天文台

1.

星の輝きは 過去のもの
遠ざかるほど 遠い昔の遺産

今見てるアンドロメダ銀河の光もまた
遙か230万光年の旅を終え

人が思い出にふける癖は
古代の時代から
星を見つめ続けたせいなのかもしれない

星に魅せられた世捨て人は夜に生き
人里離れ 今夜も星の光を拾っている

星の光は メッセージ
距離と時間を超えた 現代人への

今見ているおぼろな月の輝きでさえ
僅かながらも時間差を持って

天の川の向こうから
かすかに僕たちを呼ぶ声がする
それは未来からの声
それとも今は存在しない過去の声

星に魅せられた世捨て人は夜に生き
人里離れ 今夜も星の光を拾っている