うねり

残置灯が月光に変わるとき
夢うつつ
現実と眠りの境界線で 歪んだ時間の海原を漂う

夢路の途
今日と明日の狭間で 歪んだ時間の海原をさまよう

やがて聞こえ始める海鳴りがカラダを包み
静まる鼓動と同期する時 波間に僕は揺れる

ゆっくりと押し寄せる波のうねりは
緩やかな振幅を保ち まるで忍び寄る生き物のよう
ゆったりと近づいた波のうねりは
僕の体を高く持ち上げ まるで巨大な揺りかごのよう

間もなく背中を通りすぎ
去って行く波のうねりは 揺らめく一枚の布
振り向けば 何事もなかったかのように
僕の存在などなかったように

夢一夜 この海の 遥か彼方に
あなたはいるのでしょう
今行くこのうねりに 伝えたい想いを乗せたなら
あなたの眠る海へと 届くのだろうか