「追い討ち」・星粒


わたしは小さな兎になり
始終追いかけられている

被害妄想の渦中において
埋もれそうなのに
埋もれられない
中途半端な被害者

いいや
加害者

人の世において
人の世を厭う

小動物になろうと
その世を厭うだろう

追い討ちをかけられる
ゴールの見えぬ人生

うさぎと亀の物語が本当なら
きっとわたしは兎だ

いまさらに生き方を

変えようとは思わぬ。

被害妄想の渦中において

被害妄想は巨大化する。

けれどそれは
悪夢でもなく
正夢でもなく
感情が支配する世界だ。

わたしは追い討ちをかけられ慣れている

ほんとうは知っていた

呪縛をかけるのは
自分の中のわたしだ

だからそういうときは
見えないそぶりのできる
れっきとした大人にならなくては

いつまでもそれだけが出来ず
こうして
唇をかみ締めているのだ



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