「波のように」・KISEKI

ぼくは終わりのない波
遠く離れた小さな島をえらんで
人知れずよせる波のように
雨の日は雨にとけこんで
島のみどりを彩るように
水に小枝を浮かべて運び
島を世界とつなげるように
自分の文法で  波は島に帰ってくる。
その度にかたちを変えて
島に一番似合う自分を探しながら。
時に波は荒々しく
浜辺で遊んだりもするが
それは深いところで高鳴る鼓動に
波が素直に従うからだ。
ひとの世界は円いから
遠い海の底にも  この高鳴りが響いて
また誰かの波を誘うように
小さく祈って  ぼくもあなたのもとへ帰る。


●作者へのご感想はこちらへ●


詩の投稿作品・1998年後半


詩の投稿作品


目次へ戻る