「濡れた帽子」・星粒


あなたの黄色い毛糸の帽子を

洗濯機に放りこむ。
つばめ組のころから
通園にかぶっていた。


甘えていた朝の寒さを、
跳ね飛ばして

晩秋の風へとびこんでゆく
あなたの、

黄色いポンポンが

きらきらと揺れていた。


児童と、呼ばれるあなたは

はじめてのスケートに、

おっかなびっくり
しりもちをついたのだと言う

細いエッジを上手に立てて
歩いた
瞬間は、

はじめて歩いた
日の重ね塗り。

あなたの黄色い帽子を
そっと

空に干す時、

黄色いポンポンが揺れると、
いろいろなことを
おもいだすかもしれなかった



●作者へのご感想はこちらへ●


詩の投稿作品


目次へ戻る