「母虎」・レトロ


あなたが小さな頭を埋めて
何か哀しかったことをふるわせては泣いた


真綿のように
すっぽりと抱かれたかったのだろう


そこで思いとどまる


わたしの中のもうひとりは
奈落の其処にわが子を突き落とす


優しさが甘い罪にかわって
蝕みたくない


獣たちのように
虎のように

心でわが子を突き落とす


そのたび
わたしの胸に赤い血が流れた


矛盾したこの現実と


わが子の涙


もうそれでいい
十分だろう


差し伸べる手も忘れてはならない


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