星のかけら

1.

波の音を聞きながら
千倉の浜辺で見上げた夜空に
ペルセウス座流星群が降っていた

降り注ぐ流星は
流れては消え 輝いては消え

遠い夏の記憶 民宿にはまだ
潮風に揺れる風鈴の音が響いていた

2.

波の音を聞きながら
小さかった僕の頭上に
ペルセウス座流星群が降っていた

真っ黒なキャンバスの上を
細い筆が走るように

遠い夏の記憶 民宿にはまだ
蚊遣りブタから線香の煙が漂っていた

3.

今 僕は車椅子に座り
あの頃と同じ目線の高さから
ヘールボップ彗星を見てる

星に願いを 一筋の光に
星に願いを 青白く伸びた尾に

宇宙の広がりの中で
星のかけら 僕は ほんの一瞬を生きてる

天の川銀河の片隅で
星のかけら 僕は ほんの一瞬を生きてる