「海色の朝」・レトロ


レースのカーテンに ちらっと射す光の数珠玉 ころがってころがって 誰もいないフロアに落ちた ひとびとが出かけ もぬけのからの部屋は 森閑として 林のようでもあり 海のようでもある すべてが心地よい波に まかされて揺れるようだ わたしは 冷たい水の蛇口を捻る そこからも朝が生まれてくる 一滴ずつ・・。 ひとびとが脱ぎ捨てた パジャマや こぼれたお菓子のクズまでが 海色の朝の中で コントラストを成している そう感じたわたしは 妙にうれしくなる ちっぽけな朝なのだが ゆだねていたくなる 夕暮れにシャワーを浴びたような オヨイダあとの やるせなさのような そんな感覚に こころが痺れていく

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