「重み」・レトロ


腕の関節にずしんと
沁みるあなたの
重みよ
わたしから造られ
わたしから育ち
わたしからいつしか

離れてゆく重みよ


はみ出た足の
なんと
柔らかでちいさなことだろう


丸い爪の
恥じらい


この重みを
感じるために
意味の無いわたしの生が
意味を持ち得て


疎んじていた世界の
断片が
あの絶壁から
おちかけたわたしを
一枚の枯葉のごとく
繋ぎとめた


空は唸っている

風がコンパスになって
円陣をくむ
夜


重みが腰にひびく


そして
その重みを感じるたびに


わたしは
いつしか離れてゆく
子

という名の

かぎりなく透明な

かぎりなく広がる

無常を想う

汗ばんだねまきをあなたから剥がし

骨ばった重みに
洗い変えの
ねまきを着せる


子は

子として
こうしてだれも
重みを増しながら


いつしか

別の屋根の下に
眠る
その日まで


わたしは
この手に重みを覚えながら

子の
ねまきを
とりかえる




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