「お暇な猫」・なっつ


お暇な猫のように
のらりくらりそろりはてな?
これはよくてあれはだめで
そんな世界人間の世界
つかれちゃったあきちゃった

お暇な猫のように
人の残したミルク飲んで
人の屋根を庭を道を
ずうずうしくも横切れば
空はひとりぽっちの快楽の
ピンク色の夕日よりも
朝日よりも
きれいな刹那色だよ


お暇な猫の棲家は
誰にもわからない
教会の白い階段
料理屋の駐車場
だれかさんちの犬小屋の影
海辺の壊れたボート

気ままな猫には気遣い無用よ
なんて一度でいいから
言って見たいなあ

お暇な猫のように
毛並みを秋色に変えて
どんぐりの光る丘へ
駆け抜けてみたいな
お暇な猫のように
そのへんの柔らかいくさはらに
寝そべってころがって
空にあかんべえしたいな


星は猫の目とおなじ
いつもなんとなく泣いているみたい
緑の丘が茶色くなって
やがてあたりは漆黒の闇

お暇な猫のように
首輪をみんな取っ払って
お暇な猫のように
尻尾をぴんと立てて


今宵も星空の綱渡りでございます

見物料は煮干の固まりと
おいしい物地図



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