり、どうやら「せ」は「へ」と発音するとの考え方は大方間違ってはいないようだ。

 しかし、物には必ず例外はある。戦争は「へんそう」とは言わないし、船員を「へんいん」、千円(へんえん)とも言わない。なぜ、「せ」を「へ」と発音するようになったのかは言語学者でもない私には到底わからない。

29.「もつけ」は津軽衆の本質

 津軽では「もつけ」と言って、「世話好きな」、「余計な世話をやく(御節介)」、「訳も無く人を笑わせる」、「常識では考えられない奇異なことをする」等のような行動を取る状態を「もつけ」と言っている。「もつけ」には「変わり者」と言う意味もある。人よりも「余計」な「御節介」をやくからであろう。

 津軽衆には色々な特徴があると言われているが、
(1)おだてに乗りやすい。
(2)頑固で間違っていてもその考えを曲げない。
(3)人がよく、世話好きだ。
(4)勝手に他人を信じて疑うことをしない。
(5)信じている人に裏切られたときの反動が大きい。
などが挙げられる。私も全くそうである所を見れば「生粋の津軽衆」と言えるだろう。(^^;

 他人が困っているのを見ると放っておけないのである。無条件に面倒を見てしまう。「面倒を見られた人」がどう思っているかは全く考えない。自分が親切を押し付けているとも考えない。「余計な御節介だ」と言われたとしても理解できないのである。それが津軽衆であり、「もつけ」を丸出しにして今でも生活している。

 お世辞だと心では思っていても、本能が「すぐ、おだてに乗ってしまう」のである。悲しい性(さが)では有るが、そこが津軽衆の津軽衆たる所以(ゆえん)であろう。風土が習慣がそうさせたのに違いない。それが大昔から、中央の戦いに敗れた「落人達」を無条件に受け入れてきた歴史につながっているのだと思う。近年では「会津藩」を受け入れた実績がある。

 「もつけ」が「もつけ」をよんで津軽平野はいつも賑やかである。「春の弘前さくら祭り」、「夏の弘前ねぷた、青森ネブタ」、「秋の岩木山の御山参詣や弘前城の紅葉と菊人形祭り」、「冬の雪灯篭祭り」と「もつけ」が活躍する場所は常に用意されているのである。その、愛すべき「もつけ」を青森県外の人たちは悪用してはいないだろうか?。信じていた人に裏切られたとき「津軽の剛情張(ごうじょっぱり)」(どうしようもない頑固さ)が発揮され、頑として話しを聞かなくなってしまうし、受け入れようともしなくなるのである。ユメユメ津軽の「もつけ」を侮らないことが肝要であろう。「モッケ」ではなく「モツケ」なのである。

30.津軽語の語尾

 津軽語の語尾については様々な言い回しがある。
(1)・・・・・・ねし。
「よぐきたねし!」(良くいらっしゃいましたね)、「んだねし」(そうでございますよね)
「めごいわらし(童子)っこだでばねし!」(可愛いお子様でございますね)
(2)・・・・・・ねは。
「んだねはぁ」(そうでございますよね)、「静かだねはぁ」(静かでございますよね)
(3)・・・・・・すっつぁ。
「この林檎めがどもてすっつぁ」(この林檎美味しいかと思いましてね)(〜でしょう。そうでしょう)
「すっつぁ、このふと(人) けんど(道)さ まよってらんだど」(そうでしょう、この人は道に迷っているんですよ)
(4)・・・・・・の。
「んだでばすの」(そうですよねぇ)、「喋ってければえでばすの」(話してくれればよいのになぁ)
(5)・・・・・・きゃ。
「よぐしゃべるっきゃ」(良く喋りますよねぇ)、「んだっきゃ」(そうですよねぇ) (〜ですよねぇ)
(6)・・・・・・べ。 「いぐべ」(行きますか、行くだろう)、「んだべ」(そうだろう。そうでしょう)
(7)・・・・・・べし。
「ままくべし」(ご飯をたべましょう)、「ええがさいぐべし」(映画を見に行きましょう) (〜しましょう)
(8)・・・・・・びょん。
「んだびょん」(そうかもしれない)、「あつぐなるびょん」(暑くなるかもね) (〜かもしれない)

【最近の弘前地域の若者の語尾】

(9)・・・・・・しちゅ。
「あのふと おがすごと しちゅ」(あの人はおかしな事をしておりますね) (〜している)
           「何しちゅんず?」(何をしてい居るのですか?)
(10)・・・・・ちゅ。
 「しっちゅ」(知っている) 「なめっちゅ」(なめっている) 「くっちゅ」(食べている)
           「ねっちゅ」(眠っている) 「おごっちゅ」(怒っている)
(11)・・・・・じゅ。
 「のんじゅ」(飲んでいる) 「みんじゅ」(見ている) 「よんじゅ」(読んでいる)
           「こんじゅ」(混んでいる)

こんな所でしょう。「〜している」という状態を「ちゅ とか じゅ」で表現するのですねぇ。私は言いませんのでいっこうに構いませんがねぇ。
(^^;

31.津軽語の家族呼称

 一般的に津軽語圏(西海岸地方)の家庭で家族を呼ぶ場合や親戚関係を話す場合には下記のように言う。

おど 漁業者・農業者のお父さん おが 漁業者・農業者のお母さん あんこ 長男・兄
とっちゃ・とちゃ 商業者のお父さん かっちゃ 商業者のお母さん おんじ 二男・弟
おとちゃ 町の商業者のお父さん おかちゃ 町の商業者のお母さん よで 末っ子
あや 農業者のお父さん あっぱ 農業者のお母さん じこ・じっこ お爺さん・祖父
ねっちゃ お姉さん あっちゃ 若いお母さん あば・ばば お婆さん・祖母
おやぐ・おやぐまぎ 親戚・親戚関係 がんじの 血縁が強い・一番近い身内 いどご 従兄弟
あねこ・めんた 娘さん、女子 わらし 子供 わらはんど 子供達

 農業者と漁業者および商業者の区分は、方言の特徴によって厳密な区別をしていない。だいたい、このようであることには間違いはないと思う。私の津軽語による区別であるから、地域が異なればこの例は当てはまらないことがあるので注意されたい。勿論、時代や社会の情勢が変わっているので、現在ではあまり使われなくなって来ていることは否定できない。古い時代の津軽衆にとっては寂しく、悲しいことではあるが・・・・・。
32.人体各部の名称および津軽の地名

ついでに西海岸地方で話されている人体の名称を挙げておく(地域により異なる)。


まなぐ ほっぺだ 盆の窪 ぼのご 女性性器 だんべ・まんじゅう
眼球 まなぐたま へんじゃかぶ 親指 おどゆび 男性性器 がも・はど
おどげ なずぎ 上顎 あげた 肛門 どんずあな
どんず へっちょ (かかと) あぐど (くるぶし) くろぼす
ふげ まっか 出ている
額のこと
とどっこ (すね) すねがら
じゃんぼ べろ (はらわた) ごんじょわだ

大体、こんなところが津軽語での名称となっている。女性性器のところで「まんじゅう」と書いているが、津軽に来て「お饅頭ください」、「饅頭(まんじゅう)が食べたい」、「貴女の持っている饅頭を食べたい」と言うときは場所と状況を考えてからにして欲しい。お菓子屋さんの前では問題はないが、其の他の場所では大きな声で言わない方がベターかもねぇ。(笑)

 更に「だんべ」も注意を要する。「んだべ」(そうでしょう)を無理して「ん だんべ」と言えば変なことになる。東京の人が真似をして「ん だんべ」というときは「んだべさぁ」と言ったほうが無難であろう。残念ながら「この両方の単語」が解かる津軽衆はほとんどいなくなってしまっているので問題はないと思いますがね?。

 そして、男性性器も同じである。「あんだの はど 元気でらな?」(お宅の鳩は元気ですかね?)とか、麻雀をやるときに「いや〜、がもがネギしょって きてらでばぁ」(いや〜、鴨がネギを背負ってきておりますねぇ)というときは注意を要するのだぁ。

33.【津軽の地名

 どこの土地に行ってもそうですが、地名の読み方は難しいですよね。津軽の地名にもどうすればこのように読むのか、理解に苦しむ地名が多いのであります。私が仕事で走行する津軽地域だけを取り上げて見ても、道路標識には難解な地名が表示されているのです。
市町村名 地 名 間違った読み方 標準的な読み方 津軽語の読み方
弘前市 三世寺 さんせじ さんぜじ さんぜず
新和 しんわ にいな・にいわ にんな
青女子 せいじょし あおなご
新里 にいさと にさと にさど
十腰内 じゅうこしない とこしない とごすね
十面沢 じゅうめんさわ とつらざわ とんづらざわ
独狐 どくこ とっこ どっこ
撫牛子 ないぎゅうし ないじょうし なえじょす
門外 もんがい かどけ かどげ
小比内 こひない さんぴない
徒町 かちまち おかちまち おかつまづ
乳井 にゅうい におい
岩木町 真土 しんど まづち まづつ
賀田 かた よしだ よすだ
板柳町 五幾形 ごいくがた ごきがた ごぎがだ
深浦町 艫作 ろさく へなし
風合瀬 ふうあいせ かそせ かそへ
鰺ヶ沢町 大然 だいぜん おおずかり おんずがり
長平 ながたいら ながたい ながで
雲雀野 うんじゃくの ひばりの へばりの
建石 けんせき たていし たでえす
五所川原市 持子沢 もちこざわ もっこざわ もこじゃ
原子 げんし はらこ
不魚住 ふぎょじゅう うおすまず
浪岡町 王余魚沢 おうよぎょさわ かれいざわ かれえざわ
女鹿沢 めじかさわ めがさわ
松枝 まつえ まつえだ
青森市 入内 いりない にゅうない にゅうねぇ
矢作 やさく やはぎ
雲谷 くもたに もや
幸畑 さちはた こうばた こうばだ
合浦 あいうら がっぽ
造道 ぞうどう つくりみち つぐりみぢ
今別町 袰月 ぼつき ほろづき ほろづぎ
大鰐町 唐牛 とうぎゅう かろうじ かろず
居土 いど いづち えづつ
鶴田町 胡桃館 こちょうだて くるみだて くるみだで
大性 だいせい だいしょう
強巻 つよまき こわまき こわまぎ

等があります。まだまだ、沢山ありますが方言とはあまり関係ありませんので、この程度やめておきたいと思います。読み方については、その土地の人に聞いたほうが早いと思いますよ。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」とか言います。かく言う私も最近まで岩木町の「賀田:よしだ」を(かた)と読んでいました。お恥ずかしい限りです。

34.小銭が何故「だら」なのか?

 津軽語では「小銭:コイン(Coin:硬貨)」のことを「だら」または「だらっこ」と言っています。どうして「小銭/硬貨」が「だら」なのだろうか?。 1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉などの「玉」=「ダマ」と呼ぶが、その「たま」が「だま」→「だら」と訛ったのではないかとの私見を持っているのだが・・・。

 しかし、「だま」が「だら」ではいくら訛ったとしても無理があります。さてさて、困ったものだ。そう言えば、「しゃぼん玉」、1ドル(1ダラー)と言いますが1円玉=1ダラー($)、「だま」と「だら」となるがこれもいまいちですしねぇ。TV番組の「生でダラダラ」は(生ダラ)ですが無関係ですよね。(^^;

 「だま」→「だら」となったその原因はなんだろうか?。国語辞典によると「だらだら」とは「濃い液体が流れ落ち、止まらないこと」だとなっています。そうであれば、小銭はボタボタと手から落ちることが多いですよね。そのため連続して落ち始めたら止まらない硬貨のことを「だら」と言ったのでしょうか。これも説得力がありませんね。

 神社仏閣でお賽銭をまくときは小銭を使いますが、梵語の陀羅尼から来ているのかも知りませんね。呪文やお経を唱えるのは神社仏閣でのことが多いですよね。神社で呪文やお経を唱える前に小銭を賽銭箱に入れますが、陀羅尼の時に使うから「陀羅尼のため小銭」、「陀羅用小銭」、「陀羅」→「小銭」となったのではとも考えられますね。

 「お賽銭をまきますから、小銭をください」が「だら どら」(小銭ください)となって、何時の日にか「だら=小銭」となったのでは
ないのでしょうか。これはあくまでも私の意見です。語源をたどると言うことは非常に難しいものですね。だから言語学があるのでしょうけれどもね。(^^;
どなたかご存知ありませんかね??。
(August,3rd,2000)
35.「じゅす」は「ジュース」のこと

 津軽語では、ほとんどの単語は短縮して話されることが多い。例えば、

ジュース ジュス・ジュスっこ ストーブ ストフ プール プル 食う、食べる
コーヒー コヘ・コヘっこ 蛍光灯 けこと 新聞 すんぶ 旨い・美味しい
アイスクリーム アイス・アイスクリン お金(銭) じぇん(じぇんこ) (ほうき) はぎ
豆腐 とふ 包丁 ほじょ 兄弟 きょんで 大根 でご
納豆 なと レコード レコド 牛乳 ぎゅにゅ
醤油 そゆ・しょゆ 自動車 ずんどしゃ 香典 こんで ソーセージ ソセヂ
ビール びる・びるっこ 時計 とげ 放送局 ほそきょぐ こり・こりこ
ハンバーグ ハンバグ コールタール ゴルタン 乾電池 すみ 扇風機 せんぷき
オーケー(OK) オケ、オッケ ビニール ビニル アルコール アルコル プラスチック プラチク

大体が長音(う・−)を省くことが多い。気が短いのか、それとも長く言うのが面倒くさいためなのかはわからない。
36.「ハートのぽ」は「ハートのAce」

 津軽では長い冬の期間は特にであるが、他の季節であっても花札やトランプ等の屋内で遊べるカードゲームの人気は高い。津軽の家庭ではトランプゲームの「神経衰弱」や「五人関」、「婆抜き」等が好んで行われている。しかし、五人関(ごにんかん)などのトランプ遊びでもカード(札)名に津軽語独特の呼び名が付けられているものがある。

例えば、
●ジョーカー(Joker)は「おんどりっこ」(踊り子)
Jokerの意味は、冗談の好きな人、おどけ者と訳すが、津軽で「おんどりっこ」と呼ぶのはこの(おどけ者)から来ているのではないかと想像しているが、はたしてぇ・・・・?。

●ハートのエース(Ace)は「ハートのぽ」
トランプの一番札のことをエースと言うが、津軽語では「ぽ」と呼ぶのである。(グラフのぽ)、(ハートのぽ)のようにである。この語源は、ポーカーフェースから来ているのではないかと思う。つまり、ポーカーで手の内を読まれないように、意識して無表情を装う。すなわち、トランプ遊びの「五人関」でも相手に関係を覚(さと)られないようにするために無表情になる。そんな事から、ポーカーフェースの「ポ」取ったのではないかと想像しているのである。

 また、POTという単語は、一杯のという意味をもっている。いっぱいのお茶「make a pot of tea」などと言うが、ポーカーゲームなどでの一回の掛け金と訳すこともある。そんな所から、「1」=「エース」でポーカーの「ポ」を取ったのではないのだろうか。
グラフのエースは「グラフのぽ」、ダイヤのエースは「ダイヤのぽ」などと呼んでいる。

五人関ゲームで二人の関係を決めるのは、その時の取り決めで変わるがだいたい「ジョーカー」を持っている人とスペードのエースを持っている人が組になることが多い。誰と誰が「関係」(ペア)なのかを判らないようにするのがゲームのコツである。役がハートでも何でも札の位が低い時に安く踊る(ジョーカーを出す)と非難ゴウゴウである。(^^; 
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その他は、
・Jackはジャックで、変わりは無い。  ・Queenは、「クエン」  ・Kingは「キング」または王様である。

●Heart(ハートの札)はハートは「ハート」または「ハット」
●Diamond(ダイヤの札)は「ダイヤ」
●Spade(スペードの札)は「スペート」または「スッペ」
●Club(クラブの札)は「グラフ」

なぜ、「Club」を「グラフ」と呼ぶのであろうか?。ただ単に(クラブ)が(グラフ)と訛ったのだろうか。グラフだと英単語の「Graph:図表」となるが、トランプのクラブ札も絵図だとすれば「グラフ」と呼んでも全くの間違いだとも言えない。
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また、
・カードを配る → トランプをまぐ
・役はなんですか → やぐなんだべ
・グラフ・ダイヤ・ハート → グーダーハー
・トランプ札を取れないで負ける → スッコン

 スッコンは、英語の「スコン」から来ているのであろう。すなわち、「スコン」はスカンクのことで「いやな奴、鼻ツマミ」、動詞では「惨敗させられる」の意味を持っているからである。
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まとめると、津軽語では以下のように言う。

●ハートのAceは「ハートのぽ」
●ジョーカーは「おんどりっこ」(踊り子)
●トランプゲームで札を一枚もとれなかったことを「スッコン」
●クラブ札は「グラフ」
である。皆さん、暑い夏もそろそろ終わり、秋が来て、やがて冬がきます。冬になったら「おんどりっこ」のあるトランプ遊びをしましょうね。へヴぁ、まんだの!。
37.「へっちょべ」と「べっちょ

 津軽語では、鍋やヤカンなどに付く煤(すす)のことを「へっちょべ」と言っている。今や台所の炊事用燃料は、電気やガス、石油となってしまい、煤なんかはなかなか見ることができなくなった。少し前までは、木炭や木(薪)を燃料としていたため、鍋に煤がつくことは当たり前であった。現在では、キャンプなどで野外炊事をするときでなければ見られない状況にある。

 しかし、なぜ「へっちょべ」と言うのであろうか、人の臍のことを「へっちょ」と言うがこれと何か関係があるのだろうか?。臍の「そ」を「ちょ」と発音するため、「へそ→ へちょ→ へっちょ」と言うようになったのであろう。「へっちょべ」の「べ」は(語り部)の(べ)と同じ意味だとすれば、「ヘソ部/臍部」となるのだが、この臍部に煤が付くので自然に鍋の臍の部分に付着する煤のことを「へっちょべ」と呼ぶようになったのであろうか。

 臍を辞書で調べると人の臍以外に、「石臼などのように二つのものが重なって回転するものの中心の小さな突起のこと」とある。だとすれば、鉄製の鍋やカマの底の中心には突起があり、それをヘソと呼んでいることから、前述の考えは間違っていないことになる。ヘソがある炊事用の鍋などに黒く付くものだから、臍部に付く黒い煤状の物のことをすべて「へっちょべ」と言うようになったのだとすれば、方言のあいまいさを考慮しても妥当な線だとおもうのである。

 子供が泣き顔になる事を「べそ」をかくと言うが、津軽語では、「べっちょ」をかくとか「泣ぎべっちょ」と言っている。「そ」を「ちょ」と発音するのであれば「べっちょ」と言っても不都合はない。

「このわらす べっちょかいで つらもなも にかんでまってらじゃ」(この子供、べソをかいて顔がしわしわになってしまっておりますよ) というように使う。

 子供がデパートなんかで玩具を買ってと「ごんぼほる」(だだをこねる)とお母さんが「まね!」(駄目!)という。そこで子供は「泣ぎべっちょ」(べそ)をかくことになるのである。泣きべそをかいて顔が涙でぐちゃぐちゃになってしまったときは、
「べっちょかえで つら(面)もなも涙でべっちょべっちょだべさ」というのである。(^^)

 津軽語の「へっちょべ」、「へっちょ」、「べっちょ」など、津軽衆は面白い単語を使って、毎日、楽しく会話を続けているのである。
38.「まいね」の表現について

 がんじょ馬さんのご要望により、私が運営する「弘前の津軽衆」の電子掲示板(メッセージボード)から「まいね」の表現のメッセージを加筆して転載いたします。詳細は、「弘前の津軽衆」の メッセージボード に掲載されておりますので、関心がございましたらアクセスしてみてください。
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 津軽語で「まいね」(駄目)の表現をする場合は、TPO(Time:時 Place:場所 Occasion:場合)でいろいろとありまして、文字でその感じを表現するには、ニュアンス的に難しいものがあります。でも、一応書いてみますね。

> 1.ダメでございます(こんな言い方はしないと思いますが)
   「津軽語」まいねごさぁ。 まいねごさねぇ。 まいねんでさねぇ。

> 2.ダメだねぇ
 → 「津軽語」まいねぇなぁ。 まぁねぇなぁ。

> 3.ダメなんだよ--->男性「ダメです」よりも、もうちょっと柔らかい拒否
   「津軽語」まいねんづぅ。 まねどもる。 まいねんでねぇなぁ。

> 4.ダメなのよ--->女性「ダメですわ」よりも、もうちょっと柔らかい拒否
   「津軽語」まいねぇおん。 まねはぁねぇ。

> 5.ダメよぅ--->すこし甘えた感じ  →  「津軽語」まいねよん。 まねよん。 ま〜んねぇ。 

> 6.ダメよっ--->きっぱりと(女性)  →  「津軽語」まねぇ! まね。
 
> 7.ダメだっ--->きっぱりと(男性)  →   「津軽語」まねまね、ま・い・ね!。 んにゃ、まね!。

> 8.ダメだってば → 「津軽語では」 まいねってばぁ。 まねったきゃ。

> 9.ダメだろうね → 「津軽語で」   まいねびょん。 まいねべぇ。 まねベガ。 まいねベガのぉ。

> 10.ダメかな--->「ダメですか」という問い合わせではなく、半分拒否する形
   「津軽語では」 まいねがもぉ。 まねでばー。 まねでばしー。
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 メッセージボードのNOBUさんからのアドバイスも9.と10.に取り入れております。NOBUさん、アドバイスありがとうございました。 ま!、こんなところでしょうか。アクセントをどこに置くかとイントネーションによって色々な表現ができますよね。(^^;
試してみてください。鼻濁音(鼻にかける)とか強調、抑揚を考えながらね。 へば、まんだ。

T 「えんかぬげる」と「気が抜ける」

- FAOMORI MES( 8):【文 芸】・・・・・・・・・ 方言・文学の部屋  00/08/24 -02645/02715 KHB15327 ポリカレ青森
「えんかぬげる」と「気が抜ける」? ( 8) 00/08/01 14:00 コメント数:1
この発言に対するコメント
02713/02715 GEA03315 がんじょ馬 RE:「えんかぬげる」と「気が抜ける」?
( 8) 00/08/24 19:27 02645へのコメント コメント数:1
 図書館へ行ったついでに、いくつかの津軽語を調べてみました。

 #2645「えんかぬげる」
「えんか」を家にある辞典で調べたが無くて、やはり日本国語大辞典に出ていました。
「えんか」(苑香):茶のこうばしい香り。  用例=茶の焙じやうが悪いぞ、それではゑんかがない。
というわけで、お茶からきているようですね。用例はむかしの書物からの引用でしょう。 津軽の方言もしっかり出ていました。
「えんかぬける」:気が抜ける。生気を失う。青森県津軽。

 #2651「はぐらん」
 研究者にも評価が高いというこの大辞典に、「はくらん」も出ています。「はくらん」:霍乱(かくらん)の変化した語。
霍乱は漢方で言う日射病のことで、これがポリカレ青森さんの言うように吐くから「はくらん」に変化したと考えてもよさそうですね。むかしから、どこにでも駄洒落が好きなやつがいたでしょうから。むかしの書物の用例のほかに、方言=青森県南津軽郡、とも記載されています。
 ほかに別の項で、「はくらんけ」:はくらんの症状、とありましたので、精神状態が混乱したりする症状ならば、これがそのまま津軽語「たぐらんけ=たわけ者」に訛ったのかもしれない、と思いました。

 #2681「だら」
>  津軽語では「小銭:コイン(Coin:硬貨)」のことを「だら」または
> 「だらっこ」と言っています。どうして「小銭/硬貨」が「だら」な
> のだろうか?。

「ダラー(弗)dollar」1.ドル。2.硬貨。 用例=円(だら)1枚だけでよい。車賃欲しい。 用例は、明治生まれの内田魯庵の書物からで、明治の頃から硬貨を「だら」と言っていたようです。これもポリカレ青森さんの推察通りですね。 これがいつのまにか中央から消えてしまい、津軽に残ったというわけです。 方言=青森県、とあります。

 余計な口ぱしはさんで、すみません。8=) がんじょ馬 (=8
U 「がんじょま」は「頑丈な馬」なの?

-FAOMORI MES( 8):【文 芸】・・・・・・・・・ 方言・文学の部屋 00/08/24 - 02646/02715 KHB15327 ポリカレ青森
「がんじょま」は「頑丈な馬」なの? ( 8) 00/08/01 14:31 コメント数:2
この発言に対するコメント
02712/02715 GEA03315 がんじょ馬 RE:「がんじょま」は「頑丈な馬」なの?
( 8) 00/08/24 19:26 02646へのコメント コメント数:1

ポリカレ青森さん、しばらくです。吾ごと呼ばてらみたいだの。

「がんじょま」は「頑丈な馬」なの?
> -----------------------------------
>  津軽語では、痩せて弱々しい馬の事を「がんじょま」、
> 「がんじょまっこ」と言う。

 私にいささか関係がある?ことですので、調べてみました。
「頑丈」を日本国語大辞典(小学館)で引くと、「名馬としての条件の整った馬」というのが、「人や物が堅固でじょうぶなこと」の前にあり、最初から馬を対象にした語だったのかな、と思われます。

 それが、津軽ではなぜ正反対の「やせ馬」になったものか。私が愛用する鳴海方言書でも、「研究しかねている」「不詳」となっています。ただ鳴海書は、「かんつける」(弱小の意)も同義語で、その語源とみられる古語「かじかむ」に関係あるのではないか、と推察しています。 また、総合日本民俗語彙に「東北では一般に、二歳駒をガンジョウという」との記載があるので、子馬つまり幼弱なものの意味にもなる、とも述べています。

 日本国語大辞典というのは、なかなかの優れもので、随所に方言なんかも載っています。
「がんじょ」  1.雄の馬。青森県南部、岩手、秋田。  2.やせ馬。青森県津軽
 「弱小」にからめて言えば、「かんつける」よりも「がんじゃなぇ」(頑是無い)のほうが、音も意味も近いように思うのだが。
 8=) がんじょ馬 (=8
V 「ハートのぽ」は「ハートのAce」なのだ

- FAOMORI MES( 8):【文 芸】・・・・・・・・・ 方言・文学の部屋 00/08/26 -
02723/02725 GEA03315 がんじょ馬 RE:「ハートのぽ」は「ハートのAce」なのだ
( 8) 00/08/26 11:16 02711へのコメント
 ポリカレ青森さん、こんにちは。

>  津軽では長い冬の期間は特にであるが、他の季節であっても
> 花札やトランプ等の屋内で遊べるカードゲームの人気は高い。

 むかしなつかしいトランプの話で、んだ、んだ、と読ませてもらいました。いまの子供たちは、ファミコンやらプレステなどの一人遊びが主で、みんなで遊ぶことが少ないのではないでしょうか。町内に「ちびっこ広場」があるのですが、子供たちは全く遊ばない。大人連中が「草むしり」をするためだけの広場になっているんだ、これが。

 前に教育学の先生に会ったとき、いまイジメやキレルが多いのはなぜか、と聞いたことがあります。先生が言うは、むかしみたいに年長者と年少者が一緒に遊ばなくなったことも、ひとつの原因だろう、と。そりゃ年長者が悪いことも教えるだろうけど、集団で遊びながらルールやらかけひきやら我慢やら、場合によっては喧嘩のやり方などを学んできたものだ、と言われました。

 たしかにいじめられないためには、立ち向かう必要があります。集団の中で、たくさん喧嘩して、喧嘩に勝つ方法を会得するのも大事じゃないか。勝ち負けは別としても、攻撃されたら反撃するという姿勢が大切なんです。いまは逆に、親が子供に喧嘩のやり方を教えなければいけない。子供がいじめられないために。極論に聞こえるかもしれないが、私は本気でそう思っています。

 話が脱線しました。

> ●ハートのエース(Ace)は「ハートのぽ」
> トランプの一番札のことをエースと言うが、津軽語では「ぽ」と
> 呼ぶのである。(グラフのぽ)、(ハートのぽ)のようにである。
> この語源は、ポーカーフェースから来ているのではないかと思う。

「ぽ」はユニークな言い方で、日本方言大辞典にも出ていません。全国的には津軽だけで使われているような?

> ・トランプ札を取れないで負ける → スッコン
>
>  スッコンは、英語の「スコン」から来ているのであろう。すなわち、
> 「スコン」はスカンクのことで「いやな奴、鼻ツマミ」、動詞では
> 「惨敗させられる」の意味を持っているからである。

 これはまったくポリカレ青森さんのお説の通りでしたね。例の日本国語大辞典によると、スコンク(skunk):競技や勝負で得点無く負けること。零敗。
と、ありました。座布団をもう1枚あげましょう。(^^;
 こうしてみると津軽衆も大したもんだね。古語をいまだに使っていたり、英語も取り入れているんだから。
 へば、まんだな。 8=) がんじょ馬 (=8
W 「けやぐ」は「仲間」

- FAOMORI MES( 8):【文 芸】・・・・・・・・・ 方言・文学の部屋 00/08/26 -
02725/02725 GEA03315 がんじょ馬 RE:「けやぐ」は「仲間」
( 8) 00/08/26 19:53 02656へのコメント
 ポリカレ青森さん、こんばんは。

>  津軽語では、「仲間、友達、同志」のことを「けやぐ」と言う。この語源は、
> 昔、農作業や土木作業をするときに、契約をして作業に当たったことから、
> 「契約」が「けやぐ」となったと言われています。

「けやぐ」について、去年この8番会議室に書いたことがあります。 ○○さんから語源について質問があって、最初にスマイリー・ケンさんが、「ツガル語の謎」の著者松田弘洲によると、「けやぐ」の語源は「契約」ではなく、検見(毛見)役人の略である「毛役」という説である、と報告してくれました。
 そして私が「津軽のことば」(鳴海助一著)によれば、「契約」がその本元で、農作業、冠婚葬祭、道普請などの共同互助の必要性から必然的に生まれたのが「契約」であり、それが訛ったものと鳴海書が書いている、と伝えたものです。詳しくは#1934〜1939をご覧ください。

 「青森県の方言」(此島正年著)は、「けやぐ」について方言の成立を漢語に求めることのよくないことを前に述べたが、この語の源を「契約」に求めないわけにはいかない。 と「契約」説でした。

 昨年帰省の際に、「津軽弁の世界」(小笠原功著)を入手しました。著者は、弘前在住の方で、本書は音韻、語源などを詳しく研究されています。 この本も「けやぐ」は「契約」と述べております。

 そこでまたまた守護神・国語大辞典を調べてみます。「契約」というと、いま私たちはどうしても法律行為を考えますが、むかしの
書籍(平家物語、曽我物語、浮世草子など)からの用例をこの辞書で見ると、日常ふんだんに「契約」という言葉を使っていて、それは「約束」とか「ちぎり」とかいう意味合いのものだったようです。

 用例:「われ、杵臼にけいやくし、命を君にすつること、遅速をあらそひなし」 (曽我物語)

 四文字熟語で杵臼之交(しょきゅうのまじわり)というのがあって、身分をこえた交際の意味です。(知らないくせに断言するな!(^^; 確かに大漢和辞典を調べないと出てない)
 方言:青森県 けらく、と出ていました。「けやく」でなく、「けらく」と言う地域も南津軽の一部にありますね。 地方によっては、「けいやく」が集落の総会(山形県、群馬県)、宴会(山形県)、情人、恋人(南部)などを意味するところもあるようです。

 SMさんは、村人から嫌われるような「毛役」と「親しい人」になるはずがない、と言っていましたが、「検見」の項の用例として、こんな
川柳がありました。

 箸すてて毛見を迎へに走るなり

 いかに村人が怖れていたかを表していますね。 というわけで、どう見ても「けやぐ」は「契約」に落ち着きますね。   8=) がんじょ馬 (=8
最近、方言を扱った番組が多くなりましたね。

しらとさん、こんにちは。

そうですね! 「トーク笑 〜なまるが勝ち〜」ATVですね。これは結構難しいのではないかと思います。津軽弁も南部弁も地元に住んでいる人は分かるとしても、津軽衆にとっては南部弁が、南部衆にとっては津軽弁がむずかしいでしょう。そこが狙いなのでしょうがね。

方言が見直される方向にあることはうれしいことです。私が小学校3年生のころに「方言撲滅運動」なるものが学校で吹き荒れました。いわく、「学校に来たら、標準語で話しましょう!」だとさ。そう、言っている先生が「がっぱど なまった ひょうじゅんご」であったことを記憶しております。

何でも、関東・関西方面に「金の卵として集団就職」してくる生徒たちが雇い主のところで「方言」丸出しで話すため、業務に支障があると言う事で、当時の文部省に圧力をかけ、雇い主のところでは「標準語」で話せるように教育して欲しいということからだったそうです。

秋田県や青森県で「方言撲滅運動」がひどかったようです。中央からの指令はそのまま聞く青森県では特にです。永田町青森出張所が青森県庁ですから、文部省の指示をそのまま実行したのでしょうね。(笑)

それから、放送メディアでは、下北弁も津軽弁も字幕が入らない程度のレベルで話すようでが、どうせ字幕が入るのであれば、そのままの津軽弁や下北弁で話すべきでしょうね。そこに土の香りや海の香りが色濃く反映されると思うのです。

方言は「卑しいもの」、「教養がない人が話すもの」、「レベルが低い常識がない人たちが話すもの」と定義して徹底的に標準語化する方向で教育された「私を含めた世代」は、今でも津軽弁を「卑しいもの」と思っています。その点から言えば「方言撲滅運動は大成功」であったわけです。

ですから、家庭で津軽弁が通じるのは家内だけで子供たちは、まったく理解してくれません。そういうふうに育てた私にも責任があります。でも、それを反省して津軽語(弁)のコーナーをホームページに作って自分が犯した罪を償っているのです。(^^;

しかし、津軽弁を話せなくても、聞けなくても(理解できなくても)生活していく上ではなんの支障もないのですから、子供たちは気にはしていないようです。でも、津軽衆のステータスとして「津軽弁」を話せれば生きて行く上で何かの役には立つのではないかと思うのですが・・・。 (2004年1月9日)
RE:からぽねやみ

地方の時代ですから、方言も地域の宝として見直されてきたのでしょうね。これからは、共通語(標準語)と津軽弁のバイリンガルでないといけません。それに外国語を話せれば万全でしょう。(笑)
最近の津軽の若い人たちは、津軽弁を話せない、共通語は下手、外国語はからっきしだめとなっておりますので、あなたは何人と言われております。

津軽衆なら津軽弁を話してみろ、日本人なら「共通語」を話してみろと教え子に言うのですがどれも駄目のかだぢ(形)です。(^^;

したはんで、津軽衆でもない、日本人らすぐね 中途半端な人間が増えできてすまってます。「からぽねやみ」なんだべさね。不精者、怠け者、骨惜しみして仕事をしない人のごとなんだばって、勉強もしたぐね、したばって卒業だばしてぇ! ってしゃべる人がよげになってしまってます。

「からぽね」やまねんで、勉強さながぁ! ってしゃんべるばって、ながながえぐえがねもんだぁ。

へば、大雪降ったはんで、ゆぎかぎすてくるじゃ! 弘前は例年にねぐおおゆぎで、もう、なげるどご ねぐなった。積雪:70cmぐれだべ、排雪してけねべがの。

(追伸)
「津軽弁かるた」1800円も発売されました。検索エンジンで調べて見るとわかります。では!
ドックフォールさん、おばんですぅ。いやいや、えんでねがぁ! フランス語と英語!
どぢも津軽弁が持っている発音があるはんで、上達もはえんでねが!(^^;

青森フォーラムだはんで、津軽弁で喋ってもだ〜んもクレームつけねびょん。

南部弁でも津軽弁でもえはんで、こごでかだってればえんでねがどもる。えふぎこがねんで喋ってれば、石川の啄木でねばって「停車場にそをきぎにえぐ」ってなるびょん。(笑)

1げつ31にづに藤崎文化センターで長谷川三玄会の津軽三味線を見に行ってきたばて、えがったなぁ!「は〜るになんればぁ すぅがまっことげで どじょっこだ〜の鮒っこだ〜の春がきたがど思うべな!」ってね。なんでも京都の清水寺で三味線演奏を奉納すたってはなすだ。

んでも、ワープロで津軽弁かだるってだんだねねぇ〜なぁ! へばのぉ!

(追伸)
津軽弁の「せ」は「へ」になるんだど! 「背中」はへなが
「ざ」は「じゃ」=ざわざわ ジャワジャワ
「さ」は「しゃ」=さっしね しゃっしね  さんじゃらっと しゃんじゃらっと
「せばのぉ」は「へばのぉ!」だべがぁ。(~~)
したばって降るなぁ・・・。

どへばこったにふるんだべがぁ・・・、ゆぎぁ(雪)しろさぎ(弘前)ばねらえうぢしだんでねがぁ?

毎日、毎日、まえにぢ 雪が空がらおぢでくるんだ。
「のつのつど」ゆぎぁ降る。
「しんしんと」雪が降る。
「どたどたど」ゆぎぁふる。
「さらさらど」ゆぎっこぁ降る。
「ぼたぼたど」雪が降ってくるんず。
「さんじゃらっと」ゆぎっこぁ積もるんだばえばってぇ・・・。
「どさっと」雪が積もって、もう70センツ(cm)だぁ!


なんぼ降ってもえばて、雪っこかだづげるどごねぐなってまたぁ! 運動不足解消だって喋っているうちぁえがったばって、いまさなれば、ゆぎかぎでおたてまるぅぁ。過労ってすんだべさのぉ・・・。

今日のへるま(昼間)のニュースで、「本日の積雪、弘前市70cm、青森市66cm、五所川原市56cm」って喋っておりました。したはんでどんだってよぉ、はえぐ排雪すてけれ! (2004年1月8日)
ぐだめぎ

親雪・・・、克雪・・・、遊雪・・・、利雪・・・ってしゃんべるばってぇ。毎日、雪ど格闘しているおらだぢにとっては、なんさもきがねセギの湯っこだぇ。

それよりか、そろそろ除雪でねぐ、ハイセツ(排雪)すてほすなぁ・・・。え(家)の側(そば)の150m先さ、市の排雪置き場があるんだばて、ほがの地域がらだばジャンジャンもってくるのに、家の付近の雪だば排雪すてけねんだねなぁ。

ぐだめぐ・・・? ん〜、ぐだめぎたぐねんだばって、家、角屋敷だはんでいだって除雪車がのったらど雪おいて行ぐんだねな。近ぐに流雪溝があるんだばって、はごんでえぐのが大変だすなぁ。一回、ふれけんど(広い道路)の流雪溝さスノーダンプでゆぎ捨てに行ったきゃ、その家のめの ふとにかって つらつぎさえだすなぁ・・・。(^^; 地域みんなのもんだのになぁ。

広い道路さばり流雪溝あっても無意味でねんだがぁ? えの周りのへめ(狭い)けんど(道路)ごそ、流雪溝いりようだんだね。ふれ(広い)どごさばり、流雪溝作って何の意味あるんだべの?

岩木川の川底ごと えんちてえねんで もうすこす市内のケンドごとくすぐってもらえねべが?

ぐだめぐ・・・、ぐだめぎ・・・。 ん! ごんぼほりだってがぁ。 んでねべぇさ。苦情ってすもんでねがぁ。
にぐ(肉)だばぁかえね

どうしてらぁ・・・。

べご(牛)のにぐぁ BSEでかえね。(牛肉はモーいやだ)

とり(鳥)のにぐぁ エンフルエンザで けね。(鶏肉は取りにくい)

こえ(鯉)の切り身っこぁ 鯉ヘルペスで けね。(鯉は減るべす)

まっこ(馬)のにぐだば(肉駄馬) けっとばして。「ま(馬)でまねなぁ」

ぶだ(豚)のにぐもトンづら(面)すて かね。「ブタがれるがも?」

ひつず(羊)のにぐだば 「メィ」やぐだ。「免用だべのぉ」

くま(熊)のにぐこも くまてまる。

ウサギ(兎)のにぐも まいねピョン、イノシシのにぐっこも家の煤でけね。

クズラ(鯨)のにぐだば めくずらだ。(目くじら立ててまで食べたくない)

別に肉が無くても生きてはいけます。牛丼が無くなるって騒いでいる人達の気持ちがわかりません。牛丼はあまり好きではありませんから・・・、まったく気にしませんよ!

こうなればぁ・・・、青物ばれ かねばまいねな!(^^;     2004/02/20