「素直な随想」・レトロ

 並木道
校舎は,緑映す雨にけむる
 
 
足を踏み入れれば
鳥肌が立つ
 
わたしは子どもなどイナケレバ
入らない
 
 
記憶は鮮やかだ
 
 
無口とからかわれたり
 
汚い雑巾の縫い目を
おんなのこのやルコトデスカ
ト、
鶏がらみたいな教師が怒鳴った
 
 
 
あのころは行き場が無かった
 
家には
ヒステリ−な母
 
校舎には
白眼視
 
 
嫌われたわけでもなく
はみ出したわけでもなく
 
ただ病弱で
イツモ
 
胸の中を
機関車がゼーゼー通りすぎた
 
 
げたばこに
子どもの合羽をシノバセル
 
桃色の小さな靴が
きちんと其処に居る。
 
 
子どもは
囚われの身だ
 
 
帰途に着く
 
雨が胸を刺す
 
ひとにはどうしても
よみがえる
モノクロームの過去があって
 
いまの自分がそうでなくとも
 
ふと影に気づくと
そらおそろしくナル。

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