「海」・レトロ

海がわたしを産んだ
 
からだをいつも海がながれている
 
 
その感覚はひとにいだかれるより
心地がいいほどかもしれなかった
 
 
 
つめたいなつの海を
いくつもおよいで
 
わたしは生きていた
 
 
そこには憎しみも
怒りも
 
なにもない
 
 
あるのはーーー
 
茫洋としたなにかだ
 
 
海で生まれ
海で朽ち果てる
 
 
そんな最期なら贅沢だ
 
 
ふとそう思う


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