野に繊細な花びらを震わせて楚々と咲く花で、形見草の別名でも知られています。
大和の国に、ある親子が住んでいました。 ナデシコをこよなく愛し庭一面に植えていたその子が、あるとき急に死んでしまいました。親は嘆き悲しみ、わが子の残したナデシコの花を形見としました。
それから形見草と呼ばれるようになったそうです。
「きてみればなき世の人のかたみ草いくたび我れは袖ぬらすらん」