「 サロメ」・わに

世界という虚空を見つめて、粒子の君が永久(とわ)の眠りに就いている。
大きな雲に、灰色の傘が破れかぶれに踊っている。
山茶花の花に、秋の露濡れ真青な空の苦みを感じている。
騙す心の幾許かの優しさは、プロメテウスへの罪の如く。
偉大なる積み重ねは、強引なまでの量子性に呑み込まれる。
サバ読んだ年齢の嘘に、真実の愚かさが絶対的に君臨している。
闇へ帰れと君は呟き続ける。
哀しい愛は全てに注がれ、キリストの血もて購われる。
聖書を買え。
菩薩心の正しさは、金銭によっての仏塔建立によって示されている。
菩提寺を大切にせよ。
ただそれだけ。
病を忘れた太陽の熱よ。
月の蒼白な卵黄の色よ。
一日の渇を、死の眠りで覆ってくれ。
強引な天国世界の偽善。
逃げての胎内回帰。
サロメの接吻。


●作者へのご感想はこちらへ●


詩の投稿作品・1998年前半


詩の投稿作品


目次へ戻る