「空腹」・なっつ


掃除機のコードに足をからめて

金魚鉢をひっくりかえして

情けなくかがみこんで
雑巾で水を吸い取った

小雨がきそうだけれど
やはり湿気の悪魔にやられそうだから

ねずみ色の戸外へ
足を踏み入れた

それにしても空腹だ

断食でもあるまいに


ひとからみれば
小康状態の幸福


それにしても空腹だ

冷蔵庫にあるのは

買いすぎた野菜

クズクズクズ

くずのわたしは
野菜を腐らせ

わたしも腐りながら

贅肉はついて

それなのに空腹で

むしょうに
カレーパンなぞが食べたくなる

そんな昼間で

手を伸ばせばとどくこと

すべて

必要無くて

それにしても空腹だ

空腹

は

心までからにするが

時には良かろう


●作者へのご感想はこちらへ●


[詩の投稿作品・1999年6月〜7月詩の投稿作品トップへ戻る]