「ふと━━」

頬にてのひらを当てると
てのひらがあたたかく感じる
頬もあたたかく感じて
忘れていた想い出に
再会したようなぬくもりがある

耳朶に触れると
懐かしいやわらかさがある
幼児期に触れた弾力のある感触
失ったものを
偶然に見つけたようなやわらかさだ

記憶の器の中の
さがしものが続く



柴崎昭雄・詩作品


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