「むさぼる眠り」・星粒


耳の奥の貝殻に、
びいだまのころがるような音色が届く
彼の指が
ふたたび、めざましをとめるときは、
トーストも硬くなり、
妻は買い物に出かけ、
こどもは通園バスに揺られていた、
怪獣の絵の描いてある・・。

彼は夕べのシャツを嗅いだ
そして
綺麗にたたまれたシャツを嗅いだ

花のような香に、
いちにちのはじまりがあたたまりだす

彼の会社は10時からで、
優雅なモーニングを
食べたかった

子供の描いた
怪獣の絵をそっと拾い上げ、
書き殴った色に、
子供の寂しさを思う

パジャマでいられる
やわらかな流れの中で、
彼は
眠っていたこころまで
しだいに色を変えるのを感じた

わざと音を立てて、
コーヒーをすすると、
顔にかかる湯気で、
やっと夢から覚めた




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