始まりは ゆっくり背中を押してもらったこと 小さな身体に 風はやさしく語りかけてきた
新たな発見は 前方に両足を強く蹴りだしたこと いつもと違う角度で 青空は僕を迎えた
決断は 鎖から手を離し 身体を投げ出したこと 大きな放物線を描き 僕は宙に体をあずけた
無人のブランコが揺れる 遠い日の風景 子供達のはしゃぐ声が 公園から走り去る頃 また小さな影が 空いたブランコに駆け寄り 座った
連綿と伝わる振り子が また揺れる