ブランコ

始まりは
ゆっくり背中を押してもらったこと
小さな身体に 風はやさしく語りかけてきた

新たな発見は
前方に両足を強く蹴りだしたこと
いつもと違う角度で 青空は僕を迎えた

決断は
鎖から手を離し 身体を投げ出したこと
大きな放物線を描き 僕は宙に体をあずけた

無人のブランコが揺れる 遠い日の風景
子供達のはしゃぐ声が 公園から走り去る頃
また小さな影が
空いたブランコに駆け寄り 座った

連綿と伝わる振り子が また揺れる