彼岸花(ヒガンバナ)


この花は、古くから曼珠沙華(マンジユシヤゲ)という名でも
知られていますが、曼珠沙華とは、梵語で赤い花、天上の華のことです。

彼岸の頃、田んぼのあぜや土手、道ばたに炎が燃えるように
咲きつらなるヒガンバナ。
幼い頃、墓参りにいった田舎の風景と咲き乱れるヒガンバナが
強烈な印象として幼い心に焼きつけられます。

かつて、万葉人は「いちしの花」という呼び名で、
この花を恋しい妻の面影に重ねた。

「いちしろく」とは、はっきりと、めだって、という意味です。

ちなみに、ヒガンバナは墓場にも多く生えていることから、
その色が逆にあだとなり、縁起の悪い花と忌み嫌う風習が各地にありました。

方言、地方名も多く、シビトバナ(死人花)、ジゴクバナ(地獄花)、
有毒植物であるためかシタマガリ(舌曲)という悪名も。

これは強烈な赤い色が血や地獄を連想させるうえに、
一目見たら忘れられない強い印象があるからと思われます。

いつも変わらずまっすぐに天に向かって茎を伸ばし、
この世のものとも思えぬ真紅の花を咲かせるヒガンバナ。
まさに彼岸の頃、郷愁のアルバムを彩る思い出の花であります。