「水の音」・カテコール


細かい砂の混じった水が
行ったり来たりしている
その音が聞きたくて
夜を彷徨った

大きな木の側で佇んで
そっと触れてみたり
して

映し出されたのは
拡がる木の
細密な構造

下から上へ
ずっと ずっと
上まで

ひんやりとした
水が流れる

水泡の音

こんなにも冷たいのに
生きていて
ほっとする

細い
白骨のような

音


時を打つ闇に
耐え忍びながら

時間の海を渡ってきた
物静かな芸術


語りかけても
無言で
構造を露わにする

その指先から
かすんだ音が
響いたり
して


少しだけ
木の事がわかるような
そんな想いで
聴いてみたくなる




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