「小児科」・レトロ


ブロックは、陽射しの溶ける
チョコレートに見える
それを子供たちは崩したり、
積んだりを繰り返す

ノーと言われる空間にいないと、
こころが広広して、
言葉で言えない子供は、
奇声を発することになったりもする


おとなの持つ物差しは、
ここには無く、
キリンの形の黄色い
身長計と、
ちひろの絵がかかっている。

窓の光が、天からの贈り物みたいに、
このへやでは見える

熱の有る子供の母は、
柔らかい手で
子供をつつみ、

子供は、この上なく
安堵感の揺り篭に居る


からくりのある時計から、
ハトが飛び出せば、
憂いのある母親は、
突如として
少女になり、
すずらんの花みたいに微笑む。

あどけなくなる時間が
悪夢かのように、
感じることをもうやめたのだ


子供は、
ほぐれた糸みたいに、
母の身のこなしに
ほんとうの母性を見ぬいて、

後ろから背中を
抱きしめる

つくりかけのお城は、
ふたたび別の子が壊したけれど、

ハンカチで、
花を作ったりして
もう
忘れてしまう




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