「街」・星粒


街にひとときの

銀のしずくが舞い降り

ひとはみなやさしいような
しんぱいそうな
そぶりで空をみあげる

とおりあめだから
薬局のビニール傘も
あまり売れないだろう


なつのあめのここちよさは
肌をうるおすきがして

だれもうらむひともない

石畳に

自転車に

横断歩道の白線に
テレビ局のアンテナに

少女の麦わらに


潤いが

ゆっくりとおりすぎ

のこされた

小さなしずくの鏡に

あらわれた街の全景が

にじみながらうつる

白いスカートの女の子が

少年の肩につかまり

はしゃぎながらわたる

その鏡の上を

雲は速度をあげて

たわむれてゆく



●作者へのご感想はこちらへ●


[詩の投稿作品・1999年6月〜7月詩の投稿作品トップへ戻る]