「食時」

時間をむさぼっている
かすかな甘さと苦さを味わい
そして儚い歯ごたえを確かめながら

━いつから
この空腹感を感じていたのだろう
気が付くと
胸の底には
見覚えのある時計が
ころがっているばかりで
いくら時間を食べても
時計に絡みついた飢餓感は満たされない
どうすることも出来ないまま
時間をむさぼり続ける
そこには
少年期の満腹感は跡形もない
━目醒めるたびに
飢餓感は更に増殖してゆく


柴崎昭雄・詩作品


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