「青」

かもめが空に溶けてゆく
曇った空に溶けてゆく
そんなかもめを見上げる時は
一緒に時間も溶けてゆく
そんなひと時が心地よくて
しばらく浜辺の住人になる

晴れた空を
泳ぐように風に溶けてゆく
かもめを見つめていると
誰かに会いたくなってくる
そんな想いを空に浮かべて
浜辺に仰向けになる

かもめが空にぽっかりと
青い空にぽっかりと
取り残されたように浮いている
そんなかもめを見上げる時は
きっとやさしくなれそうで
無言で佇んでいる

青空を何処までも追いかける
青空に時間が溶けてゆく
だんだんかもめになってゆく


柴崎昭雄・詩作品


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